「本屋大賞」歴代の映画化作品をふりかえる<2010〜2017年版>

2018.04.11
映画

映画は気持ちよく生きるためのヒント

hikari

“全書店員が選んだいちばん!売りたい本”として2004年から開催されている「本屋大賞」。

書店員の投票だけで選ばれるこの賞は、過去一年のあいだで書店員自身が自ら読んで「面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票。「本のプロが選んだ本当に面白い本」のみが選ばれるという非常に注目の賞なのです。

本屋大賞といえば、ベスト10にランクインした作品は映画化されるものが多いのが特徴。

そこで、今回は、歴代の本屋大賞でベスト10入りした作品の中から、映画化を果たした作品をご紹介します。
後半の本記事では、2010年の第7回から2017年の第14回までを公開。

本屋大賞

 

「本屋大賞」歴代の映画化作品をふりかえる<2004〜2009年版>

2010年受賞作

大賞:『天地明察』

34

星の観測と算術の設問を解くのが幸せな安井算哲は、将軍の囲碁の指導をする仕事に疑問を感じていたときに、会津藩主・保科正之より、新しい暦を作る大計画のリーダーに抜擢される。難題が待ち受けていたが、それに果敢に立ち向かう姿を描いていく作品。算哲を支える彼の妻の愛もみどころのひとつです。

原作者:冲方丁
監督:滝田洋二郎
出演者:岡田准一、宮崎あおいほか

2位:『神様のカルテ』

35

地方都市・松本の内科医として働く栗原一止のもとに、大学病院から見放された末期ガンの患者が現れます。医学ではどうしようもない患者と向き合うことになる一止。厳しい中にも優しさがある仲間や友人、妻との触れ合いを通して、一止はある決断をする……。一止の葛藤を通して、命のあり方など見つめ直したくなる作品。

原作者:夏川草介
監督:深川栄洋
出演者:櫻井翔、宮崎あおいほか

3位:『横道世之介』

36

大学進学のため上京した横道世之介が、入学式で出会った倉持一平、お嬢様のガールフレンド・与謝野祥子などと青春を謳歌した80年代と、世之介と関わった人たちの16年後である現在とを織り交ぜながら、世之介の平凡だけどなぜか周囲の人を引きつける人柄を紡ぎ出す青春ドラマ。彼の“今”がわかると愛おしくなって心が温かくなる物語です。

原作者:吉田修一
監督:沖田修一
出演者:高良健吾、吉高由里子ほか

4位:『WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常』(原題:「神去なあなあ日常」)

37

映画は『WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常』というタイトルで製作。大学受験に失敗、彼女にもフラれた勇気は、ふと目にした1年間の林業研修プログラムへ参加することに! しかし過酷な林業の現場は挫けそうになることばかり。それになんとか耐えた勇気は少しずつ変化していき……。思わず笑えて元気が出てくる物語です。

原作者:三浦しをん
監督:矢口史靖
出演者:染谷将太、長澤まさみほか

8位:『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(原題:「植物図鑑」)

38

普通の女の子・さやかの前で行き倒れていた青年・樹。思わず拾って連れ帰ってしまい、思いがけない同居生活を送ることに。彼は野草に詳しく、今までさやかが知らなかった世界が開けた上に、好きが募っていく日々。しかしある日突然、樹は消えてしまい……。胸キュンとラストには驚きがつまったラブストーリーです。

原作者:有川浩
監督:三木康一郎
出演者:岩田剛典、高畑充希ほか

2011年受賞作

大賞:『謎解きはディナーのあとで』

39

お嬢様でもあり刑事でもある麗子と、彼女の話をもとに推理していく執事・影山とのコンビが事件の謎を解いていくミステリー。映画はテレビドラマと主要キャストを同じくして作られ、豪華客船を舞台に謎解きをしていきます。影山の毒舌、トンチンカンな麗子の上司・風祭などコメディ要素たっぷりなのもみどころ。

原作者:東川篤哉
監督:土方政人
出演者:櫻井翔、北川景子、椎名桔平ほか

2位:『ふがいない僕は空を見た』

40

高校生の卓巳はイベントで知り合った“あんず”と名乗る里見と情事に耽るようになるけれど、彼女は実は姑から不妊治療を強要されている主婦だったことが発覚。卓巳の親友・福田は極貧の中、認知症の祖母と暮らしていて……。登場人物がどう苦悩を乗り越えようとするのか、必死に生きていく姿を静かにリアリティある形で描いた作品。

