名曲で振り返る!平成にヒットした海外映画とその主題歌・劇中歌15選

映画は気持ちよく生きるためのヒント

hikari

最近の『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットとQUEENの再ブームのように、映画と音楽のヒットには密接な関係がある。ついに新元号「令和」の時代が訪れたが、ここでいま一度平成に公開されてヒットした海外映画とその主題歌・劇中歌を振り返ってみたい。

「Hail Holy Queen」/『天使にラブ・ソングを…』(1992)

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愛人のマフィアが殺人を犯す現場を目撃したせいで追われる身となったクラブ歌手のデロリス(ウーピー・ゴールドバーグ)。警察が彼女を匿うために連れて行った場所が、なんと彼女にとって鬼門である修道院。そこでニセのシスターに変装し、決して上手いとは言えない聖歌隊を鍛えることになる……。

聖歌隊のパフォーマンスを通じて、旧態依然とした修道院や社会へ変化をもたらすストーリー。

そこでメインとなった歌が「Hail Holy Queen」。聖歌をアレンジしたゴスペルソングで、ストーリーのキーにもなっている。前半の静的パートと後半の躍動的なパートでガラッと雰囲気が変わるのも魅力。

ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」/『ボディガード』(1992)

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人気歌手・レイチェル(ホイットニー・ヒューストン)宛に脅迫文が届くなど、彼女の身の回りで不審な出来事が続いていたため、ボディガードとしてシークレット・サービス出身のフランク(ケビン・コスナー)が雇われる。次第に互いに惹かれ合う中、レイチェルの命までも脅かす事件が増えていき……。

恋愛要素もたっぷりのサスペンス作品。

『ボディガード』と言えば、ホイットニー・ヒューストンが歌う主題歌「I Will Always Love You」だろう。そもそもこの楽曲は74年に発表されたドリー・パートンによるカントリーミュージックのカバー。ホイットニーはこの曲で全米1位、グラミー賞2部門受賞した。

ピーボ・ブライソン、レジーナ・ベル「A Whole New World」/『アラジン』(1992)

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2019年6月に実写版が日本で公開予定の『アラジン』は、1992年にディズニーのアニメ映画として公開。

アラジンと相棒の猿・アブーは、貧しい生活を送っていた。そこへ城を抜け出し街に来ていたジャスミン王女と出会い、アラジンは一目惚れ。ひょんなことから魔法のランプを手に入れたアラジンは、ご主人様の願いを叶えるランプの精・ジーニーの力を借りて、王女へアプローチしようとするが……。

アラジンとジャスミン王女、希望に満ちた2人のテーマソング的な要素もあるのが主題歌「A Whole New World」。1993年に全米1位を記録、第65回アカデミー賞で歌曲賞を受賞した。

フェイ・ウォン「夢中人」/『恋する惑星』(1994)

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失恋の傷が癒えない警官223号(金城武)が謎の金髪の女(ブリジット・リン)に恋していくストーリーと、彼が行きつけだった飲食店で働き始めたフェイ(フェイ・ウォン)が、客である失恋したばかりの警官663号(トニー・レオン)に片想いするストーリー。2つの物語を描いていくウォン・カーウァイ監督作。

特に本作の中でスマッシュヒットを記録した楽曲がフェイ・ウォンが歌う「夢中人」。アイルランドのロックバンド、クランベリーズの「Dreams」をカバーしたもので、監督によるスタイリッシュな映像や劇中でフェイ・ウォンが演じるキュートな役柄ともマッチしていたことがヒットを後押しした。

スティング「Shape of My Heart」/『レオン』(1994)

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殺し屋レオン(ジャン・レノ)は、麻薬取締局の刑事に家族を皆殺しにされて復讐心を燃やす隣人の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)からの依頼で殺し屋の手ほどきをすることになるが……。

名匠リュック・ベッソン監督によるアクション映画。

映画のラストで流れるのが、ギターをベースにしたスティングの「Shape of My Heart」。一連の出来事による悲しみを抱えながら、前を向いて歩いていく登場人物の感情を代弁するかのような情感あふれるサウンドで、本作の締めくくりを彩る。

