物語の中に張り巡らされた伏線を巧みに回収していくどんでん返し系の映画って、思わず「騙された〜!」となる感覚が気持ちよかったりして、観終わった後の余韻や感動も含め、もう1度見直したくなったりするものです。
そこで本記事では、サスペンスやスリラーなどを始めとし、様々なジャンルで描かれる伏線回収がハンパない映画を、10本厳選してご紹介します。
『シャッター アイランド』(2009)
あらすじ:精神を病んだ犯罪者だけを収容し、四方八方を海に囲まれた「閉ざされた島(シャッター アイランド)」から一人の女が姿を消した。島全体に漂う不穏な空気、何かを隠した怪し気な職員たち、解けば解くほど深まる謎……。事件の捜査に訪れた連邦保安官テディがたどり着く驚愕の事実とは!?
作品情報:『アビエイター』『アイリッシュマン』などを手掛けた、マーティン・スコセッシ監督作。主演を務めたレオナルド・ディカプリオとは、『ディパーテッド』以来2度目のタッグを組んでいる。作中に散りばめられた謎めいた伏線は難解なものが多いが、それ故何度も見直したくなる一作。
『インターステラー』(2014)
あらすじ:地球の寿命は尽きかけていた。居住可能な新たな惑星を探すという人類の限界を超えたミッションに選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男。彼を待っていたのは、未だかつて誰も見たことがない、衝撃の宇宙。はたして彼は人類の存続をかけたミッションを成し遂げることが出来るのか?
作品情報:『インセプション』の、クリストファー・ノーラン監督作。米・アカデミー賞主演男優賞受賞のマシュー・マコノヒーと、アカデミー賞助演女優賞受賞のアン・ハサウェイ共演で贈る、感動的なSF超大作。ちなみに、世界的に有名な天体物理学者キップ・ソーンが企画から製作総指揮まで関わっていることから、彼の理論に基づいて本作の壮大な宇宙旅行が描かれている。物語の終盤にかけて点と点が繋がっていく秀逸な伏線回収と、ディティールにこだわり抜いた本作は見応え抜群の一作。
『ゲット・アウト』(2017)
あらすじ:ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家に招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりで気が滅入ってしまう。そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変し、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。“何かがおかしい”と感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが……。
作品情報:第90回・米アカデミー賞にて、脚本賞を受賞。本作で長編映画監督デビューを飾った、ジョーダン・ピールが監督と脚本を担当し、『ヴィジット』『インシディアス』の、ジェイソン・ブラムが製作を手掛けている。世界的ヒットメーカーの二人が初タッグを組んだ本作では、これまでの映画の常識を覆すようなサプライズ・スリラーの新境地を開拓させた。『クイーン&スリム』の、ダニエル・カーヤが主演を務める他、アリソン・ウィリアムズ、ブラッドリー・ウィットフォード、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、キャサリン・キーナーなどが共演を果たしている。
『パラサイト 半地下の家族』(2019)
あらすじ:仕事も計画性もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続ける息子ギウ。美大を目指すが予備校に通うお金もない娘ギジョン。しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“半地下住宅”で暮らす貧しい4人家族だ。「僕の代わりに家庭教師をしないか?」ギウはある時、エリート大学生の友人からアルバイトを頼まれる。そして向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき……。“半地下”で暮らすキム一家と、“高台の豪邸”で暮らすパク一家。相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく……。
作品情報:第92回・米アカデミー賞では、アジア初となる最多4部門を受賞する他、各国の映画祭にて脚光を浴びた最高傑作。本作のメガホンをとったのは、今最も世界から注目を集める気鋭の監督ポン・ジュノ。そして、監督とは今作で4度目のタッグを組む韓国の名優ソン・ガンホが、主演を務めている。数多くの伏線を鮮やかなトリックで回収していく展開に、驚きを隠せない一作。
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)
あらすじ:NYの豪邸で世界的ミステリー作家の85歳の誕生日パーティーが開かれた翌朝、彼が遺体で発見される。名探偵ブノワ・ブランは、匿名の人物からこの事件の調査依頼を受けることになる。パーティーに参加していた資産家の家族や看護師、家政婦ら屋敷にいた全員が第一容疑者。調査が進むうちに名探偵が家族のもつれた謎を解き明かし、事件の真相に迫っていく……。
作品情報:『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の、ライアン・ジョンソンが監督及び脚本を担当した。本作は、イギリスのベストセラー推理小説家アガサ・クリスティーに捧げるため、100%オリジナル脚本で書き上げ撮影に挑んだ、ミステリー映画の最高傑作。キャストには、「007」シリーズのダニエル・クレイグ、「アベンジャーズ」シリーズの、クリス・エヴァンスを始めとする豪華俳優陣が顔を揃える。物語が進んでいくにつれて二転三転を見せていくスリリングなストーリー展開と、伏線をスッキリと回収していく後味の良さには、思わず快感を覚えてしまいそう。
『TENET テネット』(2020)
あらすじ:「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」……主人公に課せられたミッションは、人類がずっと信じ続けてきた現在から未来に進む“時間のルール”から脱出すること。時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、第三次世界大戦を止めるのだ。ミッションのキーワードは「TENET(テネット)」。突然、国家を揺るがす巨大な任務に巻き込まれた名もなき男(ジョン・デイビット・ワシントン)とその相棒(ロバート・パティンソン)は、任務を遂行する事が出来るのか!?
