三谷幸喜に期待するな!?『ギャラクシー街道』を2倍楽しむための事前ガイド

2015.10.24
邦画

遂に本日より三谷幸喜監督の新作『ギャラクシー街道』が公開になります。

2016年はNHK大河ドラマ「真田丸」もありこちらも大注目ですが、ハテサテ彼とその作品に期待していいものか?今回の作品の見どころはもちろん、より楽しむために過去の三谷監督作品の傾向なども合わせて紹介していきましょう!

ギャラクシー街道は「何もない」??

さてさて、まずは本作のストーリーを簡単ではありますが追ってみましょう。

時は西暦2265年、木星と土星の間に浮かぶスペースコロニー「うず潮」と地球を結ぶ「ギャラクシー街道」。

その中央にひっそりと佇む、小さなハンバーガーショップ「サンドサンドバーガー・コスモ店」にやってくる客が織りなす、人間模様、いやさ宇宙人模様が描かれたSF超大作!! です。

登場するのは、スペース警備隊、スペース客引き、スペースシンガーに、スペースパートタイムのおばさん・・・と、全員が宇宙人。しかも、三谷幸喜監督自身、「ライバルは『スター・ウォーズ』」と豪語していますが、会話中心でアクションシーンはゼロとのこと。

出演者の大竹しのぶさんに至っては、10月5日、東京・TOKYO DOME CITY HALLにて行われた完成披露試写会舞台挨拶で「ほんとにくだらなくて、何もない映画なんですけど」と衝撃(?)発言をしたそうです。(参照:http://natalie.mu/eiga/news/161929

さらに見どころの一つは、両性具有の宇宙人を演じる遠藤憲一さんが出産するシーンということで、もはや「情報がたくさん入ってくるわりには、実際見てみないとサッパリ分からない」状態。

とりあえずハッキリしているのは「出演者が全員宇宙人で、彼らが織りなすロマンティック・ラブコメディー」
ということです!

香取慎吾の包容力

三谷映画の特徴といえば、「主役級がズラリ」の豪華なキャスト。今回の主役は、綾瀬はるかと香取慎吾です

特に慎吾君は、インパクトの強いルックスのせいか、役者としては忍者ハットリくんや両さん、孫悟空など、特殊な設定とオーバーアクションな演技を求められがちです。

ところが三谷作品では、逆にアクの強い登場人物をサポートする役が多いのです。

映画『THE 有頂天ホテル』のベルボーイ、ドラマ『合言葉は勇気』の役場職員。どちらもちょっと普通じゃない主役(演じるのはどちらも役所広司)にツッコミも入れつつサポートする「イマドキの青年」を見事演じています。

今回も天然ボケの綾瀬はるかを始めとした、濃すぎる共演者に「巻き込まれながらも丸く収める」抜群の包容力を存分に発揮してくれています。

 

豪華キャストには「枠」がある

「えっ、こんなところに?」という少しのカットに大物俳優が顔を出し、活き活きと役割を演じるのを見るのも三谷映画の楽しみ。中には思わぬキャラクターをあてがわれ、自分でも気が付いていなかったであろう魅力を花咲かせる方もいます。

ここからは過去の作品も踏まえて、それらを「枠」に分けてご紹介しましょう。

【メイン枠】

主役は断トツで役所広司が多いのですが、なにより印象的だったのが、『ザ・マジックアワー』でダメダメ男役を披露した妻夫木聡。

その抜けた感が気に入られたのか、『清須会議』では本格的なバカ殿に抜擢(?)。チョビ髷の大泉洋さんに負けず劣らないディープインパクトを残しています。

「なんも考えてない笑顔」とはまさにこのこと。三谷監督、おそるべし……。

清須会議

【常連脇役枠】

梶原善、近藤芳正、阿南健治、浅野和彦は三谷映画のオイシイところを持っていく顔なじみです。

【芸人枠】

『みんなのいえ』ココリコ田中、『古畑任三郎』アリtoキリギリス石井正則ほか、舞台では青木さやかなど、お笑いの人の抜擢が多いのも特徴です。『ギャラクシー街道』ではミラクルひかるが、本名「田村梨果」で新境地を開きます。

【舞台才人枠】

そもそも三谷監督自身が舞台畑であり、舞台通の人は知っているけれど、世間的には認知度があまり高くなかった人を巻き込むのも得意です。

ドラマ『総理と呼ばないで』『ラヂオの時間』で一気に顔が知られた戸田恵子や『THE 有頂天ホテル』の堀内敬子(元劇団四季)も今ではすっかりお茶の間の人気者です。

【憧れの人枠】

『ザ・マジックアワー』では、三谷監督がリスペクトするジャズ歌手であり俳優・声優でもある柳澤愼一が出演。

【歌がうまい枠】

布施明さんが常連ですが、『ギャラクシー街道』ではTMR西川貴教さんが『カエル宇宙人』なるスットコな役で登場。

三谷監督は脚本を、俳優さんを実際に思い浮かべて「当て書き」するそうですが、今回の三谷監督のコメントによると
「宇宙を背景にフランク・シナトラのように歌い上げる歌唱力のある人」とカエルはともかく、歌の実力を買ってのキャスティングの様子。