原作者:窪美澄
監督:タナダユキ
出演者:永山絢斗、田畑智子ほか

3位:『ペンギン・ハイウェイ』

41

声優としてオーディションで選ばれた若手女優・北香那、そして蒼井優を迎え、アニメ映画として2018年8月に上映予定。小学4年生だけど、利口でちょっと生意気なアオヤマ君が街に現れたペンギンの謎を解くべく研究をはじめる物語。新進気鋭のクリエイターが集まったスタジオコロリド第1回長編作品としても話題の作品です。

原作者:森見登美彦
監督:石田祐康
声の出演:北香那、蒼井優ほか

7位:『悪の教典』

42

“ハスミン”と呼ばれるほど生徒にも人気、学校やPTAからの評価も高い高校教師・蓮実聖司。しかし、本当は生まれながらのサイコパスで、周囲の人間を操り学校を支配しつつあった中、ある失敗を犯してしまいます。それを隠すために彼はクラスの生徒全員を惨殺することを決め……。蓮実の猟奇的な言動に衝撃を覚える映画です。

原作者:貴志祐介
監督:三池崇史
出演者:伊藤英明、二階堂ふみ、染谷将太ほか

8位:『神様のカルテ2』

43

『神様のカルテ』の続編。相変わらず本庄病院に勤めている一止ですが、大学時代の友人の進藤辰也が東京から赴任してきて、一止のまわりに少し変化が。そんな中、恩師の貫田が末期の悪性リンパ腫で倒れ、辰也も頑なに定時帰宅を守るという問題を起こし……。今回は家族や夫婦のあり方を考えさせられる作品になっています。

原作者:夏川草介
監督:深川栄洋
出演者:櫻井翔、宮崎あおいほか

2012年受賞作

大賞:『舟を編む』

44

出版社・玄武書房の営業部にいた馬締光也は言葉へのセンスを見出され、辞書編集部へ異動することに。そこでは新しい辞書を作る仕事が待ち受けていて、完成まで15年!? その最中に運命の女性に出会う馬締。辞書は無事完成するのか、そして彼女に想いは伝わるのか……? 「言葉」と向き合いたくなる作品です。

原作者:三浦しをん
監督:石井裕也
出演者:松田龍平、宮崎あおいほか

4位:『くちびるに歌を』

45

長崎県・五島列島の中学へ臨時教師としてやってきたのは天才ピアニストだったと噂された柏木ユリ。しかし、冷たい態度な上にピアノも弾こうとしない。ある日、合唱部員に出した15年後の自分へ手紙を書くという宿題の生徒の文章を目にしたことで、ユリもピアノに向き合うようになり……。ストレートに心に響く感動作。

原作者:中田永一
監督:石井裕也
出演者:松田龍平、宮崎あおいほか

6位:『ユリゴコロ』

65

亮介が実家の押入れで見つけた一冊のノートに書かれていたのは、美紗子と名乗る女性が人を殺めることでしか自分が世界とつながれないという衝撃な告白。彼女が愛した洋介、そこからはじまる悲劇。その物語が創作だとは思えなくなってきた亮介は……。最後までどんな展開になるのかわからないミステリー作品です。

原作者:沼田まほかる
監督:熊澤尚人
出演者:吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチほか

8位:『ビブリア古書堂の事件手帖』(原題:「ビブリア古書堂の事件手帖 ―栞子さんと奇妙な客人たち」)

 51

五浦大輔が祖母の遺品の本を鑑定してもらうため訪れた古書店「ビブリア古書堂」で出会ったのが篠川栞子。足をケガして力仕事ができない彼女のため、書店を手伝うことになったけれど、栞子にある秘密を打ち明けられ……。2018年には実写映画が、公開日は未定ですが、アニメ版も上映されることが決まっている作品。

原作者:三上延
監督:三島有紀子
出演者:黒木華、野村周平ほか

9位:『偉大なる、しゅららぼん』

47

琵琶湖畔で代々不思議な力を伝承する一族・日出家。その跡取りで最強の力の持ち主とされる淡十郎と、この本家に修行へやってきた分家の涼介が出会い、同じ高校に入学したことから、世界を滅ぼしかねない大騒動へ発展してしまう物語。奇想天外な設定が魅力のファンタジーコメディです。

