ほとばしる映画愛に涙する!「映画の日」に観たいシネマにまつわる映画20本

2018.12.01
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

12月1日は「映画の日」。映画が主役の今日は、シネマにまつわる映画を観ませんか?『桐島、部活やめるってよ』『ニュー・シネマ・パラダイス』『カメラを止めるな!』など映画への愛があふれるおすすめのシネマ映画20本をご紹介します。

毎月1日に鑑賞料の割引を行う”ファーストデイ”というサービスを行う映画館が多いことは、今ではよく知られているが、実は正式な「映画の日」は12月1日だけ。

1896年神戸において日本初の映画上映(有料)が行われたのを記念し、この年から60年目にあたる1956年に、映画産業団体連合が12月1日を「映画の日」と定めた。それが「映画の日」の始まりである。

なので、この日は映画業界にとって特別な日。劇場鑑賞料が割引になるのはもちろん、上映会やトークショー、日本映画界に貢献してきた人たちへの記念式典を開催するなど、様々なイベントで盛り上がる日なのである。 

そこで今回は、この「映画の日」にちなんで、映画館や映画にまつわる映画作品20本をご紹介しよう。

桐島、部活やめるってよ』(2012)

この世界で生きていかねば

桐島

高校のバレー部キャプテンが辞めるというウワサが広がり、学校中に動揺が走ったが、恋人や親友すらその理由がわからなかった。

花形スターの退部というショッキングなニュースが全校を駆け巡るなか、それに全く関心のない映画部は、ゾンビ映画を作ろうと屋上でゲリラ撮影を決行する。地味で目立たない彼らは、校内ヒエラルキーの最下位にいるようなもの。そんな彼らが運動部の奴らに撮影の邪魔をされ、映画部らしい反撃に出るシーンが泣けてくる。

どちらかというとカッコいいイメージだった神木隆之介が、プライドは高いくせにオドオドしているオタク系を演じて、イタイやら愛おしいやら。マニアックな作品を上映をしている映画館で好きな女の子に遭遇し、舞い上がって一方的に映画の話をしまくるシーンなど、別の意味でまた泣けてくる。映画ファンには胸きゅんの作品。

カイロの紫のバラ』(1985)

ホロ苦くて優しい

カイロの

1930年代大恐慌の波を受けたアメリカで、遊び歩いてはお金を奪い取っていく失業中の夫を持つ主人公は、ある映画を何度も観に行くことを心の支えにしていた。

ウェイトレスで生活費を稼ぎ、夫との愛のない生活に耐えている彼女が、何とか人生に絶望しないでいられるのは、大好きな映画があるから。そんなある日、主演男優が突然スクリーンの中から彼女に話しかけきたかと思うと、客席まで飛び出してくる。

実に荒唐無稽な話だが、不幸な彼女の元へ映画スターが舞い降り、しかも彼女に恋をしてしまうという夢のような展開があまりにもまぶしくて、胸が詰まりそう。映画を観ている時だけ彼女は悲惨な現実を忘れ、幸せになることができる。現実逃避でもいいじゃない。彼女のためにも、どうか映画がなくなりませんように。

アーティスト』(2011)

言葉はいらない

アーティスト

1927年のハリウッドで、サイレント映画のスター男優である主人公が、舞台挨拶で出会った新人女優にアドバイスをしたところ、彼女はそれをきっかけにオーディションに受かるようになる。

サイレントからトーキーへと移り変わる時代を舞台に、サイレント名作へのオマージュをぎっしり詰め込んだモノクロ・サイレント映画。シンプルでロマンチックなラブストーリーが懐かしく、その王道ぶりが逆に新鮮で、世界中の映画ファンの心を惹きつけた。

サイレントにこだわりすぎてトーキーの波に乗れず、監督・主演作が大コケしてスターの座から転がり落ちた男。それと反比例するように、トーキーのスター女優として人気者になっていく女優。この二人の恋物語が、音楽と効果音だけで語られていく。感情表現に言葉はいらない。犬がいい仕事をしています。

映画は映画だ』(2008)

映画のリアリティって?

