伝説の運び屋は90歳の老人。ハリウッドの生きる伝説イーストウッドが円熟の境地見せる『運び屋』

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映画『運び屋』3月8日(金)公開!レビューとともに見どころをご紹介!

現在88歳でありながらコンスタントに新作を発表し続ける、ハリウッドの生きる伝説クリント・イーストウッド。その彼が俳優引退を撤回し、10年ぶりに監督・主演を兼任した『運び屋』が3月8日より公開となります。

大量のドラッグを運んだ凄腕の運び屋は、なんと90歳の老人。驚愕の実話を基にしたこの作品はイーストウッドらしい、骨太さと哀愁に満ちており、現代アメリカの姿を鮮やかに浮かび上がらせます。

 

イーストウッドにしか演じられない円熟の境地

イーストウッドが演じるのは軍隊を退役後、生涯をデイリリーの栽培に捧げた男。家族を顧みず仕事だけに情熱を注いできた彼は、家族とは離れ孤独な日々を過ごしています。イーストウッドの顔に刻まれた無数の深い皺は、人生の酸いも甘いも知り尽くした男の人生そのもの。脚本のニック・シェンクは『グラン・トリノ』の脚本も担当していますが、本作の主人公に『グラン・トリノ』と同じ退役軍人という設定を導入し、表裏の関係のようなキャラクターを作り上げました。重厚でありつつも軽妙さも忘れない、そして老いの哀愁とギャングのボスにも気圧されない凄み。幾重にも魅力が織り込まれたキャラクターを作り上げています。

運び屋1

  • 監督主演であるイーストウッドから若い人たちへのメッセージを力強く感じる作品でした! 大切な何かを思い出す、そんなシーンに何度も泣きそうになった。 現代を生きる人たち全員に観てほしい。(mamiさん)
  • ■ 誰の心にも響く敷居の低さと、一本の映画としての質の高さがこれでもかって共存した傑作だと思いました。(サムカワさん)
  • ■ 家族と仕事、どっちが大事か?みたいなくそベタなテーマでここまで迫力がある映画にできるのが、クリントイーストウッドの凄さだと思う。(春巻さん)

男はなぜドラッグを運んだのか。最後に求めたものは家族の愛

主人公のアールは、家も家財道具も差し押さえられ、疎遠となっている家族にも頼れない状況の中、「車の運転さえすれば金になる」仕事を紹介されます。それは巨大麻薬組織の運び屋だったのです。彼は手にしたお金で退役軍人の施設を改修する資金を提供し、疎遠だった家族にも手を差し伸べるなど、慈善家のように振る舞います。しかし、いつまでも上手くいくわけはなく、警察の捜査の手が迫ります。

家族の愛を求めながらも、孤独に生きる自分は許されるに値しないとも感じているアールの相反する2つの感情を、クリント・イーストウッドは見事に演じきっています。その演技が高く評価され、『アメリカン・スナイパー』や『ハドソン川の奇跡』などと並び、イーストウッド監督史上6作品目となる全米興収 1 億ドル突破の大ヒットとなった『運び屋』は、この春見逃せないイーストウッド監督の傑作です。

運び屋2

  • ■ 死ぬ間際に誰とどういう生活なら幸せか、そのために今から取捨選択して時間の使い方を考えなくてはいけないなと思いました。 「時間以外のもは買えるのに、時間だけは買えなかった。」 この言葉が心に残りました。(SIさん)
  • ■ 今作も主人公をイーストウッド本人が演じていることもあって、やはりこれは監督本人の残りの人生(時間)についての考えでもあるんだろうな、と重ねて見てしまうのでした(MatsubaTomohiroさん)
  • ■ 家族の大切さを問われただけじゃなくて自分にとっての幸せは何かを考えることになった(かめさん)

