夫婦の数だけ結婚の形がある!さまざまな結婚のあり方を教えてくれる映画20本

2018.06.05
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

女子にとって6月といえばジューン・ブライド。6月に結婚式を挙げた花嫁は幸せな結婚生活を送ることができるとされているが、そんな縁起をつい担いでしまうほど、結婚生活への期待と不安は大きいもの。

結婚式は、これから続く長~い結婚生活の始まり。だからこそ、この時期に結婚について考えてみない?

夫婦の数だけいろいろな結婚スタイルがある。

そんな結婚のあり方を教えてくれる映画20本をご紹介しよう。

シリアの花嫁(2004)

さまざまな境界線を越えて

シリアの花嫁

複雑な中東情勢を背景に、イスラエル占領下の土地からシリアに嫁ぐ主人公とその家族の愛と葛藤を描く。

彼女は、境界線からシリアに入ったら二度と戻ってこられない。信仰に背いてロシア人と結婚した兄は、結婚式に出席できない。政治活動で投獄されたことのある父は、娘と一緒に境界線までいくことができない。とまあ、できないこと尽くしの家族たち。

花嫁は相手の姿を写真でしか知らず、この結婚が不安でしょうがないようである。何しろ相手とうまくいかなくなっても、実家に戻ることができないからだ。それでも行くしかない。心配そうに見守る親戚や友人に背中を向け、ウェディングドレスを着て1人で境界線に向かう姿はまるで戦いに行くようだ。どんな結婚生活が待っているのだろう。どうか幸せになって。

夢売るふたり(2012)

売るものはなに?

夢売るふたり

東京の片隅で小料理店を営む若い夫婦。ある日火事で店が全焼してしまうのだが、また店をやりたいという夢を叶えるため、夫婦は結婚詐欺を始める。

阿部サダヲに結婚詐欺師の役ができるのかと思いきや、これが心遣いの優しい男でね。観ているうちにこりゃ女心をつかむわと納得。騙す相手を選び裏で糸を引く妻が、他の女と過ごしている夫を1人で待つ姿がいじらしい。

共通の目標があるので、夫婦の絆は強い。罪の意識に乏しいのは、2人で懸命に支えあいながらお金を貯めている気分なのかもしれない。それでもこの不自然な夫婦関係が割り切れなくなるときがあり、時々爆発。離ればなれになっても、2人は同じものを見ているのだろう。こんな絆もある。

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2018)

夫婦になっていく

wedding

田舎の風景や身近な動物を描き続けたカナダの画家モード・ルイス。その彼女を支えた夫とのささやかな結婚生活を綴った伝記映画。

幼少期にリウマチを患い、体が不自由になってしまったせいで身内から厄介者扱いされている彼女が、自立しようと仕事を始める姿がたくましい。最初は彼の家政婦として住み込みで働いていたのだが、やがて2人は結婚。それも彼女の強い希望によるものだった。なかなかやるなあ。

実は夫は根は優しいが粗野で乱暴な面があり、妻に暴言を吐いたりひどい仕打ちをすることもあった。そんな2人がぎこちなく支えあいながら、一緒に魚の行商に行く姿がほほえましい。そうやって少しずつ本当の夫婦になっていくのだろう。最初から完全な夫婦なんていない。

サルトルとボーヴォワール 哲学と愛(2006)

葛藤の果てに

サルトルとボーヴォワール

哲学者サルトルと作家ボーヴォワールが実践した結婚という契約にとらわれない男女の新しい関係。しかしそれを築くまでには、数々の困難や葛藤があった。

サルトルは実存主義を唱え、ボーヴォワールは著書「第二の性」で女性の解放を説いたことで、2人は歴史に残る人物となったが、この物語は2人がまだ学生だった頃から始まる。どちらかというと、周囲との軋轢に苦しみながら何者かになろうとしてもがくボーヴォワールの伝記映画だ。

彼らの関係は「事実婚」というよりも「同士」「共犯者」に近いだろう。男女の愛を超えた絆。だからお互い恋人を作ってもよし。しかしそこは人間だから、特に彼女の方は感情的に割り切ることが難しいようで、嫉妬や葛藤に苦しむ姿に女性は共感するはず。終わりよければすべてよし。

ウェディング・バンケット(1993)

奇妙な三角関係

ウェディング・バンケット

ニューヨークに住む主人公には同性の恋人がいるが、息子がゲイだと知らない両親を安心させるため、永久居住権を欲しがる友人の女性と偽装結婚することになる。

主人公は台湾系アメリカ人、その恋人はアメリカ人、結婚する女性は中国人という3つの人種が入り混じり、そこに同性愛やグリーンカード問題がからみあう。そんな複雑なテーマを自然な語り口で描きながら、家族とは何かについて問いかけてくる。

