【映画で読み解く】男にはわからない?女の友情がこじれがちな理由7選

2018.08.27
映画

「映画」を主軸に活動中のフリーライター

春錵かつら

「女の友情はハムよりも薄い」。かつてのマンガのセリフが、近年ドラマのセリフでも使用されて認知度が広まったこの言葉。

今回は、女の友情が壊れがちな理由7つを、その様子が描かれている映画を交えてご紹介しようと思う。果たして真相はいかに……!?

こじれがち1:恋愛がらみ問題

「友だちに彼氏を取られた」「同じ人を好きになってしまった」「友だちの彼氏を批判したら絶交された」……意外に多い、そして修復することが難しい“恋愛がらみ”の友情のこじれ。

アインシュタインの「人が恋に落ちるのは、重力の責任じゃない」という言葉あるように、“恋愛”は理屈じゃないのが面白くもあり厄介なところだ。

少女が大人に変わる夏』(2013)

どんなときも一緒の親友同士、リリーとジュリー。ある夏、2人は同じ青年に“恋”をしてしまう。しかし、デヴィッドという名のその青年が選んだのはリリーの方で、彼とつき合っていることをジュリーになかなか言い出せない。時として起こる友情を試されるような試練に、2人の絆は壊れるのか、それとも強固なものとなるのか。

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2017)

1971年にも『白い肌の異常な夜』というタイトルで一度映画化されている本作。南北戦争さなかのアメリカ南部、バージニア州。帰る家のない少女たちが寄宿する女学園に、負傷した1人の兵士がやってくる。それまで手を取り合って生活していた女たちだが、この1人の男の登場をきっかけに、“恋”や“欲”に色めき立ち、バランスを失ってゆく。

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界』(2012)

1945年、広島原爆投下の日に、ロンドンの同じ病院で生まれたジンジャーとローザは、双子の姉妹のように育つ。大親友の2人は16歳になり、興味の対象が徐々に別々のものに向かいはじめるが、ローザがジンジャーの父親に“恋愛感情”を持ちはじめると、その友情はいよいよ崩壊への一途をたどる。そうして彼女は、彼女が愛した世界と決別するのだ。

こじれがち2:物理的距離の変化問題

引越し・別々の学校へ進学・別の職場への転職など、物理的な距離や環境は感情にも大きく影響する。特に幼い頃は、学校や家の近所など身近なコミュニティが世界のすべて。別の場所に行けばその別の場所が、新しい「世界」になる。

再び会ったとき、別々の道を歩んでいる違和感を埋めることが出来るのだろうか。変わらぬ友情はそこにあるのだろうか。

ゴーストワールド』(2001)

イーニドとレベッカは幼なじみの親友同士。高校を卒業しても進路を決めずにフラフラしている2人は、ある日、出会い系広告に載っていた中年男シーモアをからかう。イーニドがシーモアと親しくなる一方で、ベッカが“就職”し社会に溶け込んでいくと、2人はだんだんすれ違いその友情にもヒビが入る。社会になじめない者たちが行く場所は、果たしてどこにあるのだろう?

ファースト・ワイフ・クラブ』(1996)

1969年、シンシア、アニー、エリース、ブレンダの親友4人は「離れても一緒」と誓い合い大学を卒業した。それから20余年、すっかり“疎遠”になっていた親友たちは、シンシアの自殺をきっかけに再会し、それぞれのひどい夫に報復をする「ファースト・ワイフ・クラブ」を立ち上げる。しかし、思うように進まないエリースは酒に溺れ、とうとう3人の仲はこじれてしまう。

サニー 永遠の仲間たち』(2011)

2011年に製作された韓国発の本作。夫や娘と不自由のない生活を送る42歳のナミは、母の入院先で高校時代の友人チュナと再会する。余命わずかなチュナのたっての希望で、ナミは、ある事件で気まずいまま“別々の進学先”や“引越し”で疎遠になってしまった高校時代の仲良しグループのメンバーを探す。それぞれにこじれた人生を送ってきた彼女たちとの再会は、喜びのうちに復活する友もあれば、時の無情さにこじれてしまう友もいる。仲良したちは再び揃うのか。

こじれがち3:どっちの味方!? 派閥問題

女はなぜ派閥を作りたがるのか。グループや群れで生活したがるのか。

女性の多くが一度は頭を悩ますこの問題。女性の集団行動は大昔に男性が狩猟に出かけている間、コミュニティを守るという役割を担っていたからだと言われている。「女の派閥は苦手」と感じながらも、そこに参加してしまっている人は多いのでは?

