一度ハマったら抜け出せない!スルメ俳優スティーヴ・ブシェミのおすすめ映画24本

2018.08.03
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

8月3日(金)公開作品『スターリンの葬送狂騒曲』でニキータ・フルシチョフという重要人物を演じるスティーヴ・ブシェミ

ピンポン玉みたいなギョロ目と歯並びの悪い口元。シワだらけの顔。甲高い声。1度見たら忘れられないその風貌が爬虫類系を思わせるせいか、アクの強い脇役が多かった彼が、ついにメジャー作品でそんな役を! 

ファンとしては感無量である。

スティーヴ・ブシェミ

ブシェミは1957年ブルックリン生まれ。俳優を志す前は、消防士として働きながらスタンダップコメディをしていたという。ちなみに9.11のとき、古い消防服を着て、黙々と救出活動をしていたエピソードは有名だ。

そんな愛すべき俳優、スティーヴ・ブシェミ。

それでは彼が今までどんな役を演じてきたのか、今回は彼の出演作24本をご紹介しよう。

ミステリー・トレイン』(1989)

義理の兄弟だからこそ

ミステリー・トレイン

メンフィスのホテルを舞台に、3組の登場人物たちの身に起こった出来事を3つの短編として描いたオムニバス映画。

各話に「ホテルのフロント係とベルボーイの会話」「銃声」「エルヴィス・プレスリーの曲」という同じ要素が盛り込まれていることから、それぞれが同時刻に進行し、しかも互いに微妙に影響しあっているストーリーなのだとわかる。

ブシェミが登場するのは第3話「ロスト・イン・スペース」。酔っ払っている義兄を迎えに行き、帰りにお酒を買おうと店に入ったら、あろうことかその義兄が銃を持っていて……ブシェミはただの床屋なのに、迷惑な話である。しかも悲惨なオチ。でもそういう目に遭うのが似合う男なんだから、しょうがないね。

バートン・フィンク』(1991)

不安な気持ちにさせないで

バートン・フィンク

無理な執筆依頼をされてスランプ状態に陥った劇作家が、ホテルに引きこもってモンモンとし続けているうちに、思わぬ事件が起きてしまう。

薄暗くて蒸し暑いホテル。壁紙がじっとりとめくれる音。電話の不吉なベル。蚊の小さな羽音。エレベーターボーイは黙って座っているだけの老人。そういった細かいディテールが得も言われぬ不気味さを醸し出し、閉塞感がじわじわと迫ってくる。

床下から登場するブシェミのベルボーイも、なかなかのインパクトだ。ベルを指差したときチラリと見えた爪の汚さよ。しゃべるたびに透き通った大きな瞳がこぼれ落ちそうで、悪人じゃないみたいだけど近づきたくないタイプ。不安になる。実はこれが当たり役だと評判よし。

レザボア・ドッグス』(1991)

ピンクというミスマッチ

レザボア・ドッグス

宝石強盗のために集められ、コードネームとして「色」を名前にして呼び合う6人。結局計画は失敗し、メンバーの中に警察の犬がいるのではないかと疑い始める。

今や泣く子も黙る人気監督クエンティン・タランティーノの名前を世界中に知らしめたデビュー作。脚本と演出と音楽が一体となって独特の世界を作り出し、マニアックなのに娯楽性があり、絶妙なキャスティングにもセンスが光る。超オタクが昇華された大成功例だ。

名前を“Mr.ピンク#にされたブシェミは、「なんで俺がピンクなんだよ!」とぶつぶつ文句を言う。顔つきと色のかわいらしさとのギャップが、ハードボイルドだ。クセモノたちのなかでも目立つ風貌なのに小者感のあるブシェミの魅力が、十分に生かされている。もうちょっと出ていて欲しかったけどねえ。

イン・ザ・スープ』(1992)

イメージが一変

イン・ザ・スープ

映画制作の資金作りに困った主人公の前に初老の男が現れ、援助をしてくれるという。しかし、その代わりに怪しげな仕事を手伝うハメになり、事態はとんでもない方向へ。

「イン・ザ・スープ」とは「窮地に陥る」という意味らしい。見ようによっては悲惨な展開であるが、それをシャレた会話とコミカルな演出で味つけ。監督の実体験に基づいているそうなので、自虐的ユーモアも満載だ。ジム・ジャームッシュ監督もちょっとだけ出演。

それにしても、ブシェミがこんな一般人を演じるとはねえ。隣家の女性をヒロインにして映画を撮りたいと夢見る青年だなんて、こそばゆいったらありゃしない。でもやればできる。どんな役でも。清潔感のあるファッションがまぶしい。