「でも人間じゃないんですね」などというツイッターでの鋭いコメントに、西川さんも「新手のイジメだと思っています」とつぶやき(ボヤキ?)返しています。

見直しておきたい作品2選『ザ・マジックアワー』『笑の大学』

監督作をはじめ、原作・脚本での参加を含めると11作目。その中でも、特に彼の「笑い」への価値観を強く感じる作品を2つご紹介します。

『笑の大学』(2004年)

笑の大学

三谷幸喜は原作・脚本を担当。大好評の舞台の映画化です。

笑いを「不謹慎だ」と検閲して削ってしまう戦争。作家と検閲官のチグハグでおかしな2人のやりとりから生まれる笑いから「笑いの無い世界」の悲しみを予測させる……。彼の笑いに対する価値観が強く出た、ある意味真骨頂と言えるでしょう。

『ザ・マジックアワー』(2008年)

ザ・マジックアワー

「どこまでも真面目な人たちが空回りの末、起こす奇跡」。

三谷映画の多くはプロ意識が強すぎる人たちが混乱を起こします。当作も、売れない役者の村田(佐藤浩市)はじめ、全員がいたって真剣、自分の役割を全うしようと必死。

そんな思いがもみくちゃになりながら、いつの間にか大団円につながります。マジックアワーとは「太陽の光が一日のうちで最も美しく輝く時間帯」。表舞台に出ることができない村田に向かい老俳優が呟く言葉が優しく響きます。

「マジックアワーを逃したらどうすればいいか知ってるか。簡単なことさ、次の日まで待てばいいのさ」

絶望しなくていい。次があるんだから。なんともホッとするセリフではありませんか。

最高にノンキで幸せな時間を堪能しよう!

毎回上映前から様々な仕掛けで私達を楽しませ、期待させてくれる三谷監督。

上映前も、終わってからも、作品に関わる時間はみーんなコメディー。体を張り空回りする彼自身を見て笑って肩の力を抜いて、難しいことを考えず巻き込まれてナンボ。主役級の豪華キャストにあざとさを感じるよりミーハー上等、「人生みんな主役よね」とどっからでも楽しめばいいのです。

「それだけアピールするんだからよっぽど笑わせてくれるんだろうな、三谷!」などと肩をいからせ観るのは野暮というもの。

映画館のソファ椅子に体をあずけ、ポップコーンを頬張りながらノホホンと、目の前に映るドタバタ、宇宙のハンバーガーショップの騒動をちょいと覗いてみようではないですか。2015年の「芸術の秋」、最高にノンキで幸せな時間を堪能しましょう!