原作者:万城目学
監督:水落豊
出演者:濱田岳、岡田将生、深田恭子ほか

2013年受賞作

大賞:『海賊とよばれた男』

48

主燃料が石炭だった当時から石油に目をつけていた国岡鐡造。北九州・門司で石油業へ乗り出すものの、さまざまな壁が彼の行く手を阻んでいきます。しかし、常識をくつがえす発想、型破りな行動力、部下を大切にする愛情でそれを乗り越えていく鐡造の奮闘を描いていく作品。男気あふれる世界観を堪能できる物語だと思います。

原作者:百田尚樹
監督:山崎貴
出演者:岡田准一、吉岡秀隆、染谷将太ほか

2位:『64 ロクヨン』(原題:「64」)

49

前編・後編と上映された作品。昭和最後の年、昭和64年に起こった少女誘拐殺人事件。通称「ロクヨン」と言われ、少女死亡、未解決のまま14年過ぎた県警最大の汚点と言われたその事件の時効が近づく中、ロクヨンをなぞる新たな誘拐事件が発生し……。ミステリー要素だけでなく、人間ドラマも描いた映画になっています。

原作者:横山秀夫
監督:瀬々敬久
出演者:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々ほか

4位:『きみはいい子』

52

問題に正面から向き合えない性格ゆえ、児童たちがなかなか言うことを聞いてくれない小学校の教師・岡野。幼い頃のトラウマで自分の子供を傷つけてしまう雅美。認知症がはじまったと不安になるあきこ。人間関係に悩みを抱えつつ、でも人と人とのつながりに光を見出す彼らの姿に希望がもらえる物語です。

原作者:中脇初枝
監督:呉美保
出演者:高良健吾、尾野真千子ほか

7位:『ソロモンの偽証』

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クリスマスの朝、転落死した男子生徒。警察は自殺と判断したものの、殺人の目撃者と名乗る告発状が学校に届き、その容疑者はクラスメイト。マスコミ報道が加熱し、学校も親も無力だと感じている中、また犠牲者が。真実を暴くため、生徒たちで校内裁判が開かれることになり……。前半は事件を、後半にはその謎解きを描いていく2部作。

原作者:宮部みゆき
監督:成島出
出演者:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈ほか

8位:『世界から猫が消えたなら』

55

主人公の30歳の郵便配達員はある日突然、余命宣告を受けます。ショックの中、自分と同じ姿をした悪魔から、世界から何かひとつ消すことで1日分の命をあげると言われ、その通り、次々と消していく主人公。何かを消すたび、思い出も一緒に消えることになった彼は……。大切なものとは何か気づかされる心温まるストーリー。

原作者:川村元気
監督:永井聡
出演者:佐藤健、宮崎あおいほか

10位:『屍者の帝国』

56

死者を蘇生する技術が発達し、屍者を労働力にしている19世紀末。ロンドンの医学生ジョン・H・ワトソンが親友を違法に屍者化したことで、諜報機関から、生者のように意思があり言葉を話す屍者を生みだす技術が書かれているという「ヴィクターの手記」の捜索を任命され……。アニメ映画として上映された作品です。

原作者:伊藤計劃、円城塔
監督:牧原亮太郎
声の出演:細谷佳、正村瀬歩、楠大典ほか

2014年受賞作

10位:『去年の冬、きみと別れ』

57

結婚を控えた新進気鋭の記者・耶雲は猟奇殺人事件の容疑者であり天才カメラマンの木原坂の取材を試みる。彼に疑惑がかかる事件の真相にたどり着けそうになった矢先、木原坂の罠は、耶雲の婚約者・百合子に及んでしまい……。ストーリーは二転三転し、結末が予想不可能なサスペンスに仕上がっています。

原作者:中村文則
監督:瀧本智行
出演者:岩田剛典、山本美月、斎藤工ほか

2015年受賞作

6位:『怒り』

58

ある夏の暑い日に八王子で起こった夫婦殺人事件。犯人は顔を整形し、全国を逃亡中。事件から1年後、千葉と東京と沖縄に現れたのは素性のわからない3人の男。警察が公開した新たな手配写真は彼らに似ていて、男たちと出会った人々は彼らを疑ってしまい……。物語の重厚さと俳優陣の演技力も魅力ある映画です。