未来は今』(1994)

ちょっと男前な

未来は今

1958年のニューヨーク。とある会社でパッとしない新入社員が突然社長に抜擢されて大喜びするが、そこには会社乗っ取りの陰謀が隠されていた。

いかにも育ちがよさそうでノーテンキ。そんな無邪気なキャラを演じたティム・ロビンスのキューピーおでこが、役にピッタリである。いつまでもフラフープを回し続ける姿が天然すぎて……彼を利用するポール・ニューマンの悪党ぶりもステキ。葉巻が似合うのう。

どん底まで落ちてしまった主人公がやってきたのは、ジュースとコーヒーしか出さない「アルコール禁止」のヘンなバー。そこのバーテンダーをやっているのが、ブシェミである。おや? なかなかいい男でないの。ティム・ロビンスのぼんやりした雰囲気と対照的なマニアックさが、ピリリと効いている。

パルプ・フィクション』(1994)

誰だかわからない

パルプ・フィクション

複数のくだらない話(パルプ・フィクション)が交差し、それがいつしか複合的な1つの物語になっていく。

長い間落ち目になっていたジョン・トラボルタを華々しく復活させた名作として、あまりにも有名。どこに連れていかれるのかわからなくてハラハラ。いちいちカッコよくてドキドキ。危険で軽くてメチャクチャで、それでいてプロットはしっかりしているという離れ業だ。

ボスの愛人の相手をするように命じられ、めっちゃ気を遣いながらデートをするトラボルタ。2人が入った店で注文を取りにくる無愛想なウェイターをよく見ると、なんとブシェミではないか。黒縁メガネにクリンクリンの黒髪なので、言われないと絶対にわからない。イジワルなカメオ出演だ。

サムバディ・トゥ・ラヴ』(1994)

まさかの女装姿

ハリウッドスターを夢見てクラブで働くヒロインと、報われないと知りつつも彼女に無償の愛を捧げる青年のラブストーリー。

ハリウッドスターになりたい。その一心で、タクシーダンサー(1ドルでダンスの相手をする)をしながらチャンスを待つ女性。売れない中年俳優とつきあっている彼女は、彼が自分を引き立ててくれると信じて疑わないほど、夢に向かって突っ走っている。

そういう話はまあよくあるパターンなので、特に目新しいところがないのだけれど、ブシェミの女装姿が拝めるのが大きなみどころ。ゲイの役とはなんとレアな。これがまた驚いたことに「美しい」と評判でねえ。目がクリッとした妖艶な女性に大変身しているんですよ。ブシェミの演技の幅の広さに改めて実感。

デスペラード』(1995)

いきなり登場

デスペラード

ギャングに恋人を殺され、自らも手を撃たれて演奏家の道を断たれたマリアッチが、ボスに復讐するために街に戻ってくる。

無名監督による低予算映画ながら大ヒットした『マリアッチ』(92)のハリウッド・リメイク版。武器に改造したギターをギターケースに入れて持ち歩くという斬新な設定と、ラテン的ノリの銃撃戦が大いにウケた。大袈裟なのがツボ。復讐劇はそうこなくっちゃ。 

脇役かチョイ役が多いブシェミにしては、こんな風に冒頭から堂々と出番があるのは珍しい。マリアッチがいかに強くてすごい奴なのか、それを四面楚歌のような酒場で詳しく話して聞かせる友人。これでつかみはOKだ。表情がクルクルと変わるので見飽きない。

デンバーに死す時』(1995)

非情なのです

デンバーに死す時

ギャングを引退してカタギの仕事をしていた男が、経済的な理由から元ボスの依頼を受けてしまうが、思わぬミスから最悪の事態に陥ってしまう。

主人公を演じたアンディ・ガルシアのカッコよさを鑑賞する映画。失敗の責任を取らされて殺されそうになる仲間を助けるため、また恋人を守るために彼は戦う。ま、もとはといえば彼のせいなので崇高な自己犠牲とまではいかないが、それでも男の美学みたいなものを感じさせるだろう。

ブシェミは命を狙われる仲間の1人かと思いきや、彼らの命を狙う側の人間。つまり、ボスに送り込まれた残忍な殺し屋なのでビックリ。しかもスゴ腕。彼はクールに仕事をこなすため、しゃべらないし笑わない。すると、顔にシワが出なくてツルッツル。ブシェミっぽくない……別人みたいでちょっと寂しい。

ファーゴ』(1996)

