夜空を背景に自然の中で映画を観よう!日本初のロマンチックな「野外映画フェス」レポ

好奇心で生きてる雑食人間

sakasa

映画を鑑賞する上で環境ってとても大事ですよね。場所や服装、体調、誰と観るかでその映画の印象は観る度に変わります。

自宅でリラックスして観るのも、映画館で大画面と音響を楽しむのももちろん良いですが、『たまには外で星空の綺麗な夜に大スクリーンで映画を観たいなー。』なんてロマンチックな夢をみたことがある方も多いでしょう。私もその一人です!

そしてつい先日、そんな夢を叶えてくれる素敵なイベント、日本初の野外映画フェス『夜空と交差する森の映画祭2015』10月3日(土)の夜からオールナイトで開催されました!

私もこのイベントに参加したので『夜空と交差する森の映画祭』についてとこの映画祭で上映された作品を紹介をしたいと思います。

夜空と交差する森の映画祭ってどんなイベント?

映画祭

出典:https://www.yamanashi-kankou.jp/hokuto/topics/2015_forest-movie-festival.html

2014年に埼玉県で初開催されたこのイベントは、森や川、岩場などバリエーション豊かなロケーションに設営した複数の特設スクリーンで 長編映画やショートフィルムを上映する「野外映画フェス」という新しい映画鑑賞スタイルを日本で初めて取り入れたイベントです。

積極的にインディーズ映画を上映することで次世代の才能の発掘や認知拡大を目指しているのも特徴です。今年は昨年よりさらにスケールアップされて山梨県で開催されました。

それではこの映画祭の魅力をご紹介していきます。

バラエティに富んだ4つのエリア

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野外映画フェスなので、様々な場所でいくつもの映画が上映されています。上映されるエリアは全部で4つに分けられており、それぞれコンセプトが違う装飾や照明などが施されていて、まるでテーマパークに来たかのような感覚になります。

丘に囲まれたコロッセウムのようなステージ『MIDNIGHT GARDEN』

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メインステージであるここでは長編映画を上映。映画上映の間もイベント企画などを実施しており、一番盛り上がるステージとなっています。

ここで上映された『ビッグ・フィッシュ』の作中にたくさんの靴をぶら下げた街が出てくるのですが、入り口のゲートのところにも同じ演出がされていました。細部まで行き届いた演出は映画好きにはたまらなかったのではないでしょうか。

泣き虫な魔女が隠れ潜んでいる!?『MYSTERY FOREST』

ミステリー

泣き虫な魔女が隠れ潜んでいるという噂のあるミステリーフォレスト。ここではファンタジー・サスペンス・ホラー・ミステリーといったジャンルのショートフィルムを上映しています。

この森には人が消えたり本来見えないものが見えたり不思議なことが起こるという噂が・・・スクリーンまでの道中にもいろいろな仕掛けや装飾がされていて、映画と共に楽しめるようになっています。

白州の綺麗な小川が流れる『ROMANTIC VALLEY』

romantic

ここではドラマ・コメディー・ラブストーリーを上映。幻想的な装飾から『ゆめうつつの谷』と呼ばれ、カップルやロマンチストな方におすすめの場所です。この地で出会った男女が青く光る花を見つけると結ばれるという言い伝えがあるそうです。

このステージに行く前に小さな橋を渡るのですが、そこから見えるロマンティック・バレーの明かりが隠れ村のような雰囲気でとてもワクワクしたのを覚えています。

エキゾチックなステージ『BURNING SQUARE』

burning

ここは熱く燃える炎の中にそびえ立つ、炎の民族の宴がコンセプトのステージです。4つのステージの中で唯一、暖がとれるステージなので1番人が出入りしたステージかも!?ここではアクション・SF・ドキュメンタリーなど熱い魂のこもった作品を中心に上映。

こんなに素敵なステージがたくさんあるとどこに行くか迷ってしまいますよね。タイムテーブルとにらめっこしながら観る作品を決めて過ごすのも良いですが、私としては観る作品を決めずに、たまたまふらっと入ったステージで観た映画がよかった!なんていう新たな出会いがあるフェスならではの過ごし方がおすすめです。

映画以外も楽しめる!充実したショップ

映画を楽しめるのはもちろんですが、それ以外にもキャンドル作りやTシャツなどにシルクスクリーンで印刷できるワークショップが開催されていたり、楽しいイベントも用意されていました。

キャンドル

そして忘れてはいけないのが、映画と言えばもれなくセットでついてくるポップコーンです。ここではポップコーンとココア、コーヒーを売り子形式で会場各地で販売してくれています。

実は、ポップコーンは売り子さんごとで味が違うようになっていて買う度に何味が出てくるか楽しめるようになっています。細部までこだわったエンターテインメントに驚かされると同時に楽しませていただきました。

最後に、この映画祭で上映されたメインの作品『ビッグフィッシュ』をご紹介したいと思います。

ビッグ・フィッシュ(2003)

ビッグフィッシュ

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あらすじ

身重の妻ジョセフィーンと暮らすジャーナリストのウィル・ブルーム。彼の父エドワード・ブルームは自らの人生を巧みに語って、聞く人を魅了するのが得意でウィル自身も幼い頃は父の奇想天外な話が好きだったが、年を取るにつれ、それが作り話であることに気付き、いつしか父の話を素直に聞けなくなってしまうように…。

