<2018年最新版>歴代ゾンビ速度比較調査〜ボルトとゾンビどっちが速い?〜

2018.04.17
映画

B級・ゾンビギークなイラストレーター

アサミヤカオリ

ゾンビ速度調査実施

本報告書は、Filmarks研究所が設置した特別調査委員会(架空)が実施した調査(以下「本調査」という)について、その報告を行うものである。
なお、本報告書は、与えられた時間及び条件のもとにおいて、可能な限り適切と考える調査、分析等を行った結果をまとめたものであるが、今後の調査において新たな事実等が判明した場合には、その結論等が変わる可能性がある。

1.調査の目的

空前のゾンビブームである。世界中でゾンビ映画とゾンビドラマが製作され、大きなムーブメントとなっている。そして各作品に登場するゾンビも多種多様である。

海を渡って移動するゾンビもいれば、ゾンビ同士で意思疎通を図る場合もある。また、実際にはまだ死んでいなくても「ゾンビになる過程」や「ウィルスによってゾンビ的状態になった人間」を描いた作品なども近年登場している。

様々なゾンビ像がある中でも長年議論されてきたのが「ゾンビの速さ」ではないだろうか。

誰しも思ったことがあるはずだ。「普通に逃げられるんじゃないか?」と。
確かにそうかもしれないし、実際に出くわした場合はそうはいかないかもしれない。

本調査は「ゾンビの速さ」の視点から様々なゾンビ映画を横断的に研究し、今後のゾンビ映画鑑賞をより多角化する一助となることを目的とするものである。

2. 調査の方法について

基準となる速度

まず、本調査において基準となる人間の歩行・走行速度について明示しておく。

・人間が散歩する程度の歩行速度=時速 約4km
・平均的20代成人男性の短距離走=時速 約28km(14秒/100m)
・オリンピック金メダリスト ウサイン・ボルト=時速 約38km (9秒58/100m)

また、歩みの遅い代表として、陸亀の地上での歩行速度を明示する。

・陸亀の歩行速度=時速 約0.35km(350m)

本調査は以上を基準として、映画あるいはドラマ内で人間がゾンビに追われるシーンを観察し、そのガチ逃げ度や緊迫度から雰囲気で「このくらいの速さなんじゃね?」的なノリで時速を算出したものである。

なお、人間というものは火事場の馬鹿力的にものすごい速さで走れる場合があったり、あるいはゾンビもそんなに全員が全員同じ速さで走るとは言えないが、そういうことを言い出されるとこっちとしてももうなんかわけわかんなくなるので、「だいたいこのくらいじゃないのかな」というのを一応こっちだって数学弱いのに頑張って計算している。「そうは言い切れない」的なツッコミは極めて無粋であり、心から勘弁していただきたい。

調査対象

数多あるゾンビ作品の中から、各時代を象徴する代表的な作品を抽出した。次章、調査結果にて各作品の情報を記載する。

3. 調査結果

ゾンビには伝統的な「のろのろゾンビ」と近年イギリス作品を中心に増えてきた「走るゾンビ」の2種類がある。それぞれを分類して以下に詳しく解説していく。

◆のろのろゾンビ

ゾンビと聞いて誰もが思い浮かべる、動きが緩慢な、いわゆる「生ける屍(しかばね)」の彼ら。
ゾンビのマネをしろと言われれば9割以上の人が、肩を落として足を引きずりながらアァ〜〜と呻くのではないだろうか。

そんなコンサバティブなゾンビ像。実は原型は古く、ブードゥー教の「永劫に働き続ける奴隷」としての「ゾンビ」に由来している。

それを現代映画に初めて「人を喰らうモンスター」として登場させたのが、2017年にこの世を去ったジョージ・A・ロメロ監督である。そんな世界初のゾンビ映画も交えて、のろのろゾンビたちの速度を計測してみた。

以下、遅い順に。

パラダイム』(1987年)

パラダイム

映画情報
廃墟と化した教会を舞台に科学者と悪魔との戦いをホラー要素たっぷりで描いたカルト映画。監督・脚本は『ハロウィン』や『遊星からの物体X』でも有名なSFホラー作家のジョン・カーペンター
ある司祭が廃墟になった教会で緑色の液体が入った容器を発見するが、それが700年前に封印された悪魔だと発覚する。
終盤、怒畳み掛けるようにホラー演出をしかけてくるが、虫も出てくるので苦手な方は注意されたい。

