2018年、長年に渡って映画・映像の分野で活躍されてきた映画人たちがこの世を去りました。本記事では、故人を偲び、その功績を振り返ります。
マーク・サリング(享年35歳)
俳優・歌手/1982年8月17日~2018年1月30日/テキサス州ダラス出身
2009年よりドラマ『glee/グリー』でパック役を演じ、人気俳優の一員に。俳優業以外には歌手として、作詞・作曲やヴォーカル、ギター、ピアノ、ベース、ドラムなどをこなすマルチな才能で活躍。
主な作品:『glee/グリー』など
ヨハン・ヨハンソン(享年48歳)
作曲家・鍵盤楽器奏者/1969年9月19日~2018年2月9日/アイスランド・レイキャヴィーク出身
1980年代後半から音楽活動を開始。テレビ・映画・演劇への楽曲提供を行い、映画『博士と彼女のセオリー』内で使用された楽曲では、第72回ゴールデングローブ賞で作曲賞を受賞した。
主な作品:『ラブ・クライム』『悪童日記』『プリズナーズ』『博士と彼女のセオリー』『メッセージ』など
大杉漣(享年66歳)
俳優・タレント/1951年9月27日~2018年2月21日/徳島県小松島市出身
1980年にピンク映画『緊縛いけにえ』で映画デビュー。北野武監督の『ソナチネ』への出演を転機に、演技派俳優として知名度を上げる。その演技の幅広さから「300の顔を持つ男」と称されるなど、名バイプレイヤーとして活躍した。
主な作品:『ソナチネ』『HANA-BI』『蜜のあわれ』『シン・ゴジラ』『アウトレイジ 最終章』『教誨師』など
左とん平(享年80歳)
俳優/1937年5月30日~2018年2月24日/東京都北区出身
1970年代の人気ドラマ『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』などに出演し、人気を博す。存在感のある名脇役として、TVドラマや舞台を中心に活躍。1937年には『とん平のヘイ・ユウ・ブルースで』で歌手デビューも果たした。
主な作品:『我輩は猫である』『居酒屋兆治』『櫂』『楢山節考』『吉原炎上』など
高畑勲(享年82歳)
映画監督・アニメーション演出家・プロデューサー(写真右)/1935年10月29日~2018年4月5日/三重県宇治山田市出身
1959年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、『太陽の王子 ホルスの大冒険』で監督デビュー。1985年にスタジオジブリの設立に参加し、宮崎駿とともに中心人物として数々の名作を世に放った。1998年に紫綬褒章を受章。
代表作:『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』『かぐや姫の物語』など。
朝丘雪路(享年82歳)
女優・タレント・舞踊家・歌手/1935年7月23日~2018年4月27日/東京都中央区出身
1952年に宝塚歌劇団に入団。月組に在籍し、娘役として活躍。1955年に宝塚歌劇団を退団した後は、女優や歌手、テレビ番組の司会など幅広く活動。夫は俳優・映画監督の津川雅彦。
主な作品:『ある落日』『ホーホケキョ となりの山田くん』『極道の妻たち リベンジ』『次郎長三国志』『かぐや姫の物語』など
西城秀樹(享年63歳)
歌手・俳優/1955年4月13日~2018年5月16日/広島県広島市出身
1972年に「恋する季節」で歌手デビュー。郷ひろみ、野口五郎と共に「新御三家」と呼ばれた。1974年には松竹映画『愛と誠』で映画初主演を経験し、俳優としてもマルチに活躍。
主な作品:『としごろ』『愛と誠』『ブロウアップ ヒデキ』『天使行動』『ザ・ヒットマン 血はバラの匂い』など
いか八朗(享年84歳)
タレント・俳優/1934年4月12日~2018年5月28日/高知県出身
「コント東京ギャラントメン」のメンバーとして劇場で活躍。その後俳優に転身し、多くの作品に出演。愛嬌にあふれる容姿から、存在感のある脇役として愛された。
主な作品:『ドグラ・マグラ』『我が人生最悪の時』『悪夢のエレベーター』『妖怪大戦争』『テルマエ・ロマエ』など。
加藤剛(享年80歳)
俳優/1938年2月4日~2018年6月18日/静岡県御前崎市出身
俳優座養成所を経て、1962年『人間の条件』で主演デビュー。舞台・映画・ドラマを中心に活躍。時代劇ドラマ『大岡越前』では町奉行・大岡忠相を熱演。約30年もの間、お茶の間から愛された。
主な作品:『砂の器』『伊能忠敬-子午線の夢-』『沈まぬ太陽』『舟を編む』『今夜、ロマンス劇場で』など。
橋本忍(享年100歳)
脚本家・映画監督/1918年4月18日 – 2018年7月19日/兵庫県神崎郡市川町出身
監督・脚本家の伊丹万作に師事。黒澤明監督作品『羅生門』の脚本で、黒澤との共同執筆でデビュー。同じく共同執筆で『生きる』『七人の侍』などの脚本を手掛けたほか、数多くのヒット作を生み出し、戦後日本の映画界に貢献。
主な作品:『羅生門」『七人の侍』『切腹』『日本沈没』『砂の器』など
津川雅彦(享年78歳)
俳優・映画監督/1940年1月2日~2018年8月4日/京都府京都市出身
芸能一家に生まれ、子役として活動を開始。1956年、石原裕次郎の主演デビュー作となった日活映画『狂った果実』にて、石原の弟役に抜擢。その後、数々の映画に出演し名優として活躍。マキノ雅彦名義で映画監督も務めた。妻は女優の朝丘雪路。
主な作品:『狂った果実』『マノン』『マルサの女』『プライド・運命の瞬間』『バケモノの子』など
菅井きん(享年92歳)
女優/1926年2月28日~2018年8月10日/東京都新宿区出身
1951年『風にそよぐ葦』で映画デビュー。TVドラマには欠かせない役者として広く愛される。82歳にして映画初主演を果たした『ぼくのおばあちゃん』で、世界最高齢映画主演女優としてギネスに認定。