哀れな靴下

ファーゴ

アメリカの田舎町で、多額の借金を抱えた男が妻を狂言誘拐して義父から身代金をせしめようとするが、事態は思わぬ悲劇へと転がり落ちていく。

季節は冬。見渡す限り真っ白な雪景色のなか、人間の愚かさと浅はかさが引き起こしてしまった陰惨な事件を描いているが、どこかおかしみが漂うのは悲劇と喜劇が紙一重だから。婦人警官が妊婦という設定にホッとする。春よ、早く来い。

誘拐を依頼されるチンピラ2人のうち、超アブナイ奴でない方を演じるのがブシェミである。落ち着きのないギョロ目と洗ってなさそうな髪の毛。顔中にシワを寄せて慌てる姿は、哀れなネズミのよう。結局ひどい目に遭う彼のくたびれた靴下が、いつまでも目に焼きつく。

トゥリーズ・ラウンジ』(1996)

12歳年下の少女と……

トゥリーズ・ラウンジ

恋人も仕事も失い、地元のバー「トゥリーズ・ラウンジ」に入り浸るアルコール依存症の男が、叔父の跡を継いでアイスクリームの移動販売を始めることになり、17歳の少女に出会う。

ブシェミの初監督・初脚本・主演ときたもんだ。でもちょっと待て。30歳男と17歳の少女? そうか。ブシェミ、お前もか……などと思ったりしたが、相手がクロエ・セヴィニーだからオジサンが恋に落ちてもしゃーないね。

サミュエル・L・ジャクソンをはじめ、ブシェミと交流のあるインディーズ系俳優たちや父親と弟、息子まで出演しているというアット・ホームさ。そんな温かい雰囲気が伝わってくる。見た目のせいでクセのある役が多いブシェミだけど、本当はこういうのが好きなんだねとしみじみ。 

ウェディング・シンガー』(1998)

ノンクレジットだけど

ウェディング・シンガー

結婚披露宴を盛り上げるウェディング・シンガーが、ある日チャーミングなウェイトレスに出会う。2人はすでに自分の結婚式を控えていたが、運命は彼らを近づけていくのであった。

ヒロイン役ドリュー・バリモアの屈託のない笑顔。実は彼女にとって、これは人生のどん底から這い上がった記念碑的作品なのに、全く苦労知らずに見えて驚くしかない。忘れかけていた夢よ、もう一度。まだ間に合う。それは自分次第。

ブシェミは2人が最初に出会う式場で新郎の兄として登場し、祝いのスピーチで弟のイケナイ話を暴露するわ、父親に愚痴や恨みをぶちまけるわで、要するにダメな兄。ただの迷惑な酔っ払いである。うまいな。こういう役。ピンクのヒラヒラシャツが似合っているのが不思議。  

ビッグ・リボウスキ』(1998)

ボウリングしかしてない

ビッグ・リボウスキ

同姓同名の大金持ちと間違えられた男が、それをきっかけにややこしい誘拐事件に巻き込まれてしまう。 

ヘンな人間ばっかりが次々登場し、彼らを眺めているうちにいつのまにか奇妙で不条理な世界にはまり込んでしまう。何がおかしくて何がおかしくないのか、それを考えることすらおかしい気分に。ボウリングのピンが倒れるカーンという音で、一瞬我に返る。

ブシェミは、たるんだ腹肉がシャツからはみ出す巨漢2人のボウリング仲間。だけど、彼らの話題に入っていけず、甲高い声で口を挟むたびに「黙ってろ」と言われ……そういうスルーされてしまうキャラでありながら、存在感はバッチリである。特に何もしていないんだが、彼がいないと面白くない。さすが使い方がニクイね。

アルマゲドン』(1998)

女好きで天才

アルマゲドン

地球に迫る小惑星が発見され、NASAは衝突を避けるための計画を立てる。そして、その任務を遂行するために穴掘り職の男たちが召集される。

その小惑星まで行き、地下の奥深くまで穴を掘って内部で核爆弾を炸裂させ、小惑星を割ることで軌道を変えるのか。この危険で壮大すぎるミッションのもと、必ず生きて還ると言い残して飛び立つ男たちの後ろ姿は「宇宙戦艦ヤマト」である。

突然集められたメンバーは、みな強烈な個性派。そのなかで、なんとブシェミは若い頃に数学博士号を取ったという天才の役だ。ええっと、若干の違和感が……しかし、女好きでチャラい雰囲気のお陰で、その設定にどうにか馴染めた次第。相変わらずよくしゃべるが粋なところもあり、人気がありそうな役である。

ビッグ・ダディ』(1999)