映画は映画だ

俳優になる夢を捨てきれないヤクザが、ある日ファンであった映画スターと高級クラブで知り合い、数日後に最新作の相手役をやらないかと誘われる。

ヤクザをリアルに演じたいスター俳優と、俳優になりたかった本物のヤクザ。実はその俳優の暴力的で傲慢なところがまるでヤクザみたいなので、何だかちょっとややこしい感じ。とにかくその二人の利害が一致し、俳優になりたかったヤクザは俳優になる。ところが彼は、全てのシーンをリアルに演じようとするので、現場はもう大変だ。

そのヤクザにはもちろん本業もあるので、撮影をしながらアブナイ仕事もやったりするわけで、トラブルに巻き込まれてグチャグチャな展開に。そんな彼が「ガチンコで」という条件で引き受けたアクションシーンは、泥まみれの血まみれ。緊張感あふれる最大のクライマックスだ。ちょっと変わった角度から映画愛を描いた作品。

エド・ウッド』(1994)

他人の夢は撮らない

エド・ウッド

1950年代のハリウッドで、映画監督になる日を夢見て下働きをしていた青年が、往年のドラキュラ俳優の出演を条件に資金を得ることになり、ついに監督デビューを果たす。

「史上最低の監督」との異名を持つ映画監督。本人は真剣なんだけど世間とズレているこの実在人物をジョニー・デップが演じ、とぼけた味わいが必見である。基本はモノクロだが、場合によってはカラーがついたりするのは、ティム・バートン監督のセンスのよさ。相変わらず面構えが個性的な俳優もいっぱい登場して、嬉しくなる。

彼には人並み以上の情熱はあったが、残念なことに監督としての才能がなかった。なので、完成作品はわけのわからないものとなり、さすがに楽天的な彼でも酷評されて落ち込んでしまう。しかし、憧れの監督に「夢のためなら闘え」と励まされるシーンは、感動的。彼にとって「史上最低の映画監督」は称号だ。

映画に愛をこめて アメリカの夜』(1973)

映画を愛する者たちへ

アメリカの夜

フランスの映画スタジオで、「パメラを紹介します」という映画の撮影を行っている監督の苦悩や、スタッフやキャストたちの人間模様を描く。

原題の「Day for Night」とは、カメラレンズにフィルターをかけて、昼間に夜のシーンを撮影すること。彼が撮っている映画は、父親と息子の妻が恋に落ちて駆け落ちしてしまうというラブストーリー。エキストラにも細かい指示を出す監督は完璧主義のようで、同じシーンを何度も撮り直したり。そんな監督だったが、実際は俳優やスタッフたちに振り回されているのであった。

アルコールに依存し、セリフの覚えが悪いベテラン女優。男よりも映画が好きな助監督。妊娠を隠していて、水着になるのを嫌がる女優。浮気性の恋人のことが心配で、演技に集中できない男優。これを観たら監督になりたいなんて思わないほど、数々のトラブルによって撮影は進まない。それでもやるんだ。最後まで。なぜ人は映画を撮るのか。その答えもまた、この映画にありそう。

止められるか、俺たちを』(2018)

ここではないどこかへ

止められるか

1969年の東京で、何者かになりたいと願っていた主人公は、映画監督である若松孝二の助監督となり、過酷な撮影現場を走り回りながら仲間たちと映画作りに没頭する。

故・若松孝二が設立した若松プロダクションが、監督の死から6年目に制作した復帰第1作。実話である。若松プロ出身の監督と脚本家、そして若松監督と縁の深い井浦新が若き日の監督を演じているだけに、思い入れと熱意がたっぷり。全共闘運動や大学紛争が吹き荒れた時代を背景に、若き映画人たちが駆け抜けた青春を描く。

湿度高めの男たちの世界に飛び込んだ門脇麦が、冒険の旅に出た男の子のよう。監督になりたい彼女は脚本を書き、ピンク映画を撮る。自分のいる場所をじっと観察している彼女の眼差しが、どこかに行けそうで行けない苛立ちを抱えているような、大胆な決意を秘めているような。赤塚不二夫が、顔は似ていないのに誰だかわかるのがすごい。

キネマの天地』(1986)

最初はみんな新人

キネマの天地

浅草の活動小屋で売り子をしていた主人公は、松竹の監督の目に止まり蒲田撮影所の大部屋女優になったが、初めての演技がうまくいかずに落胆してしまう。

昭和初期の蒲田撮影所を舞台に、映画作りに命を燃やす人々を描いた力作。初めて映画撮影所に入り、緊張するけどワクワクしたり。エキストラでも演技することは難しく、監督に怒られてシュンとなったり。そんな彼女の気持ちを観客が追体験し、自分も新人女優になったような初々しい気分になる。何しろヒロインを演じた有森也実も当時は新人だったので、そのままでいい感じだ。