推定時速: 0〜3km

本調査における最遅のゾンビ。ほとんど止まっている状態で威圧するようにじっとこちらを見ているだけ。図に示す通り、亀よりも遅い、というより立ち止まっている時間が長い。

緑の液体を浴びることで感染する。劇中では明確にゾンビとは呼ばれないが、意思を失い感染するという意味ではゾンビと言ってよいだろう。また、悪魔の手先として働く浮浪者たちは、初期の奴隷として働くブードゥーゾンビさながらである。
この浮浪者ゾンビが集団で微動だにせず立ち尽くすという、昨今の爆走ゾンビとは相反する姿が新しい。

ゾンビ』(1978年)

ゾンビ

映画情報
ゾンビ人気に火をつけた映画であり、ジョージ・A・ロメロ監督の出世作。
“ゾンビ映画=ショッピングモール”というイメージを植え付けたものこの作品。
まだまだゾンビとしてのメイクや動きがチャチいが、ヒロインの恋人であるスティーブンがゾンビと化しエレベーターから姿を現すシーンはゾンビ映画の歴史上象徴的なシーンとなった。

推定時速: 1〜4km

この作品のゾンビもなかなか遅い。本調査におけるワースト(?)2位である。
中でも有名なのが黄色い袈裟をまとった僧侶ゾンビ。この僧侶ゾンビがゆっくりと階段を上ってヒロインを追い詰める姿はリアルに怖い。
歩みはとても遅いが、油断しているといつのまにかすぐそばまで来ている……というゾンビによる恐怖の本質がよく体現されている。

ウォーキング・デッド」(2010年〜)

ウォーキング・デッド

映画情報
普段ゾンビ作品を観ない人たちにも、「ゾンビ作品って面白い!」と言わしめた超人気ドラマシリーズ。すでにゾンビパンデミックが起こった後の荒廃した世界を舞台に、ゾンビとの戦いはもちろん、人間同士の交流や対立を描いている。
はじめはゾンビの造形の素晴らしさに感動し同時にその迫力に戦慄したものだが、シリーズが進むにつれて人間ドラマが主体となってきており、近年のシーズンではゾンビを素手であっさり倒すなど、ゾンビがぞんざいに扱われている気がしてならない(個人の見解です)。

推定時速: 2〜4km

普通の人間がのんびりと歩く程度の速さだが、人間を見つけるとちょこちょこと急いで向かってくる姿には愛しさを覚える(個人の見解です)。

見た目にもクサそうなくらい腐敗が進んでいるゾンビが多く、頭はスイカ並みにすぐ破壊できる。強度や速さより数で勝負派。ものすごい数のゾンビが押し寄せるど迫力のシーンが多用されるのも本作品の魅力のひとつである。

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年)

ナイトオブザリビングデッド

映画情報
ジョージ・A・ロメロ初監督作品。
それまでの宗教的要素が強かったブードゥーゾンビのイメージを一新した伝説的映画。
予算がなかったために全編モノクロだが、それが映像の粗を隠していてアート的雰囲気すら醸し出している。
主人公が黒人であったり、ラストの衝撃的な展開が公開当時の黒人差別問題を喚起させる。しかしながら、肝心のロメロ監督はそんな世相的なこと盛り込むつもりもなかったし、そもそもゾンビ映画を作るつもりじゃなかったという天才的発言をしている。
実際作中では一度も「ゾンビ」という言葉は使われず終始「グール」と呼ぶ。

推定時速:4〜6km

ロメロ監督はゾンビにも主役級のキャラクターを作るが、今作では墓地で現れるノッポゾンビがそれ。このゾンビは映画冒頭に象徴的に登場し、終盤までその存在感を示し続ける。

ヨロヨロと歩くので一見速度は遅そうだが、車で逃げようとするヒロインを追いかけるシーンでは小走りをするなど意外な底力を見せつけてくる。普通に人間が散歩していると追い抜かれるスピードなので注意が必要である。

余談だが、普通に石や棒などの道具を使ってものを破壊したり、光や熱に弱かったり、まだ「ゾンビ」というものの定義付けが微妙(というかゾンビですらなくグールなんだけど)なあたりを観るのも面白い。

