【佐渡 裕】素晴らしい音楽と美しい映像、幻想的な物語。すべてが見事に融合した作品

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フィルマーくま

くるみ割り

指揮者・佐渡 裕(さど・ゆたか) さん

音楽だけで感情や場のにおい、
温度まで伝わってきます

 

大人も子供も、心を動かされる感動物語

くるみ割り

ワクワクして胸がドキドキと高鳴り続けた1時間40分。キャスティング、脚本、音楽、映像などどれをとっても素晴らしい! バレエやクラシック音楽へのリスペクトとも言える要素がいろいろと盛り込まれていますが、すべてが見事に融合。単なる童話の実写化ではなく、映画全体を通して大きな世界観を作り上げています。

少女クララが大きな冒険をして成長する物語ですが、そのストーリーの中にしっかりとしたメッセージ性があるので、子供から大人まで、すべての人が勇気づけられるはず。実際、僕自身も今の自分にとってカギとなる言葉を受け取ることができ、前向きな気持ちになりました。 

何しろ冒頭のロンドンのシーンからすごい。細部まで丁寧に作り込まれているせいか、街のにおいや温度まで感じられるほどリアルで臨場感があります。美術スタッフの気概を感じ、さすがだなと感服いたしました。

感動した夢の世界を
心の額縁におさめて日常へ

くるみ割り

本作では基本的にずっと音楽が流れています。しかも本格的なオーケストラサウンドで。映画音楽としてのアレンジも聴き応えがあり、セリフがなかったとしても登場人物たちの喜怒哀楽や、その場のにおいまでも音楽で感じることができます。BGMではなくまずは音楽があり、その上で物語が成立しているようなところがとてもいい。今最も旬なピアニストの一人、ラン・ランのキラキラしたピアノの音がオーケストラに花を添えていたのも印象的でした。余談ですが、さりげなくディズニー映画『ファンタジア』へのオマージュと思われるシーンも。この映画も大好きなのでうれしいサプライズでした。

それと個人的に特に気に入ったのは、アンドレア・ボチェッリのエンドソング。すっかりファンタジーの世界へ入り込んでいたのに、映画館を出た途端、現実へ引き戻されるのは味気ないもの。でも、彼の曲をラストに聴いたお陰で、映画の余韻や受け取ったメッセージを特別な時間として自分の心の額縁におさめ、心地良く日常へと戻ることができました。

チャイコフスキーは最高の映画音楽家

くるみ割り

僕は「指揮したい作曲家を3人に絞れ」と言われたら、迷わずチャイコフスキーの名を挙げます。メロディーが美しくて心に響く。音にすごく夢があり、人に希望や勇気を与えてくれるからです。バレエ組曲としてのシーンを的確に捉え、それを音楽にする能力にもたけています。彼が作曲した「くるみ割り人形」においても、楽器の組み合わせによっておもちゃの音、妖精の音など不思議な世界観を見事に表現。もし映画のある時代にチャイコフスキーがいたら、最高の映画音楽家になっていたはずです。とにかく完成度が高く、まさにディズニーだからこその極上のファンタジー。クリスマスにぴったりなのでぜひご家族でご覧下さい。僕も娘と一緒にもう一度観に行くつもりです。

(取材・編集 朝日新聞社メディアビジネス局)

佐渡 裕氏プロフィール

さど・ゆたか/1961年京都府生まれ。故レナード・バーンスタイン、小澤征爾らに師事。現在オーストリアで約110年の歴史を持つトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督。12月に首席指揮者を務めるシエナ・ウインド・オーケストラと、バーンスタイン生誕100年記念公演を葛飾区、府中市、富士市などで実施予定。

本日から公開!『くるみ割り人形と秘密の王国

くるみ割り人形と秘密の王国

STORY:『美女と野獣』のディズニーが「くるみ割り人形」を映画化した、究極の“プレミアム・ファンタジー”開幕! 愛する母を亡くし心を閉ざした少女クララは、“くるみ割り人形”によって“秘密の王国”に誘われる。それは、母が遺(のこ)した真実を知る驚くべき冒険の始まりだった……。キーラ・ナイトレイ、モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレンら豪華キャストが結集。チャイコフスキーの永遠の名曲が全編を彩り、バレエ界や音楽界からも超一流のダンサーやアーティストが参加している。

監督:ラッセ・ハルストレム、ジョー・ジョンストン
出演:キーラ・ナイトレイ、マッケンジー・フォイ、ヘレン・ミレン、モーガン・フリーマン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
指揮:グスターボ・ドゥダメル
バレエ:ミスティ・コープランド、セルゲイ・ポルーニン
ピアノ:ラン・ラン
エンドソング:アンドレア・ボチェッリ

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

Disney.jp/kurumiwari
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  • わこつです
    4.0
    バレエで有名な『くるみ割り人形』の原作の童話を映画化した作品。 世界観や衣装やヘアメイクが素晴らしく、バレエを舞台装置ごとスクリーンに移したのも圧巻で最高だった。 でもストーリーがあまりにもサクサクとトントン拍子に進んでしまい、それらの演出がどこか薄くなってしまっていたのが非常に残念すぎる。 メイキング映像では森をまるごと一つスタジオ内に再現したりなどと非常に凝りに凝られていたのに、それらをもっと味わわせてほしかった。
  • 白玉母
    2.5
    映像がとても綺麗だった。 物語はもう少し内容が濃くてもいいなと。 終盤につれアレはどーなってるのか?と少し疑問が残る作品だった。
  • いちかわ
    1.2
    アリス・イン・ワンダーランドの系列作品。実写地雷ディズニー映画的意味で。 ストーリー上やりたかったことは理解できるけれど100分に上手く収まっておらず、各キャラクターの心理描写が不十分なので説得力に欠ける。オチは冒頭20分で予想がつく上、種明かしも片手落ちで「え? それだけ? もっと説明ないの?」とぽかーんとしてしまう。 シナリオの稚拙さを演出でカバーできているかというとそんなこともなく、確かに美術は綺麗だけれど、目玉となるシーンや各キャラクターの見せ場がハッキリしていないので盛り上がりにも欠ける。……ので、総じて「やりたいことはわかる」以外の感想が抱けない。 せっかくくるみ割り人形をやるんだから音楽はもっと効果的に使えただろうに。というかくるみ割り人形役の俳優さん、ダンサーなら劇中で踊らせてあげろよ。EDで踊ってる場合じゃねーぞ。 更に言えば、恐らくは『美女と野獣』で味をしめたのであろう「賢くて勇気ある男勝りなヒロイン」像が上手く作れておらず、単に時流に乗っかっただけ感が強くて鼻につきました。 全体的にのっぺりとした印象を受ける作品です。正直、劇場で観た予告編が一番面白かった。
  • らみ
    3.4
    さらっと観れるえいがでしたー😁 子どもが楽しむのにはいいと思います🐱映像の色彩はとてもきれいで好きでした✨
  • カナサ
    2.2
    こんなもんか、って感じ。 クラシック、バレエとかが 趣味の人は好きかも。 CG綺麗だし衣装も凝ってるけど、 人との関わり?物語? が薄い気がする。子ども向け。 期待して多分ちょっと残念だった笑
「くるみ割り人形と秘密の王国」
のレビュー(10151件)