作品情報:「ダークナイト」シリーズや『インセプション』を手掛けた、クリストファー・ノーラン監督が贈る、極限のタイムサスペンス超大作。ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン共演。ちなみに公開当時は、難解で知的な物語の真相を明らかにするため劇場に何度も足を運ぶ映画ファンが続出。また、大規模な撮影が三大陸を跨ぐ7ヶ国で行われたことから、迫力に満ちた映像美や臨場感溢れる音響などにも圧倒される。
『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(2020)
あらすじ:舞台は、“伝説の島”と呼ばれる南国リゾート、マレーシアのランカウイ島! 世界有数の大富豪一族をオサカナ(ターゲット)にダー子、ボクちゃん、リチャードらお馴染みの面々が10兆円の資産を狙い華麗にそして超絶大胆に仕掛けるコンゲーム(騙し合い)。のはずが……百戦錬磨のコンフィデンスマン、ダー子たちに訪れる最大の危機!! 果たして狙ったオサカナの為なら命の危険も惜しまない彼らの運命は!?
作品情報:テレビドラマシリーズ『ALWAYS 三丁目の夕日』や、『リーガルハイ』などを手掛けた脚本家・古沢良太が書き下ろしたオリジナルドラマ『コンフィデンスマンJP』の劇場化作品第2弾目。長澤まさみ、東出昌大、小日向文世共演。ダー子を軸とした天才コンフィデンスマン(詐欺師)たちが仕掛ける巧妙な伏線を、ラストにかけて全回収していく気持ちのいい展開と、シリーズ特有のコミカルな演出は何度見ても楽しめること間違いなし。
『鳩の撃退法』(2021)
あらすじ:かつては直木賞も受賞した天才作家の津田伸一(藤原竜也)。津田はとあるバーで担当編集者の鳥飼なほみ(土屋太鳳)に、書き途中の新作小説を読ませていた。富山の小さな街で経験した“ある出来事”を元に書かれた津田の新作に心を躍らせる鳥飼だったが、話を聞けば聞くほど、どうにも小説の中だけの話とは思えない。神隠しにあったとされる家族、津田の元に舞い込んだ大量のニセ札、囲いを出た鳩の行方、津田の命を狙う裏社会のドン、そして多くの人の運命を狂わせたあの雪の一夜の邂逅……。彼の話は嘘? 本当? 鳥飼は津田の話を頼りに小説が本当にフィクションなのか「検証」を始めるが、そこには「驚愕の真実」が待ち受けていた……。
作品情報:マルチな活躍を見せるタカハタ秀太が監督及び脚本を担当した、謎解きエンター“転”メント。直木賞作家・佐藤正午による同名の傑作小説を原作としている。唯一無二の怪優・藤原竜也を主演に迎える他、土屋太鳳、風間俊介などの豪華俳優陣が大集結。現実と小説の世界を行き来する独特のストーリー構成の中に散りばめられたいくつもの伏線と、何が起こるか最後まで分からない展開など、考察しがいのある一作。
『ブレット・トレイン』(2022)
あらすじ:世界⼀運の悪い殺し屋レディバグが請けたミッション、それは東京発の超⾼速列⾞でブリーフケースを盗み、次の駅で降りること。簡単な仕事のはずが、次から次へと乗ってくる⾝に覚えのない殺し屋たちに命を狙われ、降りたくても、降りられない。最悪な状況の中、列⾞はレディバグと殺し屋たち、10⼈を乗せたまま終着点・京都に向かうが……乗り合わせたはずの10⼈は、偶然ではなく、仕組まれた罠だった。やがて明らかになっていく、殺し屋たちの過去と因縁。そして終着点で待ち受ける世界最⼤の犯罪組織のボス=ホワイト・デスと対峙したとき、思いもよらぬ衝撃の展開が待ち受ける!
作品情報:『デッド・プール2』の、デビッド・リーチ監督が手掛ける爽快なクライム・アクションムービー。伊坂幸太郎による「殺し屋」シリーズの第2作目に当たる小説「マリアビートル」を原作としている。ハリウッドの名優ブラッド・ピットが主演を務める他、サンドラ・ブロック、ローガン・ラーマンなどの豪華キャスト陣が共演を果たしている。東京発の超高速列車“ゆかり号”を舞台に、10人の殺し屋たちが対峙する先で起こる衝撃展開に、一瞬たりとも目が離せない。
『NOPE/ノープ』(2022)
あらすじ:舞台は南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊にある牧場。亡き父から、この牧場を受け継いだOJは、半年前の父の事故死をいまだに信じられずにいた。形式上は、飛行機の部品の落下による衝突死とされている。しかし、そんな“最悪の奇跡”が起こり得るのだろうか? 何より、OJはこの事故の際に一瞬目にした飛行物体を忘れられずにいた。牧場の共同経営者である妹エメラルドはこの飛行物体を撮影して、“バズり動画”を世に放つことを思いつく。やがて起こる怪奇現象の連続。それらは真の“最悪の奇跡”の到来の序章に過ぎなかった……。
作品情報:『ゲット・アウト』『アス』などを手掛けた、ジョーダン・ピール監督によるサスペンス・スリラー。監督とは2度目のタッグとなるダニエル・カルーヤを主演に迎えた他、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン、マイケル・ウィンコットなどの俳優陣が共演を果たしている。張り巡らされた伏線や、後半にかけて明らかになっていく怪奇現象の正体や世界観が難解なため、復習も兼ねてもう一度見直したくなる一作。
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※本記事で紹介した映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づきセレクトされたものです。
※2022年11月18日時点での情報です。