【三島 有紀子】『ビブリア古書堂の事件手帖』 映画公開記念特別インタビュー「本の持つ力」vol.2

監督 三島 有紀子(みしま・ゆきこ) さん

NHKに入局し、「NHKスペシャル」「トップランナー」など市井の人々を追う人間ドキュメンタリーを数多く企画・監督。映画を撮るため独立後、『しあわせのパン』(2012)、『繕い裁つ人』(15年)、『少女』(16年)、などの作品を発表。17年の『幼な子われらに生まれ』で第41回モントリオール世界映画祭審査員特別大賞を受賞。

人の想いが時を超える奇蹟の瞬間

映画『ビブリア古書堂の事件手帖』の公開を記念し、シリーズでお届けしている特別インタビュー。第2弾は本作の監督を務めた三島有紀子さん。「人間を描く」ことに真摯に向き合いながら、作品の世界観を美しく作り込む人間ドラマの名手。幼少期から本に囲まれて育ったという三島さんは、大人気ミリオンセラーをどのように読み解き、映像化したのか。

【黒木 華】『ビブリア古書堂の事件手帖』映画公開記念特別インタビュー「本の持つ力」vol.1

古書に残る読書の跡から想像を広げる面白さ

ビブリア

私が生まれ育った大阪の堂島は、本の問屋街でもありました。本がぎっしり並んだステンレスの棚がいたるところにあり、乗り切らない本は床にまで置いてあって、子どもの頃はそんな中でかくれんぼをして遊んだり、立ち読みをしたりして育ちました。父も本好きで、家の中にも本があふれていましたし、文字通り本に囲まれているという状況は、私の原風景です。古本も好きで、仕事などで各地を訪れた際に古書店を見つけたら、必ず足を運びます。私にとって、古書店にいる時はとても幸せな時間なんです。

古書を開くと、折り目がついてあったり、ぐるぐるっと丸囲みがされていたり、前の持ち主の読書の跡が残っていることがあります。その人がこの本を読んで何を思ったかや、どんな風に心を動かされたかを辿ったり、想像したりすることは、本に託されたその人の想いを自分が受け取っているようで、とても面白いと思うんです。古書には、そこに書かれてある物語や知識、書き手の言葉の他に、その本を手に取った人の想いまでもが重なってくる。モノとしての本の魅力はここにあると思います。

映画の主人公・篠川栞子も、本を通してその本を手にした人たちのことを想像し、ドラマを読み解く女性。本に託された想いを彼女が受け取り、それがまた他の誰かにも伝わって、それぞれの人生に影響を与えていく――。それを映画では、何よりも大切に描きたいと考えました。自分自身、死んだ者が生きている者に影響を与える、というテーマにこだわりがありますから、そんな奇蹟的な瞬間に光りをあてたかったのです。

自らが抱える“業”に栞子はどう向き合うか

ビブリア

私は十代の頃に、宮沢賢治の詩集「春と修羅」を読み、自分の中にも修羅の心があると、教えてもらいました。修羅を抱えるが故の寂しさや悲しさ、傷を焚き上げながら、人は軌道を進むしかない。そんな風に思わせてくれる美しい詩です。

生きている者は誰でも業が深いもの。私にとっての映画のように、とても大切にしている何かがある人は、なおのことかもしれません。栞子は、本を愛する女性です。映画の中では、本を愛しすぎるが故に、彼女の抱える業に対して、ある問いを投げかけてみました。果たして栞子は自らの業にどのように向き合うのか。爽やかでストレートな性格のもう一人の主人公・五浦大輔との関係性も含めて見どころの一つです。

過去を生きた人たちの想いが、思わぬ形で現代の人に届き、影響を及ぼしていく。そんな奇蹟のような瞬間を、この映画から感じ取ってもらえたら幸せです。古書店には、そのようなドラマを秘めた古書との出会いが待ち受けているかもしれません。

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映画『ビブリア古書堂の事件手帖

ビブリア

STORY:夏目漱石のサイン本と、太宰治の希少本。50年の時を超えて、2冊を結ぶ禁断の秘密とは――?その謎が解き明かされるとき、本がつなぐ真実の愛に心揺さぶられる。

鎌倉の片隅に佇む古書店「ビブリア古書堂」。五浦大輔(野村周平)は、亡き祖母の遺品である夏目漱石の『それから』に記された著者のサインの真偽を確かめるため、店を訪れた。若き店主・篠川栞子(黒木華)は、たちどころにサインの謎を解き明かしただけでなく、この本には祖母が死ぬまで守り通したある秘密が隠されていることに気付く――。

出演:黒木華 野村周平/成田凌/夏帆 東出昌大

原作:三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
監督:三島有紀子
脚本:渡部亮平、松井香奈
主題歌:サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
配給:20世紀フォックス映画/KADOKAWA

11.1 [THU] 全国ロードショー

映画公開記念特別インタビュー「本の持つ力」

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  • とまと
    3.6
    ずっと前にドラマでしてたのを最初だけチラッと見た事があって雰囲気が好きだったので映画も。 古書とかそれ系の世界観がなんか落ち着くから好き。 でも笑っちゃう様な微妙な演出とか展開があって拍子抜け。 派手な演出とか展開が無い方がいい時もあるような、、、、 でも古書に色んな思いがあってそれがストーリーになるのはなんか素敵でいいなー メインの話は、夏目漱石のそれからと太宰治の晩年。 それからってホン・サンス監督のそれからのやつ!読んだ事なかったから少しだけど内容知れて良かったし、あの映画のセンスの良さを再認識させられました!! それにしても、黒木華のあの微妙に垢抜けない役作り素晴らしい!!!!
  • おやすみ世界
    3.2
    思ってたほどの事件性もなく… だいたい序盤で犯人の予想は尽くし、 ずっとおじいちゃんの気持ちが心苦しすぎるし、 何より主人公の甘々世間知らずグダグダ感に苛ついてしまった ハッキリしろ!!!笑
  • うめこ
    3
    夏帆さんがよかった
  • エスパーいとぅ
    3
    ドラマ映画。 原作もドラマ版も未読・未視聴。 タイトルだけ聞いたことがあったのでなんとなく鑑賞。 全体的に雰囲気は悪くない。 ただイマイチ登場人物に魅力がないかな。 自分が本をあまり読まない人間だからか、彼らの気持ちがあまり理解できなかった。 東出くんがいろんな意味でハマリ役すぎて集中できなかったのも敗因(苦笑) ゆったりとした感じは嫌いじゃないので、流し見するのに丁度良い作品かと思います。
  • 山本与加
    3
    東出がかっこいいと耳にしたから見た! 東出と夏帆の時色が変わって東出の衣装といいスタイルといい最高!!!が止まらない 野村周平は湘南育ちだよね??って思うぐらい地元感出てるけど兵庫県出身てまじ?湘南感滲み出ちゃってるけど? チャリで鎌倉走ってる感じとかフォルクスワーゲン乗っちゃう感じとか、素潜りの感じとか?? 何で海の方に逃げたwwって感じでバカじゃんwwwってなったけど まぁ映画だしね!ってことです細かいことは気にせず 事件が始まった瞬間犯人容易に想像できるのおもろい。もはや事件の話聞く前に怪しいってなる感じおもろい 画がいいから見れた 鎌倉の景色がいいところに行きたくなった
ビブリア古書堂の事件手帖
のレビュー(3694件)