滝を見にいく』(2014)

ハイキングで滝を見に行くというバス旅行に参加した7人の中高年女性たち。ところがバスを降りて目的地まで歩く道中、男性添乗員が道に迷い帰って来なくなってしまう。その場に残された7人は不安の中、解決策を考える。偶然居合わせた大人7人が、非日常に放り込まれることで小さな“派閥”が生まれ、淡々とした中にも対立と連帯が際立つ。

わたしたち』(2016)

いじめられっ子の小学生ソンは、転校生ジアと仲良くなるも、ジアはいじめっ子でクラスのリーダー格の少女ボラの方と仲良くなってしまい、ソンは再び孤独に。しかしジアの成績が優秀と分かると、途端にボラはソンを仲間に引き込もうとする。小学生ならではの残酷な友情で“派閥”はコロコロと変わる。真の友情とは?

ミーン・ガールズ』(2004)

アフリカからアメリカに越してきた16歳の少女ケイディ。転校先の高校でなかなか馴染めない彼女は、学校内の“派閥争い”に巻き込まれる羽目になる。学校のアイドル的存在「プラスチックス」の仲間に誘われたケイディが、その派閥の中で自分を失い取り戻す様子が描かれる。10代の背伸びに紛れた幼稚さと残酷さ、そして純粋さが溢れる一作。

こじれがち4:立場や環境の変化問題

確かに友だちだったはずなのに、結婚や出産、子供の進学や、ママ友の影響で変わってしまった友だちと疎遠になることもしばしば。当人だけでなく、“家族”という共同体になってしまった友人は、別人に見えることがあるかも知れない。時として、子供や夫を持つ女は、当人だけのとき以上に冷酷に、愚かにもなる。

Mommy/マミー』(2014)

障がいのある子供の親が健康を害した場合、子供を入院させることが可能という法律が成立した架空の未来のカナダ。ダイアンは施設に預けていた行動障がいの息子スティーブを引き取り、一緒に暮らす道を模索していた。向かいの家に住む主婦カイラとひょんなことから親しくなり、友情を築く。しかし、ダイアンが決断したスティーブの“進路”をきっかけに、カイラとの友情は複雑な様相を呈すことになる。

ブライダル・ウォーズ』(2009)

”結婚”を間近に控えた大親友のリヴとエマ。結婚式についてプランを練っていると、日時と憧れの式場がホテルの事情で被ってしまう。2人は互いに結婚式に向けてのダイエットを邪魔したり、タンニングを失敗させようとしたり。譲れない2人によって20年来の友情が崩壊の危機に陥る。女のエゴと意地悪さが笑いと共に描かれる。

赤ちゃんよ永遠に』(1972)

本作はSFということもあり、ちょっと異色の友情こじらせ映画。地球汚染が進み、人口増加で出産を禁止された未来。同僚であり友人同士のキャロルとエドナは、子供を産み育てたい願望を捨て切れず、カウンセリングに通う日々。ある日、キャロルが隠れて“出産”した赤ちゃんを見てしまったエドナは、共同で育てることを提案するが、その独占欲が日々高り、友情崩壊へのカウントダウンが始まる。

こじれがち5性格の不一致問題

うまくいっている時は何の問題もないけれど、いざ問題が起きた時に噴出する不満や不信。「実はウマが合わないのかも?」そう思いはじめたら、小さなことが目につき、ついに爆発してこじれてしまう、なんていう友情もある。これから紹介するのは、そんな相性の善し悪しにまつわる疑問が生まれる友情を描いた3作品だ。

ピッチ・パーフェクト』(2012)

バーデン大学に入学したばかりのベッカは、将来はDJになるという夢を持っているクールな少女だ。ある日、アカペラ部「ベラーズ」のクロエに勧められて入部し、さまざまな個性の仲間たちと出会う。順調にいくように見えた部活動だが、ある事件でメンバーそれぞれの“合わない”不満が大爆発、チームは存続の危機に陥ってしまう。

17歳のカルテ』(1999)

大量に薬物を服用した自殺未遂を起こし、精神科病院に収容されたスザンナは、その病棟でボス的存在のリサと出会う。医師や看護師に反発するエキセントリックなリサに魅了され、次第に同調していくスザンナ。しかしリサとスザンナの“思想や性格の違い”を顕著にするある事件が起き、2人は道を分けることになる。

ボーイズ・オン・ザ・サイド』(1995)

ニューヨークの場末のクラブをクビになったシンガーのジェーンは、西海岸までの同乗者を募集するロビンと出会い、第一印象は“合わない”と思いつつも、ロサンゼルスを目指して共に旅立つ。道中、DVを受けていた友人のホリーも加わり、3人はぶつかり合いながらも絆を深めてゆくが、友人のお節介が自分には“合わない”ときもある。