アンダーワールド「Born Slippy(Nuxx)」/『トレインスポッティング』(1996)

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ヘロイン中毒のレントン(ユアン・マクレガー)と彼らの仲間たちがドラッグや盗み、暴行などの罪を犯していく、スコットランドの自堕落な若者の日常を描いた作品。

イギリスの文学賞に選ばれたアーヴィン・ウェルシュの原作をダニー・ボイル監督が映画化。

挿入歌として使われた「Born Slippy(Nuxx)」がきっかけで一躍メジャーになったアンダーワールド。主人公が自分を変えるきっかけとしてある行動をとる、緊張感と未来への期待をはらんだクライマックスに、このテクノサウンドがマッチする。

セリーヌ・ディオン「My Heart Will Go On」/『タイタニック』(1997)

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1912年に実際に起きたタイタニック号の沈没事件をモチーフに、上流階級の娘ローズ(ケイト・ウィンスレット)と偶然船に乗船していた貧乏な青年ジャック(レオナルド・ディカプリオ)が出会い、恋に落ちる物語。監督はジェームズ・キャメロン。

主題歌がセリーヌ・ディオン「My Heart Will Go On」。このバラードを聴くだけでローズとジャックの悲しい恋を思い出す人も多いのではないだろうか。

全米1位はもちろん、第70回アカデミー賞では歌曲賞を受賞するほか、グラミー賞など数々の賞を獲得している。

エアロスミス「I Don't Want to Miss a Thing」/『アルマゲドン』(1998)

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人類が滅亡するほどの小惑星が地球へ衝突する可能性があることが判明。NASAではその危機を回避するため、小惑星に穴を掘り、核爆弾で爆発させる作戦をとることに。そのため掘削のスペシャリストとして超一流の石油採掘の腕を持つハリー(ブルース・ウィリス)を招集するが……。マイケル・ベイ監督によるパニック映画。

テーマ曲がエアロスミスの「I Don't Want to Miss a Thing」。ミッションが終わったあとの高揚感をさらに盛り上げるような曲調が見事にマッチしており、他作同様に日本国内でも大ヒットにつながったのだろう。エアロスミスはこの曲で初めて全米第1位を獲得した。

シェリル・クロウ「Everyday Is a Winding Road」/『エリン・ブロコビッチ』(2000)

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工場の汚染水により周辺住民の健康被害があったことを問題視し、その企業から多額の和解金を勝ち取った実在の女性エリン・ブロコビッチをモデルにしたジュリア・ロバーツ主演の映画。本作で彼女は第73回アカデミー賞主演女優賞はじめ、数々の賞を受賞。

そして、この映画の挿入歌がシェリル・クロウの「Everyday Is a Winding Road」。困難にめげずに戦っていくエリンの強さを印象づけるくれる楽曲。日本でも車のCMソングとして採用された。

ビョーク「I've seen it all」/『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)

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チェコからアメリカへ移住してきたセルマ(ビョーク)は、貧乏ではあるものの懸命に働き、ミュージカルを愛する女性。しかし、いつか失明する病気を抱え、息子も同じ病を持っているため、その手術代として工場で働いて稼いだお金を少しずつ貯金していた。しかし、セルマの視力は日に日に低下し、貯金していたお金も盗まれてしまい……。

第53回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール(最高賞)を獲得した作品。

セルマの妄想として登場するミュージカルシーンは圧巻の一言。音楽もビョーク自身が担当。特に主題歌でもある「I've seen it all」が流れるミュージカルシーンは、セルマの失明への達観や諦めを表す一方、妄想の世界では楽しくいられることを象徴するような明るいサウンドが印象的。レディオ・ヘッドのトム・ヨークが参加している。第73回アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた。

エミネム「Lose Yourself」/『8 Mile』(2002)

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デトロイトの貧困層と富裕層をわける8マイル・ロードの貧困層側で育った白人のラビット(エミネム)が、黒人だらけのラップ界でのバトルに勝ち抜くまでの葛藤を描く。エミネム自身の自伝的要素もある作品。

