【ネタバレ注意】クセのあるラブストーリーにほど女は惹かれてしまう…「歪んだ愛」が似合うオトコたち

2018.01.28
映画

腐女子目線で映画をフィーチャーしてみる。

阿刀ゼルダ

皆さんはラブストーリーというとどんな映画を思い浮かべますか?
愛を描いた映画は星の数ほど、描かれる愛のカタチも作品の数だけあります。

中には禁断の愛、略奪愛、SM愛、愛憎半ばするせめぎ愛……そんないびつな愛を描いた作品も。
こんなカタチの愛もあるのか……と気づかされた瞬間の痺れるような衝撃・感動には、強い中毒性がある気がします。

女性がどうしようもなく引き込まれてしまう歪んだ愛の形。今日は、そんな「歪んだ愛」が似合うオトコたちを紹介します。

(以下はネタバレを含みますのでご注意ください。)

マイケル・ファスベンダー:いびつな葛藤を男の色気に変えるオーラ

『アサシン クリード』や「X-MEN」シリーズなどアクション大作でも映える完璧な肉体の持ち主である一方、スーツに着替えれば知的で隙のないエリート役も似合うマイケル・ファスベンダーのクールな容姿は、屈折した愛の物語にもひときわ映えます。

例えば、デヴィッド・クローネンバーグ監督作『危険なメソッド』。

危険なメソッド

この作品でマイケルが演じたのは、分析心理学の創始者カール・グスタフ・ユング役。
妻帯者のユングが、彼の患者で統合失調症を患う医学生ザビーナ・シュピールライン(キーラ・ナイトレイ)と不倫の恋に落ちる……という本作の展開は、史実に沿ったもの。

ままならない恋に苦しみ、とんでもない嫌がらせも仕掛けてくるザビーナを、ユングは冷淡な態度で突き放しますが、その一方で、会えば激しく求め合う2人の姿も赤裸々に映し出されます。
一見矛盾しているように見える2人のいびつな関係……しかし、患者としてユングに潜在意識の奥底まで全てをさらけ出したザビーナと、医師として彼女の全てを受け止めたユングとの絆は、誰も辿り着いたことがないほど深いもの。

冷静に見えながら時としてせめぎ合う心のうちを覗かせるユングを、抑制の効いたセリフ回しと微妙な表情の動きで演じていくマイケル。
愛に苦悩する男ならではの色気に注目してください。

心理劇でありながらマイケルの肉体美をこれ以上なく生かした作品『SHAME シェイム』もまた、究極のいびつな愛の物語です。

SHAME シェイム

本作でマイケルが演じている主人公ブランドンは、セックス依存症の男。
間断なく女を漁り続ける彼の日常は、快楽の追求を通り越して苦行にしか見えないほど……それだけに濃密な濡れ場も見どころのひとつです。

もっとも、本作の一番の見どころはマイケルのカラダではなく、キャリー・マリガン演じる妹シシーとブランドンとの関係のほう。
シシ-は、セックス依存症のブランドンが唯一セックスしない女性であり、なおかつ、唯一彼の心をかき乱す存在でもあります。

兄妹愛と呼ぶには、どこかひやりとさせられる男女の機微も見え隠れする、ブランドンとシシーの危うい関係。
マイケルとキャリーというコンビネーションが素敵なだけに、兄妹という関係はあたかも終身刑のよう。
背中に苦悩を滲ませた2人の後ろ姿が心に残ります。

トム・ヒドルストン:甘く繊細なマスクでピカレスクもお手のもの

次なる俳優は、「マイティ・ソー」シリーズのとぼけたロキ役で人気のトム・ヒドルストン
破顔すると気さくで親しみやすい表情に、眉根をよせれば瞬時にクールな正統派美男に……役柄によって全く違う表情を見せてくれる引き出しの多さも魅力ですよね。

しかし、名門イートン校出身、先祖は貴族だという彼のハマリ役と言えば、やっぱりフロックコートに身を包んだ英国紳士!
そういう意味でも、『クリムゾン・ピーク』は彼にピッタリの作品と言えるんじゃないでしょうか。

クリムゾンピーク

今年のアカデミー賞で最多ノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』と同じギレルモ・デル・トロ監督の作品。
ギレルモ・デル・トロならではの鮮やかな色彩美が魅力のゴシック・ホラー『クリムゾン・ピーク』は、策謀と殺意が絡み合う歪んだ愛を美しくもせつないラブストーリーに昇華させた作品としても、見応えがあります。

主人公イーディス(ミア・ワシコウスカ)は、イギリスから事業の資金集めに渡米してきた準男爵のトーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)と恋に落ち、彼と結婚してイギリスに渡りますが、そこでイーディスを待っていたのは、血のように赤い土地“クリムゾン・ピーク”に建つ朽ちかけた屋敷。

屋敷に充満する死の匂い、トーマスと彼の美しい姉ルシール(ジェシカ・チャステイン)の、まるで夫婦のような近すぎる距離感……。
甘い新婚生活を夢見ていたイーディスは、次第に夫の愛を疑わざるをえない状況に追い込まれていきます。

