青柳翔×町田啓太×鈴木伸之『jam』の役をクロストーク「俺がやったら、もっと危ないやつになる」【インタビュー】

映画のインタビュー&取材漬けの日々是幸也

赤山恭子

12月1日公開のSABU監督最新作『jam』で主役を張った青柳翔、町田啓太、鈴木伸之のクロストークインタビュー。各メンバーが憧れたそれぞれのシーンとは?それぞれにしかできないと思った演技は?役柄や心情について聞いた。

交わることのなかった3人の男たちが、それぞれの運命に向かって疾走する映画『jam』が12月1日(土)より公開される。

熟女ファンの支えで生計を立てるシニカルなローカル演歌歌手・横山田ヒロシを青柳翔が、意識不明の彼女のために無我夢中で迷信に傾倒するトリッキーな西野タケルを町田啓太が、刑務所送りにされたやくざへの復讐を胸に暴れまわる川崎テツオを鈴木伸之が、任命された。

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

彼ら3人の共通点は「現在、目覚ましい活躍を見せる俳優」ということ以外に、「劇団EXILE」というグループのメンバーであることが挙げられる。EXILE HIROがゼネラルプロデューサーを務める「劇団EXILE」は、年齢も個性もバラバラの9人で構成されており、アーティスト活動で知られる「EXILE」とは、また異なる魅力を放つ俳優チームだ。本作『jam』には「劇団EXILE」が総出演しており、彼ら自身の魅力を知り得る上でも大事な一本となっている。

そんな9人を手厚い演出で迎えたのは、『MONDAY』、『DRIVE』、『幸福の鐘』などの代表作で知られ、映画好きが熱視線を送る鬼才・SABU監督。果たして、撮影ではどのようなやり取りが繰り広げられたのか、近しい彼らだからこそ話せる、それぞれの役柄や心情について聞けば、頬をゆるめて語り出した。

――撮影前に、皆さんそれぞれSABU監督とお話をされたそうですね。役柄について話し合ったんですか?

町田 「どうなりたい」とかの気張った話ではなくて、何気ない話ばかりをしていました。きっと普段の会話の中から、僕のいろいろな要素を引っ張ってくださって、脚本にして、タケルというキャラクターを当ててくださったんだろうなと思っています。1~2回しか会っていないのに、僕も含めてですけど、劇団EXILE全員の個性をちょっと引き伸ばしたというか、誇張させたようなキャラクターになっていたので、本当にすごい……流石だな、と思いました。

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

鈴木 僕は、SABUさんと会議室で30分くらい話をしました。「どういう作品をやりたいの?」と言われたとき、「『海猿』みたいな作品をやりたいです!」と言って。

町田 テイスト、真逆いっちゃったね。

鈴木 はい(笑)。30分、ブワーッと僕がしゃべって、SABU監督はずっとうなずいて聞いてくれて終わったんです。結果、僕の役は台詞が一言もありませんでした(笑)。笑顔も一切ない感じになりました。

jam

――青柳さんは、SABU監督とは『MR.LONG/ ミスター・ロン』以来なので、旧知の仲とでも言いますか。

青柳 SABUさんは俺のことをわかった上で、いじったんでしょうね。SABUさんから直接聞いたわけじゃないのでわからないですけど、「こういうのをやったら面白いんじゃないか?」って横山田ヒロシができたんじゃないかなと思っています。スタッフさんやSABU監督含め、みんなでヒロシをふざけさせたり、抑えたりしつつ、それでもみんな、やりすぎていくので(笑)。楽しみながら、みんなで「これ、やりすぎかな?」、「え、いいんじゃないですか。いっちゃいましょう」みたいな感じでやっていました。

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

――おっしゃる通り、それぞれのキャラクターがすごく立っていたように思います。ほかのメンバーの「この役をやりたかったな」的な思いはありますか?

