TCP2017グランプリ&IMAGICA賞W受賞の映画『2/1イチブンノニ(仮)』針生悠伺さん【インタビュー】

2018.01.16
映画

FILMAGA編集部

フィルマーくま

TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社グループが主催する、映像クリエイターと作品企画の発掘プログラム「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」(以下、TCP)。2018年1月20日(土)公開の中江和仁監督『嘘を愛する女』を輩出したことでも知られる本プログラムで、2017年、全268の企画の中から見事グランプリに輝き、協賛のIMAGICA賞も受賞した『2/1イチブンノニ(仮)』針生悠伺さんにお話を伺いました。

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――TCPのことは、初回からご存じだったとか?

はい。以前、中江さん(中江和仁監督)とお話する機会があり、「実はTCPに応募しようと思っているんですよね」と言われて、「そうなんですね~」とお話をしていたら、中江さんがグランプリを取られて! 正直、「マジすか!?」となりました(笑)。最近、『嘘を愛する女』のニュースもすごく出ているじゃないですか。本当に映画を実現するコンペというのがすごいと思いました。自分も応募したいと思い、2017年度に間に合うことを目標に、今回の脚本を仕上げました。

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――針生さんは、そもそもミュージックビデオ(以下、MV)での活躍が、これまで目立っています。

そういった映像の仕事をする一方で、自分の映画作品として脚本を4~5年前から書き始めました。実は脚本のコンペでは、これまでいっぱい落ちているんですよ(笑)。

――そうでしたか、意外です。

TCPだったら、アイデアと、脚本と、映像でも勝負できると思って、映像で勝負できるところまでなんとか漕ぎつけたらいいなという一心で応募しましたね。

――本作は人類とクローンによるヒューマンドラマのような印象です。MVのときとは全然違う観点で、構想を練られるんですか?

そもそも脚本を書き始めたときから、自分がやるならSF映画をやりたいと思っていたんですよ。オリジナルの短編映画や脚本では、これまで全部SF系で書いていて。言うならば『宇宙戦争』のようなテーマのSFも書いていたんですけど、「今の自分では予算がかかりすぎるからから実現できるわけないな」と。だから、SF映画だとしても、派手な表現を抑えて、もっと人の内面的な部分や人間関係を軸にした物語を丁寧に書いてみたらどうだろう、と思ったのがきっかけです。

――クローンを題材にした作品は、国内外でも数多くありますよね。

昔からとても興味のある題材で、いろいろな作品を観ました。SF作品でクローン人間が作られる理由っていくつかあると思っていて、たとえば、労働者として作られたり、戦闘用の兵士として作られたり、臓器ドナーとして作られたり。現実の日本の社会の中に落とし込んで物語を作るとしたら、臓器ドナーをテーマにSF映画として膨らませていくと、ちょっと興味深い作品になるかなと。ただ、センシィティブな部分もあるので、そういう意味でも、きちんと内容や設定を深めないといけないと思いながら書いていきました。

――それで親子の話へとなっていったんですね。それはなぜ?

SFとは別軸で、ヒューマンドラマという意味での親子の物語もすごく好きなんです。たとえば『リトル・ミス・サンシャイン』や、古くは『クレイマー、クレイマー』とか、SFで親子の話でもある『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は特に大好きですね。今回のアイディアもSFと親子の話というものを掛け合わせて考えてみました。親子のSF物語で、臓器移植で、クローンで…一見暗そうに思えますが、暗い設定の話を暗いままではなく、少しユーモアも交じえて光があるように見せていきたいと考えています。

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あと、実はこの主人公のキャラクター自体には、自分を投影しているところもあって(笑)。自分の苦手な部分やダメな部分、ちょっとだらしない部分を盛り込んで、設定を作っていったんです。僕も一応父親で家族がいるので、自分の話として書けるものにしたくて。もっと言えば、主人公は僕と同い年です(笑)。あえて33歳にしていて、自分と同い年ぐらいの人たちに共感してもらいたいと思っていて、ダメな主人公がちゃんと父親として成長していく姿を描きたいんです。

――ちなみに、ご自身の強みを分析するなら何だと思いますか?

僕が脚本を書き始めて2~3年ぐらいたったときに、ハリウッドでご活躍されている脚本家の方に、自分の脚本を指導してもらえる機会がありました。その先生曰く、「あなたが得意なのはワールドだ。独特の世界を作ることなんだ」と。それからというもの、単純なんですけど(笑)、「それが自分の得意な分野なんだ!」と思うようになって。今回、話の軸が定番の親子の話だとしても、独特のSF設定の中で家族の物語を自分らしく描くことを目標にしています。そういう部分も含めて、できるだけ多くの方に届き、楽しんでもらえればと思っています。

(インタビュー・文:赤山恭子、写真:編集部)

TCP2017受賞監督インタビュー(全4回)

 

TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM 公式サイト

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