2018年。この年を語る1本として忘れてはいけない、衝撃的なTVアニメが登場しました。
その名も『ポプテピピック』。
本作は大川ぶくぶ先生がWEBコミック「まんがライフWIN」にて連載していた4コマ漫画をTVアニメ化した一作です。
TVアニメ『ポプテピピック』は、2018年1月より放送開始です! #キングレコードのクソ勘違い #クソアニメ #ポプテピピック pic.twitter.com/Hs7X4XVRH6
— アニメ「ポプテピピック」公式 (@hoshiiro_anime) 2017年8月11日
1コマ目からすでに“オチ”ていたり、風刺やパロディ、ネットだからこそのタイムリーなネタも豊富だったりとかなり尖った作風の作品でした。シュールでこれといったストーリーのない4コマ漫画を果たして、どうTVアニメ化するのかと思いきや、その原作にも負けず劣らず、TVアニメは衝撃の仕上がりとなっていました。
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】『ポプテピピック』のいまだかつてないアイディア達
ストーリーのない原作をどう30分のTVアニメの枠に収めるのかと思いきや、『ポプテピピック』想像を遥かに越えてきた!
毎週、1話15分のストーリーを“2つ”用意して計30分。こう聞けば従来にもよくある二部構成のアニメと思われるでしょう。しかし『ポプテピピック』は、1つめと同じアニメーションをもう一度、続けて放送するという、いまだかつてない枠の使い方をしていたのです。今流したばかりのストーリーを続けて流すなんて未だかつてあったでしょうか。
しかし、ただ同じアニメーションを繰り返すわけではありません。前半15分と後半15分ではストーリーこそ同じですが、主人公のポプ子とピピ美を演じる声優が違うという試みを行っています。片方が女性声優陣が演じているかと思えば、後半では男性声優陣が演じていたり、かと思えば翌週になるとまた違ったキャスト陣によってポプ子とピピ美が演じられていたりと、まったくキャストが定まっていないという、これまた画期的なアイディアが盛り込まれていたのです。(超有名アニメの声優陣が起用されていることも!)
固執しないが故のアニメーションに対する誠実さ
『ポプテピピック』のTVアニメとしての自由奔放さは、アニメーションという手法自体にも面白いエッセンスを与えていました。TVアニメ『ポプテピピック』では、オムニバス形式で様々なアニメーション制作会社さんがアニメーション制作に参加するという形式をとっていたのですが、そのバラエティの豊かさも見事。
単純な手書きアニメーションだけでなく、映像作家の山下諒さんによるゲームパロディを扱ったドット絵アニメーションパートや、UchuPeopleさんによる歌って踊るフェルトパペットアニメーションパート、さらには映像自体が珍しいアニメーターの佐藤美代さんによる砂絵アニメーションパートなど、一般的なアニメーションの枠に捕らわれない色とりどりの映像体験ばかりでした。
本編こそギャグアニメとしてふざけまくっているのですが、一方で、短時間にこれだけ豊富な映像体験が味わえると思うと、これほど高尚なTVアニメ作品はなかなかないのではないかと思わざるを得ません。『ポプテピピック』、そういう意味でも侮りがたいのです。
注目のアニメスタジオ「神風動画」
そしてそんな『ポプテピピック』のアニメーション制作を務めているのが、今注目しておきたいアニメーション制作会社「神風動画」です。
『ポプテピピック』では主に3DCGアニメパートを請け負っています。“妥協は死”という衝撃的な社訓を抱えていることでも知られているのですが、かといって変にストイックな体制でアニメーション制作を行っているわけではありません。
『ポプテピピック』のような奇抜な作品だけでなく、2017年には真面目なディストピア物の自主制作中編アニメーション『COCOLORS』を制作し、劇場上映も果たしました。本作はカナダのモントリオールで毎年開催されるファンタジア国際映画祭でアニメーションの最高賞である今敏賞を受賞していたり、第21回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門では優秀賞を獲得するなど、国内外問わず高評価を得ている作品となっており、世界を舞台に戦っていける力を持ったアニメーション制作会社です。
神風動画の最新作は『ニンジャバットマン』だ!
海外目線でも高評価を得ている神風動画が、まさに世界市場に挑もうとしているのが、6月15日(金)から劇場公開中の『ニンジャバットマン』という作品です。あのDCコミックの人気キャラクターであるバットマンが、日本の戦国事態にタイムスリップするという驚きの展開の作品となっており、バットマンだけでなくお馴染みの敵味方が日本ナイズされた姿で登場するところもみどころとなっています。
『ポプテピピック』で見せてくれた、常識の枠に収まらないパワーが、『ニンジャバットマン』でも発揮されていることに期待です。また、あっと驚くアニメーション体験を用意してくれるのではないでしょうか。
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※2021年5月31日時点のVOD配信情報です。