主な作品:『生きる』『ゴジラ』『お葬式』『必殺! THE HISSATSU』『ぼくのおばあちゃん』など
さくらももこ(享年53歳)
漫画家・エッセイスト・脚本家/1965年5月8日~2018年8月15日/静岡県清水市出身
代表作である「ちびまる子ちゃん」は、国民的コミックとして人気を博す。エッセイストとしても人気が高く、初期エッセイ集三部作「もものかんづめ」「さるのこしかけ」「たいのおかしら」はミリオンセラーを記録した。
主な作品:『ちびまる子ちゃん 』『さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』など
樹木希林(享年75歳)
女優/1943年1月15日〜2018年9月15日/東京都千代田区出身
1961年より女優活動をスタート。TVドラマ『寺内貫太郎一家』などで一躍人気を集め、以降個性派女優として数々の映画・ドラマに出演。2008年に紫綬褒章を受章。夫はロック歌手の内田裕也。
主な作品:『わが母の記』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』『あん』『万引き家族』『日日是好日』など
ゲイリー・カーツ(享年78歳)
映画プロデューサー/1940年7月27日~2018年9月23日/アメリカ・ロサンゼルス出身
映画監督のロジャー・コーマンのもと、映画の製作に参加し、映画制作に関わる仕事を学ぶ。ジョージ・ルーカスとともにルーカスフィルムを設立し、『スター・ウォーズ』シリーズのプロデューサーとして活躍。
主な作品:『アメリカン・グラフィティ』『スター・ウォーズ』『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』『ダーククリスタル』『オズ』など
志水正義(享年60歳)
俳優/1958年3月4日~2018年9月27日/熊本県玉名市出身
1977年、劇団テアトルハカタを設立。舞台公演に加え、映画やTVドラマ、CMなどに出演。晩年は、人気ドラマ「相棒」シリーズの大木長十郎刑事役として、多くの作品ファンから愛された。
主な作品:『突撃!博多愚連隊』『力道山』『Q』『容疑者 室井慎次』『相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン』など
古川卓巳(享年101歳)
映画監督/1917年3月27日~2018年10月4日/東京都八王子市出身
1941年、日活に入社。1955年に『地獄の用心棒』で監督デビューを果たし、数々の映画作品を制作。1960年以降は、TVドラマにも進出し、『東京バイパス指令』『鬼平犯科帳』などの演出を手掛けた。
主な作品:『地獄の用心棒』『顔役』『太陽の季節』『逆光線』『麻薬3号』など
スコット・ウィルソン(享年76歳)
俳優/1942年3月29日~2018年10月6日/アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ出身
1967年、『夜の大捜査線』で俳優としてデビューを飾り、その後『冷血』『華麗なるギャツビー』など数多くの映画に出演。人気ドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズのハーシェル役として知られる。
主な作品:『夜の大捜査線』『冷血』『華麗なるギャツビー』『パール・ハーバー』『ウォーキング・デッド』など
角替和枝(享年64歳)
女優(写真左)/1954年10月21日~2018年10月27日/静岡県富士市出身
劇団東京乾電池に所属。舞台だけにとどまらず、映画やTVドラマで活躍。夫は俳優の江本明、長男に俳優の柄本佑、次男に俳優の柄本時生がいる。
主な作品:『ヒポクラテスたち』『幼獣マメシバ』『くちびるに歌を』『トマトのしずく』『あさひなぐ』など
江波杏子(享年76歳)
女優(写真左)/1942年10月15日~2018年10月27日/東京都渋谷区出身
1960年『おとうと』で映画デビュー。主演作のヒットによって、大映の看板スターとして活躍。『津軽じょんがら節』でキネマ旬報主演女優賞を獲得。女優の江波和子を母に持つ。
主な作品:『おとうと』『女賭博師』『津軽じょんがら節』『ぶどうのなみだ』『娼年』など
スタン・リー(享年95歳)
漫画原作者/1922年12月28日~2018年11月12日/ニューヨーク州ニューヨーク市出身
マーベル・メディア名誉会長。1960年代、マーベル・コミックでスーパーヒーローコミックの原作を手がけ、「X-MEN」や「スパイダーマン」などのヒーローを生み出す。コミックの実写映画では製作総指揮を務めた。
主な作品:『アメイジング・スパイダーマン』『ファンタスティック・フォー』『X-メン』『アイアンマン』『アベンジャーズ』など
ベルナルド・ベルトルッチ(享年77歳)
映画監督/1941年3月16日~2018年11月26日/イタリア王国パルマ出身
1962年にピエル・パオロ・パゾリーニ原案の長編『殺し』で監督デビュー。過激な性描写で物議を醸した『ラストタンゴ・イン・パリ』では、アカデミー賞監督賞にノミネート。第64回カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞した。
主な作品:『ラスト・タンゴ・イン・パリ』『ラストエンペラー』『シェルタリング・スカイ』『リトル・ブッダ』『孤独な天使たち』など
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ご冥福をお祈り申し上げます。
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