第151回直木賞を受賞した作家・黒川博行による小説「勁草」(読み方:けいそう)を『関ヶ原』(17)など数々の話題作を手掛けてきた名匠・原田眞人監督が映画化した『BAD LANDS バッド・ランズ』の場面写真が公開された。
【場面写真】『BAD LANDS バッド・ランズ』(2023)
本作は、特殊詐欺を生業とするネリと弟・ジョー。思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまった2人に様々な巨悪が迫る、予測不可能なクライムサスペンスエンタテインメント。
主演は、映画『百円の恋』(14)と『万引き家族』(18)で二度目の日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラ。『ある男』(22)、『怪物』(23)など「家族」を描いたヒット作品に出演してきた彼女が本作で演じるのは「社会の最底辺の疑似家族」。血のつながらない弟であるジョー(山田涼介)と「ふれあい荘」で身を寄せ合う人々、それを束ねる祖父のような存在の曼荼羅(宇崎竜童)と、特殊な背景の家族像も力強い生命力と説得力をもって演じている。
大阪が舞台となる本作では、関西弁のセリフ回しが要だったが、東京出身ながらも『まんぷく』(18)で大阪生まれのヒロインを勤め上げた安藤は「方言だと自由に演じられる気がする」と楽しみながら、出身地や年齢・男女によって異なる関西弁を吟味し、ネリ独特の口調を作り上げた。共演の生瀬勝久や天童よしみなど関西弁話者を相手に生き生きと言葉の応酬を繰り広げ、物語に力強いリアリティを持たせている。
この度、安藤演じるネリの鬼気迫る場面写真が3点公開された。社会の最底辺で生きようとするネリの叫びをとらえた場面に、前田航基演じる残間にナイフを突きつける狂気をはらんだ場面、加えて困難な状況のなか生きる術を模索するかのような、思いを巡らせる場面。どん底からもがき生きようとする気迫のこもった「生命力」に溢れたワンシーンが、本編の熱量そのままに写し出された写真となっている。
安藤のキャスティングについて、本作の柳迫プロデューサーは「実写化するにあたって誰が動いたら一番かっこよく見えるか、この物語に最もフィットするか。そこでひらめいたのが安藤さんでした」と語っている。ネリをフィクショナルなヒロイン像ではなく、現実に寄り添ったリアルなキャラクターとして思い描いた際、真っ先に名前が挙がったのが安藤だったという。
先日行われた完成披露試写会の舞台挨拶では、山田涼介も「変に飾ることなく、ご自身のペースがあって、おおらかな空気が流れる”安藤さんワールド”がある」と語るように、安藤は撮影現場でキャストや監督、スタッフたちをその自由さで魅了していたという。本番前に独自の発声で喉をほぐす安藤を見た原田監督は、実際にその発声を劇中でのネリの言動として採用したり、ネリを襲ったヤクザの構成員を拷問するシーンでは、どう演じたらよいかわからないと戸惑う安藤の代わりにジョーがスピリタスを飲ませることに。ところが本番では、ネリがジョーの手をもってスピリタスをヤクザの口に押し込めるというアドリブで、見守る監督・スタッフ陣からも笑いがこぼれていたそう。そんな撮影中のエピソードからも安藤の大胆さや魅力あふれる様子がうかがえる。
『BAD LANDS バッド・ランズ』は、2023年9月29日(金) 全国ロードショー。
『BAD LANDS バッド・ランズ』あらすじ
「持たざる者」が「持つ者」から生きる糧を掠め取り生き延びてきたこの地で、特殊詐欺に加担するネリと弟・ジョー。二人はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。金を引き出す……。ただそれだけだったはずの2人に迫る様々な巨悪。果たして、ネリとジョーはこの「危険な地」から逃れられるのか。
監督・脚本・プロデュース:原田眞人
出演:安藤サクラ、山田涼介、生瀬勝久、吉原光夫、大場泰正、淵上泰史、縄田かのん、前田航基、鴨鈴女、山村憲之介、田原靖子、山田蟲男、伊藤公一、福重友、齋賀正和、杉林健生、永島知洋、サリngROCK、天童よしみ、江口のりこ、宇崎竜童
配給:東映、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式:https://bad-lands-movie.jp/
(C)2023「BAD LANDS」製作委員会
※2023年9⽉8⽇時点の情報です。