3年前の自分の結婚式にエドワードが息子ウィルの生まれた日に巨大な魚を釣った話で招待客を楽しませた時、不満が爆発する形でウィルは父に今夜の主役は自分であると訴え、仲違いが生じ、それ以来二人の不和が続いていました。

そんなある日、母から父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは妻と共に実家へと戻ります。しかし、病床で相変わらずな話を語り出す父と本当の父を知りたいと葛藤する息子は理解し合えぬまま。ウィルは本当の父親を知ることができるのでしょうか…。

現実と回想を見事に融合させたディム・バートンワールド

この作品の見どころは何と言っても回想と現実のシーンの対比構造です。作中でエドワードが語るおとぎ話のような回想シーンはどれもカラフルで幻想的で、ティム・バートンらしさが顕著に表れています。

この『ビッグ・フィッシュ』は彼の作品の中では珍しく、現実の世界を描いているシーンがあるため異色の作品とも言われていますが、回想シーンに対比するように描かれた、質素で寂しげな現実のシーンを上手く回想シーンと融合させ見事なティム・バートンワールドを完成させています。

野外でみるからこその感動も

DVDなどのジャケットにもなっている水仙が一面に広がるシーンを映画祭で観たときは、野外という環境とリンクして屋内で観るよりもさらに感動しました。

エドワードの話はどれも不思議でどこが嘘でどこが本当なのかわかりません。しかし、おとぎ話のような楽しい話が聞けるならもう真実なんてどうでもよくなります。ユーモアに溢れる大人はとても魅力的ですよね。観終わった後はなんだか人にやさしくなれる作品です。

タイトルの『ビッグ・フィッシュ』という言葉ですが、これにはいろんな意味が込められています。英語のスラングでフィッシュは嘘つきの意味を指し、ビッグフィッシュ=大嘘つきという意味になります。これはウィルがエドワードに抱いていたイメージです。

そして作中でエドワードが巨大な魚を釣った話をしており、終盤にはこのエピソードに沿った演出があります。鑑賞の際は、この辺りも意識してみるとより楽しめるかと思います。

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来年は足を運んでみては?

ご紹介させていただいた作品はひとつですが、この映画祭では本当にたくさんの作品が上映されていて時間が過ぎるのがあっという間でした。

この『夜空と交差する森の映画祭』はフェスの醍醐味である新たな作品や人との出会い、ステージ間を移動することの楽しみで『映画を鑑賞する』から五感まるごとで楽しむ『映画を体験する』へと見事に変化させてくれます。

空気の澄んだ満天の星空が綺麗な森の中、たまにふと空を見上げると流れ星が見れることも・・・こんな最高のロケーションで映画を観られるなんてきっと特別な夜になること間違いないでしょう。

また次回、開催されることになったときはぜひみなさんも足を運んでみてください!

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夜空と交差する森の映画祭 2015 / FOREST MOVIE FESTIVAL
開催日時:2015年10月3日(土) オールナイト開催 ※4日朝まで
10月3日(土) オープン 15:00 上映開始 18:30
10月4日(日) 上映終了 5:00 完全閉場 12:00
会場:山梨県北杜市 白州・尾白の森名水公園「べるが」
住所:山梨県北杜市白州町白須8056

公式サイト:http://forest-movie-festival.jp

 

※2022年11月26日時点のVOD配信情報です。

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  • ILLminoruvsky
    4.5
    原題『Big Fish』 (2003) 監督 : ティム・バートン 脚本 : ジョン・オーガスト 撮影 : フィリップ・ルースロ 編集 : クリス・レベンゾン 音楽 : ダニー・エルフマン 出演 : ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ヘレナ・ボナム=カーター、スティーヴ・ブシェミ、ダニー・デヴィート、他 ダニエル・ウォレスの小説『ビッグフィッシュ - 父と息子のものがたり』を原作とした、自分の人生をお伽話のように語る男と、彼の家族との絆をティム・バートンらしい独自のタッチで幻想的に綴ったファンタジードラマ映画。 「父と子の和解」映画。 そして、 「物語賛歌」映画。 それまで心のすれ違いを続けてきた父と息子が、幾多の人生経験を経てついに和解に至るまでを感動的にティム・バートンのイマジネーションが冴える多幸感に満ちたファンタジックな回想シーンとトーンを抑えた現実シーンとの対比が見事な珠玉の一作。 おそらくティム・バートン作品史上、最も優しく、心温まる作品で、個人的にティム・バートン作品ではダントツに好き。 ただのお気楽なホラ吹き人間ではなく「現実がままならないこそ、ホラを吹く」という切実な想いで生きていたと知り、父と息子の生きる世界が一つになる息子が語る「ホラ話」は号泣必至でしたし、画面いっぱいに黄色の水仙の花で埋め尽くされたシーンや、サーカスでエドワードがサンドラに出会った際に、「時が止まる」演出がホント秀逸でした。 「イイ映画」としか言えない、文句無しの珠玉の一本。
  • doDo
    -
    理想のお葬式。
  • choco
    5
    記録 ・おすすめ ・見る人の立場で思うこといろいろありそう ・一瞬ミッドサマーでぞっとしたけど、安心 ・みんな若い ・スピルバーグ版もちょっとみてみたい笑
  • ピッグマン
    -
    観たことあり
  • angryrabbit
    4
    綺麗な映画 心が澄んでいく
ビッグ・フィッシュ
のレビュー(84107件)