「勇者ヨシヒコ」の生みの親・福田雄一が手がけた作品まとめ【映画・ドラマ】

2018.05.28
映画

映画は気持ちよく生きるためのヒント

hikari

2004年に全米初登場第1位を記録したハリウッド映画『50回目のファースト・キス』をリメイクした『50回目のファーストキス』が、山田孝之・長澤まさみのゴールデンカップルを主演に迎え、6月1日(金)より公開されます。

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本作の脚本・監督を務めたのは、意外にもあの“キング・オブ・コメディ”福田雄一

ポスター画像からしてもタイトルからしても、がっつりラブストーリーのような印象を受ける本作『50回目のファーストキス』。それをあの福田雄一が手がけるって一体どんな作品になるの!?と、いまから期待にふるえている方も多いはず。福田氏本人も「僕と山田くんが作るんだから……ねぇ?」と含みをもたせる内容と言いますから、そこは笑い要素もしっかり組み込まれていると信じて間違いないでしょう。

福田雄一といえばメディアに顔出しする機会も多く、8月には『銀魂2(仮)』の公開を控えるなど、コメディ色が強いマンガの実写作品やコメディ要素満載のオリジナル映画やドラマを手がけるクリエーターとしてご存知の方も多いですよね。

え、知らない?

安心してください。今回は福田雄一作品を映画にドラマにがっつり振り返ります!
福田雄一ファンはもちろん、福田雄一作品をあまり観たことがない人、『50回目のファーストキス』を観て過去作が気になった人もぜひご覧ください。

福田雄一とは?

まずは福田雄一という人物からご紹介します。

1990年に成城大学演劇部を母体として旗揚げされた劇団「ブラボーカンパニー」の立ち上げ以来の座長であり、劇団の全作品の構成や演出を担当。

劇団と平行して活動していたバラエティ番組の放送作家を経て、テレビドラマや映画の脚本を手がけるようになり、2009年の映画『大洗にも星はふるなり』で監督デビューを果たしました。

テレビドラマや映画などは、脚本や演出・監督を務めることもあれば、脚本のみ手がける場合もあり、そのほとんどがコメディ作品というのが特徴です。

舞台作品も数多く手がけていますが、今回は映画とドラマに絞ってご紹介します!

脚本・監督を担当した映画

大洗にも星はふるなり(2009)

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自身の劇団・ブラボーカンパニーで上演された作品の映画版。

大洗の海の家「江の島」で働いていたメンバーの杉本(山田孝之)、松山(山本裕典)、猫田(ムロツヨシ)、仁科(小柳友)、マスター(佐藤二朗)が、バイト仲間のマドンナ・江里子(戸田恵梨香)から個別に呼び出されたということで、クリスマスの日、海の家に集結することになってしまいます。
みんながみんな江里子は自分に気があると小競り合いをしているところに、海の家を撤去してほしいと言いにきた弁護士・関口(安田顕)が入り、さらに遅刻してきた林(白石隼也)も混じり、話がどんどんこじれていくコメディ。

男たちが、江里子がどうして自分に気があると思うのか、その理由を述べていくシーンは、思い込みが激しすぎたり、都合のいい解釈をしすぎたりしているのがなんとも滑稽。

また、江里子とは対照的に、見た目が残念な同じバイト仲間のよしみの悪口を散々言ったあと、実は集まったメンバーのある人物がよしみの彼氏であることがわかって、ものすごく気まずい空気になったり……。

思わずクスッと笑ってしまうシーンと、男たちの空回りが回り回って、どう事態を収集していくのだろうと先が読めない展開なのがこの作品の魅力です。

銀魂(2017)

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空知英秋によるギャグ要素もあるマンガを原作にした映画。

天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人が台頭してきたというSF設定の江戸末期を舞台に、坂田銀時(小栗旬)が、幕府の転覆を企んでいるというかつての仲間・高杉晋助(堂本剛)と対立していくストーリー。

あらすじだけだとちょっと堅そうですが、序盤から「CDTV」の真似をして銀時、志村新八(菅田将暉)、神楽(橋本環奈)が登場。

ほかにも銀時が倒れたとき、子供への読み聞かせのように、枕元で志村妙(長澤まさみ)が「ドラゴンボール」(しかも戦闘シーン)を声に出して読んだり、銀時があるところへ移動するときにナ○シカの○ーヴェが出てきたり……。

