ゴジラがまたもや世界を席巻!その原点である初代『ゴジラ』を知る大事な4つのポイント!

2017.11.26
邦画

映画観て、絵描いて、ハイッ!

フクイヒロシ

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ゴジラシリーズ初の長編アニメーション映画GODZILLA 怪獣惑星が11月17日に公開されました。2019年の公開予定のハリウッド製ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ(原題)ではモスラ、ラドン、キングギドラと戦い、その後にはご存知の通りキングコングとの戦いも控えています。ゴジラが再び地球を席巻し始めているのです。

このゴジラブームの始まりはもちろんゴジラ』(1954)です! しかもゴジラの世界観がこの一作目ですでに完成していることに驚きです。

では、終戦からたった9年後に製作された(制作期間もたった半年)社会派恐怖映画『ゴジラを紹介しますよ!

1. 原爆、戦争の象徴としてのゴジラ

まずオープニング。海上で閃光が走って貨物船が燃えるシーンはまさに原爆と第五福竜丸のイメージです。戦後も何度となく核実験や水爆実験は行われ、ビキニ環礁水爆実験では第五福竜丸が被曝。

ゴジラは白亜紀頃から静かに海中で暮らしていましたが、水爆のせいで安住の地を追われ、仕方なく地上に現れました。被爆地の島民は実際に故郷を追われました。ゴジラによって焦土と化した東京の姿は東京大空襲を呼び起こしたでしょう。また、被爆した子供にガイガーカウンター(放射能測定器)を当てるシーンは3.11の原発事故を経験した現代人にとっても心が痛みます。

シン・ゴジラでは死の描写を敢えて避けていましたが、ゴジラ』では閃光で焼け死ぬ人々や実況中継しながら殺される撮影クルーなど、名もない人の死にゆく姿を映してメッセージ性を強調しています。

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2. 複雑な人間ドラマ

単なる怪獣活躍映画にならなかったのは、リアルな人物描写があるからですゴジラによって大災害が起こっているのに「ゴジラを殺すな!」と言う古生物学者、ゴジラを殺す兵器を持っているけど使えない科学者、ただまっすぐに「今すぐゴジラを殺せ!」と繰り返す青年、そして感動のラストへと導く美女。しっかりとした人間ドラマがあるからこそ、ゴジラにも感情移入ができて「ゴジラかわいそう」という気持ちを起こさせることに成功しています。

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3. ゴジラを倒す唯一の兵器「オキシジェン・デストロイヤー」

このオキシジェン・デストロイヤー」というかっこいいネーミングの球体は、科学者・芹沢が1人で開発したあらゆる生物を液状化する」という超怖い兵器です。本気出せば東京湾の生物全部殺せるそうですよ。芹沢はこれがゴジラを殺す唯一の手段だと確信していますが、これが世界に知れたら大量破壊兵器として原爆同様に世界を脅かす存在になると危惧して使えないでいます。

しかし、ゴジラにより被害者は増えるばかり……。芹沢の下す決断とは……。

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4. 監督・本多猪四郎!

監督の本多猪四郎は一般的に認知度が高いとは言えないでしょう。ちなみに“ほんだいしろう”とお読みします。日本よりも海外での評価が先行しており、ギレルモ・デル・トロの『パシフィック・リム』のエンドクレジットには「この映画をモンスターマスター、レイ・ハリーハウゼンと本多猪四郎に捧ぐ」と献辞が書かれています。また、ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』​渡辺謙演じる科学者の名前は芹沢 猪四郎マーティン・スコセッシティム・バートン本多監督を敬愛しています。

2017年10月にはアメリカ人ライターによって書かれたISHIRO HONDA A LIFE IN FILM, FROM GODZILLA TO KUROSAWA』が刊行されました。

ゴジラを単なる現実離れした娯楽映画ではなく、本当に怪獣を目の当たりにした人間をリアリズムを持って演出した本多猪四郎ゴジラブームの再来によって彼の偉業が再評価されることでしょう。

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  • 4.2
    こんな奴いるのかと思われそうですが、ゴジラシリーズ初鑑賞です(アメリカのは観たことありますよ) 音楽最高!脚本最高! オープニングから重低音響いてて最高でした。恐怖心をうまく引き出されました しっかり怖かったのは、この音楽と一般の人々の視線や言動が素晴らしかったから。テレビのリポーター、大戸村の人々などなど実際こんな感じになりそうだなあと思いました。逃げ惑う人々の足元が何度も映ったのが印象的。ゴジラに出会うまでの何気ない会話とゴジラが去った後の惨状が色濃く描かれているので、過酷な状況に現実味がありました。 序盤の国会のやり取りも良かった。科学と政治の対話とかかなり考えさせられました。 あと全然関係ないですが、えみこさんって凛として美しい方だなと思いました
  • tnj
    2.8
    日本が産んだ超有名怪獣映画と言ったらゴジラ! 1954年版の今作品はまだ映像がモノクロ!ゴジラの顔や造形など、最近のシン・ゴジラと比較してみると、どことなく弱々しく感じましたねw
  • 桜花
    -
    暴れるゴジラよりもドラマを重視の全力反核映画。 ヒロインの演技に違和感。
  • 鋼鉄隊長
    4.9
    塚口サンサン劇場にて鑑賞。 【あらすじ】 ある日、貨物船栄光丸が原因不明の沈没事故を起こす。生存者を救出した大戸島では、長老が伝説の怪獣「呉爾羅」の仕業だと語る…。 言わずと知れた、怪獣映画の金字塔にして戦後日本特撮の原点。 この作品が数多の怪獣映画の中で異彩を放っているのは、ドラマと特撮が共にいつまでも色あせない一級品であるからだと思う。 まずはドラマ部分。『ゴジラ』のドラマ部分は自衛隊の交戦よりも市民の様子に尺が割かれている。派手な戦闘で無く恐怖に怯える人々を中心に描くことでゴジラの恐ろしさを表現しているのだ。特に大戸島の尾根からゴジラが首をもたげて姿を現す場面では、人々の怯える様子が丁寧に表現されており、バラバラに逃げながらも人々の視線がゴジラに一致しているのが面白い。そして本多監督の作風でもある、警官は警官の仕事を、科学者は科学者の仕事をひた向きにこなすといった「実直な人物描写」が印象的に観られる。その最たる例は、テレビ塔の上で決死の実況中継を行うアナウンサー(橘正晃)だろう。怪獣を前にして十人十色の言動を見せることで、上質なパニック映画に仕立てあげている。 次に特撮について。ゴジラの破壊描写は二段階に区別することができる。高圧電線による防衛線をゴジラが突破するまでは、ゴジラの攻撃は白熱光が中心。白熱光を受けて水飴のようにドロドロに融け落ちる送電線の様はとても美しい。しかし、鳥籠を手前にしてゴジラが映るショットが挿入されてからはゴジラは恐怖の大破壊を繰り広げる。松坂屋を叩き壊し、国会議事堂を粉砕、勝鬨橋をひっくり返して東京を焦土に変える。段階的に破壊の様子が変わったことは、鳥籠から解き放たれることでゴジラが「恐怖の大王」という真の姿を見せたとも考えられる。 このようにドラマと特撮が互いを高めあっているからこそ『ゴジラ』は怪獣映画の最高峰になったのである。これは偏に本多猪四郎監督と特撮の神様円谷英二の演出が見事に組合わさったからに他ならない。 数えきれないほどDVDで観た作品だが、リバイバル上映を観たのは今回が初めて。こんな素晴らしい作品を劇場で観ることができて本当に良かった。塚口サンサン劇場さん、ありがとうございました! (余談:『ゴジラ』をより楽しむには) 現在、ニコニコ動画にて「恐竜で見る特撮の歴史」という、世界の特撮史を簡単に楽しむことが出来る動画が公開されています。こちらの動画を観れば、『ゴジラ』の特撮がどれほど優れているのかが一目でわかると思います。 とても素晴らしい動画だったので紹介しておきます。
  • dita
    4.5
    @塚口サンサン劇場 人生でゴジラシリーズを一度も観たことなかったけど、めっっっっちゃ面白かった!今さらわたしが何を言うまでもないけど、怪獣映画としてもパニック映画としても素晴らしいし、何よりとんでもない社会派作品なんやね。初体験がコレでよかったありがとうサンサン! そして志村喬はやっぱりもう老けてた!←旧作邦画の定型文
「ゴジラ」
のレビュー(4212件)