町田 僕のお気に入りは、やっぱり青柳さんが昌子(筒井真理子)に監禁されるシーンなんですよ。あれは……ちょっと僕もやってみたいです(笑)。ただ、青柳さんだから、ちょっと笑える部分があるんだろうなと思っています。僕がやったら……もしかしたら、ちょっとどうなるんだろう。

jam

鈴木 俺も、やっぱりヒロシをやってみたいです! (歌唱中に)「ヒロシ!」って言われるの、気持ちよさそうですよね!

――言われてみたい感じですか?

鈴木 はい! 合いの手がいっぱい返ってきて。

青柳 意外とね、乗っちゃうもんだよ?

鈴木 ですよね(笑)。絶対そうだろうなと思いました。

青柳 「ヒロシ」って言われるとね、うれしい。

町田 俺も、まずスモークの中からせり上がってきてみたいです(笑)。「どういう気分なんだろ?」って思いました。

青柳 ヒロシ、待望の市民ホールですから。

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

――青柳さんはヒロシの役作りにおいて、参考にされた方とかはいるんですか?

青柳 いろいろなアーティストさんのYouTubeを観ました。格好いいところもあるんだけど、その人の熱烈なファンじゃなければ、ちょっと「ん?」みたいな部分って、たくさんあるじゃないですか。そういった部分のニュアンスを探りました。端から見たらダサいんだけど、本人は「格好いい」と思ってやっていて、熱烈なファンにはそれが「すごく格好よく見える」という。すごく心理的に、複雑なものを(笑)。

――引いて見ると、割とシュールな図ですよね。

鈴木 確かに。

青柳 結果、やっていることはダサいんだけど、本人はいたって真剣にやっているんですよ。YouTubeの動画を観ていたら、結構面白いものがいっぱいありました。そのすごくきわどいところを攻めて、怒られない程度に……。

鈴木 いや、本当に抑えた中で生まれる笑いを、上手にされていましたよね。狙いにいっていなかったというか、青柳さんは……というかヒロシは、笑いを欲しがっていなかったですよね。それは、すごく感じました。

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

――逆に、青柳さんはヒロシ以外にやってみたかった役はありましたか?

青柳 ………いや。ヒロシですかね。

町田鈴木 おお(笑)。

――「青柳さんにしかできない」的お話で盛り上がりましたが、おふたりから見て「これ、町田さんにしかできなかったよね」と思ったようなシーンはありましたか?

青柳 寝たきりの彼女にハンドクリームを塗って、リップクリームを塗っているときの町田の気持ち悪さですね。たぶん俺がやったら、もっとどんよりして、さらに気持ち悪く……というか、ちょっと危ないやつになる。町田だと、ちょっと清潔感もあるし。

鈴木 ああ、そうかもしれないですね。

青柳 若干いい人というか。「いいことをすれば」と信じる心が、ちょっとずれた方向に行って、微妙な方向に見えるのがよかったなって。

jam

鈴木 俺も、町田くんがブラジャーを拾って揺らすところが、すごく好きでした。狂気じみていますし。やっぱりいい人も行き過ぎるとちょっとやばく見えるというか。

青柳 俺がブラジャーのをやったら、だいぶやばいから。犯罪者になっちゃうから!

町田 やばいですね(笑)。想像しただけで、ちょっと危ないです。

鈴木 (笑)。たぶん、啓さんは清潔感も品もあるから。そういう人がやるからこそ、よりリアリティーがある気持ち悪さが出るんでしょうね。

町田 劇団でやらせてもらえることもあったので、普段のお芝居では挑戦できないようなところまでやってみたいなと、今回はチャレンジさせてもらいました。

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

――なるほど。では、鈴木さんならではの演技のポイントも、おふたりから解説していただきたいです。

青柳 蹴りのえげつなさ! あれは意図的にやっているもんね?