オマージュというかなんというか、そういったものがごちゃっと入っています。映画を観て笑いたい人には、そういう小ネタなところはぜひチェックしてほしいところです。

ほかの脚本・監督を務めた映画として、ブレイクしかけで大事な時期であった鈴木亮平が主演を務めた『HK 変態仮面』(13)や、青野春秋原作の『俺はまだ本気出してないだけ』(13)、文句ばっかりいうブー子のある1日を描いた『薔薇色のブー子』(14)、女子の戦隊ヒーローが協調性がないながらも敵に立ち向かう『女子ーズ』(14)、落語をモチーフとし自身の劇団の作品でもあった『明烏 あけがらす』(15)、麻生周一原作の『斉木楠雄のѰ難』(17)などの作品があります。

脚本・演出を担当したドラマ

「勇者ヨシヒコ」シリーズ

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2011年の『勇者ヨシヒコと魔王の城』からはじまり、2013年の『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』、2016年の『勇者ヨシヒコと導かれし七人』と続く3部作。

内容は、勇者たちが魔王を倒すべく冒険していく……要はドラ○エです。それをコメディにしてギャク要素を盛り込んで実写化したものを想像してもらえれば間違いないです。

村人と「会話する」と同じセリフを繰り返すのをゲームでなく実写で目の当たりにすると、異常な光景に見えてきたり、仲間が死んで棺桶運ぶのってリアルにやるとあんなに重いんだ……と急に現実に引き戻されたり、本筋とは関係ないところも気になってきます。

それに、スラ○ムなどのモンスターも登場するのですが、なんといっても手作りなのでめちゃくちゃチープ……。触れ込み通り「予算の少ない冒険活劇」の名にふさわしい演出です。

バカ単純な勇者ヨシヒコ(山田孝之)、気が強いムラサキ(木南晴夏)、やけに課長島耕作臭が漂うダンディだけどとぼけてる戦士ダンジョー(宅麻伸)、ろくでもない魔法しか覚えない魔法使いメレブ(ムロツヨシ)、そしてありがたみが全然なくて、ヨシヒコに至っては特別なメガネをかけないと見えない、この先の冒険を予言(?)する仏(佐藤二朗)。

噛み合っていないようで噛み合っている4人+仏の助言で進んでいく冒険は、肝心な敵との戦いにほとんど時間を割かず、くだらない小競り合いで時間を使うという、冒険活劇のセオリー通りに物語が進まないところが魅力です。

出演時間が究極に短い敵役を毎回、人気俳優が演じているのもみどころです。

スーパーサラリーマン左江内氏(2017)

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藤子・F・不二雄の「中年スーパーマン佐江内氏」を原作にしたテレビドラマ。

やる気なし、責任を負いたくない、中年サラリーマンの佐江内(堤真一)が謎の老人(笹野高史)からスーパースーツを押し付けられたことがきっかけで、日常で起きる事件・事故から人々を助けるスーパーマンとなって奮闘する姿を描いた作品。

とはいえ、個人的には土曜21時に放送するには冒険したなぁと思う、シュールな小ネタがぎっしり。

佐藤二朗演じる謎の男と佐江内のやり取りはどうやらアドリブらしく、そのシーンに登場した演者がいつも素で笑いそうになっているのにNG集としてでなく、ナチュラルにさらっとドラマ本編として流れます。

それから、スーパーマンになった佐江内氏が人助けした事件現場に必ず登場する警察官の小池(ムロツヨシ)と刈野(中村倫也)の掛け合いもどうやらアドリブのようで、なんとか話をひねり出している姿と、それに辻褄を合わせようとする2人の絶妙なやり取り。

こういった、予定調和にいかない場面があるところもみどころ。

私だけかもしれませんが、ストーリーよりも、どうしてもそういった細かい部分についつい目がいってしまうドラマです。

ほかにも、5分で解決する事件を33分持たせる(!?)探偵の奮闘を描いた『33分探偵』(08)、「ガラスの○面」のパロディにしか見えない『ミューズの鏡』、子供の姿になってしまった刑事たちが悪の組織を追う『コドモ警察』、島本和彦のマンガが原作の『アオイホノオ』などのテレビドラマも手がけています。

