高橋一生×川口春奈「互いに恋をしていた」 『九月の恋と出会うまで』【インタビュー】

世界のディズニーを翔る元映画サイト編集長

鴇田崇

「書店員が選んだ、もう一度読みたい恋愛小説」で見事第1位に輝いた松尾由美による小説を、演技派としての高い評価を得る高橋一生川口春奈の豪華共演で実写化した、映画『九月の恋と出会うまで』がいよいよ公開に。タイムパラドックスなどのSF的なモチーフがありながらも、互いを思いやる男女による純度の高いラブストーリーが繰り広げられ、すでに作品を観た人の間では、かつてない高橋一生の姿に胸キュン!という声も。

九月の恋と出会うまで

その公開を前に、主演の高橋一生、川口春奈のツーショットインタビューを敢行。引っ越したばかりのマンションで、強盗殺人から自分を助けようとする未来の誰かの声を聞いた志織役と、その相談を受ける隣人・平野役を経て、抱いた想いとは? そして、俳優として圧倒的な実力と人気を誇るいま、ふたりが抱く仕事へのモチベーションなどもうかがった。

九月の恋と出会うまで

ーー人気ベストセラー小説が原作である本作に出演することが決まり、一番期待したことは何でしょうか?

高橋 ラブストーリーだと思いました。

川口 わあ! 恋愛モノだって。

ーー同じ感想(笑)

高橋 この作品はタイムリープというSF的な要素が入っていますけどが、王道のラブストーリーであり、人を純粋に想う気持ちが描かれている脚本だったので、このようなお話をいただけてありがたいと思いました。

川口 恋愛モノってアガりますよね。いろいろな気持ちになりました。きっと自分にとってもステップアップできる作品だなって思ったし、こういう設定も含めて初めてのことでした。どうなるのかなっていう想像も最初はできなかったので、自分自身ももうひとつ頑張って、いろいろな表情を見てもらえるきっかけになったらいいなと、楽しみでもありましたね。

九月の恋と出会うまで

ーー原作ファンが多い作品だと思いますが、それぞれ演じる上で、どういう取り組み方をしましたか?

高橋 川口さんとご一緒する時間が長かったのですが、現場に入って、ちゃんとその場に居ることを意識しました。これはどの作品においてもそうなのですが、作り込まれている美術セットや、監督の思いや画作りなどもあるので、ひとりで役作りはせず、その場所に居て、川口さん演じる志織と会話をすることだけに執心していました。

川口 志織は気持ちがいろいろと忙しくなってしまいますが、お仕事充実系の女子なんです。あることで平野さん(高橋)と出会い、すごく気持ちが忙しくなる。でも、高橋さんが平野さんとして目の前に立って、そこに居てくれると、不安や苦しみやうれしい気持ちなどが、撮影中、自然と引き出される部分があったので、みんなが志織というキャラクターを作ってくださったと思っています。

九月の恋と出会うまで

ーー平野と志織、不器用な恋愛模様が展開しますが、ご自身と重なる部分は?

高橋 ここ最近、役に入っている時間がどうしても長くなっているので、自分自身と引き離して考えられないんです。平野がその時期の僕そのものでした。撮影中は平野としてものを考えていて、平野として恋をしていたと思います。

九月の恋と出会うまで

川口 不器用さですね。志織の、お互い素直になれなくて、ぶつかっちゃうけれども本当はすごく好きだし、想い合っているっていうところは、共感できる部分だと思います。そこは似ている、似ていないではなく、共感はしますね。苦しくも切なくもある、そういうシーンを撮っている時は、わたしも恋をしていると思いました。

九月の恋と出会うまで

ーー本作は多くの人たちが影響を受けそうですが、反対にお二人は映画に影響を受けたことはありますか?

高橋 『インターステラー』『インディアン・ランナー』は大きかったでしょうか。『ガタカ』もそうですが、どこかちょっとSFチックな作品が多いです。どこか説得力をもって真に迫ってくるところは、全作に共通しているかもしれません。いま挙げた作品を考えると、今回の作品にも近いものがあると思います。

川口 影響された作品は思い浮かばないですが、好きな映画はたくさんあります。『ラブ・アクチュアリー』は、女の子ならみんな好きだと思います。「生きている、素晴らしい!」じゃないけれど、考え方ひとつでなんでもないことが幸せに思えたりとか、好きな人と一緒にみたいなこととか、「あるある!」って感じですよね。

九月の恋と出会うまで

ーーいま現在、仕事の原動力、モチベーションはどこにありますか?