こじれがち6:嫉妬問題

とある大学の研究で、女性は男性に比べ、同性への評価が厳しい生き物だというデータが発表された。たしかに、昨今よく聞く“マウンティング”にはじまり、親友に先を越されるかも、好きな人を奪われるかも、といった“嫉妬”は、女性に多いように思える。というのも、女性の方が男性に比べ感情の起伏が激しくより目立つからだとか。女性に“嫉妬”という漢字両方に“女偏”がつくあたりからも、女と“嫉妬”は切っても切れない関係のようだ。

ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』(2011)

幼なじみの親友が結婚することになり、ブライズメイド(介添人)に選ばれた人生どん底中のアニー。ところが同じくブライズメイドに選ばれた親友のセレブの友人とは全く気が合わず、婚前パーティーをめちゃめちゃにして親友を傷つけてしまう。セレブの友人に親友を奪われたような気分になってしまった“嫉妬”が、全ての元凶だった。

スウィート17モンスター』(2016)

思春期真っただ中のこじらせ少女ネイディーは、情緒不安定の母親や教師を困らせてばかりの問題児。たった一人の親友クリスタだけが心の支えだったのに、よりによってネイディーの天敵である兄と恋仲になったことを知り、険悪になってしまう。親友を兄に奪われた“嫉妬”が巻き起こす顛末を描いた青春ドラマ。

ルームメイト』(1992)

ニューヨークで働くアリーは同棲していた恋人とケンカ別れし、新しいルームメイトを募集する。たくさんの応募の中、ルームメイトに決定したのは黒髪に地味な出で立ちの女性ヘディ。2人はすぐに意気投合するが、アリーが復縁した頃からヘディの様子が徐々におかしくなる。親友に抱く“憧れ”が彼に奪われそうな“嫉妬”から“狂気”へと変わる。

こじれがち7:友情じゃなかったのかも?問題

趣味も一緒、思考も似てる。友だちだと思っていたけれど、よくよく考えるとコレって友情じゃなかったのかもしれない。最初から友情なんてなかったのかもしれない。ある日、突然に浮かぶ疑問。すごく魅力的なモノが近くにあるとき、まるで熱に浮かされているかのように人は判断を誤る。でもふと、相手の本性が垣間見えるような、そんな瞬間って、あるかもしれない。

ブリングリング』(2013)

実際に起きたセレブ専門窃盗団の事件を映画化した本作。実際の被害者だったパリス・ヒルトンの自宅が撮影に使用され、話題となった。同級生の家に泥棒に入り、味をしめた女子高生と、彼女に恋心を抱く男子。さらに仲間を増やしてセレブの家で窃盗三昧をするも、悪事は長くは続かない。窮地に至るその時、“友情が勘違いだったのか”が克明に浮き出る。

ディセント』(2005)

事故で夫と娘を亡くした友人を励ますために集まった、6人の女たち。6人は昔のように洞窟探検へと出かける。真っ暗な洞窟は危険がたくさん潜んでいる。迷子になり、負傷し、何者かに襲われ、疑心暗鬼が彼女たちを襲う。彼女たちの友情は風前のともし火。そもそも“本当に友情なんてあったの?” 彼女たちは洞窟から生還できるのだろうか。

フランシス・ハ』(2012)

大学で同級生だったフランシスとソフィーは、ブルックリンでアパートをシェアしているルームメイト。2人は27歳になっても日々じゃれ合う自分たちのことを「年をとったレズビアンカップルみたい」と言うほど仲良しだ。ある日フランシスは、ソフィーから突然「他のルームメイトと新居を見つけたので、同居を解消しよう」と告げられる。“親友だと思ってたのは勘違い?” 時を同じくして恋人も失ったフランシスは、その青天の霹靂に翻弄される。

おわりに

冒頭でも書いた「女の友情はハムよりも薄い」。

結婚や出産・育児など、男性より女性の方が生活環境が変わりやすいという点や、グループを作りたがる、感情の起伏が男性より激しい、といった点からも、たしかに女性の友情の方が複雑な要素の上に成り立っているということがわかる。

だがしかし! それはつまり、その複雑な要素の上に成立した友情は、より強く深いということ。友情がこじれたその先には、同性の友情でしか埋められないという瞬間が多くあるのも事実だ。

ぜひこの機会に、不本意にこじれてしまった親友がいたのなら連絡をしてみるのも良いかもしれない。「親友」に出会う機会なんて、大人になればなるほど少なくなるのだから。

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