ゴージャスなホテルに泊まりたい!旅行の参考にも使える映画10選

2018.12.07
映画

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

ゴージャスなホテルから幽霊が住みついたホテルまで、映画にはいろいろなタイプのホテルが登場する。

主人公が泊まるホテルは実在する一流ホテルかもしれず、映画のワンシーンで豪華な客室やロビーを覗くことができるのも楽しい。

そこで今回は、そんな旅気分がそそられる映画10本をご紹介しよう。
年末年始の旅行の参考に、その予定がない人は、旅に行った気分になれるかもしれない。

はじまりは5つ星ホテルから』(2013)

寂しさに気がついて

はじまりは

高級ホテルの覆面調査員である主人公は、世界中を飛び回って5つ星ホテルに滞在し、自由気ままな生活を送っていた。そんなある日、人生を見つめなおす出来事が起きる。

彼女が高級ホテル専門の調査員だけに、パリのオテル・ドゥ・クリヨンや、ベルリンのホテル・アドロン・ケンピンスキー、モロッコのパライス・ナマスカールなど、実在する絢爛豪華なホテルが次々と登場。現実にはなかなか泊まれないだけに、スクリーンで疑似体験できるというおトク感満載な映画である。

知られざる覆面調査員の仕事ぶりに興味津々。清掃からルームサービスに至るまでの細かいチェック項目やいかに。運賃も宿泊費も食事も全て支給され、貯まったマイレージで好きなところへ行き放題という贅沢さ。しかし彼女は、そんな華やかな生活よりも地に足の着いた幸せが欲しくなる。女性なら彼女の虚しさに共感できそう。

グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)

ゆるめのサスペンス

グランド・ブタベスト・ホテル

ヨーロッパ大陸の東端にある仮想の国を舞台に、由緒ある高級ホテルの伝説的コンシェルジュと若いベルボーイの友情を描く。

架空のホテルではあるが、この映画でしかお目にかかれない独特のホテル空間ということで必見。格式高い高級ホテルにありがちな威圧感はなく、古き良き時代を感じさせるデザインや色彩がおとぎの国のよう。かといって甘すぎず、奇抜すぎず。シュールでキュート。そのバランス感覚がニクイねえ。ちなみにホテルの外観は、チェコにあるグランドホテル・パップのイメージでは?という話も。

ホテルが建っている場所は山頂で、周辺の切り立った崖には雪が積もり、オモチャのような可愛らしいケーブルカーでトコトコ登っていく。オッシャレーと思って観ていたらギョッとするシーンもあり、なかなか侮れない。さりげなくシリアスなテーマを扱っているところが、世界的評価を受けた所以だろう。

マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(2011)

新天地は面白い

マリー・ゴールド

快適な老後を送るため、イギリスからインドのリゾートホテルに移住してきた男女7人は、イメージと違い過ぎるホテルと刺激的な異文化に戸惑う。

夢に見たホテルは絶賛改装中。穏やかで心地良い終の棲家を求めていた彼らにとっては、大きな誤算である。彼らはそれぞれ事情を抱えながら、何とか前向きな一歩を踏み出そうとするが、料理はスパイシーで油っこいし街は不衛生だしで、さて、シニア世代には耐えられるか? 続編『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(15)も製作された。

舞台となるのは、インドのラジャスターン州ウダイプル郊外にあるホテル。ちなみにこの土地は、湖に囲まれた王宮が有名な中世都市とのこと。美しい中庭でのティータイムは、優雅に見えるけどなあ。ハピニング続きでキャッキャしているうちに、もしかして若返ってる? 油断できない想定外の日々は、ぼ~っとした余生よりも楽しそうだ。

チェルシーホテル』(2001)

