一度鑑賞しただけでは、なかなか理解が追いつかない難解映画。
予想を遥かに裏切る衝撃的なオチや、時間旅行を知的に表現している難解映画ですが、繰り返し見るうちに作品に込められた複雑な設定について考え込んだり、謎が解けた時の爽快感がクセになってしまうかもしれません。
そこで今回は、映画ファンが「頭がおかしくなる…」難解映画を10本厳選してご紹介します。
映画セレクト基準は?
本記事で紹介する映画は、国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のスコアやデータに基づきセレクトされています。
『TENET テネット』(2020)
あらすじ:「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」……主人公に課せられたミッションは、人類がずっと信じ続けてきた現在から未来に進む「時間のルール」から脱出すること。時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、第三次世界大戦を止めるのだ。ミッションのキーワードは「TENET(テネット)」。突然、国家を揺るがす巨大な任務に巻き込まれた名もなき男(ジョン・デイビット・ワシントン)とその相棒(ロバート・パティンソン)は、任務を遂行する事が出来るのか!?
『インセプション』の、クリストファー・ノーランが監督と脚本を担当。ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ、アーロン・テイラー=ジョンソン、クレマンス・ポエジー、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナー、ヒメーシュ・パテル、アンドリュー・ハワード出演。“時間を逆行する”という超難解な設定と圧倒的な映像体験で、公開時には劇場に何度も足を運ぶリピーターが続出。鑑賞時には、頭をフル回転させながら観ることをオススメする。
『哭声 コクソン』(2016)
あらすじ:平和な田舎の村に、得体の知れないよそ者がやってくる。彼がいつ、そしてなぜこの村に来たのかを誰も知らない。この男についての謎めいた噂が広がるにつれて、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していく。そして必ず殺人を犯した村人は、濁った眼に湿疹で爛れた肌をして、言葉を発することもできない状態で現場にいるのだ。事件を担当する村の警官ジョングは、ある日自分の娘に、殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。ジョングは娘を救うためによそ者を追い詰めていくが、そのことで村は混乱の渦となっていき、誰も想像できない結末へと走り出す……。
『チェイサー』『哀しき獣』などを手掛けた、鬼才ナ・ホンジン監督作。クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ、キム・ファンヒ、チャン・ソヨン、チョ・ハンチョル、イ・ジョンウン出演。不穏な空気と緊張感が全体に漂う、韓国発のサスペンススリラー。どんでん返し続きなストーリー展開と見え隠れする真実に、観終わった後は誰かと共有したくなること間違いなしの怪作。
『別れる決心』(2022)
あらすじ:男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻ソレ(タン・ウェイ)は捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路”のはじまりだった……。
『オールド・ボーイ』の、パク・チャヌク監督最新作。パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ、パク・ヨンウ出演。互いのことを知りたいと願う男女のスリリングな駆け引きと、残酷な結末へと向かって突き進んでいく様子を予測不可能な展開で描く珠玉のサスペンスロマンス。
『ドニー・ダーコ』(2001)
あらすじ:1988年。アメリカ・マサチューセッツ州に佇む、小さな町ミドルセックス。ある日の夜、精神的に不安定で、投薬治療を受けている17歳の男子高校生・ドニーのもとに、フランクと名乗る銀色のウサギが現れ、この世の終わりをドニーに告げる。その不思議な体験をきっかけに、ドニーの周りでは奇妙な出来事が次々と起きていく……。
リチャード・ケリー監督による長編デビュー作。ジェイク・ギレンホール、ジェナ・マローン、メアリー・マクドネル、ドリュー・バリモア、パトリック・スウェイジ、ホームズ・オズボーン、キャサリン・ロス、ノア・ワイリー、ベス・グラントほか出演。男子高校生の周りで起きる奇妙な出来事を描く。謎めいたドラマ作りと独創的な映像美で、世界中でカルト的人気を獲得した当時の話題作。
『マルホランド・ドライブ』(2001)
あらすじ:アメリカ・ロサンゼルス。ハリウッドが見渡せる道路「マルホランド・ドライブ」で、ある夜、車の衝突事故が起こる。唯一の生存者である女性は、記憶を無くしてしまい助けを求めてハリウッドの街へと向かう。彼女が潜り込んだ高級アパートは、女優ルースの家だった。そこに居合わせたルースの姪ベティは、事故で記憶を失った彼女の記憶を取り戻す手伝いをしようと協力しようとするが……。
『エレファント・マン』『ブルーベルベット』などを手掛ける、“カルト界の帝王”デヴィッド・リンチが監督と脚本を担当。ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング、アン・ミラー、ジャスティン・セロー、ダン・ヘダヤ、マーク・ペルグリノ、ブライアン・ビーコック、ロバート・フォスターほか出演。視点の入れ替わりや物語の難解性から、公開時にはにストーリーを理解するための10個のヒントがホームページに掲載されていた。第54回カンヌ国際映画祭にて、監督賞を受賞。
