【映画版ルパンガイド】バラエティ豊かな劇場版ルパン三世7作の概要&見どころ解説

2015.10.19
まとめ

感受性複雑骨折

寂々兵

ルパン三世の新シリーズがスタートして話題になっています。

前回の第3シリーズから30年ぶりとなるTVシリーズに興奮を抑えきれない方も多いはず。青ジャケットを着たルパンがイタリア・サンマリノ共和国を舞台に大暴れをする本シリーズは、ゴールデンではなく深夜帯での放送なだけに、大人向けのハードボイルド路線が期待できますね。

今回はルパン三世の新シリーズスタートを祝して、これまでに公開された「劇場版ルパン三世」全7作を振り返っていきたいと思います。(※今回は実写版や特別版以外の7作を紹介します)

TVシリーズもいいけど、やっぱりルパンといったら映画版は外せません。是非チェックしてみてください!
 

ルパンと神、世界を賭けた頭脳戦
『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(1978)

3ルパンマモー

劇場版ルパンの第一作。永遠の命をもたらすと言われる「賢者の石」を巡り、謎の人物マモーとの対決が描かれます。

第1シリーズ初期を彷彿とさせるハードボイルドとジャズ、そしてエロティシズムの見事な融合。ルパンが13階段をゆっくりと上り、絞首刑に処される不気味な冒頭から目が離せません。全編にわたり圧倒的なスケールです。

今でも地上波で2~3年に1度放送されるなど、第一作にして根強い人気を誇っています。

こんな方におすすめ

TVシリーズは当初、大人向け路線で始めたものの視聴率の不振によって子供向け路線に変更したという逸話があります。

そういった意味で本作は大人向けのSFチックな展開と子供向けのドタバタ喜劇がうまく混ざり合っている一作ではないでしょうか。
大人も子供も、双方それぞれに楽しみ方を見出せる作品だと思います。

ルパンは何を盗んでいったか?
『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)

3ルパンカリオストロ

劇場版ルパンの第二作。ルパンがかつて酷い目に遭わされた幻の偽札「ゴート札」の秘密を巡り、カリオストロ公国国王カリオストロ伯爵との対決が描かれます。宮崎駿監督作だけあって、彼の色が強く押し出された作品です。

本作はカリオストロ伯爵のキャラやクラリスの可憐さ、銭形警部の「あなたの心です」などの名台詞によってルパンのみならず日本のアニメ映画としても不動の人気を保っています。

こんな方におすすめ

ルパンファンならずとも、ルパン入門として最適な一作です。反対に原作やTVシリーズの硬派なルパンが好きな方にとってはキャラクター像に違和感を感じるかもしれません。

清順ワールド炸裂、とことんカオスな異色作
『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』(1985)

3ルパンバビロン

出典:http://www.amazon.co.jp/dp/B004EX3WUO

劇場版ルパンの第三作。古代都市「バビロン」の黄金をめぐり、ニューヨークマフィアのボス・マルチアーノとの攻防戦が描かれます。

独特の色彩感覚と映像美学を併せ持つ鈴木清順が共同監督を務めただけあって、劇場版ルパンの中でも断トツでぶっ飛んでいる一作です(清順の作家性は感じませんが)。ゲストキャラにも塩沢とき、河合奈保子、カルーセル麻紀、おぼんこぼん師匠などの独特の演技が見られます。

このハードボイルドとスラップスティックを織り交ぜたような作風は、ある意味ではルパンらしさを端的に表現していると言えるかもしれません。何せ勢いが凄いです。

こんな方におすすめ

「そんなのあり!?」と言いたくなるような展開、オチ、そして演技が目白押しです。「何でもありのドタバタ劇が大好き!」といった方におすすめします。

日本を舞台に五ェ門の本領発揮
『ルパン三世 風魔一族の陰謀』(1987)

3ルパン風魔

出典:http://www.amazon.co.jp/dp/B004EDH5WK

劇場版ルパンの第四作。ルパン一味と風魔一族による墨縄一族の財宝の争奪戦が繰り広げられます。

本作は「ニュー・ルパン」と銘打って声優陣の総入れ替えが行われましたが、前任のレギュラー陣への連絡不備による軋轢やファンからの苦情が重なり、次作からは元通りのキャストになりました。

そのため何かと槍玉に挙げられる本作ではありますが、舞台が日本でありながらもルパンワールドを的確に捉えている作品でもあり、声優陣が変わってもその面白さは色褪せません。やりたい放題も甚だしい中盤のカーチェイスには必見です。

こんな方におすすめ

声優陣に関しては、タレントやアイドルではなく立派なプロの声優が声を当てているので、最初こそ感じる違和感も中盤以降に消え去るでしょう。

作品自体は無難な作りになっているので万人受けすると思いますが、特に五ェ門ファンの方は必見です。反対に次元ファンの方にはちょっと評価の厳しい作品かもしれません。

超高層ビルの大激闘
『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』(1995)

3ルパンノストラダムス

劇場版ルパンの第五作。地上1000メートルのハイテクビルの最上階に保管された「失われた預言書」をめぐり、ルパン一味と新興集団が熾烈な戦いを繰り広げます。クリカンルパンの初出です。

タイトルを冠している通りノストラダムス教団の暗躍を中心に、バベルの塔、アメリカ大統領選、サッカー、ミサンガなど社会的なネタがふんだんに取り入れられており、これらが物凄いスピードで展開します。

記憶喪失になった不二子とルパンのキスはルパン映画史上随一の名シーンです。

こんな方におすすめ

ハイジャックあり、超高層ビルへの潜入あり、刑務所からの脱獄ありと、とことんアクションに徹したルパンです。

アマゾン川で漁師をする少年や大統領の娘など子供も大活躍しますので、家族でご覧になってはいかがでしょうか

王子パニシュは生きていたのか
『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』(1996)

