「ミッション:インポッシブル」全作をがっつりおさらい!これまでのミッションを完全解説【人物相関図つき】

2018.08.11
映画

「映画」を主軸に活動中のフリーライター

春錵かつら

トム・クルーズが人間の限界を超えまくる超ヒットシリーズ「ミッション:インポッシブル」の最新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』が現在公開中だ。

世界で大人気となったアメリカのテレビドラマ『スパイ大作戦』の映画化作品である本シリーズ。

当初は成功に懐疑的だったオリジナルのファンたちの不安をよそに、1996年の第一作公開は大ヒットを記録、いまや主人公イーサン・ハントを演じたトム・クルーズの代名詞となった。

とはいえ、「ミッション:インポッシブル」シリーズを1度も観たことがない、という人も少なくないはず。
こんなに面白いシリーズを観ていないなんてもったいない! 大ヒットするシリーズには、それだけの理由があるものだ。

そこで今回は、これまでの「ミッション:インポッシブル」シリーズのミッションやメンバー、みどころをおさらいしておきたい。未見の人はもちろん、鑑賞済みのファンも一緒に振り返ってみよう。

第1作『ミッション:インポッシブル』(1996)

MISSION

CIA諜報員のリスト「NOC」漏えい事件の解明
→IMF内部にいる密告者の特定

CIA情報員のリスト「NOC」が一部流出した。CIAの特殊作戦部IMF(Impossible Mission Force)に所属するイーサン・ハントは、リスト流出事件解明の指令を受け、チームのメンバーたちと共に任務に取り掛かる。ミッション連絡手段は飛行機で移動中のIMFチームのボス、ジム・フェルプス宛てに届いたテープ。テレビシリーズでもお決まりのセリフ「このテープは5秒後に消滅する」も健在でファンを喜ばせた。

登場人物相関図

ミッション:インポッシブル

もっともすごいアクション

地上ギリギリ寸止めの宙吊り

なんといっても1作目の注目アクションは映画史に残る“宙吊り”。CIA本部の天井から侵入し、ワイヤーで地上ギリギリのところでストップするシーンは、滴るひと粒の汗に観客をハラハラさせた。この宙吊りアクション、1964年に製作されたアクションコメディ『トプカピ』のオマージュと言われている。しかし、その後の映画界のアクションシーンの定番となったのは本作の公開以降からで、本シリーズでも度々登場することになる。その影響たるや、様々な映画でパロディとして登場し、『パディントン』で悪役を演じたトム・クルーズの元妻、ニコール・キッドマンも、自らオマージュを捧げたほどだ。

独断と偏見のオススメポイント

ブライアン・デ・パルマ監督による記念すべきシリーズ1作目は、エマニュエル・ベアールジャン・レノジョン・ヴォイトとキャストも豪華。

オススメポイントはエマニュエル・ベアール演じるクレアに密かな恋心を抱いているイーサン。美女に翻弄されるうえに報われないイーサンの姿は母性本能をくすぐって堪らん!!

第2作『ミッション:インポッシブル2』(2000)

MISSION

盗まれた殺人ウィルス「キメラ」の回収

バイオサイト製薬会社で開発された、感染後20時間で治癒不可能となり死亡するウイルス「キメラ」と、その治療薬「ベレロフォン」。それらと開発者のネコルヴィッチ博士をIMFが護衛しながらシドニーからアトランタへ向かう道中、何者かにウィルスと治療薬を強奪されてしまう。IMF本部は、イーサンを中心にチームを組み、真相究明とウィルスの回収に臨む。ミッション連絡ツールはサングラス。

登場人物相関図

ミッション:インポッシブル

もっともすごいアクション

断崖絶壁のロッククライミング

目を引くのは、休暇を過ごしているイーサンの登場シーン。アメリカ・ユタ州にあるデッドホースポイントは600mもの切り立ったテーブル上の断崖が広がる広大な州立公園。トムはその絶壁にぶら下がるフリークライミングを披露。1か月訓練をした後スタントマンは起用せず、セーフティネットなし・命綱のみでこのシーンに臨んだ。片手でぶら下がってみたり背面でぶら下がってみたり、岩から岩へ跳び移ってみたり。ジョン・ウー監督同様に観客も度肝を抜かれる登場シーンとなった。