鈴木 意図的にやっています。

青柳 やっぱり俳優さん同士だと遠慮するときがあるんですけど、その遠慮が少しでも垣間見えると、観ている人に伝わってしまうと思うんです。もちろんSABU監督にもわかりますし、遠慮していると「ウッ(うめき声)」とならないというか。

鈴木 「痛そう」ってならない。

青柳 でも、ノブの蹴りは「ウッ」となる。

鈴木 僕のアクションは……逆に、観ていたら相手の人が心配になりますよね。撮影でカットがかかった後、「あの俳優さん、大丈夫だったのかな?」って心配になるぐらいの勢い。

青柳 でも「ウッ」となることが、すごく重要じゃないですか。特にこの作品に関しては。例えば、もっと明るいポップな違う作品だったとしたら、別にそこまでやる必要はないかもしれないけど、この作品に関してはその要素が必要だったと思うんですよね。

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

――そのあたり、鈴木さんも皆さんも「HiGH&LOW」シリーズなどでアクション経験をかなり積んでおられるので、得意分野といえますかね?

鈴木 だいぶ、アクションに関しては。技術のお話になってきますけど、本当に押し込んじゃったら怪我になっちゃうから、特殊技術で頑張りました。

青柳 グッと押し込んで?

鈴木 「バンッ」とすごい勢いで蹴っているように見せて、実際は「ポンッ(ソフトタッチ)」という。あれは、僕がずっとアクションをやってきた中で身に着けたものです。

青柳 本当かよ(笑)?

鈴木 ……まあ、カットがかかった後、20分ぐらい、相手の方は立っていなかったですけど。

青柳 それ、芯食ってるね。がっつりボーン、いってるね!

――冗談ですよね。町田さんからご覧になって、鈴木さんのアクションはいかがでしたか?

町田 ノブの抱えている鬱憤が全部乗っかっていたな、というくらい、清々しいぐらい派手にやっていたから、観ていてちょっと気持ち良さも覚えるアクションでした。あまり日本では見られないようなアクションシーンが見られたので、「いいな」と思いましたし、単純にやっぱり格好よかったですね。画も締まって見えるし。ちなみに俺のノブのお気に入りのシーンは、ノブが声を出しているところ!

鈴木 へえ1? 俺、気づいていない。

町田 1回だけ、湖から上がってきたときに「ウッ」という声を出していたんです。あんなに刺されたり、ボコボコにされて、痛みをまったく感じないだろう奴なのに、寒さだけは感じているんだ、と思って(笑)。

鈴木 俺、「ウッ」と言っていたんですか(笑)?

町田 言ってた、言ってた。

青柳 寒かったんだよね?

鈴木 寒かった、やばかった。だって、あれ真冬ですよ。湖に水じゃなくて、氷が張っていましたから……。容赦なく体も張っているので、是非楽しんでください。(インタビュー・文=赤山恭子、撮影=林孝典)

青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

映画『jam』は2018年12月1日(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー。

jam
(C)2018「jam」製作委員会

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青柳翔、町田啓太、鈴木伸之

応募締切 2018年12月9日(日)23:59までのご応募分有効

【応募資格】
・Filmarksの会員で日本在住の方

【応募方法および当選者の発表】
・応募フォームに必要事項をご記入の上ご応募ください
・当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます

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    4.0
    「jam」期待以上、想定以上でした。 1年以上前からBlu-rayの発売楽しみにしててやっと見たんですが、凄く味のある作品でした。「ミスターロン」しか観てないくせに語ってしまうけどSUBワールド満載でした。 特にテツオのエリアにそのエキスがぎゅっと詰まってる気がした。自分の命を顧みずお婆ちゃんを必死に水から引き揚げたタカシを見て、今までボコボコに追い討ちかけてた悪い?チンピラ兄ちゃん達がすっと引いてくシーンが!めっちゃサブちゃんぽくて好き。そして伸くんのアクション最高でした。より際立つから台詞無くて正解だった♡ただ、お婆ちゃんをもっと大事に車椅子に戻してあげてね(寒かったからだね~) ヒロシは青柳さん自身のスペック、可笑しさ、色気、虚無感、歌声までが余すところなく引き出されていて本当に最高でした。 そして、そこに呼応する様に、さすが!筒井真理子さんがリアルすぎて美しすぎて怖すぎてとにかく良過ぎて見惚れた♡最後にふと我に返ってマサコを病院に連れて行くヒロシなんだけど、もうマサコから離れられない小さな諦めと絶望の気配漂わせてて深かった。 肝心のタケル。あの好青年に潜む変態性がまだまだ引き出されて無いなと。ブラジャーを拾うシーンも普通に爽やかで湿り気が感じられなかった。ブラジャー触った時即座に胸の膨らみの感触を思い浮かべたような無表情の町田くんのエロさが見たかった。あと、運転席正面からの演技が妙に作り込まれてて、もっと素っ気なくて良くない?間を持たすかの様なハハハの作り笑いも好きじゃない。ど素人のくせにこんな上から物申すなんて何様⁈多分マサコ気取りなんだわアタシ。ファンてやっぱり怖え〜 そもそもこの作品、アクションて言えば聞こえはいいけど、要は殴る蹴るの暴力シーン満載じゃないですか。私も一応母なんで小さい子供に見せたくないし、今時この類のが社会に受け入れられるの?なんてよそ行きの感想もあるけど、奥底から湧き上がる興奮、かっこええやん♡の方が勝ってしまうのですよ。まんまと服を脱がされて素心引き出された感じ。 サブ監督て才能あるんだなぁと思ったり、劇団EXILEて演技力あるんだなぁと思ったり、映画って面白いなぁと思ったりしてます今。
  • みぽち
    3.5
    町田啓太出てなかったら観てなかったであろう作品🤤♡…が、意外と観入った!3人の男性が交錯していくストーリー。 町田啓太の役が健気すぎて…最高😭👏私なら車にも乗り込むし洗濯物もわざとおとすわ〜🤣 演歌歌手の追っかけストーカーおばちゃん(ミザリー日本ver)の狂気が本作一番の見どころ😱
  • 豚小屋
    3.5
    ダンケルクみたいにタケルの数年とヒロシの数日とテツオの1日が交差し合う話を作りたかったのか……? 映像の質感と音楽が良かったし、MASAKOの界隈に一人はいる限界厄介オタク感がリアルだった。本当オタクには自戒の為に見て欲しい。 あと鈴木くんハイローやプリレジェでもとにかく明るい馬鹿みたいな役だったけど、今回は無表情で人を殴りまくる役でギャップが凄かった。普通に合ってたし今後もこういう役を演じて欲しい。
  • 17
    3.0
    言いたいこととやりたいことがあるんだろうな、みたいなのはなんとなく感じはするけれど、理解は出来ない、みたいな、なんて言ったらいいんだろう。わからないなあ。 ホラーじゃん!みたいな描写と、いやそれおかしくない?どうなってんの?みたいなのと、良い顔!で感情がよくわからないことになる。これ続くの…?続…く…? 釈然としないままエンドロールを迎えたんですけど、全部観終わったら某くんがかわいくて、自分でも不思議な位にスッキリしてしまった。自分の思考に驚く。 しかし青柳翔さんは良い声でうたうなあ。
  • 7
    3.8
    劇団EXILE、侮るなかれ。 ハイローで韓国映画みが感じられてうきうきしてたら、今作はもうオールドボーイのオマージュかなという勢い。 台詞なしでひたすら金槌を振り下ろす鈴木伸之くん、最高すぎて助演男優賞を差し上げたい。 青柳翔演じる横山田ひろしのパートも絶妙で、場末の演歌歌手っていう設定がもう面白いからずるい。 ザクロの演出はかなりホラー。 第2弾、ちゃんと完成しますように…
「jam」
のレビュー(223件)