ゲイカップルと新婦の関係は理屈では割り切れず、しょせん無理のある三角関係だ。ある日その歪みが爆発して痴話げんかが起こるのだが、台湾からやってきた両親は英語が全くわからないものの、自分たちが修羅場に巻き込まれていることを察するシーンがおかしい。落としどころはどこに?と思っていたら、意外な展開になってよかったよかった。ちょっとうらやましくなる家族のあり方である。

マイ・ビッグ・ファット・ウェディング(2003)

愛は勝つ

マイ・ファット・ウェディング

 

ギリシャ系アメリカ人女性とホワイト・アングロサクソン・プロテスタントのアメリカ人男性が、宗教や人種の壁を乗り越えて結婚する物語。

ロマンティック・コメディだから誰でも楽しめるし、異文化を知るための勉強にもなる。そのせいか、この映画は予想外の大ヒットだったらしい。結婚式の一般的なイメージを壊すギリシャ式の結婚式には、新郎でなくてもビックリだ。

これは「ギリシャ男と結婚」「子供を産む」「一生親の面倒を見る」ことを課せられているギリシャ女性が闘う話でもある。すべては愛のため。かといって母国をないがしろにするわけでもなく、ギリシャ文化は子供にもちゃんと受け継がれていく。文化と歴史を継承するのが結婚の役割でもあるのかな。

ぐるりのこと。(2008)

時間はかかるけれど

ぐるりのこと。

生まれたばかりの子供を失くした夫婦が、妻の病気を乗り越え、10年という月日を一緒に過ごすなかで新たに絆を深めていく。

今では演技派俳優として知名度のある木村多江とリリー・フランキーだが、実はこれが映画初主演作品。なので、2人の新鮮さと初々しさがこの夫婦のたたずまいとマッチして、雰囲気がとてもよい。うつ病になってしまった妻を言葉少なに見守る夫が、優しくて強い。

身の回りで起こるいろいろな出来事=ぐるり。法廷画家である夫が傍聴する裁判が地下鉄サリン事件だったりするので、この夫婦も実在するような錯覚に陥ってしまう。いや、本当に存在するのだろう。誰でもこの夫婦のように乗り越えていけるはず。そう私たちに語りかけているようだ。

ゴーン・ガール(2014)

脱げない仮面

ゴーンガール

仲の良いカップルだと思われていたセレブ夫婦。ところがある日妻が突然失踪し、警察の捜査や過激なマスコミ報道によって夫が妻を殺害したのではないかと疑われはじめる。

男性がこの映画を観ると震え上がるだろうが、女性からすると、かなり度は過ぎているもののまあしょうがないかと思うかもしれない。それだけ彼女の失望と不信感は強く、憎しみと悲しみは深い。ちょっと笑ってしまうほどの見事な用意周到ぶりも、女性ならでは。

彼女は徹底的に復讐をしているだけで、悪女ではない。彼女には彼女なりに理由があるのだ。途中で計画が崩れそうになって大ピンチになるが、その乗り越え方もすさまじい。愛のない結婚生活が最大の復讐。でも彼女はそれで幸せなんだろうか。

クレイマー、クレイマー(1979)

やり直せないの?

クレイマー、クレイマー

仕事熱心で家庭をかえりみない夫と、育児と家事以外に生きがいを見つけたい妻。ある日その妻が突然家を出てしまい、夫は幼い息子と慣れない生活を始めなければならなくなる。

「自分の人生を歩みたい」と妻が子供を置いて家出するなんて、当時の夫たちは考えもしなかっただろう。有名なフレンチトーストのシーンは2人が過ごした日々を感じさせ、男同士による共同作業という側面もあって心に染みる。

後半は夫婦が離婚裁判で争う様子が描かれ、愛情が冷めたというよりも妻が別の生き方をしたくなったのだなとわかる。もはや歩み寄りの余地はないのか。きっとこうなるまでに分岐点があったはずなのだが、そこを夫は見過ごしてしまい、気がつくと2人は遠く離れてしまった。子はもう“かすがい”にはならない。世の夫たちよ。気をつけて。

グリーン・カード(1990)

ウソがホンモノに

グリーンカード

お互いの利害が一致したため、初対面で偽装結婚をした男女。しかし、一緒に暮らしているうちに2人は次第に惹かれあうようになる。

結婚が条件になっている温室付きのアパートに住みたい園芸家の女性。居住永住権(グリーン・カード)が欲しいフランス人男性。つまり2人は国際結婚なのだが、それだけでなく性格も趣味も正反対という設定が面白く、ナチュラル主義VS快楽至上主義のいさかいがみどころだ。

考えてみれば、他人である限り家庭環境や価値観のズレは必ずあるのだから、人種が同じでも結婚はある意味で国際結婚のようなもの。同じ目的に向かって努力するなかでお互いを理解するようになるだなんて、結婚の真髄を描いているのでは?