3ルパンデッド

劇場版ルパンの第六作。首狩り将軍によって支配されているズフ国を舞台に、元国王が漂流島に残した財宝をめぐり、王国軍隊との戦いが描かれます。

原作者のモンキー・パンチが監督しただけあって、キャラデザインや設定などが最も原作に近い一作です。元々ルパンというのは紳士でもギャグ要因でもなく「キザな悪党」なので、現代のギャグルパンに慣れてしまった方にとっては違和感をぬぐい切れないかもしれません。

本作は普段のルパン以上に多くの伏線やネタが張り巡らされているので、少なくとも二度鑑賞することをおすすめします。

こんな方におすすめ

ルパン一味のお宝探しも去ることながら、ズフ国の体制や革命など国家事情にも大きく踏み込んでおり、少々大人向けのルパンとなっています。

また登場シーンが短いですが銭形警部が非常にシリアスなので、「原作に近い硬派で敏腕なとっつぁんが観たい!」という方におすすめです。

俺とお前は、あくまでビジネス上のパートナーだ
『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(2014)

3ルパン次元

劇場版ルパンの第七作。圧倒的な犯罪率の低さを誇る東ドロアを舞台に、国家機密書類「カラミティ・ファイル」を巡る陰謀と、謎の殺し屋ヤエル奥崎との死闘が描かれます。

ルパンと次元がコンビを組み始めた頃の話で、二人がビジネス上のパートナーから相棒へと移っていく過程にしびれます。喜劇的要素を一切排除した劇画調のハードボイルドで、またルパンファンにとってはお馴染みの「あの人」も一瞬だけ登場するなど、大人向けのルパンと言っていいでしょう。

併せて2012年のスピンオフTVシリーズ「峰不二子という女」も見逃せません。

こんな方におすすめ

断然、次元ファンの方におすすめです。彼のガンマンとしてのこだわりや人間味が随所に垣間見られます。

また、全編を通じてハードボイルドに特化しているため、「近年の軽いルパンはあまり好きじゃない!」という方におすすめです。

おわりに

ルパン三世は近年では1年に1回のTVスペシャルでしかお目にかかれないため、劇場版での鑑賞のチャンスはなかなかありません。

今回のTVシリーズの復活を機に、またスケールの大きな劇場版ルパンが製作されることを願うばかりですね!

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  • こまつ
    4.4
    結構尺が短いからあっさり観れるんだけども、その内容たるや、いやぁなかなかアダルティーで渋くてかっこいい 不二子の裸を堪能出来て(乳首あり)、僕は満足です 笑 ルパンがあのコンテナ?のところで、膨らんで走ってたのがなぁ、終盤で効いてくるとは 個人的に次元の「美味い煙草が吸いてぇだけだ…」みたいな台詞が、自分も使いたいくらい魅力的だった
  • 屋根裏の徘徊者
    3.5
    いやぁ、次元全然アバヨじゃないけど、良いんやないかな? だって格好いいし。 一際クールなルパン一家を描いた完全に趣味な一作。 ストーリーもタッチも完全劇画調で進む本作。 話としては難しい話じゃないけどルパンと次元の組み始めた頃の物語で、「vs複製人間」の直前になります。 敵も味方も格好いい。 それを見るだけでも価値はあるかな。
  • 金子隼士
    4.5
    次元大介が渋すぎる。小林さんの言葉・迫力が凄まじい。 まだルパンと次元が相棒関係になる前のストーリー。 短いんだけど、内容とテンポが完璧で充実した作品。ルパン三世 映画作品の中で5本の指に入る傑作なのではないでしょうか。
  • YMK
    -
    テレビシリーズ「LUPIN the third ~峰不二子という女~」に携った小池健が手掛け、アニメ版第7作として連ねる。地元のトップクリエイターとして大好きな監督であるのに、地元で上映しなかったため諦めかけていたが、ようやくレンタルできたので今回鑑賞。 小池監督のルパンは痛快なほどクールでアダルト。コミカル調が耳障りなほど、落ち着きと渋さに満ちているが、時折みせる勢いと迫力のシーンは作画も一味違ってくる。線と色彩で魅せる静と動のメリハリが小池ルパンに合っている。 次元大介をメインとする作品だが、なんだかんだで主要キャラクターすべてに魅力を感じるように描かれている。行動や仕草、セリフなどキャラクターの特徴に相応しいものになっていて、次元にしか出来ない見せ場にならざるを得ない物語が今作という感じ。しかし、ストーリは案外単純で五右エ門が出てこない。それを補って余りあるルパンと次元 不二子の存在感とラストに出てくる意外なキャラ。コンパクトなストーリーであるのに、そこに繋がるのか!?という大きなトラップにひっかかった感覚。 次元というキャラクターはどの作品になっても際立つ渋さがあり静かに熱くなる男。しっかりとプライドを持つが、自分の立場を逸脱した行動はしない。終盤の次元のスキルを目の当たりにする展開に痺れ、敵との早撃ち対決に痺れ息をのむ。 狙撃や早撃ちのために技術力で効率を上げたやり方に対し、自分のスタイルを崩さず真っ向から挑む次元。個人的には、今までぱっとしなかった流行廃りでつくってきた「歴代ルパン作品に対して」、次元を通じて投げかけるメッセージに思えた描写である。 「ロマンに欠ける・・・。」このセリフにとてもハッとした。 キャラクターの描写、街並み、物語のシステム、音楽、すべてに独特のセンスの塊をぶつけて来た。
  • スギヤマ
    2.5
    理念がないままみんなの求めるものをつくろうとしても上手くいかない好例。
「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」
のレビュー(1562件)