サンドラ・ブロックが主演を務める話題作 『バード・ボックス』が、12月21日よりNetflixで独占配信されている。
『未来を生きる君たちへ』でアカデミー外国語映画賞を受賞した スサンネ・ビアが演出を、『メッセージ』でアカデミー脚色賞にノミネートされたエリック・ハイセラーがシナリオを担当。正体不明の“何か”によって、世界が崩壊していく様子がヴィヴィッドに描かれる、新感覚のサバイバル・スリラーだ。
完全ネタバレは避けつつ、『バード・ボックス』に仕掛けられた 3つの謎について 考察していこう。
謎その1:人類に災厄をもたらす“何か”の正体とは?
目にしただけで精神に異常をきたし、人間を暴走させたり死に追いやってしまう“何か” とは一体何なのだろうか。映画ではその正体についてはっきり明言していないが、スーパー店員のチャーリー(リル・レル・ハウリー)が、こんなことを語るシーンがある。
「宗教や思想では悪魔や霊魂が存在する。恐怖や悲しみを利用して人にとりつくんだ」
もし彼の言葉が正しいとするなら、“何か”は人間が根源的に抱えている負の感情にそっと忍び込みこんで暴走に追い込む、悪魔的な存在ということになる。“何か”と対峙するということは、自分自身の闇と向き合うということなのかもしれない。
謎その2:『バード・ボックス』のタイトルの意味とは?
『バード・ボックス』とは、文字どおり鳥かごのこと。「逃げ出す事が出来ない(自由がない)」という意味で「かごの中の鳥」という慣用句があるが、 “何か”の襲撃を恐れて家から出ることができないマロリー(サンドラ・ブロック)たちを比喩的に表現したタイトルといえるだろう。
しかしマロリーは勇気を振り絞って、愛する家族のため決死の逃避行に出ることを決意する。この作品はサスペンスやショック描写だけに重きを置いた作品ではなく、「絶望的な状況にあっても人間は希望を持って生きられるのか?」という問いを突きつけた人間ドラマでもあるのだ。
謎その3:『バード・ボックス』に隠された社会的メッセージとは?
“何か”による感染を防ぐために、マロリーたちは目隠しをする。視覚を奪われた世界で、人類は生存を図るのだ。
この「見ることが死につながる」というプロットは、非常に現代的といえる。なぜなら、フェイクニュースや不祥事などで「信じる」ことが揺らぎ始めている時代において、我々はより「正しい情報を見抜く力」を必要としているからだ。
単なる視覚情報だけを鵜呑みにしてはいけない。それはあなたを惑わせ、迷わせるかもしれない。『バード・ボックス』には、そんな社会的メッセージが隠されている。
◆『バード・ボックス』information
あらすじ:思いがけず子どもを身ごもったアーティストのマロリー(サンドラ・ブロック)は、ある日突然訪れた世界の終焉と人類滅亡の危機に直面する。残された幼い命を守れるのは彼女だけ。生き残るためにできることは決して“その闇”を見ないこと。マロリーは決死の逃避行を決意する―。
上映時間:124分
配信日:12月21日(金)よりNetflixにて配信中!
公式サイト:https://www.netflix.com/バードボックス