エミネム自身が歌う主題歌「Lose Yourself」は第75回アカデミー賞歌曲賞を獲得。映画の世界観にも合ったエミネムの熱く、力強いラップとサウンドが繰り広げられる。

KTタンストール「Suddenly I See」/『プラダを着た悪魔』(2006)

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アンドレア(アン・ハサウェイ)は、ジャーナリストを目指し、ニューヨークへやってきたがファッション雑誌「ランウェイ」の編集部へ勤めることになってしまう。多くの女性が憧れる雑誌だが、ファッションに興味がないアンドレア。しかも鬼編集長のミランダ(メリル・ストリープ)の横暴な態度に面食らってしまう。しかし、自分の将来のために彼女の要求に完璧に応えるようになるが……。

理想と現実のギャップに戸惑っていた女性が華麗にステップアップしていく過程を描いた、人気のお仕事ムービー。

この劇中歌としてオープニングに流れるのがKTタンストールの「Suddenly I See」。アンドレアのようにめげずに前を向き、明日仕事を頑張る元気をくれるような軽快なサウンドが気持ちいい。

ビヨンセ「Listen」/『ドリームガールズ』(2006)

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ダイアナ・ロスを含むボーカルグループ、ザ・スプリームスをモデルにした女性グループがスターになるまでを描いたブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品。

当初エフィ(ジェニファー・ハドソン)がメインボーカルだった女性ボーカルグループのザ・ドリームズ。しかしマネージャーとなったカーティス(ジェイミー・フォックス)は、彼女たちを単独デビューさせる際には、ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)をメインボーカルにするよう話を進めてしまい……。

おかげで、ザ・ドリームズは成功するが、数年後大スターとなりカーティスの妻となったディーナが、夫の考えとすれ違うようになる。それに反論する彼女の本音が歌われたのが主題歌でもある「Listen」。

控えめなキャラクターだったディーナが唯一、意志を出す重要な曲でもあり、それを歌うビヨンセの力強い歌声も魅力な楽曲だ。

「Let It Go」/『アナと雪の女王』(2013)

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ものを凍らせることができる魔法が使えることをずっとひた隠しにしてきたアレンデール王国の王女・エルサ。魔力が強くなってきたせいで、妹・アナとともに城へ閉じこもるように。しかし、両親を突然亡くしてしまい、エルサが女王に即位。その戴冠式を行うため城が開かれる。

久々の外界でうれしくなったアナは、出会ったばかりの隣国の王子ハンスとすぐに結婚の約束をしてしまう。それに反対して思わず人前で魔法を使ったエルサは、王国から逃げ出し自分だけの氷の城を作ってこもるようになってしまい……。大ヒットを記録したディズニーアニメ。

この映画といえば、言わずと知れた「Let It Go」。雪の女王となったエルサが、それまで魔力を隠してたことから解き放たれたときの心境を歌った楽曲。40以上の言語で歌われるほど世界中で愛され、第86回アカデミー賞歌曲賞を受賞した。

「Another Day of Sun」/『ラ・ラ・ランド』(2016)

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女優の卵のミア(エマ・ストーン)とジャズを愛する人のための店を作りたいジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)。この2人の男女が恋に落ちていく様をミュージカルを織り交ぜながら描いていくデイミアン・チャゼル監督によるラブストーリー。

そのオープニングを飾り、渋滞する道路でさまざまな人々が踊るミュージカルシーンで歌われた楽曲が「Another Day of Sun」。

ミアとセブ、2人のテーマにもなっている「夢」について前向きになるような歌詞、サウンドが印象的。物語の序章にふさわしい楽曲になっている。

気持ちを盛り上げる楽曲がヒットの鍵

今回ピックアップした平成にヒットした海外映画の音楽をみてみると、作品自体がヒットしたことで楽曲もヒットしたものもあるが、映画を観て感じた気持ちをさらに盛り上げる力をもつ楽曲が多い。

またすぐに覚えてしまうほど耳馴染みのいいメロディも印象的だ。

平成に公開された海外映画の楽曲におけるヒットの鍵は、こうした要素を持つ曲が握っていたのかもしれない。今回紹介した洋画・洋楽とともに平成の時代を再び味わってみてほしい。

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