『2001年宇宙の旅』(1968)
あらすじ:人類がまだ見ぬ宇宙の領域に足を踏み入れた宇宙飛行士ボーマンは、不滅の存在へと昇華していくのだろうか。「HAL、進入口を開けろ!」という悲痛な願いと共に、無限の可能性に満ちた未知への旅を始めよう。
『時計じかけのオレンジ』の、スタンリー・キューブリック監督作。ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルヴェスター、ダニエル・リクター、レナード・ロシター、マーガレット・タイザック、ロバート・ビーティ、ショーン・サリヴァン、アラン・ギフォード、アン・ギリス、エド・ビショップ、ケヴィン・スコット出演。難解なストーリーでありながらも、圧倒的な映像表現で高い人気を誇るSF大作。第41回アカデミー賞において、特殊視覚効果賞受賞している。
『雲のむこう、約束の場所』(2004)
あらすじ:日本が南北に分断統治された、もう一つの戦後の世界。青森の少年・藤沢ヒロキと白川タクヤは、同級生の沢渡サユリに憧れていた。そしてもうひとつの憧れは、津軽海峡のむこう、ユニオン占領下の北海道にそびえる謎の巨大な「塔」。いつか自分たちの力であの「塔」まで飛ぼうと、廃駅跡で小型飛行機「ヴェラシーラ」を組み立てる二人。サユリも「塔」も、今はまだ手が届かないもの、しかしいつかは触れることができるはずのもの……二人の少年はそう信じていた……。
『君の名は。』『すずめの戸締り』などの話題作を生み出し、日本のアニメーション界を牽引し続けるヒットメーカー・新海誠監督による長編デビュー作。吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香、石塚運昇、井上和彦、水野理紗、木内秀信、岩崎征実、竹本英史、平野貴裕出演。青春の夢や喪失といったエモーショナルな感情が美しく描かれているが、ストーリーはやや難解。第59回毎日映画コンクールにて、アニメーション映画賞を受賞。
『ノクターナル・アニマルズ』(2016)
あらすじ:スーザンは夫とともに経済的には恵まれながらも心は満たされない生活を送っていた。ある週末、20年前に離婚した元夫のエドワードから、彼が書いた小説「夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)」が送られてくる。彼女に捧げられたその小説は暴力的で衝撃的な内容だった。才能のなさや精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか……。
ファッションアイコンとして世界から注目を集める、トム・フォードが監督と脚本を担当する長編第2作目。エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン、アーミー・ハマー、アイラ・フィッシャー、ローラ・リニー、エリー・バンバー、カール・グルスマン、ジェナ・マローン、マイケル・シーン出演。別れた夫から送られてきた一冊の小説、現在、過去が交差する様子を、観る者の視覚と感覚を通して訴えかけてくる恋愛ミステリー。
『NOPE/ノープ』(2022)
あらすじ:舞台は南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊にある牧場。亡き父から、この牧場を受け継いだOJは、半年前の父の事故死をいまだに信じられずにいた。形式上は、飛行機の部品の落下による衝突死とされている。しかし、そんな“最悪の奇跡”が起こり得るのだろうか? 何より、OJはこの事故の際に一瞬目にした飛行物体を忘れられずにいた。牧場の共同経営者である妹エメラルドはこの飛行物体を撮影して、“バズり動画”を世に放つことを思いつく。やがて起こる怪奇現象の連続。それらは真の“最悪の奇跡”の到来の序章に過ぎなかった……。
『ゲット・アウト』の、ジョーダン・ピールが監督と脚本を担当。ダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン、マイケル・ウィンコット、ブランドン・ペレア、バービー・フェレイラ、ドナ・ミルズ、ジェニファー・ラフルール、ライアン・W・ガーシア、コナー・コワルスキー出演。とある兄妹の身に降りかかる不可解な現象や奇妙な出来事など難解なシーンが多いが、それゆえ考察しがいのある一作。
『ヘレディタリー/継承』(2018)
あらすじ:グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。娘のアニーは、過去の出来事がきっかけで母に愛憎入り交じる感情を抱いていたが、家族とともに粛々と葬儀を行う。エレンの遺品が入った箱には、「私を憎まないで」というメモが挟んであった。アニーと夫・スティーヴン、高校生の息子・ピーター、そして人付き合いが苦手な娘・チャーリーは家族を亡くした喪失感を乗り越えようとするが、奇妙な出来事がグラハム家に頻発。不思議な光が部屋を走る、誰かの話し声がする、暗闇に誰かの気配がする……。やがて最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊。そして想像を絶する恐怖が彼女たちを襲う。一体なぜ? グラハム家に隠された秘密とは?
『ミッドサマー』の、アリ・アスターが監督と脚本を担当した長編デビュー作。トニ・コレット、ガブリエル・バーン、アレックス・ウルフ、ミリー・シャピロ、アン・ダウド出演。一つの家族が崩壊していくまでを、先の読めない展開で終始不気味に描いている。難解な伏線が多数仕掛けられており、考えるほど怖さが増していく斬新なホラー作品。
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※2023年2月14日時点での情報です。