創作の神がいる場所

チェルシーホテル

かつて多くの有名アーティストや作家たちが滞在した伝説のチェルシーホテルには、今も成功を夢見る若者たちが集まり、希望を胸に前へ進もうともがいていた。

1883年、ニューヨーク・マンハッタンに建設されたチェルシーホテルは、アンディ・ウォーホルやボブ・ディラン、アーサー・C・クラークなどが好んで滞在した場所として、今でもよく知られている。チェルシーホテルは、詩人や歌手、画家を目指す若者たちにとって神聖で憧れの場所だ。

歴史に残る著名人たちがこのホテルで代表作を残したと聞けば、そのおこぼれにあやかりたいと思うのが人情。しかし、登場人物たちは自分の才能や将来が不安なだけでなく、人間関係でかなり消耗しているようで、そこらへんはやはり時代が違うのだろうか。こんな芸術サロンみたいなホテルがあるのが、さすがはニューヨーク。

THE 有頂天ホテル』 (2005)

舞台裏で起こる人生

有頂天

大晦日の高級ホテルでは、従業員がカウントダウンイベントの準備で忙しくしていたが、主人公はこの日を最後に歌手になる夢を諦め、故郷へ帰ろうと決めていた。

ホテルの迷路のような内部を舞台に、12月31日夜10時から新年までの2時間で起きた出来事を、そのまま2時間かけて描いた意欲作。役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、西田敏行ら、23人の豪華キャストが次々と登場し、彼らの人生が交差しながら同時進行で映し出されるうちに、複雑に張りめぐらされた伏線が回収されていく。

散りばめられたウソと偶然が、めぐりめぐって奇跡の大団円に。登場人物が多いので、エピソードもちょこちょこと盛りだくさんだ。「新旧がうまく融合した由緒あるホテル」という監督の注文通り、ほどよい重みのある調度品や歴史を感じさせる質感にウットリ。古き良き日本には、こんなホテルがあったのかも。そんな夢を見させてくれる。

それでも恋するバルセロナ』(2008)

駆け引きは続くよ

恋するバルセロナ

夏のバカンスでバルセロナを訪れた女性2人は、パーティで出会った画家に惹かれていくが、そこへ彼の元妻が戻ってくる。

親友の二人は恋愛に対する価値観だけが正反対で、一人は結婚を前提とした堅実な恋愛を求め、もう一人は自分の感情に従う情熱的な恋愛が好き。そんな彼女たちが同じ男性に心を奪われ、三角関係に陥るのかと思いきや、元妻が入り込んできて四角関係に。そこが、ウディ・アレン監督の一筋縄ではいかないところだ。

ペネロペ・クルスが演じるエキセントリックで芸術肌の元妻が、可愛いんだけど一緒にいたら破滅してしまいそうな女という感じ。映画には高級ホテルのカーサ・フステルが登場し、現代的で個性的な雰囲気がスペインっぽい。さんざんな経験を経て、やっと悟りを開いたようなスカーレット・ヨハンソンの表情が面白い。

眺めのいい部屋』(1986)

オペラに乗せて

眺めのいい部屋

1907年、イギリス名家の娘が従姉に付き添われてフィレンツェへ旅行し、宿泊先のホテルで知り合った男性と恋に落ちるが、帰国後に別の男性と婚約することになる。

自分の部屋からの眺めがよくないというクレームは、上流階級にはありがちなのだろうか。とにかくそれが二人の馴れ初めとなり、そして運命のいたずらが彼らを引き離し、また近づける。主人公は、無意識に自分の欲望や本音を封じ込めている深窓の令嬢。そんな彼女をじわじわと自己解放させていくのが、愛の力だ。

しかし、この作品で注目されたのは恋人役ではなく、気の毒な婚約者を演じたダニエル・デイ=ルイス。彼は教養豊かだが堅物な紳士で、白いスーツと銀縁メガネが品よく似合い、細い指がステキ。舞台となるホテル・デッリ・オラフィは、13世紀の修道院を利用した由緒あるホテルで、屋上庭園から大聖堂を一望できるまさに眺めのいいホテルだ。