さざなみ(2015)

さざなみのような波紋

さざなみ

結婚45周年記念パーティの準備を前に、ある手紙が夫に届けられたのをきかっけに、夫婦の絆と愛情が揺らいでいく。

子供はいないが仲のよい夫婦の元へ、夫の昔の恋人の死体が発見されたという連絡が届く。それから夫は彼女との思い出に浸るようになり、それを見ていた妻は次第に不信感を募らせる。しかも、すでにこの世にいないその恋人に嫉妬までしてモヤモヤするのである。

恋人の話をしたりこっそり写真を見ていたり。夫の方には悪気はなさそうだが、妻も女であることを忘れているのが罪。突然手を振り払われた理由は、悲しいかな、夫にはわからないだろう。長い年月をかけて育んできたものが簡単に崩れてしまう恐ろしさを見せつけられる。 

31年目の夫婦げんか(2012)

プロの指導を受けて

31年目の夫婦げんか

結婚生活31年目を迎えた夫妻が倦怠期を迎えて関係が危うくなり、悩んだ妻の勧めで一緒にカウンセリングを受けることになる。

セックスレスに悩んでいる妻は遠まわしにそのことをアピールするが、そんな妻の様子に夫は無関心。別にセックスが全てはないだろうが、パートナーの気持ちを汲もうとしないその態度が問題なわけで。そしてここはやはりプロに相談という展開になるのが、アメリカらしい。

31年も結婚生活を送っていると、一緒にいるのが当たり前になってしまう。しかしその「一緒」とは同じ家にいるという意味で、2人だけの時間を過ごしているのではない。女性はそういうことに敏感で寂しく思うものである。カウンセリングの指示に一生懸命従おうとする夫の姿がかわいい。

ふたりの5つの分かれ路(2004)

逆回しで観せないで

ふたりの5つの分かれ路

物語はある夫婦の「離婚」から始まり、そして「倦怠期」「出産」「結婚式」「出会い」という2人のターニングポイントが時間を遡って描かれる。

なんて残酷でイジワルな映画なのだろう。2人がなぜこうなってしまったのか、それを探るために過去がフラッシュバックではさみこまれることはあるが、この作品は時間がそのまま巻き戻されていく。なので、最初のシーンと最後のシーンのギャップときたら……。

幸せいっぱいで始まってつらい別れで終わるより、愛が芽生えて希望に満ちている若い2人をラストに観た方が、その後を知っているだけにズシンと心に残る。ああ、なんてやるせない。逆に2人の関係が修復されていくような錯覚も覚えてしまうすごい作品だ。

Mr.&Mrs. スミス(2005)

隠し事はいけません

Mr&Mrsスミス

実はプロの殺し屋という裏の顔を持つ夫婦。もちろん2人とも、それぞれの本性を知らない。ある日2人に同一人物をターゲットにした暗殺指令が下りる。

これは夫婦喧嘩ではなく、プロとしての意地とプライドを賭けた組織同士の戦いだ。自分の仕事を邪魔した相手がたまたま配偶者だったというだけである。しかしそこは恋愛結婚をした2人だから、とことん本気にはなれない。

隠し事がなくなったので本当の自分をさらけ出し、絆が深まった2人。また、共同作業を行ったことで愛を確かめ合った2人。アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットが夫婦役なので、今ならまた違った鑑賞法が楽しめそう。

ペギー・スーの結婚(1986)

あの頃に戻って

ペギー・スーの結婚

夫と別居中の妻が同窓会で失神し、なぜか高校時代に戻ってしまう。実は夫は同級生でちょうど交際中。そのまま交際を続けるべきかと妻は悩む。

妻は現在の記憶を持ったまま当時の自分に戻ったので、高校生の夫を見ても将来の姿を知っている。一方、夫の方はまだ高校生だから妻に一途な恋心を抱いていて、この2人の温度差がコメディ・タッチで描かれる。

