祝!アカデミー賞6部門ノミネート!“驚愕の実話”が映画賞レースを席巻!夢を信じた父と家族の絆を描く映画『ドリームプラン』

押しも押されもせぬトップスター、ウィル・スミス。日本でも高い人気を誇る彼が製作・主演した“本当に作りたかった”映画が、いま各国の映画賞を席巻している。世界最強のテニスプレイヤー姉妹とその父を描いた『ドリームプラン』(2月23日公開)だ。

決して裕福ではなく、練習場もなく、プロコーチもいない。完全なる逆境で、家族はどうやって“ドリームプラン(夢の計画)”を実現したのか? その背景には、父の不屈の信念と決して揺るがぬ家族の絆があった――。FILMAGAでは、この感動の実話の魅力を、4つのポイントに分けて解説する。

世界の賞レースを沸かせるウィル・スミスの名演!
世界チャンピオンの姉妹を育てた“ドリームプラン(夢の計画)”とは?

映画業界&ファンから熱視線を浴びる『ドリームプラン』。本年度の第79回ゴールデングローブ賞では、ウィル・スミスが見事主演男優賞(ドラマ部門)を獲得! 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のベネディクト・カンバーバッチ、『マクベス』のデンゼル・ワシントンといった強敵を下しての受賞となった。さらに、第94回アカデミー賞でも、『ALI アリ』(01)、『幸せのちから』(06)に続いて、【主演男優賞】で自身3度目となるオスカーノミネーションを果たし、勢いをそのままに受賞も期待がかかる。

ウィル・スミスの名演が観られるというだけでも必見だが、さらに驚くのは本作が実話ということ。テニス未経験のリチャード(ウィル・スミス)がつくった、世界チャンピオンを育てるための78ページにも及ぶ「計画書=ドリームプラン」には、一流選手を生み出すための目からうろこのロードマップに加え、「無料のものに手を出すな。すべて裏がある」など、人生にも生かせる名言がズラリ。

また、「自慢してはいけない。謙虚さを学べ」など、選手としてではなく娘たちを一人前の人間に育て上げようとするリチャードの愛も重要なピース。世界最強のプレイヤーと称されるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を、ゼロから育て上げた父子の絆にグッとくる。

『プランにしくじるのは、しくじるプランだから』
破天荒で家族想いの父親、リチャード・ウィリアムズの人物像

ドリームプラン』の大きな魅力は、ウィル・スミス扮するリチャード・ウィリアムズの魅力的な人物像。彼が家族と暮らすのは、アメリカ・ロサンゼルスのコンプトン。治安は決して良くはなく、凶悪事件は日常茶飯事。ギャングがはびこるエリアの公営テニスコートを“ホーム”に、時に命の危険にさらされながらも自身の計画書を信じ、娘たちを導くリチャード。

周囲にどれだけ反対されても意志を貫き、ギャングに銃を突きつけられても一歩も引かず、テニスのトッププレイヤーにも堂々と接する彼の折れない姿はそれだけで頼もしいが、その胸の奥に隠された思いを知るとき、観客は心を動かさずにはいられないだろう。差別や迫害を受け、貧困の中でなんとか這い上がってきた過去を持つリチャードは、娘たちには絶対に同じ経験をさせたくないと考えていた。

そのため「教育がなければ18歳で燃え尽きる」という信条の下、テニスだけでなく勉学も決しておろそかにさせないのがリチャード流。テニスの才能をめきめきと発揮し、一流プレイヤーへと駆け上がっていく娘たちを食い物にしようとするメディアに「相手が14歳だということを理解しろ。子どものままでいさせてやれ」と食って掛かるシーンなど、一見破天荒な父親だが、常に娘の将来を一番に考えて“親として最善を尽くす”愛情深い姿が沁みる。

“レトロ可愛い”当時をリアルに再現!
こだわり抜いたファッションや試合風景にも注目

事実を過度に美化・脚色した作品ではなく、リアルに突き詰めているところも本作の大きな魅力。ビーナスとセリーナ本人に加え、2人の実の姉であるイシャ・プライスが製作総指揮に名を連ねており、とにかく“本物感”にこだわり続けた。

