【グルメ×映画】食欲の秋だからこそ見たい!美味しそうな食事が魅力的な映画5選

映画も音楽も本も好き。

丸山瑞生

スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋。夏の暑さも落ち着き、心も身体もゆったりと過ごしやすい季節が近づいています。秋の心地よさを感じられるランニングも、読書をするのも楽しい秋の過ごしかたですが、やはり秋と言えば、おいしい料理。食欲の秋です!

日本の映画監督は日常を丁寧に描く方がたくさんいます。食事とは生活とともにあり、テーブルに並んだ料理は季節で彩られる。それはゆるやかでありつつも四季の変化を繊細に見せる日本ならではとも言える、ひとつの映像表現です。

今回は食事にフォーカスした5つの作品をご紹介します。
どれもお腹がすいてしまう作品です!

朝はこれ!定番の朝食がなんともいえない作品

朝食

『めがね』の理想的な朝の定食

小林聡美さんが演じるタエコが下り立ったのは少し不思議な南の島。タエコが宿泊する浜辺の宿「ハマダ」を舞台に、島の人々と触れ合いの中で「たそがれる」術を身に付けていくというストーリー。

「料理がおいしそうな映画」と聞き、『かもめ食堂』や『トイレット』の荻上直子監督の作品を思い浮かべた方は多いのではないでしょうか。そんな荻上監督の作品には欠かせない魅力的な料理を生み出すのは、フードコーディネーターの飯島奈美さんです。

『めがね』に登場する、朝の定食は理想的な朝ごはん。鮭の塩焼き、お味噌汁。付け合わせには卵焼きや梅干し、納豆。完璧な朝の定食を島の人々と食べるシーンは誰もが羨む朝のワンシーンです。

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見ていて本当にお腹がすくハワイが舞台の作品

マラサダ

『ホノカアボーイ』のふわふわサクサクのマラサダ

写真家・ライターとして活躍している吉田玲雄さんが自分自身のハワイ滞在体験を綴った紀行エッセイが原作の『ホノカアボーイ』。オールハワイロケということもあり、ハワイへと旅に出たくなる一本でもあります。

『ホノカアボーイ』には、ロールキャベツが登場します。ハワイという南国の島には不似合いな料理におもえますが、コトコトと煮込まれ、香り立つ湯気からは間違いないおいしさが立ちのぼります。

また、マラサダという揚げパンのようなパンも登場しますが、これをパクパク食べる松坂慶子さんがまさに「ハワイのおかあさん」のような可愛らしくもパワフルな役どころ。見ていて、ほんとうにお腹がすいてしまう作品です。

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今日のお昼はこれで決まり?シンプルなトマトソーススパゲティが魅力の作品

スパゲティ

『紅の豚』の豪快なトマトのスパゲッティ

イタリアのアドリア海を舞台に、飛行艇を乗り回す空賊と、それを相手に賞金稼ぎで生きるブタの姿をした退役軍人の生き様を描いた、ジブリでもっとも男らしい物語。

ジブリの映画に出る数々の料理はどれもおいしそうですが、『紅の豚』に登場するスパゲッティはシンプルなのに妙に惹かれます。普通のトマトのスパゲッティがなぜあんなにもおいしく見えるのか! 何十人分も一気に作る料理の豪快さは食欲をかきたてられ、スパゲッティとともに並べられる赤ワインにもイタリアの粋を感じます。

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四季の営みを感じられる料理に心打たれる作品

栗

『リトル・フォレスト』の季節の料理

五十嵐大介さんの同名漫画が原作の『リトル・フォレスト』は「夏・秋」と「冬・春」という季節ごとに構成された作品。橋本愛さんが演じる、いち子が小さな集落で自然とともに生活する姿が描かれています。

季節とともにある映画なので、旬の食べ物がどれも瑞々しくて、おいしそうなんですよね。中でも、秋のシーズンに登場する、くるみごはんと栗の渋皮煮は日本らしい四季の営みを感じられる料理です。こういった山で採れる食材を使った料理はなかなか食べる機会がないので、見ているだけでもおもしろいとおもいます。

