ほおばる姿にドッキュン!食べる女性が印象的な映画15本

2018.09.28
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

公開中の映画『食べる女』。食べるという行為はセクシーであるという物語だが、それがテーマになっていなくても、映画のなかで食事をする姿を見て、ドキッとすることはありませんか?

小さな口をもぐもぐ動かして食べる女の子。唇を舐めながら料理を味わう女性。

無邪気で誘惑的で、それがキャラクターをさりげなく表していたり、ストーリー展開の重要なシーンだったり。

そこで今回は、女性がセクシーに美味しそうに食べているシーンが印象的な映画15本をご紹介しよう。

『リトル・フォレスト 夏・秋/冬・春』(2014/2015)

自然を食べる女

リトル・フォレスト

リトル・フォレスト2

東北の四季の移ろいに合わせながら、都会暮らしになじめず故郷の村に帰ってきた主人公が、自給自足的生活を通して自分を見つめ、生きる力を取り戻していく姿を描く。

1人で畑仕事をし、薪ストーブでパンを焼き、合鴨を絞めて料理を作る彼女のたくましさは、突然いなくなってしまった母親の影響らしい。手を動かしながら自分が何から逃げているのか考え続ける彼女。季節がめぐり、新しい扉を開く春で終わるのがよい。

白菜のつぼみ菜と塩マスのパスタや、黒米の甘酒とカボチャで作ったケーキなど、旬の食材から生み出された創作料理が次々に登場するのだが、甘い小豆マフィンをむしゃむしゃ食べてストレス解消とは、やっぱり若い娘なんだなあ。

食べる

食堂かたつむり』(2010)

命を食べる女

食堂かたつむり

同棲中の恋人に家財道具を持ち逃げされ、そのショックで心因性失声症になってしまった主人公が、故郷に帰って一日一組だけのお客様をもてなす食堂を開く。

じっくりと心を込めて作られた彼女の料理を食べると、願い事が叶うらしい。そんなファンタジー性が織り込まれ、アニメーションやCGが散りばめられた映像が特徴的だが、大嫌いな母親が現れて心がかき乱されるという展開は妙にリアルである。

家族のように可愛がっていた豚。窓にぶつかって死んでしまった鳩。それらを丁寧に調理し、無駄なく美味しく食べてあげることが供養であると知っている彼女が、「ご馳走様でした」と手を合わせる姿が凛として美しい。

豚の報い』(1999)

しゃべりながら食べる女

豚の報い

店に紛れ込んできた豚がもたらした厄を落とすため、その場にいた4人の男女が神の島を訪れ、騒動を巻き起こす。

豚小屋で生まれた青年が、3人のパワフルなお姉さんたちを連れてワケありの里帰り。自ら望んで振り回されているような彼だが、彼女たちにつきあいつつもしっかり目的を果たすあたり、実はしたたかなヤツではなかろうか。

島に到着した彼女たちは、そりゃもう食べる食べる。肉はもちろん手づかみで。そして、食べながらしゃべるものだからずっと口と手が動いている状態。「生きる=食べる」というシンプルな本能が伝わってくるたくましさが沖縄っぽい。

スノーホワイト』(1997)

憎しみを食べる女

スノー・ホワイト

子供向けのディズニー映画とは違い、グリム童話が本来持っているグロテスクで残酷な世界観を前面に出しているので、大人も楽しめる作風になっている。

驚くべきは、7人の小人が金鉱掘りになっているだけでなく、そのリーダーと白雪姫が恋仲になるという展開だ。しかも目覚めるためのキスなし。継母も最初はいい母親になろうとしたのに、娘は反抗的でイライラ。そのうち自分は死産をしてしまう。

そんなこんなで絶望的になっている時、鏡にそそのかされたわけだ。白雪姫を殺せと。で、証拠として持ってこさせた彼女の心臓(偽物)を料理し、そりゃもう美味しそうに口に入れて恍惚となるシガニー・ウィーバーが面白い。こういう作品は悪役が決め手。

タンポポ』(1985)

エクスタシーを食べる女

タンポポ

距離トラックの運転手が、さびれたラーメン屋の女主人にラーメン作りを教えることになり、町で1番繁盛するラーメン屋を目指して厳しい修行を始める。

ラーメンの食べ方に関するウンチクなど基本はラーメン愛に満ちたコメディだが、ほかの食べ物にまつわるエピソードもあり。たとえば、ホームレスたちが捨てられた食べ物でグルメな食生活を送っているという話は、食いしん坊な監督らしい。