原作者:吉田修一
監督:李相日
出演者:渡辺謙、森山未來、松山ケンイチほか

9位:『アイネクライネナハトムジーク』

59

原作者・伊坂幸太郎が大ファンであった斉藤和義の依頼を受けて執筆した短編小説をもとに、主演に三浦春馬を迎え、2018年冬に公開予定。仙台駅前で街頭アンケートをしている佐藤に快く応えてくれたリクルートスーツの女性との出会いから、運命や奇跡や幸せについて考える佐藤。伊坂幸太郎らしい仕掛けが期待できる恋愛映画です。

原作者:伊坂幸太郎
監督:今泉力哉
出演者:三浦春馬、多部未華子ほか

10位:『億男』

兄が3,000万円の借金を残して失踪して以来、一男は図書館司書をしながら、夜はパン工場で働き借金を返済していいます。そんな彼に愛想を尽かし、娘と出て行く妻・万佐子。そんな中、3億円の宝くじが当選! 借金返済、家族の絆も修復できると思った一男だけれど……。お金、幸せ、家族、友情のあり方を問う作品。2018年10月19日公開予定です。

原作者:川村元気
監督:大友啓史
出演者:佐藤健、高橋一生、藤原竜也ほか

2016年受賞作

大賞:『羊と鋼の森』

60

高校でピアノ調律師・板鳥に出会った外村は、その世界に魅せられ、足を踏み入れます。先輩調律師・柳やピアノに関わる人に支えられ、ときに悩みながらも調律師としても人としても成長してく外村。そんな彼の人生をピアニストの姉妹・和音と由仁が変えることに……。小説の美しささながらの物語が紡がれた作品。2018年6月8日公開です。

原作者:宮下奈都
監督:橋本光二郎
出演者:山﨑賢人、三浦友和ほか

2位 『君の膵臓をたべたい』

61

膵臓の病を患っている高校時代のクラスメイト・山内桜良が書いていた闘病日記を偶然見つけてしまったことから彼女と過ごす時間が増えた「僕」。彼女の死から12年が経ち、僕は母校の教師になり、桜良の親友・恭子との結婚を控えていた中、あることがきっかけで、桜良の本当の想いを知ることに……。2018年9月1日にはアニメ映画も公開予定。

原作者:住野よる
監督:月川翔
出演者:浜辺美波、北村匠海ほか

4位:『永い言い訳』

62

人気作家・津村啓こと衣笠幸夫は、妻を旅先の事故で亡くしてしまう。ある日、妻の親友の夫・陽一とその子供たちに出会った幸夫は、その子たちの世話をするように。それがきっかけで、幸夫の虚しかった毎日が輝き出すけれど……。人を愛することって一体何なのか、自分自身の感情を振り返りたくなるかもしれない作品です。

原作者:西川美和
監督:西川美和
出演者:本木雅弘、深津絵里、竹原ピストルほか

10位:『火花』

63

若手お笑いコンビ・スパークスの徳永は、営業先の熱海で先輩芸人・神谷と出会う。彼のコンビ・あほんだらの漫才に魅了され、神谷に弟子入りする徳永。その2年後、東京に拠点を移した神谷と再会した徳永は、彼と芸について議論する充実した日々を送るけれど、次第にすれ違うようになり……。笑いの世界を通しての人間ドラマを描いた作品。

原作者:又吉直樹
監督:板尾創路
出演者:菅田将暉、桐谷健太ほか

2017年受賞作

10位:『コーヒーが冷めないうちに』

とある席に座ると過去に戻れるという喫茶店「フニクリフニクラ」。そこを舞台に心温まる4つの奇跡を描いた川口俊和の原作をもとに、映画化。主演は有村架純、監督は、ドラマ「アンナチュラル」で演出を担当し、この作品で監督デビューとなる塚原あゆこです。2018年9月21日より公開予定。

原作者:川口俊和
監督:塚原あゆ子
出演者:有村架純、健太郎ほか

2018年の大賞は?

4月10日、第15回本屋大賞が発表され、辻村深月著「かがみの孤城」が大賞に輝きました! こちらも将来、映画化されるかも!?
ちなみに6位入賞を果たした『騙し絵の牙』は、主人公の「当て書き」となった大泉洋を主演に迎え、2018年公開で映画化が決定しています。
小説を楽しんだあとは、映画化作品も味わってみてはいかがでしょうか。

本屋大賞

 

「本屋大賞」歴代の映画化作品をふりかえる<2004〜2009年版>

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