「自分なりの愛」を見つけるための3つの映画【恋するあなたへの処方箋 後編】

映画と音楽は人生の主成分

みやしゅん

前編の「恋するあなたへ贈る5つの映画」では恋と愛について考えるきっかけとなる作品たちを紹介してきました。そして、互いのことを考え、受け入れ、無償の愛を与え続けることが大事だという1つの考えを紹介しました。

そう考えると愛は、男女や恋人という枠を超え、友人や家族といったかけがえのない人々へ向けられるものでもあることに気づきます。

この後編では「愛」をテーマに、最新作『パパが遺した物語』を含めた3作品を通して、自分なりの「愛」を見つけるヒントとなる映画をご紹介します。あわせて、愛にまつわる格言をご紹介します。

パパが遺した物語(2015)

まずご紹介するのが、前編で紹介した『ジュリエットからの手紙』で主演をつとめたアマンダ・セイフライドと、ラッセル・クロウが贈るこの秋一番の感動作です。

パパ2

ストーリー

小説家のジェイクは、自身が起こした交通事故が原因で最愛の妻を失うだけでなく、溺愛していた娘ケイティと引き離されてしまう。退院したジェイクはケイティに、これからは「ずっと一緒」と約束するものの、病状は悪化していくばかり…そうした中で、ジェイクは最後の作品として自身とケイティについての物語を書き始める。

25年後、大学院で心理学を学ぶケイティは、悲しい経験から人を愛することができなくなっていた。そんな時、父が自分と娘のことを綴った遺作を敬愛する作家志望のキャメロンと出会い、恋におちる。ケイティは過去と向き合い、新しい人生に踏み出そうとするのだが…。

自分を愛せる人間が他人をも愛せる。

この『パパが遺した物語』では、人を愛せないケイティの葛藤が描かれています。公開中ということもあり、あまり多くのことは書けませんが、ここで鍵を握るのがカーペンターズの名曲「Close to You」です。劇中では、父のジェイクと娘のケイティを強く結びつける曲として登場します。

大きくなったケイティは自身を愛せないが故に、出逢った男性と一度きりの関係を持ってしまう自己破滅的な一面を持ってしまいます。しかし、ある時、訪れたバーで亡き父との思い出の曲を耳にし涙します…亡き父の愛を感じた瞬間でした。この時、ケイティはもしかすると自分自身を愛せなければ、他人を愛することも出来ないことを悟ったのかもしれません。

チョコレートドーナツ(2014)

この作品は、前編で紹介した『アデル、ブルーは熱い色』と同じく同性愛をテーマに「愛する」ことについて深く考えさせられる作品です。公式のホームページにはこう書かれています。

2011年、トラヴィス・ファイン監督はこのシナリオを読み、崩れ落ちて涙を流したという。トラヴィス自身はゲイではない。だが、愛するわが子を奪われる苦しみに普遍性を感じたという。出会うこと、求めること、守ること、愛すること…ゲイもダウン症も関係なく、魂のレベルで求め合う愛はすべての人の心に届く。

チョコレート2

ストーリー

カリフォルニアで、シンガーを夢見るショーダンサーのルディと、ゲイであることを隠し続けてきた弁護士ポールは恋に落ちる。そんなある日、2人は母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年マルコに出逢い、家族になることを決意する。

しかし、彼らを待ち受けていたのは厳しい現実だった…皆、平等に愛する権利はあるはずなのに、どうして…。これは、1970年代のアメリカの実話に基づき生まれた、魂を揺さぶる感動作。

自分自身以上に愛するものがあるとき、人は本当に傷つくのだ。

ルディとポールの愛は、1970年代のアメリカにおいて認められるものではありませんでした。彼らの「マルコを守りたい」という純粋な想いは、必要以上の偏見や差別によってボロボロにされてしまうのです。

しかし、マルコと3人で過ごす喜びがあったからこそ、傷ついてでも世間や社会と闘う決心ができたのです。

誰かを愛するということは、喜びだけでなく悲しみをも共にすることを意味します。そうした悲しみを共有することは、愛する人と共に過ごす幸せな時間があるからこそ出来ることなのではないでしょうか?