松竹大船撮影所50周年作品ということで、キャスティングを見てもかなりの気合いの入れよう。小津安二郎や田中絹代が活躍した黄金期をスクリーンに焼きつけたい。そんな映画人たちの愛がこぼれ落ちてきそうだ。とどのつまりは親孝行の物語だが、それも映画があってこそ。

ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)

映画の魔法

ニュー・シネマ

映画監督として成功をおさめている主人公は、幼い頃に交流があった映写技師の訃報を受け、久しぶりに故郷のシチリアに帰ってくる。

映画史上に残る名作と言われ、テーマ音楽も大ヒット。貧しい村で人々の最大の娯楽であった映画と、映画館で過ごした幼少時代がノスタルジックに描かれ、少年を演じた子役は世界中から愛された。映画ファンなら絶対に観ておきたいシネマ映画である。

帰郷した彼の頭をよぎるのは、映写室で拾ったフィルムのかけら。そして叶わなかった恋。映写技師に背中を押されて広い世界に飛び出したものの、仕事で行き詰っている彼は、葬式の後に天国からの贈り物を受け取る。それは、かつての少年と映写技師の二人にしかわからないもの。時間を越えた、ありったけの愛だった。本当にええ話や。

サンセット大通り』(1950)

美しい狂気

サンセット

ロサンゼルス郊外のサンセット大通りにある豪邸のプールで、背中と腹に銃弾を撃ち込まれた脚本家の死体が発見される。

殺された彼は、B級映画の脚本をちょろっと書いただけの売れない脚本家。その彼が何故そんな場所で? その豪邸に住んでいるのは誰? そんな謎が、なんと本人の口から語られていくという斬新さ。そこから見えてくるのは、華やかなハリウッドの光と影。過去の栄光にとりつかれた往年の大女優の哀しい姿だった。

彼女の妄想が誇大化してしまったのは、周りにも多少の責任があるわけだが、こういう生きた幽霊みたいになるのは男優よりも女優だろうね。そっとしておけば、そのまま朽ちて幸せだったのかもしれない。映画史に残るラストシーンにゾッとするか涙するかは、あなた次第。

サラーム・シネマ』(1995)

映画に出たい!

イランの有名監督が新聞に出した映画のオーディション広告を見て、映画に出たいと会場に押しかけてきた大勢の人たちを、監督は次々と面接していく。

そもそもその新作映画が、俳優志望の人たちをテーマにした作品だということで、監督は道路に並んでいる彼らをすでに撮影。それはもう、門が壊されそうになるほどのすごい人数にビックリ。そして、いよいよオーディション開始。会場は、自分がアーノルド・シュワルツェネッガーやマリリン・モンローに似ていると言い出したり、勝手にのど自慢を始める志望者たちでカオスとなる。

フィクションともノンフィクションとも言い難いこのビミョーさ。興奮した彼らの一喜一憂が時に爆笑を誘い、時に人間社会の縮図にまで深化してゆく緊張感ときたら。監督の方も結構イジワルだったりして、演出を目的とした出演者いじりなのか判断できない無茶ぶりも。ちなみにその新作が『パンと植木鉢』(00)なので、あわせてご観賞あれ。

人生はシネマティック!』(2016)

とにかく完成させる

人生はシネマチック

1940年のイギリスでコピーライターの秘書として働いていた主人公は、ひょんなことから、ダンケルクで兵士を救出した姉妹のエピソードを映画化するチームに参加することになる。

最初は、戦争で疲弊した国民を感動秘話で力づけるための企画だった。それが、政府や軍部から横やりがあるわ、ベテラン俳優がワガママだわでトラブル続き。その結果、脚本の内容がどんどん書き換えられてしまう。共同執筆者として脚本に関わった彼女は、とまどいや反発を覚えながらも、クランクアップに向けて走り続ける。

いわゆるその映画は、国民の戦意を高揚させるためのプロパガンダ映画。なので、この姉妹の物語はドンピシャな話だったのだが、さて、一体どこまでが事実なのやら。夫との関係にも悩んでいる彼女は、現実と映画の世界を行ったり来たり。今も昔も、映画作りには執念と情熱が必要だね。当時の撮影現場が再現されているのも、みどころのひとつ。