◆走るゾンビ

近年増加傾向にある、ものっすごい走ってくるゾンビ映画。
これまで観てきた「生ける屍」とは違い、彼らは「リミッターの外れたバケモノ」という側面が大きい。

以下、遅い順に。

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年)

ドーンオブザデッド

映画情報
走るゾンビといえばコレ。
前述した1978年公開のロメロ監督作品『ゾンビ』のリメイク作品
ゾンビと化したあどけない少女に噛みつかれた夫、そしてその夫に襲われるヒロインという衝撃的な冒頭に、初っ端からハラハラドキドキしっぱなし。
ショッピングモールに逃げ込み籠城するも、人間同士のいざこざで破滅するといった設定は残っているものの、ストーリーは一新されヒロインも強くなっている。

推定時速:20〜30km

ロメロ監督の『ゾンビ』のリメイク作品だが、元ネタと違って全速力で走るゾンビが描かれていて、映像やストーリー展開もとてもスピーディ。前作のファンだった人はさぞ度肝を抜かれたことだろう。

普段はのろのろ歩いているが、人間を見つけた途端に全速力で走りだす。
おまけに数も半端ない。
質と量で勝負されたんじゃ勝ち目がないじゃないですか。

新感染 ファイナル・エクスプレス (2016年)

新感染

映画情報
主演が韓国の人気俳優コン・ユとあって、普段ゾンビ作品を観ないおばさま方までもが劇場に駆けつけた作品。
時速300kmで走行中の高速鉄道の中で突如発生するゾンビウィルスによるパンデミックを描く。
韓国なのでほんとは「新幹線」→「新感染」ていうもじりは変なんだけどわかりやすくていいタイトルだと個人的には思っている。
ゾンビ作品としては珍しく個々の人間ドラマに涙する、エンターメント性に富んだ作品となっている。だからといってゾンビが襲いかかってくるシーンに抜かりはなく、スピーディで迫力あるアクションシーンは一見の価値あり。
実は作中では一度も「ゾンビ」という言葉は使われない。

推定時速:20〜30km

ただ走るだけでなく、ゾンビを押しのけてまで襲ってくるゾンビというまさに「リミッターぶっ壊れモンスター」としてのゾンビ。その貪欲な姿にはあっぱれである。

ラストに芋づる式に列車に捕まり這い上がってくるゾンビの群れは、後述の『ワールド・ウォーZ』で高い壁を這い上がるゾンビ並みに衝撃的。

ワールド・ウォーZ(2013年)

ワールドウォーZ

映画情報
ブラッド・ピッド主演で大ヒットしたアクション・ゾンビ映画。
ゾンビ映画であることを言わないという宣伝戦略のせいで何も知らない多くの家族連れが不意打ちでゾンビを見せられることになった。(劇中では普通にゾンビゾンビ言いまくり)
ブラピが主夫という設定で朝食にパンケーキを家族にふるまうが、ワイルドな肉食系男子の様相を隠しきれず違和感しかない。とにかくかっこよすぎる。
元国連職員であるブラピがウィルスの原因を突き止めるよう命令され、渋々韓国やらイスラエルやら飛び回るちょっとしたロード(スカイ?)ムービーでもある。
ブラピと共にウィルス解明に乗り出した科学者が速攻で死んだり、後半急に失速する展開やスポンサーであるペプシをわざとらしく大映しにするなど、突っ込みどころ満載。

推定時速:25〜33km

死んで生き返るのではなく、噛み付かれてから12秒でゾンビウィルスに侵されて凶暴化するという、こちらもまさに「リミッターぶっ壊れモンスター」。

このゾンビの特徴は走るだけでなく跳ぶところ。
そして何より怖いのが頭をガラスに叩きつけて割ろうとしたり、「新感染」同様なりふり構わずとにかくこちらに向かってくる捨て身っぷりである。
また、ヘリコプターに跳び付いて墜落させちゃうくらいの身体能力を持っている。
イスラエルの超高い壁もゾンビが山になってよじ登る場面は本作のCMでも繰り返し使用された、有名なシーンとなった。

28日後...(2002年)

28日後

映画情報
走るゾンビの元祖。『トレイン・スポッティング』や『ザ・ビーチ』などで有名なダニー・ボイル監督作品。
ロンドンで、感染すると数秒で理性を破壊される「レイジ(凶暴性)ウィルス」によるパンデミックが発生。本作ではその28日後にひとり目を覚ました青年を主人公としたストーリーが展開される。
全速力で走るゾンビも衝撃的だが、後半の「一番怖いのは実は人間」という展開が個人的にトラウマである。

