快進撃が止まらない注目女優・福原遥「私たちの世代で、新しいものを生み出したい」【インタビュー】

映画のインタビュー&取材漬けの日々是幸也

赤山恭子

透明感あふれる佇まいで、多くの作品に引っ張りだこの福原遥。子役時代からキャリアを積んでいるが、近年、特に活躍が目覚ましい。インタビューにて「自身の転機になった」と明かした初主演ドラマ『グッドモーニング・コール』や、先日好評のうちに終了した『3年A組-今から皆さんは、人質です-』、GWに公開を迎える『賭ケグルイ』など、快進撃は止まらない。なかでも、青春恋愛映画『4月の君、スピカ。』の主人公・早乙女星役は、福原が持つ鈴のような声、ピュアな眼差しを全開にした当たり役といえる。

4月の君、スピカ。

佐藤大樹とW主演を務めた『4月の君、スピカ。』は、杉山美和子による人気少女漫画の実写映画化。東京から長野の高校へ転校した早乙女星(福原)は、口は悪く強引だが学年トップの秀才・宇田川泰陽(佐藤)と、天文好きで無口なイケメン・大高深月(鈴木仁)に出会う。誘われるがまま天文部に入った星は、瞬く間に深月に恋に落ちるが、泰陽に好かれてしまい……三角関係は思いがけない方向に発展する。

二人の間で揺れ動く、繊細な恋心を表現した福原に、本作に懸けた思いに加えて、共演することの多い同世代の役者たちへとの関わり、自分が成長したと思う作品など、切々と語ってもらった。

4月の君、スピカ。

――完成した作品をご覧になった後、皆さんと感想を言い合ったりしましたか?

福原 実は私だけみんなと一緒に観られず、マスコミ試写でメディアの方たちと一緒に観たので、みんなの感想はまだ聞いていないんですけど、プロデューサーさんや監督がずっと言っていた「ラブコメじゃなくて、ラブストーリーにしたい」という意識の通り、本当にストレートなラブストーリーになっていたな、と思えてうれしかったです。あと、撮影のときは星のシーンがどうなるかわかっていなかったのですが、すごくキレイにスクリーンに映っていたので「こんなにキレイになっていたんだ……!」と感動しました。

4月の君、スピカ。

――それは、うれしい発見でしたね。

福原 はい! 劇中、三人で覗いていた天体望遠鏡も、実は星は全然映っていなくて、真っ暗な中やっていたので、スクリーンに映された美しい星に興奮しました。

――撮影中、肉眼では、あまりご覧になれなかったんですか?

福原 もちろん撮影中も少しは見られたりしたのですが、夜の撮影では、ずっと照明をたいていたのでみんなで見ることができなかったんです。だから、撮影が終わった後、プライベートで撮影地の長野に行ってきました! 真っ暗な中で星を見て、「こんなにキレイに見られるんだ!」と感動しました。地球が丸いのを実感できるほど星が連なっていて、本当に映画のシーンのようでした。

4月の君、スピカ。

――本作にて、福原さんの演じた早乙女星は、ともすれば女の敵と見えるような役です。絶妙に、そうならないように演じられていたので、どこに気をつけていたのか気になりました。

福原 本当に、ものすごく難しかったです……!! (原作の)星ちゃんは全然ぶりっ子じゃないと思っていたのですが、私が演じたことでお客さんに変に伝わってしまって、星ちゃんが悪く見えるのだけは嫌だったので、注意して演じるようにしていました。泰陽と深月に対する接し方の違いも、暗めの女の子だけど星のことになるとテンションが上がるところも、誤解のないように演じなくてはと思い、すごく考えました。……でも、「どう受け取られるかな……」と今だに少しドキドキしています。主人公は、観ている方々が一番追いかけていく人だと思うので、追いかけられるような存在になれているかな……という不安はあります。

4月の君、スピカ。

――大谷監督から、何かアドバイスをもらったりもしましたか?

福原 監督からは「ナチュラルに、そのままでやってほしい。現場で感じたことをそのまま出して」と言っていただいたので、そんなに気負うことなく、役作りを徹底してやるというよりも、自然に……という感じでした。

――役作りに関しては、作品によってスタンスを変えているんですか?

福原 変えています。いつも監督やプロデューサーさんと話して決めています。今回の顔合わせのときにも、「原作に忠実に再現したほうがいいですか?」など、いろいろな話をしました。ほかの作品だと、例えば『グッドモーニング・コール』は「忠実にやりたい」ということだったので、何回も原作を読み返しました。初めての主演ということもあったので、(演じた)菜緒ちゃんのことについてを台本の裏にバーーッと書き込んだり、ノートを作ったりもしていました。

4月の君、スピカ。

――すごく気になるんですけど、先日『賭ケグルイ』を拝見しまして……。

福原 ああ(笑)!

――福原さんの演じた歩火樹絵里、最高でした。歩火樹はどういう風に役作りをされたんですか?