家族シネマ』(1998)

家族という脚本

家族シネマ

家族の映画を作るため、崩壊していた家族が20年ぶりに再会するが、彼らはみんなトラブルを抱えていた。

崩壊した自分の家族を映画に撮ってもらうことで、家族の再生を願う父親。いや、彼は崩壊していることに気づいていないのかも。その映画は理想の家族。夢の家族。こうありたかった家族。しかし、主人公はその偽善だらけの演出に耐えられず、家族に対する気持ちがますます離れていく。

考えようによっては、こんな風に形から入るというのも、傷を癒していく有効な救済方法なのだろう。誰しもが多かれ少なかれ円満な家族を演じ、構成員としての役割を演じているのだから。撮影現場に集まったことで数年ぶりに再会した彼らが、ケンカのシーンで本当にケンカをしつつも、レンズというフィルターを通すことで真実の姿が浮かび上がってくるという面白さ。

地獄でなぜ悪い』(2013)

全ては映画のために

地獄でなぜ悪い

愛娘を映画デビューさせるため、制作に乗り出したヤクザの親分が、通りすがりの青年を監督にしたところ、ライバルのヤクザを巻き込んで事態はとんでもない方向へ。

最近いい人の役が多かった國村隼が、原点に戻ってヤクザを演じると心底怖ろしいということを、この映画で改めて再認識。星野源と二階堂ふみの恋物語は、監督ならではの純愛か。かつて千葉真一主宰のジャパンアクションクラブに在籍していた堤真一が、めずらしく殺陣を披露しているのが嬉しい。

リアルな映画を撮るためなら、ガチな殺し合いもOK。いつの間にか撮影クルーにヤクザも巻き込み、みんなが一丸となって一発撮りに挑む姿は、感動的だ。命と引き換えに撮影したフィルムを抱いて走る長谷川博己が、幸せの絶頂で狂いそうになっているシーンが好き。本当にバカだねえ。映画バカだよねえ。

セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ』(2000)

腐った映画に死を!

セシル

主演作のプレミア試写会で舞台挨拶をしていたハリウッド女優が、ハリウッドの拝金主義や良識主義に異を唱えるセシル監督の一味に誘拐されてしまう。

この世に蔓延する腐った映画を打倒するため、予算ゼロで究極のリアリティを描いた真の映画を撮る。それが彼らの目的だ。そんな集団に脅迫され、最初はしぶしぶ撮影に参加していた彼女だったが、やがて彼らの信念に共感するようになり、いつの間にか本気で「メジャー映画支持者に死を!」などと叫んでいるシーンが可笑しい。

「シネコンを破壊せよ!」「夢を取り戻せ!」と拳銃を振りかざしながら殴りこみ、テレビゲームを映画化した監督を襲う彼らは、命知らずのシネマの戦士。うふふ。よくぞ言ってくれました。“悪趣味の帝王”と呼ばれるジョン・ウォーターズ作品の中ではマイルドな部類だが、B級でバカバカしい過激さは健在。しかしよく出たよなあ。メラニー・グリフィス。

カメラを止めるな!』(2017)

最後まで撮る!

カメラを止めるな!

山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたところへ、本物のゾンビが襲ってくる。撮影隊のメンバーは次々とゾンビ化していくが、監督だけは大喜びで撮影を続けていた。

都内2館の上映から口コミで評判が広まり、全国で拡大公開された後は、あれよという間に異例の大ヒットとなった今年最大の話題作。異色の構成と緻密な脚本。30分以上に及ぶ長回しなどがうまく使われ、無名の俳優が出演しているので感情移入もしやすいだろう。

ドキュメンタリー風で臨場感があり、ハラハラしてゲラゲラ笑って、伏線も全て回収されて最後はスッキリ。制作側の意向と自分のやりたいことの板ばさみになりながらも、ここぞという時には映画のために体を張る監督は、ちょとしたヒーローだ。着地点は心温まる話だしね。幅広い客層を満足させる娯楽作品。

ザ・プレイヤー』(1992)