中でも強烈なインパクトを残すのが、若き役所広司と黒田福美によるエロティックなシーンだ。2人は、生卵の黄身を崩さないように口移しでそれを何度もやりとりし、最後は彼女が黄身を噛んで終わり。やだもう~。ドキドキしちゃう。

天国はまだ遠く』(2008)

活力を食べる女

天国はまだ遠く

生きることに疲れ果て、恋人と別れ仕事も辞めて山奥の民宿にたどりついたヒロインが、そこで死のうとするのだが、死にきれなかった。

何があったのかわからないが、死に場所を求めてやってきた若い女性。しかし、大量の睡眠薬を飲んだのに翌朝目を覚ましてしまい、しかたなく1階に下りていくと、民宿の主人が作った朝ご飯が待っていた。

焼き魚。卵焼き。ほうれん草のお浸し。味噌汁。漬物。丁寧に作られたごく普通の和食メニューである。彼女はそれをモリモリと平らげ、生きるための活力を体に宿していく。ほおばりながらペロッと舌なめずりをするところがカワイイ。これで彼女はもう大丈夫。

食べる

ニキータ』(1990)

襲うように食べる女

ニキータ

死刑宣告を受けた女性が秘密警察の暗殺者に仕立てられ、過酷な訓練を経て任務をこなすようになるが、ある男性と出会い、仕事と恋愛の狭間で揺れ動く。

エリック・セラの音楽とスタイリッシュな映像が見事にマッチ。選択の余地なく組織に入れられ、人殺しの訓練を積み重ねていくテンションの高さに目が釘づけだ。のち『アサシン』(93)としてリメイクされたが、ハリウッド版はやはりテイストが違う。

数年ぶりに外界に出た彼女は、スーパーのレジで男をナンパ。餓えた獣のように食べ物を口に放り込み、そのまま彼を押し倒すのである。そんなワイルドな彼女だが、泣きながら銃を構えることもある普通の女。余韻を残すラストシーンが素晴らしい。

僕の彼女はサイボーグ』(2008)

骨まで食べる女

僕の彼女はサイボーグ

未来から来たサイボーグと、彼女に惹かれていく青年の不思議な共同生活を描いたアクション満載のSFラブストーリー。

大胆でタフな彼女に振り回される大人しい彼。彼女は一体誰? 彼のところにやってきた目的は? 感情のない彼女に恋をしてしまって苦しむ彼に、どんな未来が待ち受けているのだろう。初の本格アクションに挑んだ綾瀬はるかに注目。

彼女はサイボーグなので本来は食事を摂らないのだが、フライドチキンが気に入ったらしく、無表情でポリポリと骨まで食べ尽くす。そのキュートな食べ方ときたら、小動物を思わせる一心不乱なしぐさに彼は見とれてしまう。でもマネしちゃダメだよ。

食べる

ショコラ』(2000)

魔法を食べる女

ショコラ

古い伝統が根強く残るフランスの小さな村に、ある日不思議な雰囲気をもつ母と幼い娘がやってきて、チョコレート・ショップを開店する。

厳格で保守的な村に突然現れたチョコレートの山。嗜好品とは無縁の生活を送っていた村人たちは、よそ者に対する警戒心と、宝石のように美しいチョコに好奇心を抱く。でもこんな排他的な場所で、彼女は何をしようとしているのだろう?

彼女に勧められたチョコを食べたとたん、あら不思議。倦怠期の悩みが解決したり、心の傷が癒されたり。チョコは魔法の薬。目を閉じてウットリ味わうと秘めていた情熱が呼び起され、自信がムラムラと湧いてくるのだ。人生にチョコを!

死と処女(おとめ)』(1994)

わしづかみで食べる女

死と処女

南米の独裁政権が崩壊してまもない嵐の夜。夫を車で送ってきてくれた男の声を耳にした主人公は、かつて自分を拷問してレイプをした犯人ではないかと疑う。

有名な戯曲の映画化。非人道的な方法で反政府運動を弾圧していた加害者とその被害者が、思いもよらず再会したことで起こる激しい葛藤を描く。岬の一軒家。停電して電話が不通になった部屋。シチュエーション的にも緊張感あふれる心理サスペンスである。

演じているのがシガニー・ウィーバーなので、普通の主婦にはとても見えず。銃を構える姿がよく似合い、容赦なく相手を追い詰めていくところが頼もしい。暗闇でチキンを素手でつかみ、怒りをぶつけるように食いつく姿も決まっている。

