映画『教誨師』あらすじ・キャスト情報・特報【大杉漣・最後の主演作】

トラウマ映画は「鳥」だけど焼き鳥大好き

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2018年2月21日に急逝した名バイプレイヤー・大杉漣主演の映画『教誨師』が、10月6日上映される。
本作は大杉漣にとって最後の主演作であり、また唯一のプロデュース作品となった。

教誨師

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映画『教誨師』あらすじ

6人の死刑囚と対話する一人の男……。“教誨師(きょうかいし)”とは、受刑者に対して道徳心の育成、心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く人。そして本作の主人公は、死刑囚専門の教誨師である牧師、佐伯(大杉漣)。

独房で孤独な生活を送る死刑囚にとって、教誨師は良き理解者であり、唯一の話し相手。真剣に思いを吐露する者もいれば、くだらない話に終始したり、罪を他人のせいにする者もいる。皆、我々と変わらない人間でありながら、どこかで道を誤ったり、ちょっとしたボタンの掛け違いによって、取り返しのつかない過ちを犯した人々。一方の佐伯は、彼らに寄り添いながらも、自分の言葉が本当に届いているのか、死刑囚たちが心安らかに死ねるよう導くのは、果たして正しいことなのか苦悩する。その葛藤を通して、佐伯もまた、はじめて忘れたい過去と対峙し、自らの人生と向き合うことになる……。

ほぼ教誨室での会話劇ながら、息つく暇もない約2時間、ベテラン役者たちの緊張感溢れる演技と時ユーモアを交えながら展開する“死”の側からとらえた強烈な“生”の物語。

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映画『教誨師』キャスト

本作の主人公、教誨師・佐伯役は大杉漣が務める。大杉はピンク映画でデビューし、以後『HANA-BI』(97)、『BROTHER』(00)、『アウトレイジ 最終章』(17)をはじめとする北野武監督作品の常連である一方、『オーディション』(00)、『アイデン&ティティ』(03)、『箱入り息子の恋』(13)、『シン・ゴジラ』(16)など様々なジャンルを行き来し、幅広い役を演じていた名優。本作では膨大なセリフ量とユニークな内容ゆえ、「役者にケンカを売ってるのかと思った」と評したオリジナル脚本を見事に体現、複雑な人物像を圧倒的な存在感で演じきったという。是非その姿を劇場で見届けたい。

死刑囚役には、『めがね』(07)、『共喰い』(13)、南瓜とマヨネーズ』(17)など、大杉と並びあらゆる日本映画に出続け、大杉との共演作であるドラマ「バイプレイヤーズ」も記憶に新しい光石研や、『祈りの幕が下りる時』(17)の烏丸せつこ(からすま せつこ)、『淵に立つ』(16)の古舘寛治といったベテラン俳優が務めるほか、映画初出演となる劇団“柿食う客”の玉置玲央が脇を固める。

映画『教誨師』監督

死刑に立ち会う刑務官を描いた『休暇』(07)、『アブラクサスの祭』(10)の脚本、『ランニング・オン・エンプティ』(09)の監督を務めた佐向大がメガホンをとった。

佐向大監督コメント

いい加減で適当で、できるだけ責任から逃れたい。私はそんな人間です。おそらく死刑囚もそうだと思います。じゃあ何故私は彼らじゃないのか。罪を犯した者と犯さなかった者はどこが違うのか。なんで死ぬのは嫌なのか。何故生きたいのか。そもそも死者と生者の境界は何か。ひょっとしたら何も違いはないし、何の理由もないのかもしれません。だったら自分が日頃大切に思っていることや、しがみついているものは一体何なのだろう?そんなことを私自身もこの作品を通して知りたいと思いました。

3年前、小さな喫茶店で、この企画を一番最初に話したのが大杉さんでした。「いいね、やろうよ」。その一言をきっかけにこの作品が生まれました。私にとって主演俳優以上の存在だった大杉さんの訃報を前に、全く心の整理がついていません。ただこれだけは言えるのは、人生は限りがある。だからこそ、かけがえのない時間を、かけがえのない仲間とともに、どんなお仕事でも遊びでも手を抜かず、一瞬一瞬を精いっぱい全力でやられていた方だったのではないか。あの優しさ、包容力、エネルギーはそんなところからきていたのではないか。今はそんな気がしています。この作品で大杉漣という役者の凄みを改めて目の当たりにしました。おそらく皆さんも同じ思いを抱くのではないかと思います。

映画『教誨師』特報

映画『教誨師』作品情報

2018年10月6日(土)より、有楽町スバル座ほかにて公開公開
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
公式サイト:kyoukaishi-movie.com
(C)「教誨師」members

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※2021年5月14日時点のVOD配信情報です。

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  • Amnesia
    4.2
    ほとんどパイプイスに座ったまま2時間近く画面に魅入らせる大杉漣さんの演技力がもはや恐ろしい……。 犯罪や死刑制度について考えさせられる作品だが、これを観たからといって「じゃあ廃止にしよう」となるような単純なものでもない。 人間と動物の違い、イルカとブタの違い、世人と罪人の違い この現実と真剣に向き合ってこそ、はじめて命について語ることができるはずだ。 わたしたちが歴史上ずっと抱えてきた課題について、答えを出すことはそう容易くない。 大切なのは考えるのをやめないことで、道徳や良識すらも常に疑いつづける必要があると再確認できた。
  • とし
    3.5
    2024年4月10日 映画 #教誨師(きょうかいし) 2018年鑑賞 #大杉漣 がプロデュースも務めて主演したヒューマン・ドラマ 受刑者を教えさとす宗教者“教誨師”という存在にスポットを当て、彼と6人の死刑囚、#光石研、#烏丸せつこ、#古舘寛治、#玉置玲央、#五頭岳夫、#小川登 との会話劇が面白い
  • Suzu
    -
    ローコストなのに素晴らしい作品。 こういう淡々とでもざくざく刺さるの好きです。 死刑囚って暇だよね。罪を犯したのにご飯当たって寝るとこもあって死ぬ恐怖はあるかもしれないけど無期懲役の方が私はよっぽど嫌だ。
  • HaHa
    2.8
    大杉蓮さんの主演での遺作と知って録画していたものの、なかなか見る気にならずほっていたのをようやく視聴。 思っていたよりも見やすかった。そして、出てくる人物達の言い分に腹が立ったり、悲しくなったり。現実ってこんなもんなんでしょうね。死刑宣告受けたからって、大人しく自分の罪に向き合ったり、反省しているわけじゃない。 玉置玲央さんが出てきてびっくりした。調べたら映画はこの映画が最初くらいなのかな? 賞ももらっているんですね。比較的年配の人物が多い中で、鮮烈な印象でした。
  • jr
    3.6
    地上波にて 大杉漣さんお久しぶり~ 「きょうかいし」って読むらしい 仕事内容は何となくしか知らなかったけど 死刑囚にもなってこんなに人権、尊厳を守られるんだ こういう人達のお陰で、その間に自分の行いを本当に反省できる人が出てくるのかな 改めてすごい仕事 それぞれの死刑囚たちがどんな罪なのかが気になる… 久しぶりに大杉漣さんの落ち着いた穏やかさを見れて嬉しかったな~ そういえばキントリはどうなったんだろ⁇観たいけど完全にお蔵なのかな( ; ; )
教誨師
のレビュー(3790件)