甘いマスクのトムのこと、正統派ラブストーリーにも当然ハマりますが、そこはひねり技がお家芸の英国紳士、ピカレスクものとなれば一層陰影深い魅力を発揮してくれます。
本作のトーマスと姉ルシールとの倒錯的な関係には、禍々しさを超えた悪魔的な美しさが……
当初トーマス役にはベネディクト・カンバーバッチがキャスティングされていたそうですが、女を愛で罠に落とすトーマス役には、繊細で翳りも似合うトムヒが大正解だった気がします。

ギャスパー・ウリエル:とびきり美しい男には狂気もよく似合う

さてフランスからは、ギャスパー・ウリエル
最近ではグザヴィエ・ドラン監督の『たかが世界の終わり』で余命短い主人公ルイを演じ、話題になりました。
芸術的なまでにシャープな顎のライン、上目遣い、男性にあるまじき美脚……彼の場合はどうも「ハンサム」というより「美人」という言葉のほうがふさわしい気がしてしまいます。

美しい男には残忍な表情もよく似合う……そう言う意味では、ハンニバル・ライジングで演じたカニバリストのハンニバル役は、彼のハマリ役のひとつと言えるでしょう。

ハンニバル・ライジング

『羊たちの沈黙』をはじめハンニバル・レクターが登場する作品は、カニバリズムに倒錯的エロチシズムに匂わせたシーンも少なくありませんが、本作はハンニバルを美しきカニバリストとして描いている時点でその傾向がより鮮明。
亡き叔父の妻で、ハンニバルが殺人者と知りながら彼をかばうムラサキ(コン・リー)にハンニバルが抱く愛も、猟奇的な物語にせつない情感を添えています。

ギャスパーの美貌が映える歪んだ愛の物語をもう一つ。
彼が、20世紀を代表するファッション・デザイナーのイヴ・サンローランを演じた『SAINT LAURENT/サンローラン』はいかがでしょうか。

サンローラン

この作品でジェレミー・レニエが演じているピエール・ベルジェは、天才デザイナー、イヴ・サンローランの才能をビジネス面で支えた功労者。彼はイヴの公私のパートナーとしても知られています。
しかし、ピエールという存在がありながら、カール・ラガーフェルドの愛人ジャック・ド・バシェール(ルイ・ガレル)との危険で享楽的な関係に堕ちていくイヴ。

薬物使用や乱交パーティなどインモラルな行為の果てにあるのは破滅……その一歩手前のところにあるめくるめく陶酔の極致を、悪趣味なまでに美しく捉えた作品です。
濃いデカダンスに覆われた世界観の中で、ギャスパーの恍惚の表情が危険な魅力を放ちます。

池松壮亮:イノセンスと大人の欲望がせめぎ合う魅力

最後は池松壮亮。先ごろ発表された第91回キネマ旬報ベストテンでは、昨年公開された石橋静河との共演作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が1位に選ばれています。
今最も旬の俳優の1人ですね。

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』のような不器用で誠実な青年役でも独特の個性が際立つ一方、「女を愛に溺れさせる罪な男」にも不思議とハマってしまう……かすかに幼さが残る繊細な顔立ちと、役柄で演じる大人の男の狡さ・欲望とのギャップがたまらない。あのギャップに、女がのめり込まないわけがありません。
無伴奏』、『海を感じる時』。いずれも池松壮亮演じるつかみどころのない男にのめり込み、心に深手を負う女性の物語です。

紙の月』もまた、女が愛で堕ちる物語のひとつ。

紙の月

宮沢りえ演じる銀行員の梅澤梨花は、大学生の平林光太こと池松壮亮とひょんなことから肉体関係に。彼に用立てるために銀行の金に手をつけ始める……というストーリーです。
光太の悪い噂も聞いていたにもかかわらず、彼にのめり込んでいく梨花。夫も、何不自由ない生活も手にしていながら、なぜ?
その「なぜ」の答えは、梨花の日常や生い立ちの中に散りばめられていますが、そもそも光太こと池松壮亮の魅力が梨花を突き動かした直接の原因であることは疑いようのない事実です。

年下の男らしいイノセントな魅力を見せつける一方で、女が自分に溺れていくのを冷静に見ている男……なぜこんなずるい男に貢いでしまうのか、梨花がとてもはがゆく思える反面、何か男女関係の不幸な典型を見るような納得感もつきまとう2人の関係。
もしかしたら、光太の中ではあれも一つの愛のカタチ(或いは愛を知らない女の救済)だったのでは……騙した・騙されただけでは片付けられない、愛の本質を抉ってくる作品。池松壮亮の男の魔性も見どころです。

いかがでしたか? 現実世界でこのテの男性にひっかかると悲しい結末しか待っていませんので、せめて映画の中で「歪んだ愛」の似合うオトコたちに溺れてみては?

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