推定時速:25〜35km

こちらが「走るゾンビ」を初めて発明したと言われる金字塔的作品にして、今回調査した中でも最速を記録した作品である。

なんとゾンビ役に現役のアスリートを抜擢しただけあって、とにかく速い。

ものすごい角度に傾きながら全速力でカーブを曲がってくる姿には恐怖と同時に少し笑いもこみ上げてくる。 しかもそいつらが火だるまになって追いかけてくるのだから、反則だよ……。

参考資料

ゾンビ速度比較〜2018年最新版〜

4. 考察

のろのろゾンビなら全然大丈夫・・・ほんとに?

この調査結果を見る限り、のろのろゾンビなら簡単に逃げられそうだと感じるかもしれない。

しかし本当にそうだろうか?

ゾンビが一体だけなら、確かに頭をひと突きしてしまえば終わりである。実際『ゾンビ』のショッピングセンター内や、『ウォーキング・デッド』の広大な平原などではゾンビに遭遇しても人間たちは難なく対処できている。

しかし、ものすごい数のゾンビがあなたに迫ってきたとしたらどうだろう? たとえ緩慢な動きだったとしても、彼らはいつの間にかあなたの背後に忍び寄っているかもしれない。しかも大抵全員がアーアーうるさいもんだから、ひょっとしたら腕を掴まれ、足に噛み付かれるまで気づかないかもしれない。

ていうか、いつも疑問なんですが、なんの前触れもなく突然ゾンビが現れて襲われるシーンってよくあるけど、ああいうときのゾンビってなんで黙ってるんですかね? いつもアーアー言ってるくせに。

結構空気読みますよね、あいつら。

速いゾンビはウサイン・ボルトでも逃げられないかも

平坦な道で100mや400mの速さを競うなら、もちろんウサイン・ボルトが勝つだろう。

しかし、あいつらは集団で迫り来る上に「スタミナ切れ」という概念がない。たとえ骨が折れようが、筋肉を断裂しようが、延々と全速力で追いかけてくるのである。

逃げ込めるビルを見つけられなかったり、なにも武器を持っていなかったら……たとえ人類最速の男であっても逃げ切ることはできないだろう。

4. まとめ

「のろのろゾンビvs走るゾンビ」議論

全く動かないゾンビから、アスリート急に走るゾンビまで、ゾンビ像は実に多様化している。

ブードゥーゾンビを起源とし、ロメロ監督が人を喰らうモンスター集団として誕生させたのろのろゾンビは現在まで変わらず愛され続けてきた。

そしてそんな旧来のゾンビを愛する人ほど、走るゾンビを「あんなのゾンビじゃない」と言って遠ざけがちなものだ。また、ロメロ監督自身が「走るゾンビって好きじゃないんだよね」と語っているのも有名な話である。

しかしながら、ここで重要な話をひとつ。

走るゾンビを初めて世に登場させた『28日後…』(ダニー・ボイル監督)、実はこれ、もともとが「ゾンビ映画」として作られた作品ではない。
劇中でも「ゾンビウィルス」ではなく「レイジ(凶暴性)ウィルス」によるパンデミックとされ、感染したものは死んで蘇るのではなくそのまま「凶暴化」する。そもそも「ゾンビ」という言葉すら使われない。

そしてもうひとつ、重要なお話。

世界初の「ゾンビ」である『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(ジョージ・A・ロメロ)も、もともとは「ゾンビ」のつもりはなく「グール」と呼ばれる「生ける屍」が登場する映画なのである。もちろん劇中一度も「ゾンビ」という言葉は登場しない。

つまり、のろのろゾンビ走るゾンビも、どちらもその最初は「これがゾンビでっせ」と提示されたものではなく、世間が勝手に「あれってゾンビだよね?」と言い出していつの間にか「ゾンビ映画」の棚にカテゴライズされたものなのである。

ゾンビ映画はよく、世相が反映されている、だとか、その時代の無意識の集合体の発露だとかいろんなことが言われるし、様々な角度から文化的・社会的研究がなされているが、そもそもそれぞれのゾンビが同じカテゴリーに入っていること自体がひょっとしたら不思議なことなのかもしれない。

あるいは、遅かったり、速かったりする多様性が、同じ「ゾンビ」と呼ばれること自体、多様化した現代を象徴する事態であるのかもしれない。

ゾンビの怖さの本質とは?

