映画ファンに人気の市川崑監督おすすめ映画7選!洒落たセンスとユーモアに富んだ作風が魅力的

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KAWATA

日本を代表する映画監督の一人・市川崑。前回の大会の公式記録映画『東京オリンピック』や、『黒い十人の女』、『細雪 ささめゆき』など市川崑監督のキャリアと代表作品を紹介。

2020年の東京五輪の公式記録映画の監督に河瀬直美監督が就任することが決まった。今からさかのぼること54年前、前回の1964年の東京五輪で監督を担ったのが市川崑監督。

市川監督と言えば、とりわけ『犬神家の一族』などの金田一シリーズや世界的にも評価の高い『ビルマの竪琴』などが代表的作品だが、その他にも現代に通じる社会性や普遍的な人間性を描いた作品を数多く残している。

また、11月20日は監督の誕生日ということで、今回は数ある作品の中でもおすすめの7本を紹介します。

絵描き青年から映画監督へ

市川崑

市川監督は1915年11月20日、三重県宇治山田市(現・伊勢市)の呉服問屋で4人姉弟の末っ子として生まれました。ほどなくして父親が亡くなり、家業は倒産。すでに大阪に嫁いでいた姉のもとへ母親と一緒に身を寄せることになります。

子どもの頃から絵を描くのが好きで、旧制中学に入学後は絵の勉強のために画塾へ通っていたそうです。その後、ディズニーの短編アニメ映画『シリ―・シンフォニー』に感銘を受けたことをきっかけに、映画の世界へ足を踏み入れることになります。

まず、18歳の時に京都の映画会社J・Oスタヂオのトーキー漫画部に所属し、アニメーター助手の仕事を始めます。その後、会社の都合により実写映画の監督へ転身し、『花ひらく 眞知子より』で監督デビュー。

このデビュー年に脚本家・和田夏十と結婚。彼女が脚本を手掛けた作品も複数あり、プライベートだけではなく映画製作においても市川監督の長年のパートナーとなりました。

以降、2008年に他界するまで数々の作品を作り続け、国内だけでなく海外からも評価の高い人気・実力ともに日本を代表する巨匠のひとりとなりました。

日本橋』(1956)

日本橋

豪華女優陣が魅せる女心と花街の恋

泉鏡花原作の戯曲を映画化。芸者の悲恋を描いた作品で、淡島千景、山本富士子、若尾文子といった美人女優の面々が出演しています。花街を舞台に、一人の女性の嫉妬、愛憎、憐憫など行き場のない感情が見え隠れする様が切なくもあり、観る人を惹きつけます。

凛としながらも脆く、儚い恋心を抱える女性の姿を艶っぽい演技で魅せる淡島千景の美しさが印象的です。

満員電車』(1957)

満員電車

昔も今も変わらない?現代にも通じる社会風刺作

通勤の満員電車に揺られて日々を過ごすサラリーマンの悲哀をユーモラスに描いた喜劇。茂呂井民雄(もろいたみお)、壱岐留奈(いきるな)、更利満(さらりまん)などの登場人物たちの名前をみても分かる通り、劇中のところどころにブラックユーモアが効いています。

今日でも見られる満員電車通勤の風景に、昔と今、そしてこれからの日本について何か感慨深いものを感じるのではないでしょうか。

』(1957)

穴

テンポの良さと京マチ子の七変化が見物

とあることから事件の容疑者として追われる身となった京マチ子演じる女性記者が主人公。真実を暴こうと奔走する中、彼女の見事な滑舌とぐいぐいと物語と観客を引っ張っていく行動力はあっぱれ。

また、彼女の活力あふれる演技が物語のテンポともよくマッチしており、観ていて飽きることがありません。劇中でさまざまに姿を変える変化も楽しく、あっという間に見終わってしまう良作。

サスペンスとはいえ金田一シリーズとはまた違うアップテンポのコメディ。市川監督の豊かな才気を堪能できる一作。

おとうと』(1960)

おとうと

姉弟という関係性が築く絆と愛情を描いた

幸田文の小説「おとうと」を映画化した作品で、市川作品には常連の女優・岸恵子が奔放な弟の面倒を見る、弟想いの姉役で出演。懲りない弟に手を焼きつつも、時に母親代わりとして彼を守り続ける姉の姿と、そんな姉を疎ましく思う反面姉の身を案ずる弟。姉弟、そして家族の絆を感じさせる物語です。

強気な中にも母性を垣間見せる岸恵子、そして脇を固める田中絹代や森雅之といったベテラン俳優も存在感を放っています。

黒い十人の女』(1961)

黒い十人の女

ファン多数!独自のセンスが光る名作

ひとりの男が妻や愛人たちに追い詰められていく様子をシニカルに描いた作品で、近年では舞台やドラマとしてリメイクされるなど、時代を越えて人気が高い一作。それぞれ個性をもつ10人の女性ひとりひとりが、いち女性像を作り上げているようにも感じられます。

複数の女性たちに翻弄される若き船越英二の戸惑いっぷりも必見。スタイリッシュな映像で、市川監督の洒落たセンスを感じられる1本となっています。

東京オリンピック』(1965)

東京オリンピック

当時の興奮を独自の目線でとらえた映像記録

1964年の東京五輪に沸き立つ人々の姿をはじめ、出場選手たちの緊張感や時に垣間見られるリラックスした様子が、監督独自の視点でカメラに収められているのが新鮮。単なるドキュメンタリーではないところも注目。

本作は、1965年カンヌ国際映画祭で国際批評家賞、青少年向映画賞を受賞し、国内はもとより海外でも高い評価を受けました。2020年東京五輪の前に見ておくのもおすすめです。

細雪 ささめゆき』(1983)

細雪

日本人の美的センスに感動!美人姉妹の艶やかな装い

岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子という美人女優が総出演。原作は、谷崎潤一郎の同名小説。豪華女優陣が色とりどりの着物を優雅に着こなし、日本の風景に溶け込む様がなんとも美しく、これぞ目の保養といった趣です。

姉妹たちがお互いを想い合いながら日々を穏やかに暮らす姿が温かく、やさしい印象を残す秀作です。

まだまだ尽きない市川作品の魅力

市川崑監督作品は、監督自身がアニメーター出身ということで、その経験を活かした遊び心や洒落たセンスが作中に垣間見られるものも魅力。ストーリーも分かりやすくテンポも良く、また今日観てもそのスタイリッシュさやセンスはまったく色褪せていません。

まだ観ていないという方は、今回ご紹介した作品からまず楽しんでみてはいかがでしょうか。

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