メモるホームレス

ビッグ・ダディ

怠惰で気ままな生活を送っていた男が、気持ちが遠のいていく恋人の気を引くため、友人の幼い息子の面倒を見るようになる。

動機は不純だったものの、次第に母性本能が目覚めていく彼。しかしそこは男なので、男ならではのイケナイ事も教えてしまうのである。仕事に興味がなく、スポーツ番組漬けのお気楽な日々。自分ではそれを楽しんでいるつもりだったが、実は空虚な人生だったと気づく。

彼が子供と歩いていると、髪が長くてヒッピーのようないでたちのホームレスが座っていた。それがブシェミ。子供のストレートな質問に正直に答えながら、メモ帳に何かひっきりなしに書いている謎の男。あらすじとはあまり関係のないちょっとしたエピソードだけど、不思議と印象に残る。

ゴーストワールド』(2001)

まさかのラブ・シーン

ゴースト・ワールド

郊外の退屈な町に住む幼なじみの2人は、はみ出し者の似た者同士。しかし、高校を卒業した彼女たちはいつのまにかすれ違い、別々の道を歩むようになってしまう。

周りを冷めた目で観察しては皮肉な笑いを浮かべ、自分は他の人とは違うという自負を抱きつつも、社会のシステムに馴染めないのがコンプレックス。自立に向けて着々と準備を進める親友に違和感を覚え、いら立つ。結局、大人になって社会に出るのが怖いのである。思い当たるなあ。そんな気持ち。

そんな主人公は、冴えない中年男ブシェミと出会う。彼もまた世間の価値観に自分を合わせられないタイプだったので、2人は互いにシンパシーを感じ、年の差を無視して急接近していく。ああ、ブシェミにこんな春が来ようとは。でも全然嬉しそうじゃないところが、ブシェミたるゆえん。 

灰の記憶』(2001)

協調性はイマイチ

灰の記憶

1944年、アウシュビッツ強制収容所でナチスのために働かされていたユダヤ人たちが、ガス室で奇跡的に生き残った少女を見つけ、彼女の命を守ろうとする。

ユダヤ人医師の手記を基にした実話。ユダヤ人をガス室に送ったり、焼却場の後始末をさせられたりするユダヤ人特殊班があったとは、なんて残酷な話だろう。その見返りが豊富な食事と4か月の延命だとしても、彼らの心はナチスに対する憎しみと怒りでいっぱいだ。

彼らにできることは、焼却場を爆破すること。その計画を進める仲間の1人が、ブシェミである。仲間といっても実は脱走しようとしていたり、少女を助けることに反対したりと、みんなから浮いている存在。シビアな役なのでいつもと調子は違うが、何を考えているのかわからない目つきが役柄にピッタリだ。 

スパイキッズ2 失われた夢の島』(2002)

動物好き?

スパイ・キッズ2

OSS(戦略事務局)の新部門スパイキッズに正式採用された2人は、パーティで大統領が持っていた秘密兵器が盗まれてしまうのを目撃し、後を追って謎の島に向かう。

『スパイキッズ』(01)の続編。優秀なスパイである両親よりも自信満々な姉弟の活躍ぶりは、前作と相変わらず。今回はそこに祖父母(同じくスパイ)が加わり、父と息子の葛藤らしきエピソードもチラホラ盛り込むことによって、ファミリー物語のようになっている。

謎の島には多くの奇妙な動物が棲息し、そこにはブシェミ演じる怪しげなドクターがいた。ブシェミってばこんな役も……彼は確かエージェントを雇わずに自ら依頼の電話を受けているそうなので、これは本人が望んだことだと思いたい。なるほど、動物に乗って登場するシーンが心なしか嬉しそう。 

コーヒー&シガレッツ』(2003)

ジャマなんだけど

コーヒー&シガレッツ

登場人物たちがひたすらタバコを吸い、コーヒー(紅茶)を飲み、たわいのないことをしゃべり続ける11編のオムニバス映画。

タバコとコーヒーを手にして話をしているだけなのに、このスタイリッシュさ。このユーモア。このとりとめのなさでこんなに間が持つのも、俳優たちの強烈な存在感ゆえか。無名有名を問わないキャスティングと、たまに歌手や俳優が本人役で出てくるのも楽しい。

ブシェミは、「双子」という作品で、黒人の男女の双子が仲がいいんだか悪いんだかわからない会話をしているところへ、コーヒーを注ぎにやってくるウェイター役だ。双子に向かって「プレスリー双子説」を延々と力説し、その空気の読めなさを嫌がられているのにも気づかず。しゃべるのが好きなだけ。ブシェミっぽくていい。

ビッグ・フィッシュ』(2003)