高橋 原動力……。それは最近、どんどん近くにいる人になっている気がします。一緒にお仕事をしてくださっている方々、プロデューサーの方や監督など、毎作品その現場にいる方々が、どれだけ面白くて楽しい充実した時間を過ごしているかが、肌感でわかるんです。そういう方々が、僕の原動力だと思います。

川口 必要とされているのであれば、それだけで頑張れますよね。求めてくれる人がいさえすれば。それがなくなったら、もう何も動けないかもしれないけれど、応援してくれる家族もそうですね。

九月の恋と出会うまで

ーーまさかの、おふたりとも同じという。

高橋 似ていますね。たとえば、試写を観たあと、「すごく素敵だった」と、うわっつらではなく心から言ってくれる方々も、僕の原動力なのかもしれないです。その方々の楽しそうな顔を見ていることが楽しいです。

ーー昔と今で内容が変わったということですね。

高橋 自己実現のようなことはなくなりました。昔は、こういうお芝居ができたらいいなという思いはありましたが、やっぱりどこかで、自分で想定しているようではダメだということを知るんです。つまり、それ以上のことはできないな、と。他者がいて、自分が好きな方々がいて初めて、自分の想像している範疇の外に行けると思うようになってきました。

九月の恋と出会うまで

ーー本作と出会い、お互いの共演を経て、新たに見えた“景色”みたいなものはありますか?

川口 課題みたいなものは勉強も、ほかにも頑張らないといけないことはあると思ますね。具体的なことはわからないですけど、本当に場数を踏むじゃないけれど、経験ですよね、あとは経験をしていく上で、いろいろな人に出会って、価値観が変わったり、人生観が変わったり、影響もされるだろうし、そこでブレずに仕事もそれ以外も頑張っていけたら。

高橋 お話をくださった方々の期待に応えることだと思っています。「高橋一生」という名前を挙げてくださった以上は、その方が本当によかったと感じる作品になるよう、力を尽そうと思うようになりました。

九月の恋と出会うまで

ーー本作は、消えてしまうかもしれない未来を変えていくという、運命に逆らおうとすることもテーマですが、そこに何か感じることはありますか?

高橋 本質的なことを言うと、「今でしかない」と思っているんです。未来を作れるわけがないし、いまここを集中しなければ未来になっていかない。 “こうなれたらいいな”という理想を未来と履き違えている人が多いかもしれませんが、未来は別の次元ではないと思っていて、いまからでしか始まらないものなんです。過去に価値を与えられるのも今しかないんですと思っていて、それをどう捉えるか。いまが結局、未来であり過去であると僕は思っています。

川口 その通りです(笑)。いまが大事! いまやれることを楽しんだほうがいいんです。

高橋 本当にそうだと思います。

川口 気にはなりますけどね。この先、不安にもなるし、みんな今しかない、そこは平等じゃないですか。だからやるべきことをやって、楽しめたらいいなと思いますね。(取材・文=鴇田崇、写真=岩間辰徳)

映画『九月の恋と出会うまで』は、2019年3月1日(金)より全国ロードショー。

九月の恋と出会うまで

監督:山本透
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/kugatsunokoimovie/
(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員会

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応募締切 2019年3月7日(木)23:59までのご応募分有効

【応募資格】
・Filmarksの会員で日本在住の方

【応募方法および当選者の発表】
・応募フォームに必要事項をご記入の上ご応募ください
・当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます

 

※2021年10月22日時点のVOD配信情報です。

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  • フードファイター
    3.5
    展開としては別に珍しくもないような気がしたけど、高橋一生と川口春奈の恋愛ってだけで価値ある、あざす
  • 4
    記録忘れ。小説も良かった。
  • chisato
    3
    ながら見。タイムパラドックスもの。 川口春奈目当て。ほのぼのぬるーい感じ
  • Atsupon
    -
    鑑賞済
九月の恋と出会うまで
のレビュー(13976件)