山田孝之が現代社会に問う「善と悪」。重く切ない人間の葛藤を描いた最高傑作

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映画『デイアンドナイト』1月26日(土)公開開始!レビューとともに作品紹介!

日本を代表する俳優・山田孝之が全面プロデュースした映画『デイアンドナイト』が、1月19日に作品のロケ地となった秋田にて先行公開。そして、1月26日から全国公開される。

本作で山田孝之は完全に裏方に徹し、ロケ地の選定、オーディション審査、スポンサー交渉、脚本開発などを担当した。中でも脚本開発は、主演にして企画者である阿部進之介と共に、実際に役を演じながら脚本を作るという俳優ならではの制作方法を採用。

そして、メガホンを取った藤井道人監督と共に、丁寧に時間をかけた脚本は28稿を数え、完成までに4年もの時間が費やされた作品のテーマは「人間の善と悪」。ここに極限の人間ドラマを描く重厚な映画が完成した。

デイアンドナイト1

 

家族を殺された男、家族を生かすため罪を犯す男、家族を知らない孤独な少女が観客に問いかける「善と悪」

主人公の明石幸次(阿部進之介)は、自殺した父の死をきっかけに帰郷。そして大企業の不正を告発したことで父が死に追いやられたと知る。そんな明石に手を差し伸べたのが、児童擁護施設のオーナー・北村(安藤政信)だ。孤児を父親同然に養う傍ら、「子どもたちを生かすためなら犯罪も厭わない」という道徳観を持ち、正義と犯罪を共存させる北村。次第に明石は彼の価値観に魅せられていく。児童養護施設で暮らす孤独な少女・奈々(清原果耶)はそんな明石を案じるが、彼は父への復讐心を膨らませ、善悪の境を見失っていく——。正義を貫くための「善と悪」。明石、北村、奈々が織りなす人間ドラマが我々にそのテーマを問いかけてくる。

デイアンドナイト2

  • ■これ以上の映画を、少なくともこれまでに見たことがない。ただの復讐映画ではなく、人間の裏と表、社会の裏と表、正義とは善とはルールとは何か、また悪とは、正しくないとは何かを問われた。(MikaInageさん)
  • ■軽いギャグで構成された俳優プロディース作品ではなく、企業と地元経済の現実を重厚に描いた作品だと思います。(Marikaさん)
  • ■一言で言っちゃえば「重い作品」ではあるんですが、ぜんぜんそれだけじゃないです。(OmmyEatWorldさん)

「善と悪」はどこからやってくるのかー。

父の自殺の原因が大手企業の不正を告発したことで、そこで働く三宅(田中哲司)らに追い込まれたことと知る。“正義”を貫こうとした父がなぜ、死ななければいけなかったのか。明石の徐々に湧き上がる復讐心の前に現れたのは、児童養護施設の運営のため、裏稼業で稼いでいる北村。彼の道徳観に違和感を抱きながらも明石は彼に魅せられていく。昼は児童養護施設で、夜は盗難車の違法販売など犯罪行為に手を染める二重生活の中で、大切な人を守るために 自らの“善と悪”に翻弄されていく明石。彼を中心とした登場人物たちの葛藤は、現代社会で強く生きることの厳しさをも静かに描き出している。

そんな明石の心境を推し量ると重苦しく、やりきれない気持ちが胸の内に充満するだろう。そして訴えかけてくることは、理不尽な出来事にも正攻法か、手段を選ばず自分の正義を貫くべきか……という善と悪の基準。重く、切なく、答えが簡単には出ないテーマがのしかかってくる。

共感、あるいは深く考えさせられる本作の鑑賞後には何とも言い難い余韻が残る一作でもある。吉田修一原作『悪人』や怒り』、また俳優・監督それぞれで確かな地位を確立するクリント・イーストウッド作品にも通じるような濃厚な世界観を感じることができる。これらの作品を好む人には必聴の映画だ。

デイアンドナイト3

  • ■今年観た中で1番の映画。(マロンさん)
  • ■生きるとは何か?家族とは何か?正義とは、正しいとは何か? いつも無意識に目を背けている核心を突く問いを投げかけられる作品。(technoさん)
  • ■久しぶりにこんなに心に残る邦画に出会えましたよ。 台詞も風景も音楽も…ずっと頭から離れない!(Saikiさん)