イーストウッドが描く現代アメリカの姿

トランプ大統領が掲げるメキシコ国境の壁建設問題がアメリカでは大きな議論になっていますが、本作はドラッグを運んでいるのは人間であり、アールのような誰も疑わない老人を運び屋として使うなど、その周到さは物理的な壁だけで防ぎきれるものではないことが示唆されています。また退役軍人の施設が予算不足で閉鎖になっていることや、アールが家の差し押さえにあうなど、アメリカの地方の厳しい経済状況を土台にした物語でもあります。経済が好転せず、家族や人との絆も空洞化している、現代アメリカの地方の姿が物語を通じて浮かび上がってきます。その絆を取り戻すためにアールはメキシコから運ばれてくるドラッグの運び屋となって車を走らせます。アメリカの厳しい現実をにじませながらも救いを感じさせる余韻に、イーストウッドのアメリカに対する愛が感じられます。

運び屋3

  • ■ 生きる上で何を大切にするかを考えさせられた。 メッセージに重みがあるのにテンポとか音楽が軽やかで観ていて楽しい!(いけさん)
  • ■ 今回はあまり政治的な風刺は無いように見えましたが、相変わらず人種に対する皮肉じみた(それでいて愛情のある)ジョークや蔑称はクリント節って感じで微笑ましかったです。 (ヒグヨークさん)
  • ■ シリアスなポスターに騙されてはいけない!これは最高のコメディー映画だ!(映画repoter)

 

◆映画『運び屋』 information

運び屋ポスター

あらすじ:アール・ストーン(クリント・イーストウッド)は金もなく、孤独な90歳の男。商売に失敗し、自宅も差し押さえられかけたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられる。それなら簡単と引き受けたが、それが実はメキシコの巨大麻薬組織の「運び屋」だということを彼は知らなかった…。

上映時間:116分
公開日:2019年3月8日
配給:20世紀FOX映画
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/hakobiyamovie/
(C)  2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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  • OkunoHiroki
    3.1
    あといくつイーストウッドの映画を観られるんだろう… 実際みんな感じているんでしょう。平日夕方の回でも9割方座席は埋まっていました。 そしてイーストウッド本人がきっと誰よりも感じているのでは。未だに毎年のように新作が公開されるなんて感謝と尊敬しかないです。 作品自体は晩年の佳作小品といった印象ですが、そこはやはりイーストウッド、無駄のない演出と茶目っ気の効いた演技でグイグイ主人公を好きにはなれんけど憎めない人物に見せます。 お金で時間は買えなかったと言うシーンは泣けましたが、家族と和解出来たのにはたぶん結局お金も必要だったのだし、今そばにいる人を大切にしようという教訓みたいなものには実際あまり心震わせられませんでした。 それよりも印象的なのは、主人公自身が自覚してないからかもしれませんがいつ終わるかも知れぬ破滅的なドライブのシーン(◯回目的なテロップ!)の爽やかで楽しそうなこと。音楽! イーストウッドのいつまで出来るか分からない映画作りに対する心境もこんな感じなのかなとか勝手に想像すると、すごくほのぼのしたシーンなのに落涙。せつないけど羨ましいよ。
  • Aya
    3.5
    #twcn 恐るべき直訳w 凄いリアリティの90歳クリント・イーストウッド・・・。 彼がこの歳にしてスペイン語を話し、メキシコ麻薬カルテルの運び屋をやっているのは非常に感慨深い。 グラン・トリノ感すらありますよね。 想像してたよりPOPなロードムービーやった。 あの歳でポークサンドとか、飲み込めないやろうし消化できなそう・・・ちょっとしか食べてなかったしねw 本人的にどうでもいいとこはマジでどうでもいい撮り方してて、いつものイーストウッド映画っぽい雑さも感じた。 なんでババア眼鏡外さねえんだよ!! タイッサ・ファーミガとジュノ・テンプルとゾーイ・カザンは一緒に見えませんか?? 新 日本語字幕:松浦 美奈
  • 考えるブルドッグ
    4.6
    自らの老いも逆手にとったクリント・イーストウッドの精神にまず拍手! いつもの作品よりややセンチメンタルに過ぎるところもかえってチャーミングだし、飄々とした佇まいも良かったです。 家族も麻薬カルテルも捜査官も観客もアールにすっかりしてやられる。
  • 藤川
    4.0
    話の内容とか以前にストーリーテリングの手際の良さを見てるだけで恍惚としてくるね
  • ノコギリ鮫
    3.0
    家族が一番だよ…
「運び屋」
のレビュー(7052件)