ハリウッドのワナ

ザ・プレイヤー

大手映画スタジオのプロデューサーである主人公のところへは、毎日売り込みの手紙が送られてきていたが、ある日その中に一通の脅迫状を見つける。

ハリウッドの内幕をシニカルに描いたブラックコメディ。しかし、途中からサスペンスフルな展開になっていくので、おやおや、一体これはどんな結末に……とグイグイ引きこまれてしまうのも計算づくだという困った映画だ。それにしてもハリウッド復帰作がこんな話だとは、なかなかやるなあ。

ジュリア・ロバーツ。 ブルース・ウィリス。 ジョン・キューザック 。ジャック・レモン。他にもどれだけ有名俳優が出てくるのかと思うほど、ハリウッドの映画人たちがゾロゾロとカメオ出演していて、一瞬たりとも目がそらせず。そのお陰で、ストーリーにリアリティが出て面白い。群像劇の名手である監督のセンスが光る。

オリヲン座からの招待状』(2007)

映画という絆

ヲリオン座からの

京都の映画館「オリヲン座」の館主が病に倒れてしまい、その弟子だった主人公が跡を継いで、館主の妻と力を合せて映画館を守ろうとする。

そこは、フィルム上映をする昭和の映画館。上映する作品も『無法松の一生』『二十四の瞳』『ひめゆりの塔』といった昔の名作ばかりだ。その映画館が閉館の日を迎えるところから、物語は始まる。昭和30年代の映画黄金期から、次第に映画産業が廃れていく現代までを丁寧に描いたノスタルジーあふれる作品。

貧乏に耐えながら、映画館を守り続ける二人。彼らは先代の志を受け継ぎ、固い絆で結ばれていたが、なんといっても美しい未亡人と若い青年である。そりゃ陰口を叩かれますよ。で、結局のところどうなの?という下世話な好奇心をサラリとかわす演出。う~ん。私もこんな男性に支えてほしい。

蒲田行進曲』(1982)

上がってこい!

蒲田行進曲

俳優として華のある銀ちゃんに憧れている大部屋俳優のヤスは、ある日銀ちゃんの子供を身ごもった女優と一緒になってほしいと頼まれ、引き受けることにする。

時代劇のメッカである京都撮影所を舞台に、情緒不安定気味だがカリスマ性のある銀ちゃんと、彼を崇拝する売れない役者ヤス、そんなヤスの優しさにほだされる女優が織りなす大人の人間模様。 風間杜夫がハンサムで、平田満が可愛げがあって、松坂慶子がキレイで、原田大二郎が暑苦しくて、当時の撮影所の活気あふれる雰囲気がビンビンに伝わってくる。

ヤスは銀ちゃんに惚れている(BLではあらず)。なので、銀ちゃんのために「新撰組」のクライマックスシーン“階段落ち”に挑むのだ。つかこうへいの芝居なのでセリフも熱けりゃ人情も厚く、感情エネルギーがMAXになったところでニクイ仕掛けが。このカラリとしたテンポの良さがね。本当の意味で泣ける名作です。

明日を夢見て』(1995)

みんな映画に出たい

明日を夢見て

1953年のシチリアにやって来た主人公は、町の広場にテントを張り、映画の新人オーディションへの参加を呼びかける。

映画に出たい人がこんなにいるとは。田舎に住むオバチャンやおじいさんだって、チャンスがあればスクリーンに映ってみたい。映画が娯楽の中心だった時代には、今よりも映画への憧れが強かったのかもしれない。そうしてカメラを構えた彼の前に、緊張と期待に胸をふくらませた人たちが集まってくる。

でも、参加費がいるんだよね。しかし純朴な彼らは疑うことを知らず、お金を払ってカメラの前へ。すると、あ~ら不思議。普段は寡黙な人が、解放されたようにしゃべるわしゃべるわ。これがカメラの力? 映画の魅力? 『ニュー・シネマ・パラダイス』と同じ監督が作ったとは思えない残酷な悲恋物語だけど、それでも根底にあるのは映画愛。

いかがでしたか?

映画産業の古き良き時代を描いた作品もあれば、俳優の視点から描かれたものもあり、ほかにも映画館が出会いの舞台だったり、会話に映画の作品名が登場したり……そういうシーンは探せばいくらでもありそうなのが、シネマ映画だ。

それらに共通しているのは、映画人による映画への尽きせぬ愛。そして映画ファンは、そんな映画を観てまた映画を好きになるのである。

さあ、「映画の日」には、映画愛溢れる映画を観てみませんか?

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