明石と奈々が抱える「孤独」という共通点

また本作は、「孤独」により支え合う関係性をも描いていく。北村の運営する児童養護施設で暮らす奈々は、他人とは距離を置くような孤独な少女。しかし、明石にだけには自然と心を開いていく。それはいつか会えると信じている父親がいると聞かされた「東京」からやってきた明石に、何か父の手がかりがあるではと淡い期待を抱いたのからかもしれない。そして、次第に明石もまた自分を頼ってくる彼女に寄り添っていく。「孤独」を抱える奈々と、過酷な毎日の中で、彼女から安らぎを感じるようになる明石。そんな2人に突きつけられる悲痛な真実の中で、探し求めた正義の在り処とは----。

 

デイアンドナイト4

  • ■明石さんの気持ちも、北村さんの気持ちも、奈々の気持ちもとてもよくわかる。 それぞれの「個人的なこと」は、ほどよく描かれてて、感情移入するには十分な量でした。(OmmyEatWorldさん)
  • ■清原果那ちゃんと阿部進之介さんの演技は本当に素晴らしい。(Readmeさん)
  • ■明石の心の動きにずっとひきつけられ、2時間以上あった映画が一瞬でした。最後の決断に心が震えました。正義とは何だろう。(すうたんさん)

エンディングに流れる主題歌が明石たちの一筋の光

デイアンドナイト』は正義のための「善と悪」について、観客自身の価値観を試される映画だ。そのため爽快感がある結末ではないが、エンディングに流れる主題歌「気まぐれ雲」が謳う切実な願いが登場人物たちのその後に一筋の光を感じ、心が救われる。その劇中の大野奈々名義で歌う清原果耶、そして作詞・作曲・プロデュースを担当したのは人気ロックバンド・RADWIMPSの野田洋次郎だ。奈々を演じる清原果耶は、圧倒的な表現力と才能から500名にも及ぶ応募者の中から満場一致で選ばれた。オーディションで見せた彼女の演技に自然と涙があふれたと山田孝之に言わしめた若き才能だ。その奈々の澄んだ声と、野田洋次郎が贈る映画の世界観に合ったメロディや歌詞が観客を包み込む。2019年、俳優発信から出来上がった超力作。ぜひ劇場で体験してほしい。

  • ■奈々の演技迫力あってよかった。 主題歌も優しい歌声でとてもよかった。 とても丁寧なエンドロールにピッタリだったと思う。(scopeさん)
  • ■大野奈々の名前で歌う果耶ちゃんの透明感のある声がグッド。(amelie0123さん)
  • ■山田孝之が惚れ込んだという清原果耶さんの演技力は素晴らしい。野田洋次郎作詞作曲のエンディングの歌声も。 重たいテーマだし長いし後味悪いけどもう一回観たい。 (yunさん)

◆『デイアンドナイト』 information

デイアンドナイト5

あらすじ:父が自殺し、実家へ帰った明石幸次(阿部進之介)。父は大手企業の不正を内部告発したことで死に追いやられ、家族もまた、崩壊寸前であった。そんな明石に児童養護施設のオーナーを務める男、北村(安藤政信)が手を差し伸べる。孤児を父親同然に養う傍ら、「子供たちを生かすためなら犯罪をも厭わない。」という道徳観を持ち、正義と犯罪を共存させる北村に魅せられていく明石と、そんな明石を案じる児童養護施設で生活する少女・奈々(清原果耶)。しかし明石は次第に復讐心に駆られ、善悪の境を見失っていく——。

上映時間:134分
公開日:2019年1月19日(土)秋田県先行公開/1月26日(土)全国公開
配給:日活
公式サイト:https://day-and-night-movie.com/
(C)2019「デイアンドナイト」製作委員会