彼女たちが実際に使用していた車を用意したほか、ファッションも当時のものに限りなく近づけている。『Ray/レイ』(04)、『ドリームガールズ』(06)でアカデミー賞衣装デザイン賞に2度ノミネートされているシャレン・デイビスは、当時のファッション界は数年ごとに大きく変化して衣服は長持ちするようなものではなかったため、自分たちで生地を調達し、細部までこだわって90年代にタイムスリップしたかのように見せた。

昨今の90年代〜00年代ファッションリバイバルによって当時のデザインが再熱している今、 “レトロ可愛い”ファッションにも注目したい。ポップな色使いやスポーティーでカジュアルな装いは、テニスを扱う本作がまさにお手本だ。ローライズのジーンズや、七分丈にヘルシーな肌見せなど、思わず真似したくなるレトロ可愛い装いも、本作で楽しめるポイントの一つ。

さらに、ビーナスとセリーナはキャストのトレーニングにも助言をしたりと、ビーナスがプロとして初出場した試合などでは伝説のテニスシーンをみごと完全再現した。細部にわたって臨場感にあふれる本作は、どこを切っても見ごたえ十分。また、エンディングテーマは世界の歌姫ビヨンセが本作の為に書き下ろした新曲「Be Alive From KING RICHARD」。セリーナの大ファンであり親交も深い彼女にしか成し得なかったエモーショナルな楽曲がエンドロールを彩っている。

世界の各有力紙からも絶賛の嵐!
全米批評家サイト“Rotten Tomatoes”でオーディエンススコア98%獲得

プロデューサーとしても実績を誇るウィル・スミスだが、彼の俳優としての存在感を各有力紙が絶賛!全米最大の批評サイト「Rotten Tomatoes」で高得点をたたき出し、「ウィル・スミスはアカデミー賞確実!」などの絶賛レビューが続出。現時点で29もの映画賞を獲得し世界の賞レースを席巻していることからも、ウィル・スミスの実力の高さが裏付けられている。

ウィル・スミスはリチャードを演じるにあたり、実娘ウィローとの関係を生かしたそうで、リアルで力強い演技が各方面から厚く支持されている。また、ウィルだけでなく、母親役を演じたアーンジャニュー・エリスはじめ、他キャストの演技も高評価を受けており、今後ますます絶賛の声は増えていくことだろう。観る者の心をとらえて離さない感動の実話を、ぜひ映画館で体験いただきたい。

◆『ドリームプラン』information

あらすじ:2人の娘を世界最強のテニスプレイヤーに育てる夢を持つ破天荒な父親リチャード。テニス未経験の彼は、姉妹が生まれる前から常識破りの「計画=ドリームプラン」独学で作成していた。その無謀なプランと娘の可能性を信じ続けた父は、どうやって2人の世界チャンピオンを誕生させたのか?

上映時間:144分
公開日:2月23日(水・祝)全国公開
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/dreamplan/index.html
(C) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS

  • 安藤達彦
    3.9
    父親の考え方や行動力にも感心するが、それを支えている母親の存在があってこそだと思う。 母が父親にはっきりものを言いながらも、娘のためにとわかっているからともに支えてくれる。そこが素晴らしい。 最後に父親が担いだバッグを自分で持つというところが、これからは自分の力で一歩踏み出す感じがしてとても良かった。
  • 3.8
    2024年 19本目 ファミリーストーリー
  • えしゃろ
    3.4
    観ていて何だか賛同できないなぁ〜ちょっと違和感だな〜だから自分は庶民なのか笑
  • ユミコパス
    3.8
    預言者なのかと思うくらい父の安定感。 何があってもブレない自信と不安のなさが潔さすきて… 結果を出す前の外野は、これに関してめっちゃ叩いてたみたいだけど…外野にいる奴らは短略的で無関心なくせに荒らしたがるんだよな。だる。。 自分や家族のことに全集中の父素晴らしいよ。、こんなに肯定してくれる人が近くにいたら強いだろうなあ。 プレーにおいて自分のマインドを上に持ってくのってすごい大事だしね。。てか何においてもだよね。、 自己肯定感げき低のわたしは生きるのしんどいよ〜 (ドリームプランてどっかの悪徳会社の名前でありそう…) 途中で流れてた曲に カジノのコインは終わってから数えろみたいな歌詞が良かった(中二)
  • yuki
    -
    映画観てるのに映画観てるみたいな感覚になる。それほどの偉業。80年代のテニスシーンを学べて有意義。ずっと面白くて2時間半に感じないほどだった。
ドリームプラン
のレビュー(14266件)