ティファニーで朝食を

手袋をしたまま食べる女

ティファニー

マンハッタンで暮らすヒロインは奔放的な生活を送り、贅沢が好きでお金持ちとの結婚を夢見ていたが、ある日同じアパートに作家と称する青年が引っ越してくる。

タイトルは、彼女が「ティファニーで朝食を食べるご身分」というセリフから取られているが、実在するティファニーは高級宝石店なのでレストランではない。しかしこの映画の影響で、今やダイニングスペースがオープンしたという。気分はヘプバーン。

朝帰りの彼女が、ティファニーのウインドーを眺めながらクロワッサンとコーヒーを手に朝食を摂っている有名な冒頭シーン。エレガントなファッションとのミスマッチが斬新で、マネしてみたいけどマネできない映画だけの世界だ。

マーサの幸せレシピ』(2001)

思わず食べる女

マーサの幸せレシピ

ドイツのフランス料理店で働く女性シェフは、仕事は優秀だが他人に心を開かない頑固者だったが、陽気なイタリア人シェフが来たことで人生に変化が訪れる。

恋人も友人も必要としていないような堅物の彼女が、突然姉が事故死したことで、幼い姪を引き取らなくてはならなくなる。しかし、母の死によるショックで食事をしなくなってしまった少女は、どんなに美味しい料理を作っても興味を示さない。

そんな子が、口に入りきれないほどのパスタをフォークに巻き、大きな口を開けて貪るように食べ始める。周りに視線をよそにひたすら食べ続ける姿が、子供らしくてカワイイ。なぜ急に食欲が爆発? その秘訣は観てのお楽しみ。

ナインハーフ』(1985)

目隠しされて食べる女

ナインハーフ

ふとしたことで出会った男性からエロティックな刺激を受けることにより、自分でもわからなかった潜在的な欲求が呼び起こされてしまう女性の姿を描く。

タイトル通り、9週間半の出来事を綴った異色ラブストーリー。ヒロインが離婚歴のあるキャリアウーマンだというのが、この物語のミソであろう。素性のわからない男とつきあう不安と興奮。彼女は未知との遭遇に夢中になる。

目隠しされた彼女は、氷で体をなでまわされて愛撫されるわ、缶詰の果物やハチミツが次から次へと口に入れられるわで、彼の言いなり。そんな彼のドSな要求は、それ以上エスカレートさえしなければちょうどよかったのに、残念。 

マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2007)

泣きながら食べる女

マイ・ブルーベリー

恋人の心変わりで失恋してしまったヒロインは、行きつけのカフェでオーナーが用意してくれるブルーベリーパイを食べることで、少しずつ慰められていた。

彼女はそのブルーベリーパイを毎晩食べるわけである。最初は泣きながら。そして、口の周りにクリームをつけたまま眠ってしまう。失恋がつらくて未練もタラタラで、心の傷はなかなか癒えない。そんな彼女を人気歌手ノラ・ジョーンズが演じて話題に。

結局彼女は、オーナーに愚痴を聞いてもらってもパイを食べ続けても立ち直ることができず、1人で旅に出るのだ。なのでこれはロードムービー。パイを焼くことで彼女を優しく見守ってきた彼と、旅先からせっせと彼に手紙を書く彼女。2人の行く末やいかに。

食べる

パルプ・フィクション』(1994)

睨みながら食べる女

パルプ・フィクション

強盗の計画を話し合っているカップルや、盗まれたトランクを取り戻そうとする2人のギャング、ボクシングの八百長試合に挑むボクサーのエピソードが絡み合う。

クエンティン・タランティーノ監督の名前を世界中に知らしめた出世作。テンポのよい会話とここぞという時に流れる音楽がセンスよくマッチし、巧妙に組み立てられた脚本で最後まで目が離せない。長年不遇だったジョン・トラボルタを復活させた作品としても有名である。

ボスの若き妻とデートをするハメになったギャングが、50年代風クラブ・レストランに行き、緊張しながら注文をする。彼女は彼をじっと睨み、飲み物についていたチェリーを齧りながらおしゃべりをするのだが、その口元でぷるぷると動く赤いチェリーが生き物のよう。一瞬だが忘れがたいシーンだ。

いかがでしたか?

映画に食事シーンはつきもの。登場人物たちが何を食べているのかだけでなく、どんな食べ方をしているのかに注目して観てみると、いろいろなことが見えてきて面白いだろう。

自分もちょっとマネをしてみたくなったりしてね。

(C)「リトル・フォレスト」製作委員会、(C)2008「天国はまだ遠く」製作委員会、(C)「僕の彼女はサイボーグ」フィルムパートナーズ、(C)Block 2 PICTURES 2006

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