独断と偏見のオススメポイント

監督を務めたのがジョン・ウーだけあって、もちろん鳩は飛ぶし2丁拳銃も出てくるし、アクションも前作より大幅にグレードアップ。しかもラブロマンス色の濃い仕上がりに。

今回のオススメポイントは前半のカーチェイス。後半にも派手なバイクアクションがあるものの、前半のカーチェイスは今作のヒロインである女泥棒ナイア(タンディ・ニュートン)が運転するアウディと、イーサンが運転するポルシェが、まるでダンスを踊っているかのようにクルクルクルクル。その後のラブシーンよりもはるかにラブシーンっぽい。むしろこのシーンだけでいいくらい雄弁。ラブシーンまでアクションで表現してしまうとは、さすがアクション映画の巨匠、ジョン・ウー監督!

第3作『ミッション:インポッシブル3』(2006)

MISSION

拉致されたエージェントの奪還
→ブラック・マーケットの商人逮捕

今作で現役を退き、訓練教官になっていたイーサンがなんと結婚!? ところが結婚式の当日、任務中に拉致されたイーサンの教え子でもある女性エージェントの捜索班に加わって欲しいとの依頼を受ける。ミッション連絡ツールは(超ハイテク)使い捨てカメラ! レンズを覗くと網膜スキャンで再生。犯人はブラック・マーケットの商人デイヴィアンで、IMFが出したのは元教え子の救出が彼の逮捕につながることを踏まえての指令だった。

登場人物相関図

ミッション:インポッシブル

もっともすごいアクション

上海の高層ビルから魔天楼へ振り子ダイブ!

今作も壊れた陸橋を飛び越えたり、大型タンクローリーが身体の上を通過したりとスゴいシーンの連続だが、もっとも注目したいアクションの舞台は上海。ヘンシャン・ルー・ビルの56階にあるラボに保管されているという“ラビットフット”という謎のカプセルを盗み出すため、イーサンがとった作戦は隣のビルからワイヤーをつけてダイブし、振り子状に目的のビルに降り立つこと。

安全面から当初はボツになりかねなかったこのアクションは、トムの熱意から「高層ビルの屋根をスタジオに再現する」という形で実現。スタジオとはいえ、やっているアクションは「スゴい」の一言に尽きる。現にこのセットの屋根の端からトムは落下したそうで、実際の街だったと思うとゾッとする。

独断と偏見のオススメポイント

J・J・エイブラムス監督によるイーサンファンには悲報の3作目。今作で(残念なことに)イーサンは運命の人ジュリア(ミシェル・モナハン)に出会ってて、結婚までしてしまう。なんてこった!
今は亡きフィリップ・シーモア・ホフマンが悪役を怪演。

さて、今作の私のオススメは、橋での襲撃シーン後の一幕。イーサンたちはディヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)を移送させる途中のチェサーク・ベイ・ブリッジで敵の攻撃に遭う。橋に出来た4.5mの割れ目を飛び越えるのももちろんスゴいけど、それよりも印象的だったのは、イーサンが走った直後に後ろの車が爆発し、その爆風で身体が浮き上がり横にある車に叩きつけられるシーンだ。全編からすれば地味なシーンかもしれないけれど、このシーンで爆発のリアリティがグッとドラマチックに増した。

第4作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)

MISSION

クレムリンに侵入しデータを入手
→盗まれた核ミサイルの発射コードと爆弾発射装置の奪還

IMFエージェントであるハナウェイが“コバルト”という謎の人物からファイルを受け取る任務中に女暗殺者に殺される。ロシアのモスクワ刑務所に収容中のイーサンは、チームリーダーのジェーンと、新たに現場エージェントに昇格したベンジーの手助けで脱出に成功、死んだハナウェイの代わりにミッションに加わることになる。

盗まれたファイルの内容は核ミサイルの発射コード。ミッション連絡ツールはさびれた(実は例に漏れずハイテクの)公衆電話で、告げられた任務は「クレムリンに侵入して“コバルト”のデータ入手」。ところがイーサンはクレムリンの爆破テロに巻き込まれてしまう。

合衆国大統領は関与を否定するために「ゴースト・プロトコル」を発動し、IMFは活動を休止、イーサンたちはテロリストとして追われる身になる。ない存在とされたイーサンたちは“コバルト”の正体を突き止め、盗まれた核ミサイル発射コードと爆弾発射装置の奪還を目指す。