あれ?期待するなと書いた肝心の私が、結局かなり期待してしまっているような……。

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    三谷さん作品好きだけど、ううーん
  • Mone
    1.0
    ほんとにつまんなかった 映画館で映画を観てはやく終わらないかと思ったのは初めて。
  • NOP
    1.2
    あんま好きでない話の内容。キャラは面白かったけど。
  • らん
    3.6
    気になっていたけれど なかなか観れず、先日やっと鑑賞。 評価通り...なのが正直なところ。 有頂天ホテル、マジックアワー、金縛りのようなテンポ感を期待するも 序盤はなかなか、眠くなる感じ。 世界観にうまくはまり込めなかったのもある。笑 西田敏行にはもっと出て欲しかったな〜 TMの西川さんの役どころが 私の中では今作のベストだった
  • N.
    2.2
    うーん、三谷幸喜至上最低。 しかし、設定を宇宙に出すことで、三谷作品を更に破天荒に非常識にする効果はあったのかも。
  • りん
    -
    テンポ悪くて乗り切れず。。自分の中の常識はちょっと外に出れば常識じゃないってこと。とりあえず綾瀬はるかが何してもかわいい。ハンバーガー食べたい。
  • 咲貴子
    -
    うーん、あんま面白くなかったなぁ
  • MyMovie
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    日本
  • ヒカル★キサラギ
    2.0
    期待外れ。
  • Rinta0216
    2.5
  • Nicky
    -
    記録
  • らいむ
    3.0
    三谷幸喜の頭の中覗いた気分。 発想が独特でクセがあると思う。 内容は、んんん。ってかんじかな〜 三谷さんの映画は、基本好きやねんけど、ギャラクシー街道は…好みではなかった😭
  • ニモ
    1.0
    イマイチ。なんでだろう
  • まりえ
    3.0
    あのグダった感でさえ面白く思えたのは 三谷幸喜作品だから?? 別れた女が いつまでも自分のこと思ってるなんてね よく言えば男のロマン、 悪く言えば自分勝手な妄想よ
  • とこ
    3.0
    記録
  • しゃなり
    4.0
    くだらなくて面白い
  • Ray
    2.9
    DVDで鑑賞。 ストーリー自体はあまりおもしろくないけれど、やはり三谷劇場。クスッと笑ってしまう、小ネタが光ってた。 遠藤憲一さんのあの格好はもう唖然だし、西川貴教さんの歌唱力に圧倒された。 世界観とかは三谷幸喜監督作品では新しい。 あーあ、ハンバーガー食べたい。
  • nico
    -
    記録
  • よーいちろう
    2.0
    ほんまにおもんなかった。
  • Hina
    2.0
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  • 松井の天井直撃ホームラン
    3.0
    率直な意見を言うと、そこそこ楽しかったです。でも世間の酷評はやむを得ないでしょう。確かに何がやりたいのか訳が分からない部分が多いです。 何と言っても三谷幸喜が似た者夫婦とまで言われ、長年連れ添った小林聡美と離婚し、その後再婚。昨年初めて子供が出来たのが作品に反映されていると思います。 作品の舞台になるハンバーガーショップで巻き起こる群像劇ですが、内容を考えると。これは映画よりも舞台向きの内容といえますね。特に下ネタ関係に関しては、舞台ならば台詞の応酬で笑いになりそうですが、映画ではやはり難しい。 逆に小栗旬エピソードでのあのオチは映画向き。あそこだけは思わず笑ってしまいました。 とは言ってもやはり全体的に纏まりが無い。一つ一つのエピソードに対して だから何? と思ってしまう場面・オチが多く、最後は強引に大団円に仕向けた…って感じでした。 とりあえず、元ネタ これかな? ってのを挙げると。 大竹しのぶの叫び→花のぴゅんぴゅん丸のチビ丸は確定でしょう。ただ、その威力はチビ丸の足元にも及びません。大竹しのぶは舞台となるハンバーガーショップを停電させるだけでしたが、チビ丸には遥か彼方の山々を真っ二つに割るだけの力がありましたから(笑) 阿南健二の仕草→財津一郎か?(検証必要) 指と指→『ET』は確定(『バーバレラ』だとの指摘多数) 額と額→はっきりとは分からない。三谷幸喜の世代的に『コクーン』の可能性があるかも? 段田安則→アニメとの関係に関しては作品中に説明がありましたが、こちらの知識不足で不明。服装等を見ると『ディック・トレーシー』の要素が入っているのかな?とは感じましたが。(確信持てず) 道化師→ジャン・ルイ・バロー?(確信持てず) 小栗・阿南・秋元→勿論あのパロディー。(確信犯) 昆布→意味不明。(三谷幸喜の過去作品にはあるのだろうか?だとしたらかなりのマニアじゃないと分からない。) バーガーセットのやり取り→『ピンクパンサー』でのハンバーガーネタみたいなモノなのだろうか?(あるいは、これも元ネタとなる舞台作品があるのだろうか?) その他色々な小ネタがあったが直ぐに忘れてしまうモノが多い。 ハンバーガーの食べ方→映画の趣味(又は色々な好み) 優香→小林聡美。綾瀬はるか→現在の奥さんは間違いないでしょう。 全体的な構成として、フェリー二の『8 1/2』みたいなモノを意識していたのかも知れないのですが…。 (劇場鑑賞 日時/劇場名等はメモを調査中)
  • nana
    3.0
    意味わかんなすぎて面白かった。
  • あぜがみけん
    3.0
    評判が悪いという噂を聞いたため、ハードルを下げて観たら、意外と面白く観れた。
  • 1.0
    心が病む映画とコメディの2作を借りるのが最近の定番。今回のコメディ。特にふふりとなる所もなく、名言ぽく作られた名言も使い古された言葉ばかりで、心に響くものは特になかった。アイディアめちゃくちゃ詰め込んでどうよ?って言われてる感。三谷さんの作品ってもう少し、何かしら心をちょんちょんて突かれる様な作品を作っていた気がしていたから尚更残念。
  • ゆき
    3.5
    記録
  • sai
    2.5
    産むのは笑えた
  • 田村アオ
    3.0
    記録
  • なるみ
    3.4
    記録
  • みづき
    1.0
    三谷幸喜監督の作品が好きで、 でも映画館に行くお金がもったいなくて見に行くことができませんでした笑 この間レンタルショップで見かけたのでレンタル鑑賞 結果、映画館に見に行ってなくて良かったなあというかんじです、、 全く面白くありませんでした 他の作品が大好きなだけにがっかり あまり入り込めなかったの具体的なで感想も述べられない、、
  • ミー
    2.5
    mark
「ギャラクシー街道」
のレビュー(6131件)