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  • パンダ5
    3.7
    皆さんのレビューでもありましたが映像が綺麗。 また阿部さんの声が綺麗でストーリーの哀しさが和らぎました。
  • ゲタ
    4.3
    『かつての"松田優作映画"のような匂いを嗅ぐ』 各サイトのレビューや批評でも 賛否両論といった感じだったので これは自分の目で確かめねばと 劇場に向かったのですが 十分に見応えがありましたね。 最近の映画で言えば 入江悠監督作品の『ビジランテ』のような雰囲気。 地方の小都市を背景に 「正義」「善悪」「家族」「東京」「正しい」「生きる」という 定義が難しい事実に懸命に答えを見つけようと苦悩する 主人公である"アカシ"、そして"ナナ"の物語。 物語がどこにどう転がっていってしまうのか まったく想像できなくて とにかくアカシの周りで起きる事柄を アカシと共に必死で辿っていく。 そんな映画です。 企画・原案で本作で主役も果たした 阿部進之介くんをスクリーンで初めて観ましたが 一連の作品のキャラクターとはまったく違うのに どういうわけ、かの"松田優作"とやたらと 重ね合わせられる部分が多いなと感じている自分が居ました。 変な意味でなく「男の色気」と言えばいいのか。 ただ居るだけで引き込まれる深いスター性を感じてしまいました。 田中哲司、安藤政信、小西真奈美、 山中崇、室井滋、深水元基、渡辺裕之といった 一癖も二癖もあるキャラクターに、 柔軟で説得力ある形で命を与え得る演技達者の俳優陣の中にあっても、 まったく見劣りしませんでした。 そして言わずもがなの清原果耶嬢。 なんだか一言で形容できない魅力があります。 てなわけで。。 山田孝之プロデュースという 色物的な背景に興味を持ったという不純な動機ながら 主演の阿部進之介と清原果耶を中心に 深いテーマと物語性、そして編集ワークに 割と打ちのめされた、そんな2時間でした。 [19:10]シネマート新宿・スクリーン② p.s. 田中哲司は営業マンなはずなのに その道のプロなんじゃないかという 凄みを醸し出せるのは、一体どうして!(^^) そして、我らが"愛染誠"こと深水元基さんが どんどん映画界に確固たる地位をものにしてる姿が 滅茶滅茶頼もしくてファンとして超嬉しい!
  • ほわいとりりぃ
    4.0
    「善と悪」 「正しさ」って何だろう? リコール隠し 229/2018
  • くぅー
    4.2
    my映画館2019#40> 久しぶりにヒリヒリとしたドラマを存分に堪能した気がする・・・初期の青山真治監督を彷彿させる様な本作は、劇中でも語られるが、善と悪、そして、自分の正義をテーマとし、明確な答えが出せない世界を凝視することとなる。 田舎町で正義を貫こうとした父親だが、地元の有力者の力に屈して自殺に追い込まれ、葬儀のために戻って来た息子がその無念を晴らそうとする展開だが、やはり一筋縄では行かない設定になっている。 善を維持するための悪が印象的で、表と裏の顔を持つ人間、そして、タイトルから来る光と闇・・・二面性が強調され、正しさと善が必ずしも一致しないという矛盾を考えさせられるのだが、人間は矛盾する生き物って言葉に思いを馳せてしまう。 それにしても、藤井道人監督・・・これだけの深い作品を、画的にきっちり惹き付けるセンスを随所に魅せ、その力量に拍手。 そして、今回、裏方に回った山田孝之のこだわりも凄かったんだろうなぁと。 そんなキャスティングも圧巻で、まずは阿部進之介・・・初主演で、正に本領発揮の堂々の熱演を披露。 安藤政信も持ち味を生かした助演ぶりで・・・田中哲司も流石の嫌らしい演技を見せる。 紅一点的な清原果耶・・・この面々の中でしっかりと輝きを放つ凄さ。 さらには、小西真奈美に佐津川愛美に、室井滋に渡辺裕之に、深水元基に渕上泰史に山中崇らの芸達者だらけの面々にはニヤリしっ放しだった。 最後に、特に風車が印象に残る本作のロケ地は秋田市とその界隈で、隣県に住む者としては羨ましくてしょうがなかった。
  • なかしま
    3.1
    善のための悪なら許されるのか
「デイアンドナイト」
のレビュー(1400件)