猫だってこんな名演技ができるんだ!人間にさえできない難役をこなす『媚薬』のシャム猫さん

2018.01.12
映画

猫好き舞台俳優

亀島一徳

はじめまして。舞台俳優をやっております亀島一徳と申します。猫が大好き。そのため、映画を観るときも気づけば猫に注目してしまいます。
そんな無類の猫好きの僕が紹介するのは、映画の中に出てくる猫さんです。
一度は観たことのある作品でも、猫に注目することでまた違った良さが見えてくるかもしれませんよ。

猫映画としても楽しめるファンタジーラブロマンスの傑作『媚薬』

今回ご紹介する猫さんは、宝石のようなブルーの瞳が妖しく、艶やかな気品溢れるシャム猫さんです。シャム猫は、一見するとヒマラヤンと似ていますが、ヒマラヤンと比べるともふもふ感が少なめで、シャープな印象です。

ネコ

クールな妖艶さをたたえたシャム猫さんの、俳優としての持ち味を存分に味わうことができるのがリチャード・クワイン監督の『媚薬』(58)。この作品においてシャム猫さん、とうてい人間の俳優には不可能な難役をこなしております。

媚薬

恋の魔法とその先の物語

ニューヨークで美術工芸品を売る店を経営しているギリアン(キム・ノヴァク)は、魔女であることを隠し、魔女として生きることにうんざりしながら、普通の生活に憧れている。階上に住むシェパード(ジェームズ・スチュアート)に好意を持っているものの、魔女は人を愛することができない。もしも人を愛してしまったら魔力を失い、ただの人間になるという。ある日シェパードが別の女性と結婚すると知ったギリアンは、飼い猫のパイワケットを使って彼に魔法をかける。たちまち彼は心変わりをして、ギリアンと恋に落ちる。しかし、幸せな時間は長くは続かず……。

シャム猫と美女。僕みたいに超自然的な感覚がまったくない人間でも、なんだか魔力を感じてしまう組み合わせです。この二つが合わさって、媚薬の魔法をかけていきます。そうなったら最後、彼女のことばかり考えて仕事も手につかないし、彼女と一晩中語り合い、いつのまにやら屋上で抱き合っているなんてことも。死ぬまでやってろと言いたくなりますが、胸に手を当てて思い返してみると、そうも言っていられない人も多いのではないでしょうか。恋に落ちた誰しもが経験する熱に浮かされた魔法のような時間と、それが解けた先のお話です。

ペット兼アイテムという難しい役どころ

この作品において猫さんは、いわゆるペットの猫としてのお飾り的な出演ではなく、魔法が発動するために必要なアイテムとしての役割を果たしています。ペットとして自由に動き回ることにより物語を駆動させながら、魔力を秘めたアイテムでもある。役割としては、アニメに登場する意思や感情をもって自在に動き回る魔法の箒などに近いかもしれません。この役割をなかなか人間の俳優が演じるのは難しいでしょう。まさに、ミステリアスな雰囲気で魔力すら漂わせるシャム猫さんだからこそこなせる難役です。

猫さん特有のキャラクターを存分に生かした、至高の猫映画となっております。猫好きの方には是非観ていただきたい作品です!

猫好き必見のラブコメディ『ミート・ザ・ペアレンツ』で猫に溺れる!!

さて、今回ご紹介する猫さんは長い毛足でもっふもっふ、ブルーの瞳を持つヒマラヤンです。

目つむりヒマラヤン

ヒマラヤ猫さんの大活躍を味わえるのがこの映画、『ミート・ザ・ペアレンツ』です。猫さんの役どころとしましては、ジンクスという名の飼い猫です。めちゃくちゃ可愛いことはもちろんですが、複雑なアクションをこなし、物語を駆動させていきます。

ミート・ザ・ペアレンツ

恐怖体験!彼女の実家で大失態!!猫が引っ張るドタバタコメディ

グレッグ(ベン・スティラー)は、パム(テリー・ポロ)との結婚を許してもらうため、彼女の実家に向かいます。パムの父ジャック(ロバート・デ・ニーロ)に気に入られようと、あれこれ奮闘するグレッグですが、なにをやっても失敗ばかり。あれよという間に、取り返しのつかない事態になってしまって……。

この展開で大きな役割を担っているのが、パムの実家で飼われている猫のジンクス。ジンクスとはこれまたコメディーらしい因果な名前で、日本では良い意味でも使われたりしますが、アメリカでは完全に縁起の悪いことに使われます。そこで猫さん、名前通り、与えられた役割をしっかりと果たしております!

稀代の演技派猫さん!堪能あれ!!

いうても猫だし、頭のいい犬ならまだしも、どうせやれることなんて限られているだろうとお思いの方もいらっしゃるかと。しかしこの映画、猫のしつけ(訓練)という観点からみても、目を見張るものがあります。

例えば、挨拶しなさいと言われれば手を振り挨拶をする。エサをくわえたデニーロに駆け寄り、口移しでエサを食べるなどの芸をさらっとやってのけます。さらに特筆すべきは猫さんの顔です。遺灰の上でおしっこをしている(とんでもない状況ですが……)時など最高です。「えっ、どうかしましたか?」とでも言いたげな表情。コメディーを演じるのに必要な品といいますか、ひょうひょうとした佇まいです。

あとは、彼女の実家であるにも関わらず朝寝坊しているグレッグを、デニーロと共に起こしに来た時の怪訝そうな表情も絶妙です。グレッグを見つめるまなざしがデニーロとそっくりで、ちゃんと対をなしています。ダイナミックなアクションもこなし、繊細な表情の演技で魅せるこの猫さん、名優デニーロの相手役に不足ない演技派猫さんと言えるでしょう。

表情が素晴らしいので、必然的に猫さんの寄りも多くなっております。そのためより一層、猫さんの可愛らしさを存分に味わえて、猫好きにはたまらない作品に仕上がっております!

猫好きな方はもちろん、「わたしは犬派」という方にも一度は注目して観ていただけたら幸いです。

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