自堕落女子が命がけで挑む恋とボクシング!アカデミー賞外国語映画賞日本代表『百円の恋』

2017.10.17
邦画

映画観て、絵描いて、ハイッ!

フクイヒロシ

32歳、ニート、恋愛経験ゼロの女性“一子(いちこ)”が初めての恋とボクシングに命がけで挑む映画が百円の恋(2014年)。主演の安藤サクラはこの年の主演女優賞を総ナメに(日本アカデミー賞さえも! 本人もビックリ!)しました。

一子は、実家の弁当屋を手伝うわけでもなく、スウェットのまま甥っ子とテレビゲームをして、コンビニに夜食を買いに行って、妹とケンカして頭からケチャップをかけられるような日々を送っています。

しかし、ある出来事をきっかけに一子は生まれ変わります。ボヨボヨだった怠け者体型があっというまに引き締まったボクシング体型に!(撮影期間2週間で実際に減量……)「人間ってすごい…(というか安藤サクラってすごい)」と思わせるほどのトランスフォーマーっぷりです。

今回は、貞子、伽椰子と並ぶ(?)驚異の女性キャラクター“一子”を紹介します。どうぞ!

1. 一子の生態

1

一子の過去については細かく説明されません。ただ、妹の「女捨ててるんじゃなくて、捨てられないんでしょ」というセリフで「な、なるほど……」と理解することができます。この時期の一子の自堕落っぷりは“干物女”どころの騒ぎではありません。

2. ダメなのは自分だけじゃない

2

母から自立を促されて家を出て、百円均一のコンビニバイトを始める一子。メンタル弱めの店長や本物のゲス男や廃棄弁当を狙う根岸季衣などと交流するうちに「そんなにキチンとしてなくても社会って生きていけるのかも」と思ったことでしょう。

3. バナナマンとの出会い

3

そのコンビニでいつもバナナを大量に買っていくのがバナナマンこと新井浩文。中年のプロボクサーでありストイックな彼の姿に一子は惹かれていきます。

4. 不器用な2人の恋のようなもの

4

2人は惹かれあって恋のような関係になりますが、お互い不器用すぎてすぐに壊れてしまいます。ほかにもいろんな事件が起きて……。さぁ、ここから一子の覚醒です。

5. 「百円の価値しかない女なんで!」

5

いろんなことから目を逸らしてきた一子ですが、初めて他人と関わることで逆に自分を見つめることができるようになったのです。そこで出会ったボクシング。自分と向き合うという意味ではボクシングというスポーツは一番かもしれません。

撮影日数2週間のうち、太っている期間を最初の4日で撮影して、10日かけて肉体改造して、最終日に試合のシーンを撮ったそうです(試合のシーンは映画の中では10分ですが、20時間かけて撮影したとのこと)。肉体の変化も感動ものですが、表情やオーラだって全く違います。肉体だけじゃない安藤サクラの演技が素晴らしいです。

一子の勇姿と中年ボクサーとの恋がどういう結末を迎えるのか、ぜひご覧くださいね。

そして次は総合格闘技! 映画『リングサイド・ストーリー』

この『百円の恋』武正晴監督の3年ぶりの新作は総合格闘技をテーマにしたリングサイド・ストーリー(公開中)。佐藤江梨子瑛太を主演に迎えた、映画界では貴重な“オリジナルストーリー”です。

不完全で愛らしい人々が困難に立ち向かう姿は観る人の心を少し励ましてくれます。ぜひ劇場へ足を運びましょう!

【あわせて読みたい】
 菅田将暉の演技の幅の広さハンパないやん!コメディセンスが最高な『セトウツミ』
 『民生ボーイと狂わせガール』で恋に溺れる愚かな男を演じる妻夫木聡が目撃した愚かな人間たち
 大ヒット間違いなし!『散歩する侵略者』黒沢清監督のあの“ダークファンタジー”を復習しようよ!
 史上最強の女スパイ誕生。シャーリーズ・セロンが挑む7分半のノーカットアクションに瞬きすら忘れる!『アトミック・ブロンド』
 政府を影で動かす“ロビイスト”の逆転に次ぐ逆転劇を圧倒的スリルで描き、したたかに先を読むヒロインに魅せられる『女神の見えざる手』

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • ままま
    2.9
    新井浩文がかっくい〜強い女はもっとかっこいい
  • kimnorah
    3.8
    ジワジワと面白い作品。安藤サクラって凄い女優だ。
  • ASA
    3.8
    2017.11.19日 ☀︎
  • えりりん
    -
    新座の図書館で鑑賞。主人公、口では上手く自分の気持ちを外に出せない、けれど全体を通して目で抵抗してる。気持ちは世界に負けてないというのを伝えるのが上手かった。ものすごく情けない生き様なんだけど、最後は応援してしまう魅力があった。この映画に出てくる人は皆不器用な気もする。皆言葉では上手く気持ちを伝えられない。一日中考えていられるまで熱中すると人は変わるものだよね。
  • 稲生賢哉
    -
    劇中で変わり続ける安藤サクラの名演については言うまでもないが足立脚本としては十四の夜の方が断然上 いちいち過剰すぎる演出は不器用な主人公と波長が合ってる、ということでしょうか。ともかく過剰演出が苦手でした
「百円の恋」
のレビュー(25768件)