またテレビではないですが、DVDドラマの「THE3名様」シリーズやAmazonプライム・ビデオで配信されている『宇宙の仕事』も脚本・監督・演出を担当しています。

脚本のみを担当した映画

高校デビュー(2010)

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河原和音のマンガを原作にした映画。

中学までソフトボールに打ち込んできた長嶋晴菜(大野いと)は、高校に入ったらソフトボールをやらずに恋愛しようと決意。しかし、待てど暮せど全然モテない! そこで、あるとき出会った学校の先輩・小宮山ヨウ(溝端淳平)を男心がわかる人だと思い、モテる女にしてもらうためコーチを依頼。

「俺のことを絶対に好きにならないこと」を条件に引き受けてもらうものの、洋服を見立ててもらったり、一緒に時間を過ごしていったりするうちに、晴菜はヨウを好きになってしまう……というストーリー。

あらすじだけだとキュンキュン系だし、しかも少女漫画原作なので、これまでの福田雄一作品とは異色なのですが、思っていたよりもセリフやストーリー展開にキラキラは少なめ、そしてギャグ多めの福田節は相変わらず。

邪念を吹き飛ばすために晴菜がなぜか「肉まん」とつぶやいたり、モテモテのヨウに近づいたばかりにいろいろイタズラを仕掛けられても晴菜が全然意に介さない、むしろその犯人を突き止めて打ちのめしてしまうシーンも。

そのズレっぷりに笑いがこみ上げてきます。

ほかにも、『アオイホノオ』と同じく島本和彦原作の『逆境ナイン』や、小説が原作で高校生グループと警察官とのイタズラ合戦を描いた『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』、蛭子能収主演のヤクザ映画『任侠野郎』などの脚本も担当しています。

脚本のみを担当したドラマ

都市伝説の女 Part2

『猿ロック』や『東京DOGS』といった代表作もあるのですが、あえて第3話と最終話しか脚本を手がけていないこの作品を。

都市伝説オタクで、都市伝説に関わりがあるという視点で事件を捜査していく刑事・音無月子(長澤まさみ)を主人公にした刑事ドラマシリーズ。

月子は何かと都市伝説にひもづけるのですが、気のせいか福田雄一脚本のときだと、その推理にかなり無理がある気が……。この展開は、犯人がわかっているのに、別の人を犯人だと推理して、無理な理由をでっち上げて証明していく『33分探偵』のあの流れによく似た感じ……。きっと『33分探偵』ファンなら懐かしくなるストーリー展開だと思います。

そのほか、あの三谷幸喜や木皿泉を輩出した「やっぱり猫が好き」シリーズである『やっぱり猫が好き2003』、『やっぱり猫が好き2007』、剛力彩芽主演の『私の嫌いな探偵』などのドラマ脚本も手がけています。

福田雄一作品の3つの特徴

たとえば、『33分探偵』はいちおう推理ドラマなのですが、事件の真相が開始5分あたりでわかっているのに、放送時間の33分を持たせるためにわざとありえない人物を犯人と推理するなど、当り前だと思っている設定からズラして笑いをとる作品が多いのが福田作品の持ち味。

また、マンガや小説を含め、原作ものに関わっていることも少なくないのですが、観た人からの評価も比較的高く、原作ものに定評があるのも特徴のひとつと言っていいでしょう。

それから出演陣を見ていくと、佐藤二朗やムロツヨシ、菅田将暉、中村倫也などブレイク前から作品に起用していることが多いのです! 福田雄一作品を観ていればネクストブレイクの俳優がわかるかも!?

今後手がける作品は?

冒頭でも言った通り、6月1日(月)公開の『50回目のファーストキス』に続き、8月17日(金)には、『銀魂2(仮)』が公開。

gintama2

そしてテレビドラマでも、この10月からは西森博之のマンガを原作とした今日から俺は!!』が、スタート。
また、時期は未定ですが中村光原作の『聖☆おにいさん』も動画配信サービスで配信予定です。

新作が目白押しの福田雄一作品。ぜひ注目してみてください!

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