登場人物相関図

ミッション:インポッシブル

もっともすごいアクション

世界一の超高層ビル「ブルジュハリファ」の壁面で垂直走り降り

本作でもっともスゴいアクションは、もちろん観た人すべてが驚いた、あのシーン。ドバイにある世界一の超高層ビル「ブルジュハリファ」828mの壁面をスタントなしで垂直に走り降りる驚愕のアクション。

撮影に使用されたのはヘリコプターやクレーンカメラだったようだが、ヘリコプターの到着が遅れ、トムが宙吊りのまま待つといったアクシデントも起きた。観光客が気づいてビデオ撮影してしまったことが功を奏してCGという噂が否定されたというエピソードも有名だ。

独断と偏見のオススメポイント

ミッション通達時に必ず告げられるメッセージ「当局は一切関知しない」の意味を色濃く映し出した本作。今回監督を務めたのは『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』などアニメ作品で知られるブラッド・バード。ブラント(ジェレミー・レナー)、ジェーン(ポーラ・パットン)、そしておなじみベンジー(サイモン・ペッグ)らとチームらしいチーム戦が見られる4作目。大ヒットドラマ『LOST』のソーヤー役を演じたジョシュ・ホロウェイの姿がハナウェイ役で見られるのも嬉しい。

シリーズ中、本作がもっとも好きな私の偏見まみれのオススメは、冒頭のシークエンスからテーマ曲までのシリーズ最高にワクワクするオープニング。開始後すぐに襲撃を受けているエージェント、ハナウェイが建物から落下しながら銃撃するシーンもスパイ映画らしく素敵だし、女暗殺者サビーヌ・モロー(レア・セドゥ)の登場シーンもいい。場面転換し、刑務所脱獄からお決まりの導火線点火のテーマ曲までのスムーズさは、完璧すぎてスタンディングオべーションもの。

第5作『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』(2015)

MISSION

輸送機に積まれたVXガスの奪取
→運命と向き合うこと!?

しょっぱなから緊張のアクションシーンで始まる今作。イーサンはベラルーシの飛行場から飛び立つ輸送機に積まれたVXガスの奪取の任務をことなく完了後、新たな指令を受けるべく訪れたロンドン支部。

今回のミッション通達は中古レコード店で渡されたレコード(もちろんハイテクな)……と思いきや、「今回の任務は、君が去年から追っているシンジケートの破壊だ。だが今回はそうではない。……我々がそのシンジケートなのだ!」って、ガーン!!! いきなり謎のシンジケートから通達された任務は「運命と向き合うこと」。突然の宣戦布告の直後にハントは捕えられるが、謎の美女の助けで事なきを得る。一方でIMFは解体してCIAに吸収され、ハントは反逆者として追われる身に。ハントは自らシンジケートの調査に乗り出す。

登場人物相関図

ミッション:インポッシブル

もっともすごいアクション

時速400kmになる軍用機のドアにしがみつく!

クライマックスではなく冒頭からこのすごいアクションをぶち込んでくるあたり、さすが「M:I」シリーズ!と讃えたい。トムは時速400km以上に加速する軍用機A400の機体ドアにしがみついたまま1500mまで上昇、風圧やゴミから目を守るために眼球全体を覆うコンタクトレンズを着用し、この撮影のために8回も同じアクションに挑戦したのだとか。スーツ姿であのシーンに臨んだのは、監督を務めたクリストファー・マッカリーとトムが好きなヒッチコックの『北北西に進路を取れ』(59)のオマージュのためだ。

本作ではもうひとつ、中盤に訪れる軍の施設にある液体冷却庫に挑むシークエンス。26万リットルの水が渦巻くタンクに6分以上もの間、酸素ボンベなど身につけずに水中で息を止めてノーカットで撮影した。恐るべし。このシーンも先のシーンと並んで甲乙つけがたいアクションシーンだ。

独断と偏見のオススメポイント

『ワルキューレ』『アウトロー』をはじめ何度もトムと一緒に仕事をしているクリストファー・マッカリーが監督兼脚本を務めた本作。オススメしたいのは謎の女スパイであるイルサ(レベッカ・ファーガソン)の存在だ。