この作品は調理のシーンも、レシピ本のように過程をわかりやすく見せているので、映画を見たあとに「おいしいものがたべたい!」というよりも、「料理がしたい!」という気持ちにさせられます。

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庶民的な料理に懐かしさを感じる作品

豚汁

『深夜食堂』のどこか懐かしい料理の数々

安倍夜郎さんの同名漫画が原作。深夜0時から朝の7時頃までの深夜にしか営業しない、「深夜食堂」と呼ばれている料理屋を舞台に、マスターと客たちとの交流を描いた作品。ドラマ化を経ての映画化です。

メニューは豚汁定食、お酒しかないけれど、マスターができるものなら言えば何でも作ってくれる。「こんな店がホントにあればいいのに!」とおもわせてくれます。

『深夜食堂』に登場する料理はシンプルなものが多い。たまごサンド、ソース焼きそば、肉じゃが。猫まんまなんかも登場します。どれも味を知っている庶民的な料理だからこそ、惹かれてしまうのでしょう。

とくにストーリーのキーになるとろろごはんは庶民的なのに手間のかかった一品。小さな土鍋で炊いたアツアツのごはんに、とろろをかけて、ごはんをかき込む。簡単そうな料理を丁寧に作っていることが伝わります。

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生活を描いた映画は食事も魅力的

今回紹介した映画はほとんどが生活を描いた映画です。生活は食事とともにあるので、どうしても切り離せない作品の要素。人々の暮らしがあり、ドラマがあり、その中のひとつの風景として、食事のシーンは描かれます。

おもしろいのは食事のシーンが作品のひとつの持ち味であるにもかかわらず、どの映画もそれを中心には捉えていないということ。どれも「当たり前」の食事を描いているので、大袈裟に味の感想を言うようなシーンはあまりありません。

しかし、どの映画もほんとうに食事のシーンが魅力的! 料理がおいしそうなのはもちろんですが、役者さんたちが幸せそうな表情で食事を楽しむ映像はこれらの映画を楽しむときの醍醐味です。みなさんも今年の秋は、映画の秋と食欲の秋でお過ごししてみてはいかがですか?

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  • 名無しの権兵衛
    -
    炎天下で冷えたトマトをかぶりつく贅沢よ
  • MoekaNoumi
    5.0
    好きすぎて
  • 99
    -
    空気感がいい
  • mostvaluable89
    3.9
    映画のなかで「いち子」は自然体で描かれていますが、じっさい仙人のようなスキルと達観が「作者」にはあるように感じられました。 ものを欲しがらず、孤独や不便を厭わず、お料理の食材を育てたり獲ったりする段階から楽しめるのに加え、農業や自然に対する知識が高い。もはや仙人です。 多くの都市生活者が田舎暮らしに憧れを持ちますが、現実は過酷なものだと思います。また、田舎とて、いやむしろ田舎だからこそ、枯れた穏やかな隣人ばかりとも限りません。 でもこの映画は作って食べるに焦点があたっているので、田舎暮らしへの憧れを増幅させる四季の佳景とスローライフが展開していきます。こんなことは私には無理だろうと解りつつ、やってみたいなと思わせる魅力を持っています。ロケーションも村の人々も確かな現実味がありました。 また人と人のエピソードが断片的な挿入にもかかわらず、有機的に生きていました。すなわち、いち子とユウ太、キッコ、福子との関係性が、部分的なのに、妙な説得力を持っていました。 母の失踪は悲劇ですが、あっさり描き、かつ「いち子」の芯の強さを裏付ける説明にもなっていました。 発見は桐島かれんでした。ミカバンドの頃しか知らず、セレブの印象があったのですが、台所でうつむいている姿は堂に入っていました。女優としては殆ど見たことがないので、雰囲気持っている佇まいに驚きました。 自我をおさえ孤独を友とし、ずっと片親で娘を育ててきた哀感が、美しくやつれた桐島かれんの表情にあらわれていた、と思います。そこに現実の母親の実績がかいま見えたのです。もっと女優やればいいのに、と思ったのでした。
  • yuuu
    3.3
    ついつい人の集まる賑やかな場所に憧れるけど、こんな暮らしもいいな〜
「リトル・フォレスト 夏・秋」
のレビュー(9272件)