アバウト・タイム 愛おしい時間について(2014)

この作品は『ノッティングヒルの恋人』や『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス監督の最後の作品ということもあり、シンプルですがとても強い想いが込められています。

そのメッセージに心動かされた人は多く、2014年秋に公開されると同時に、Filmarksをはじめとする口コミサイトで瞬く間に評判が広がり、半年以上のロングランとなりました。

アバウト2

ストーリー

主人公ティムは21歳の誕生日に父から「一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力がある」と知らされる。ティムの願いはただ1つ…恋人を見つけることだった。そして、ロンドンへ移り住んだティムは、メアリーと出会い恋に落ちる。

タイムトラベルを続けることで思い描いた人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がつく。それは、誰にでも起こりうる不幸や波風は、どんな能力を使っても避けられないということ。そして、ティムに人生最大の選択をする時がやってくる…。

愛情には一つの法則しかない。それは愛する人を幸福にすることだ。

愛とは何気ない日常に溢れているものです。父がティムに教えてくれた幸せになるための秘密…それは恋人に限らず、友人、家族といったかけがえのない人たちの大切にし、一日一日を愛することでした。

この映画を観て何気ない日常を愛することが出来れば、きっとあなたの一日一日が愛に溢れた輝かしい日々に変わるのではないでしょうか?

Think about LOVE

前編・後編を通して、様々な映画を紹介してきました。もしかすると、愛について何かしらの答えを導き出そうとすることは、ナンセンスなのかもしれません。しかし、そのことを考えることで、何気ない日常が少しでも変わるとしたら…何だか素敵だと思いませんか?

映画は時折、観た人の人生を変えることがあります。ふと観た映画があなたの運命を変える、そんな日がくるかもしれません…。そんな“愛すべき映画”に皆さんが出逢えることを願っています。

 

記事内で紹介した作品に関してはこちらの記事でも見どころを紹介しています!合わせて読んでみてください。

【この秋一番の感動作】過酷な状況だろうが守りたい!『パパが遺した物語』が泣ける

1日1日を大切に生きよう!と思わせる映画「アバウト・タイム」の魅力

 

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  • ひかり
    3.5
    ラッセルクロウはこーいう病を抱えてる役をすごくリアルに演じるせいで辛さがすごい… 娘が大事で大事で大切で命より大切で 大切だからこそ守るための葛藤が生じる 自分の病気は自分の意に反して発作を起こす 発作を起こせば起こすほど娘が自分から離れていってしまのではないか 辛い現実、、、 娘への愛で溢れてしかいない父親 すごーーーく優しい気持ちになれました 娘については、小さい頃に捧げられた大きな愛情が逆に彼女を大人になってから苦しめてしまう あんなにたくさんの愛をもらったのに、それでも自分の周りからその大切な人たちがいなくなってしまう その恐怖と立ち向かう、アマンダ演じるケイティの強さが心にグッときました…!!!
  • 大空
    -
    一緒に歌うシーン最高だった
  • 3.9
    娘・ケイティを守る為に必死に生き抜く父・ジェイクの切なさ、やるせなさ。 ケイティと過ごすひと時は絵に描いた様な幸せと愛とに満ち溢れているが、それ以外の場面では常に孤独でストレスフル。 その落差が余りにも大き過ぎて深過ぎて。 病気を抱えつつ、ギリギリのところで生きる父だが、娘の前では気丈に振る舞う姿を見ると、親の強さを思い知らされる。 「娘の為」がいつしか「お金の為」にすり替わり、娘をぞんざいに扱ってしまう場面には本末転倒の哀しさを覚えるが。 父の愛情を一身に受けたケイティだが、父も母も幼くして失くした為、心の穴を埋められず、自信が無く、幼いまま大人になっている点がまた切ない。 愛する・愛される・幸せになることへの怯えから、自ら不幸を選び取ってしまうのだ。 父を尊敬し、どこか父と似た彼を好きになるところは微笑ましいけれど。 人それぞれ、複雑で無慈悲な事情を抱えながら、それでも懸命に生きている。 もっと単純に生きられれば、ただただ笑って暮らせれば、それだけで良いのに、現実はかくも過酷で息苦しい。 ただただ、皆が幸せになって欲しい。 きっと、人は信じられるから。
  • moe
    3.8
    家族愛がテーマの映画で、父親の娘への愛が痛いほど伝わってきた。演技についてはあまり分からないけど、ラッセル・クロウの演技は本当にすごく良かったのでは?主題歌の、Michael Boltonが歌うFathers and Daughters も凄くいい歌で映画とマッチしてる!
  • N
    3.6
    記録
「パパが遺した物語」
のレビュー(9896件)