ご機嫌な笑顔で

ビッグ・フィッシュ

ホラ話をするのが好きな父親が病で倒れたと知り、久しぶりに実家に帰ってきた息子は、父親から本当のことを聞きたいと願うが、なかなかうまくいかない。

父と息子の和解をファンタジー風に、そしてリアルに描く。監督自身の体験をテーマにしたといわれ、奇抜な登場人物や華やかな映像は相変わらずだが、現実世界を舞台にしたのはこれが初めてだそうである。

父親の語るおとぎ話のようなエピソードのうち、人々が裸足で暮らす不思議な村の物語に登場するブシェミは、伝説の詩人だ。両手でカップを持ち、不自然なニコニコ顔で椅子を揺らし続けるヘンな男。でも中身はデリケートだから少々めんどくさく、存在そのものに無理があるから何だかコワイ。そこがいい。

アイランド』(2005)

思わせぶりな雰囲気

アイランド

大気汚染が深刻化した地球では、人類は徹底管理されたコロニーでしか生きられなくなっていたが、彼らには美しい島「アイランド」へ移住できる可能性が与えられていた。

え? 2019年が舞台? アイランドの意味とコロニーの目的が明らかになったとき、公開当時に「14年後にはそんな未来になってるかもね」と思えたのかなあ。それにしても、とんだディストピアが待ち構えていたものである。

ブシェミは、何だかワケありな雰囲気を漂わせている男。主人公のよき話し相手なんだけど、こっそりお酒を飲んだり投げやりな冗談を飛ばしたりして、何かヒミツを知っていそう。でも、何を考えているのかわからない。こういうキャラはブシェミの真骨頂? 

パリ、ジュテーム』(2006)

愛ゆえに

パリ、ジュテーム

パリ20区のうち18の区を舞台に、世界の名監督18人による「愛」をテーマにしたオムニバス映画。

パリを旅しているような気分になることはなるが、監督たちの個性が強烈なので、実験映画を観ているみたい。一筋縄ではいかないパリといったところか。ちなみにヴィクトワール広場(2区)の監督・脚本を担当しているのは諏訪敦彦で、ジュリエット・ビノシュとウィレム・デフォーが出演している。

ブシェミのアップから始まるチュイルリー(1区)。彼は一言もしゃべらず、苦虫を噛みつぶしたような顔をしながらガイドブックを読んでいる。そして、地下鉄のホーム向かい側でいちゃついているカップルをたまたま見ただけで、からまれてしまうのだ。監督・脚本はジョエル&イーサン・コーエン。やっぱりね。

メッセンジャー』(2009)

感情の高ぶり

メッセンジャー

戦死した兵士の遺族に訃報を伝えるメッセンジャーに任命された若者が、未亡人となった1人の女性に惹かれ、心を通わせていく。

遺族たちの悲しみを目の当たりにするだけでなく、やり場のない怒りから罵倒されることも多いこの仕事。個人的な気持ちは口に出さず、ただ事実のみを伝えなければならない。同情や恋愛感情などもってのほか。なのに……しょうがないわねえ。だって人間だもの。

ブシェミも息子の戦死を告げられた1人だが、ショックと悲しみのあまり怒りが爆発し、若い兵士にツバを吐きかけ、頭突きを食らわせてしまう。メッセンジャーがどんな任務なのかを表す重要なシーンだ。短い時間で感情が揺れ動き、高まっていく演技がうまい。

靴職人と魔法のミシン』(2014)

あっと驚くその正体

靴職人と魔法のミシン

年老いた母親と暮らし、女性とも縁がないまま退屈な生活を送っていた靴職人が、ひょんなことから他人になりかわる方法を見つけ、刺激的な日々を送るようになる。

ああ、俺の人生このままで終わるのかなあとつまらなそうに生きていた彼が、他人の人生をちょっとだけ体験できる楽しさを知り、その冒険にワクワクしすぎてハメをはずしてしまう。しゃーないね。女ボス役のエレン・バーキンが、キャメロン・ディアスに似すぎ。

スティーヴ・ブシェミ

そんな彼を見守り、心配し、ときには叱咤する親友を演じたのがブシェミである。めずらしくフツーの役じゃないのと思っていたら、まさかの正体に主人公でなくてもビックリ。クセモノ俳優を使っただけのことはあるインパクトである。でも、オイシイ役でよかった。

いかがでしたか?

ファンタジーからサスペンス、はたまたハリウッド大作まで幅広く出演しているので、そういえばスクリーンでチラリと観たことがあるという方もいるのでは?

インパクトのある風貌ながら、名バイプレーヤーとして人気の高いブシェミ。出演作は自ら選ぶという彼の次作が、楽しみである。

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