なぜ世間は、のろのろゾンビ走るゾンビを同じ「ゾンビ」と認識したのだろうか?

実は私たちは「ゾンビ的な存在」あるいは「ゾンビ的な恐怖」の本質を無意識ながらにわかっているのではないだろうか?

私はそれは、「群衆」であること、そして彼らに「同化されてしまうこと」ではないかと考えている。

もちろんグロテスクな見た目や、人間に襲い掛かってくるといった点は当然あるが、それは例えば「ジェイソン」や「レザー・フェイス」だって同じことである。

あるいは「死者であること」という点から見れば「キョンシー」も同じである。しかし人間がキョンシーに殺されてもキョンシーになることはなく、キョンシーは「あれってゾンビじゃね?」とは言われない。

近年爆発的にヒットし、本記事でも取り上げたドラマ「ウォーキング・デッド」

ストーリーや特殊メイクはもちろんのこと、実はゾンビが「群衆」で迫り来ることに並々ならぬ力を入れている。かなりの数のエキストラが集められている上に、VFX技術の進歩によってゾンビの人数を増やすことができるようになったため、数千・数万というとんでもない数のゾンビが押し寄せる映像が可能になったのだ。(昔からゾンビ映画は低予算なものが多く、群衆感を出すのが一番大変だったとか)

主人公たちがいかに多くのゾンビに囲まれているか、あるいはこれから進むルート上にどれだけのゾンビの群れがいるかを示す映像が各シーズンに必ずあり、その絶望的な状況を伝えているのだ。

ちなみにこれは興味深い余談だが「ウォーキング・デッド」でもゾンビという言葉は使われず主人公たちは「ゾンビ」のことを「ウォーカー」と呼ぶ……。

もちろん、これに該当しないものもある。徐々にゾンビ化する女性の苦しみを描いた『スリー・デイズ・ボディ』や『マギー』などの「群衆」ではないゾンビ映画だ。

しかしこれらは既に「ゾンビ映画」としてそのルール・世界観の中で製作された映画であり、得体の知れない、恐ろしい群衆である「ゾンビ側」に行ってしまうかもしれない恐怖について描かれた作品として、実は同様に考えることができるかもしれない。

そして「ウォーキング・デッド」のみならず、ゾンビ映画で必ずあるのが、自分もしくは愛する人が「ゾンビ化」する、「同化されてしまう」恐怖だ。

遅かろうが速かろうがゾンビは恐ろしく、面白い

あれこれ調べておいて、なんという結論だろうか……。しかし、そうとしか言えないのだ。
遅かろうが速かろうが、ゾンビの恐ろしさは群衆で迫り来ること。
そして何より恐ろしいのは自分が、仲間がゾンビ化してしまうことなのである。

のろのろゾンビの作品では「いつの間にか囲まれている、精神にジワッとくる恐怖」を、
走るゾンビの作品では「突然襲いかかってくる、スピード感のあるパニック的な恐怖」
それぞれ存分に味わってほしい。

そして両者に共通するのは「自分が、仲間がゾンビ化してしまう恐怖」なのである。

※ちなみに「理論上の人間の最高速度」という研究結果が、2010年LiveScience誌に発表されている。その研究ではなんと人間は理論上、最高時速64kmに到達することができるという。

ウサイン・ボルトの最高瞬間速度は時速45kmとのことで、いかに速いかがわかる。

(本記事ではじめに示したボルトの時速38kmという数字は、100m9秒58を単純に計算した平均時速であり、実際には0kmからスタートして45kmまで加速しているということになる)

本記事で取り上げた「走るゾンビ」は皆「リミッターぶっ壊れモンスター」として、自分の肉体を顧みず、捨て身で襲いかかってくるゾンビだった。

ひょっとしたら彼らは(現代のVFXの力を借りれば)この「人間の限界速度」に到達することができるのかもしれない。

もし本当にウサイン・ボルトの1.5倍もの速さで走る完全にチートなゾンビが現れたら、さすがのブラッド・ピットもお手上げだろうか? どんなスピード感のある映像になるのか、誰か作ってくれないものだろうか。

ゾンビはまだまだ、速くなるのかもしれない。

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