ロスト・イン・トランスレーション』(2003)

プールとカラオケと

ロスト・イン・トランスレーション

仕事で来日したハリウッド俳優と、夫に付き添って来日した若妻という2人のアメリカ人が、ホテル滞在中に知り合い、お互いの孤独を慰めあうようにして共に時間を過ごす。

大都会・東京のゴチャゴチャした街並みを外国人の目を通して見ると、いつもはあまり感じたことのないアーティスティックな空気感があって新鮮。そこはもう日本であって日本ではない気もしてしまう。異邦人の寄る辺のなさ。遠い旅に出ると、そんな気分になることがある。

以前の来日時に滞在したパークハイアットを大変気に入った監督は、その「世界で一番好きな場所」であるホテルをこの作品に登場させ、愛情と思い入れたっぷりに撮影。一人で豪華なプールを泳ぎ、広いベッドの上で眠れない夜を過ごす似た者同士の彼らは、倦怠と孤独でどこにも行けない。ビル・マーレイの最後の耳打ちは、どうか謎のままで。

5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』(2017)

やればできるか

5パーセント

先天性の病気によって95%の視力を失ってしまった主人公が、5つ星ホテルで働くという夢を叶えるため、ほとんど目が見えないことを隠しながらホテルで見習いを始める。

信じられないような大芝居を打った学生の実話を映画化。もちろん実現には周囲の協力や援助が必須だということを考えると、彼にはよほど人に好かれる要素があったのだろう。障がいがあっても夢を諦めない姿が、人々の心を打ったのかもしれない。周りを巻き込んでの夢の実現。問題は、それがいつまで続けられるのか。

彼が研修スタッフとして働くのは、ドイツのミュンヘンにあるプラッツホテル。一流ホテルだけあって、全ての仕事を完璧にこなさなければならない。映画はコメディタッチでありつつ、主人公の孤独な苦しみもきちんと描き出す。苦難と喜びとの折り合いは? 恋愛もしたいしね。結果がどうなろうと、彼がチャレンジし続けたことが大事。何度も言うが、これ実話。 

イタリアは呼んでいる』 (2014)

中年クライシスを抱えてグルメ旅行

イタリアは呼んでいる

イギリスのショービジネス界で活躍する2人は、イタリア中のレストランを訪れて取材をするという夢のような仕事を引き受け、ミニクーパーで旅に出る。

料理とワインの満足度が高そうなイタリア。絶景を望むホテルと美食をめぐる旅だなんて、まさにオイシイ仕事である。きらめく太陽と美しい海に囲まれて味わうグルメ料理。しかし、そんな取材旅行を満喫しているはずの彼らの心は、実は鬱々としていて冴えない。ちなみにこの作品は、『スティーヴとロブのグルメトリップ』(10)の続編となる。

ストーリーはフィクションだが、彼らは実在するコメディアン。なので、ヒュー・グラントやクリスチャン・ベイルなど、実在する有名俳優たちのモノマネを事あるごとに披露し、その際どさにハラハラするやら笑えるやら。映画談義も多し。有名人が宿泊したホテルルレ・ラ・スヴェーラやヴィッラ・チンブローネがさらりと登場し、ゴージャスな気分に浸れる。

いかがでしたか?

それが実在するホテルでも架空のホテルでも、妄想でチェックインすれば、そこに泊まっている気分になれるホテル映画の数々。

旅行に行きたくなるいまの季節に、ホテルが登場する映画を観て、気分を盛り上げてみませんか?

【あわせて読みたい】
※ 夏が終わっちゃうその前に。沖縄に行きたくなる映画15本
※ “北欧映画”って一言でまとめてない?スウェーデン・アイスランド・デンマーク、国ごとに異なった特徴を体感できる映画6本
※ 世界の有名ファッションブランドとデザイナーたちの映画13本<ファッションショーの日>

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS