K・スペイシー&J・フォックスと「マブダチ」“ベイビー”アンセル・エルゴートからだだ漏れる「いい男感」【インタビュー】

2017.08.26
インタビュー

映画のインタビュー&取材漬けの日々是幸也

赤山恭子

アンセル・エルゴートがインタビューの部屋に入ってきた瞬間、室内がザワついた。現在公開中の主演作『ベイビー・ドライバー』で華麗なドライビング・テクニックを披露するクールさや、『きっと、星のせいじゃない。』で魅せた瑞々しさなどのイメージからはズレないまま、さらに成長して「いい男」な雰囲気を漂わせていたからだ。

スチール撮影での一挙手一投足に注がれる熱い視線を敏感に受け取ったアンセルは、「一体、何事(笑)?」と多少の困り顔を見せたが、状況を軽く説明されると、照れ笑いに変えて首を振った。ハリウッドの売れっ子ながら、まだまだ自然体であどけなさを隠さない姿が、さらなる魅力を押し上げる。本作で共演したケヴィン・スペイシーや、ジェイミー・フォックスという大物俳優たちにさえ「友達」として愛される、23歳、アンセル・エルゴートの魅力に迫った。

アンセル・エルゴート

エドガー・ライト

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――天才的なドライビング・センスを持っている“ベイビー”役でしたが、運転の特訓はしましたか?

僕の家では、父は運転が下手で、家族で一番運転がうまいのが母だったんです(笑)。だから、僕は母から運転を教わりました。普通の運転は好きだし、上手だったとは思いますけれど、『ベイビー・ドライバー』の場合はスタント・ドライビングが必要になるので、基本的に全部の動きができるような特訓はしました。スタントのドライバーさんが実際に動かしているけれども、あたかも僕が運転しているかのような形で撮っているシーンもあるので、論理上は練習したことにはなるかと思います。グリーンバックではあまり撮っていないので、基本的に実地でやっているんです。

ベイビー・ドライバー

――ベイビーは音楽によって覚醒します。アンセルさん自身もミュージシャンとして活躍していますが、ルーツと言える楽曲は何でしょうか?

自分を形作った曲は、実は劇中で使われているコモドアーズの「イージー」なんです! 8歳くらいのときに手にしたiPodの最初の曲が、実は「イージー」だったので、大好きで。

アンセル・エルゴート

――それはすごくうれしい偶然ですね。ほかにもベイビーとの共通項はありますか?

脚本の中でベイビーがビーツを作っていると書いてあったのを読んで、自分もまったく同じだから「わあ、すごいな!」と思いました。僕も高校のときから自分でビーツを作っていたんです。元々はエレクトロニック系だったけど、最近はPOPだったり、歌を歌ったり、作曲も続けています。

性格に関して言えば、ベイビーはすごく忠誠心がありますよね。例えば、デボラ(※ベイビーが恋をする相手)に対しては、何があっても彼女を守る想いがあったりして。自分の大切な人を、何があっても守りたいという気持ちは似ています。僕もベイビーと一緒で、決してアグレッシブなタイプではないし、喧嘩も自分から売るタイプではないけれども、自分の愛する人や家族が危ない目にあっていたら、やっぱり行動に出るだろうし、守りたいと思うタイプなので、彼の気持ちはすごく理解できるんです。

ベイビー・ドライバー

――とても素敵なところが似ていますね。

けど……、ベイビーはその名の通り、まだ“ベイビー”。つまり子供なんですよね(笑)。若い男子って、スーツを着たりして、早く大人っぽいことをしたいと思う人もいっぱいいると思う。だけど、僕は23歳でいられるのは今しかないと思っているから、「今」若い男子でいることを、すごく謳歌したいんです。「キッズのままでいいんだ、今は!」という感じで、楽しもうと思っています。もしかして、そういう意味での遊び心を持っているのが、ベイビーの役にぴったりだとエドガー・ライト監督が思った理由のひとつかもしれないですね。

アンセル・エルゴート

――本作では、ケヴィン・スペイシー、ジェイミー・フォックスなど重鎮たちに憶することなく、燦然と輝く姿が印象的でした。彼らから得たものや、現場でのエピソードをお聞かせください。

本当に彼らと親交できるなんて、夢が叶ったような感じでした!! 最初は、ちょっと緊張もしていて、「ああ……失敗しないようにしなきゃ」と思っていたんです。だけど、初めてリハーサルでお会いしたときから、もう全員がすっごく優しくて、すごく温かくサポートしてくださいました。

アンセル・エルゴート

――特にジェイミーとは俳優であり、ミュージシャンでもあるという共通点がありますよね?