めちゃくちゃ強いのに男っぽくなく、容赦ないのに冷淡で残酷な人物としては映らない。美人なのに媚びることのないその凛々しい佇まい。「スパイ映画にマジのラブロマンスシーンは要らない」と思っている私に、このヒロインの存在価値の大きさよ。スパイのマジ恋は「弱み」となるその危険性から“秘めてこそ”美しいのだ。そんなおおっぴらなイチャイチャは要らんのだ。……というわけで、恋愛要素がほとんどないのが本作のいちばんのオススメポイント。何気にイーサンの画力が「大画伯かな」ってくらいすごいことを知ることができるのも、密かに注目して欲しいポイントのひとつ。

第6作『ミッション:インポッシブル/フォール・アウト』(2018)

MISSION

盗まれた3つのプルトニウムの回収し同時爆発テロを阻止する

イーサンのチームは盗まれた3つのプルトニウムの回収というミッションの完了目前で、襲撃を受けて何者かに奪われてしまう。イーサンが持つ「仲間想いの優しさ」が裏目に出たのだ。事件の裏側には前作のシンジケートの残党が関連していた。世界同時多発テロを未然に防ぐため、72時間のタイムリミットの中、イーサンはチームの仲間たちと正体不明の敵を追う。

もっともすごいアクション

成層圏ギリギリからのヘイロージャンプ

酸素がほとんどない成層圏ギリギリの上空7,620mの高高度から、時速320kmで下降する超高速スカイダイビングであるシリーズ最大高低差を誇る超絶アクション「ヘイロージャンプ」だ。地上寸前でパラシュートを開くこのアクションは元々軍の潜入作戦用に開発されたもの。トムは俳優として初めてこのアクションに挑戦、トレーニングやテストも含め106回もこのジャンプを行った。

他にもバイクアクションからの車に激突して投げ出されたり、600m級のロッククライミング、さらに本編にそのままのシーンが使用されたトムが骨折して撮影が中断したビルからビルへのジャンプ、極めつけは飛び立つヘリコプターにロープ1本でよじ登り、自身でらせん落下などのアクロバティックな操縦と演技、そしてカメラの3役も同時にこなしたり。タイトルにある「フォールアウト」には“放射性降下物”“予期せぬ余波”といった意味があるけど、アクションはとにかくフォール(落下)、フォール(落下)、フォール(落下)!!!

独断と偏見のオススメポイント

前作『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』に引き続きクリストファー・マッカリーが監督を務めたこともあり、物語は前作から引き継がれる要素の多い本作。前作で取り逃がした悪の帝王ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)やイギリスの諜報員イルサも登場。ぜひ前作を観てから観賞したいところだ。

本作では最愛の元妻ジュリアも登場するが、それはさておき(笑)。

今回オススメしたいのは、兵器の売買から要人暗殺まで、闇社会の仲介を生業としている謎の女“ホワイト・ウィドウ(ヴァネッサ・カービー)”。敵味方紙一重の合理主義の危険な美女。イルサとはまた別の魅力を持つ、これまでになく掴みどころのないキャラクターだ。誰かを殺す時に悲しみも喜びも感じ取れない、彼女の浮世離れした感じがサイコパスっぽくてとても良い。

まとめ

こうして全作振り返ってみたが、言えるのは「トム・クルーズってやっぱすげーよ」ってこと。最新作で56歳を迎えた彼が1作目の製作に着手したのは33歳の時。プロデューサーとして初めて手掛けたのがこの『ミッション:インポッシブル』だった。

新旧のファンを意識し、テレビシリーズ「スパイ大作戦」の定番的要素とシビアなサスペンスアクションで打ち出した1作目、これまでの『スパイ大作戦』と差別化を図ろうと模索した2作目を経て、3作目にしてようやく “イーサン・ハント”率いるチーム戦の妙へ到達。中でも毎回トムが挑むアクションシーンは、「M:I」シリーズの要となった。

『ローグネイション』のときにクリストファー・マッカリー監督が「トムは、“イーサン・ハントは彼がやることをやりたいわけじゃない”というルールを定めている」とインタビューで語っている。「イーサン・ハントが向こう見ずで衝動的なキャラクターなのではなく“やらなくてはならない”状況を作り出すことが大事」と。そう! イーサン・ハントはムチャをやりたいわけじゃない。やらなきゃならないからやっているだけ! やりたくないけど!!……というわけで、今後ものっぴきならない状況を期待してます!!

イーサンの今回ののっぴきならない状況は、ぜひ劇場で確認してほしい。今回も絶対「すげー」ってなるから。(文=春錵かつら/イラスト=妖介

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