福原 うれしいです、ありがとうございます(笑)! 『賭ケグルイ』は元々、アニメ版を視聴者として観ていたということもあり、世界観や空気感が自分にすでに染みついていたので、すんなり入ることができました。歩火樹絵里は映画のオリジナルキャラクターで、英(勉)監督にも「何でもやっていいよ~!」と言っていただいたので、自分で「こういう子」とか「ここは、こうしたい」と、いろいろと決めていきました。現場で面白いと、英監督は笑ってくれるんです! みんなも、笑ってもらうのを目標にというか、自分で持っていったものをそれぞれが披露する現場でした。……だから、『4月の君、スピカ。』の役作りとはまた違って、とても面白かったです。

4月の君、スピカ。

――ありがとうございます。『4月の君、スピカ。』でご一緒された佐藤さん、鈴木さんとの感想も、ぜひ教えてください。

福原 大樹くんは本当に泰陽そのままでした。いつも元気で、みんなを明るく照らしてくれる“太陽”のような存在で、みんなを引っ張ってくださいました。私もたくさん支えていただき感謝しています。年が上なのでお兄ちゃんぽいところもあったりしつつ、一緒にふざけてもくれる方なので、本当に楽しかったです。お芝居も嘘のない真っすぐな演技で、ストレートに想いを伝えてくださったので、素直に受け取ることができました。

4月の君、スピカ。

仁くんの役は、ミステリアスで、無口で……第一印象は仁くん自身も「深月くんみたいな感じかな?」と思ったのですが、話していたら違う部分がたくさん出てきました。すごく優しいし話しやすくて、休憩中も一緒にゲームをやったりしました。無邪気でかわいらしい部分もあるので、チームのみんなが仁くんに癒されていました。『3年A組-今から皆さんは、人質です-』でも一緒だったので、ドラマの現場も安心して入れました。

4月の君、スピカ。

――鈴木さんのように、別作品で再会する役者さんも多いかと思うんですが、同世代の多い現場は福原さんにとって、どんな刺激になるんでしょうか?

福原 楽しいです。大先輩とご一緒するときと、また全然違った楽しみ方があるというか。「みんなで頑張ろうね」という熱い思いを共有し合いながら、お互い高め合っていく感じがあります。それこそ『3A』なんて、みんなで刺激し合って、「いいものを生み出そう」という思いでやっていました。『3A』のHuluで配信されている話の中に、先生(菅田将暉演じる)からの言葉で、「君らの時代は自分たちで作っていくんだ」というのがあるのですが、クラスメイトみんなで「本当にその通りだね」という話をしました。私たちも新しいものを生み出して、次の世代にバトンを渡していけるような役者になりたいな、とすごく思いました。

――皆さんで結構熱いお話をされるんですね。

福原 しますね! 菅田さんもクランクアップのときに「みんな真面目で、真っすぐで、でも自分に自信のない子がいっぱいいる。もっと自由にやりなよ!」という話をしてくださって。「俺も先輩に何でもできるんだぞ、というところをたくさん見せてもらったから、みんなに伝えていきたい」と言ってくださって、すごい感動して……。だからすごく尊敬しています。

4月の君、スピカ。

――福原さん自身、女優として「やっていこう」と転機になったような時期や作品はあるんですか?

福原 小さい頃は習い事感覚でお仕事をしていたところがあって、将来女優になると思ってやっていなかったんです。中学生のときに『おひさま』(NHK連続ドラマ小説)を観て、明確に「女優になりたい」と決意しました。

――毎回、作品、組が違うので感じづらいかもしれないですが、それでもご自身が「変わった」「成長した」と思えるような瞬間はありましたか?

福原 『グッドモーニング・コール』が初めての主演で、3カ月間ほとんど休みもなく撮影をしていたんです。初めてのことだらけで、自分の中で本当に「あ、変わったな……」というか、すごくいい経験をさせていただいたな、と感じました。お芝居の楽しさを知って、「もっとやりたい」と思うようになったきっかけだったかもしれません。

4月の君、スピカ。

福原 こう思い返すと、役者としての意識を変えてもらえた作品が多いほうかもしれないのですが、『3A』もそうでした。役者として刺激をたくさんもらって、「もっと頑張ろう」と思った作品でもありましたし、人として改めて学ぶことがたくさんあって。作品のメッセージをきちんと受け取ったことが、自分の人生を見直すきっかけにもなりました。自分をリセットして「もう1回頑張ろう」と思えたので、すごく大きかったです。(取材・文=赤山恭子、撮影=林孝典)

映画『4月の君、スピカ。』は、2019年4月5日(金)より全国ロードショー。

4月の君、スピカ。

監督:大谷健太郎
配給:イオンエンターテイメント
公式サイト:https://kimispi-movie.com/
(C)2019 杉山美和子・小学館/「4 月の君、スピカ。」製作委員会

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS
  • satoyan
    3.9
    鑑賞メモ
  • ゆーほ
    4.3
    記録
  • Yuu
    2.2
    2019.4.21 鑑賞記録
  • しょうや
    3.8
    久々に自分好みの恋愛映画に出会えた。 福原遥ちゃん初ヒロインがとても新鮮でセーラー服似合いすぎて最高。大樹くんは安定の元気っ子、仁くんはただただカッコいい。井桁弘恵ちゃんはこれからきそう。星座のお話を交えた恋バナとか素敵すぎるんだけど!スピカが尊い。
  • hana
    3.0
    記録
「4月の君、スピカ。」
のレビュー(99件)