そうなんです。ジェイミーはミュージシャンとしても素晴らしいから、僕は「ミュージシャンとして自分の曲を聴いてもらいたいな……もしも仲良くなれたら、撮影の最後のほうでちょっとだけ聴いてもらえたらいいな……」と思っていたんです。そうしたら、初日にジェイミーがいきなり「音楽やってるんだって? 一緒にやろうよ、聴かせてよ!」と言ってくれて、すぐに電話番号を交換することになって! しかも、すぐに家にも呼んでくれて……! (撮影地の)アトランタのジェイミーの家にバスケットコートがあったので、一緒にバスケをした後に、自分の音楽をプレイして聴いてもらえて、アドバイスまでしていただいて。超ベテランスターなのに、すごく素敵な方ですよね! 今はとても仲がいいんです。

アンセル・エルゴート

――予想以上の仲良しっぷりに驚いております(笑)。若い頃の自分に、「ジェイミーと仲よくなったよ」と教えてあげたら、どんな反応をすると思いますか?

(笑)! オーマイガー!!!!!

――(笑)。ケヴィンの印象も、ぜひお聞かせください。

ベイビー・ドライバー』の撮影に入る前に『Billionaire Boys Club(原題)』で、先にご一緒していました。ケヴィンは、ある種、僕のメンター的な人でもあるんです。真の友情を育むことができて、本当に……ハァ(感極まったため息)、信じられないですよね……! いまだにどこかで一緒になると、「飲もうよ」、「遊ぼうよ」という話になりますし、今朝もケヴィンとはSNSでやり取りをしていたんです。(取材・文:赤山恭子、写真:市川沙希)

アンセル・エルゴート

ベイビー・ドライバー』は大ヒット上映中。

ベイビー・ドライバー

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  • まさき
    3.9
    強盗を車で逃す専門ドライバー"ゲッタウェイ"の青年の、犯罪から足を洗いたいけれどなかなか抜け出せない苦悩を描いた、カーアクション映画。なかなかの良作。 始まりから終わりまでほぼ音楽が鳴りっぱなしで、ずっとミュージックビデオを見てる気分になる。とは言え、物語もしっかりしていて分かりやすくシンプルで面白い。そして、なにより超絶テクニックの運転は見応え充分。 主人公の発車したらほぼ勝ち確の超絶運転技術は最近のヒーローの路線にも合ってると思った。逆に必ず先回りしてくる警察もかなりスゴい気がするけど 笑。 強盗団を束ねるケヴィンスペイシーの役所も単なる犯罪者のボスではなく、意外な一面を見せて面白かったし、他のメンツも皆んなキャラが立ってる。 あと余談だけど、映画『ザ・ドライバー(1978)』のウォルター・ヒルが出てる。本作が気に入った人はザ・ドライバーも観ると良いだろう。
  • 中村孔大
    4.2
    また観る。ミュージカル。
  • さわむぅ
    4.4
    まさにカーチェイス版の『ララランド』。 映像の爽快感と音楽が最高。 上映館が少ないのが惜しい!
  • ayane
    3.7
    音楽がずっと映画を引っ張ってた
  • 小森
    5.0
    これは面白かった!!!! ほぼ全編ご機嫌な音楽に合わせてアクションが展開される、ご機嫌アクション映画。 全てのキャラクターが魅力的でおれはジェイミーフォックスでさえ愛おしかったんだけど、多分それは、それぞれのキャラクターが落とし前をつけるからだと思った。それはベイビーもやったことの落とし前を彼なりにするからこそ、彼の逃走も恋も応援出来たんだと思う。 デモリッションダービー的なアクションまであって、車で出来ること全てやってやるという気概も最高!!
「ベイビー・ドライバー」
のレビュー(15629件)