昔の2人を思い出してやり直すという恋愛映画はよくあるが、これは本当に昔に戻るのだから、いっそ結婚しないという選択もできるわけで複雑な気持ち。考えてみれば残酷な話だなあ。何にしろ、2人の歴史を振り返るのは関係修復に役に立つ。それは確か。

ストーリー・オブ・ラブ(1999)

たまには離れるべし

シー・オブ・ラブ

夫婦は子供の前では仲のよいところを演じているが、実は言い争いが耐えない。そこで、子供たちが長期不在のときに別居を始めることにする。

妻は夫を責め、夫はその妻がうっとおしい。ケンカの原因も国と時代は違えど夫婦あるあるで、やり直そうと何度努力しても上手くいかず。結婚15年も経つとこんな風になってしまうのだという見本みたいな話である。

プチ別居でしばらく離れていたときは今までの日々が頭に浮かんできて、まだお互いを愛していることに気づいた2人。やはり冷却期間は必要だね。しかし、結局すれ違いが続いてどうにもならなくなってしまう。結婚する前に観るべき? 観ない方がよい?

結婚記念日(1991)

夫婦喧嘩はコメディ

結婚記念日

高級住宅地に住む夫婦が、結婚記念日パーティの準備のために買い物に出かける。ところがふとしたことから夫婦喧嘩が始まり、離婚の危機にまで発展してしまう爆笑コメディ。

舞台はクリスマス・シーズンで賑わうショッピング・センター。夫が何気なく過去の浮気を打ち明けたことが発端となり、数時間のうちに喧嘩→離婚話→仲直り→また喧嘩を繰り返す。その間にプレゼントを忘れたり失神したりして、大騒動だ。

いろいろな店をぐるぐる回りながら、2人の気持ちもくるくる変わる。まさに「夫婦喧嘩は犬も食わない」というやつである。似た者同士で幸せな夫婦なのだろう。ウディ・アレンとベット・ミドラーのかけ合い漫才のような会話がみどころ。

ブルーバレンタイン(2010)

一体何がいけなかったのか

ブルーバレンタイン

小さい娘と3人で暮らす夫婦。しかし彼らの間には、もはや修復できないほどの深い溝ができてしまっていた。2人の出会いから結婚、そして別れまでを描いた胸の詰まる恋愛映画。

今をときめくライアン・ゴズリングが不器用だけど優しい男を演じて、ファンにはたまらないだろう。元カレの子供を妊娠していたのに結婚してくれて、自分を愛して娘も可愛がってくれる。そんな理想的な男なのになんでこんなことになったのだろう。

彼女は耐えられなかった。彼とやり直すという選択肢はなかった。昔はあんなにラブラブだったのに……最後の最後で男と女の違いが浮き彫りになる。ラストシーンは涙なくして語れない。夫婦で観ると危険だろうが、それでも観て欲しい傑作。

愛、アムール(2012)

愛すればこそ

愛、アムール

元音楽家の老夫婦は穏やかで充実した生活を送っていたが、ある日妻が重い病気になってしまい、夫が自宅で介護を始めることになる。

私たちが見ないようにしていたことを目の前に突きつけ、愛だと思っていたことの本当の姿を暴き出す衝撃作。長生きすればするほど、愛し合っていればいるほど、この2人のような状況に追い詰められてしまうのだろうか。とてもリアルな話なだけに、つらい。

しかしこれはカンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞するなど、世界的な評価が高い作品なのである。つまり、単につらいだけの話ではないということ。そこには胸を揺さぶられる尊い物語がある。観るのなら夫婦でなくお1人で。そしてまだお若いうちに。

あなた、その川を渡らないで(2016)

死が2人を分かつまで

あなた、その川を

結婚76年目を迎えた夫婦は、年老いてもなお愛と思いやりにあふれた幸せな日々を送っていたが、夫の身体に少しずつ異変が起きるようになる。

毎日ペアルックだし手をつなぐし、一緒に寝て顔や髪をなでたりするしで、もうラブラブである。普段は2人でひっそりと暮らしているが、正月や誕生日には子供や孫がやってきて賑やか。たまに老人会の行事にも参加する。なんて恵まれた人生なんだろう。

と羨ましく思っていたら、実は2人には12人中6人の子供を失くしたという過去があった。愛犬も先に死んだ。子供たちは親の前で喧嘩をする。長生きするとそれだけ悲しいこともある。そして愛する人の死。強い愛で結ばれているからこそ別れもつらいだろう。それでもこんな夫婦になりたいと思う。

いかがでしたか?

結婚前に観るもよし。結婚後に観るもよし。2人で観るもよし。1人で観るもよし。

どうぞ自分たちだけの結婚スタイルを。

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