『パリ、テキサス』(1984)、 『ベルリン・天使の詩』(1987)などを手掛けたドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督が、長年リスペクトしてやまないという役所広司を主演に迎えた映画『PERFECT DAYS』の日本版本予告映像が公開された。
【本予告】『PERFECT DAYS』(2023)
ヴィム・ヴェンダース監督が、日本の公共トイレのなかに small sanctuaries of peace and dignity(平穏と高貴さをあわせもった、ささやかで神聖な場所)を見出したことから生まれた本作。渋谷の公共トイレ清掃員・平山という男の日々の小さな揺らぎを丁寧に紡ぎ、フィクションの存在をドキュメントのように追う。
監督は、80年代、90年代のミニシアターブームを牽引し、『Pina ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011)、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)など多くのドキュメンタリーも手がけてきたヴィム・ヴェンダース。主演を務めるのは、日本を代表する俳優・役所広司。第78回アカデミー賞で6部門にノミネートされた『SAYURI』(2005)や、『うなぎ』(1997)、『EUREKA ユリイカ』(2000)、『すばらしき世界』(2021)などで世界的に高い評価を受けている。
ヴェンダースの最⾼傑作と呼び声も⾼い本作は、第76回カンヌ国際映画祭にて最優秀男優賞を受賞、さらに第50回テルライド映画祭、第48回トロント国際映画祭、第71回サンセバスチャン映画祭、第43回台北金馬映画祭と名だたる映画祭に招待されるなど、世界中の映画祭を席巻し続け、先日米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表選出が決定した。
そしてこの度、日本版本予告が公開された。映像は、竹箒で地面を掃く聞き馴染みの良い音が聞こえてくる中、いつもの朝を迎えたことを悟った主人公・平山の日常から始まる。布団を畳み、ドアを開けて空を見上げ、アパートの前にある自販機で缶コーヒーを買う。「この世界は、ほんとはたくさんの世界がある。つながっているようにみえても、つながっていない世界がある」というセリフを背に、平山は風変わりなトイレを清掃してまわる。全編に流れているルー・リードの「PERFECT DAY」が盛り上がりを見せるとき、平山は一日を終え、薄い布団に寝そべり、小さな明かりで文庫本を読み耽る。キャッチコピーの「こんなふうに生きていけたなら」とともに、歌詞にもある「Oh, it’s such a perfect day」をまさに体現する予告編に仕上がっている。
また、「詩情漂う傑作」(tagesschau)や「ヴィム・ヴェンダース監督の美しい禅の精神が再び現れた」(PREMIERE)、「ほとんどの時間を無言の演技で支配している 魅惑的で優雅な役所広司の演技」(DEADLINE)というように、世界中の海外メディアによるレビューが浮かび上がり、本作が世界中で受け入れられていることを裏付けている。
『PERFECT DAYS』は、2023年12⽉22⽇(⾦)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。
『PERFECT DAYS』あらすじ
東京・渋⾕でトイレ清掃員として働く平⼭(役所広司)は、静かに淡々とした⽇々を⽣きていた。同じ時間に⽬覚め、同じように⽀度をし、同じように働いた。その毎⽇は同じことの繰り返しに⾒えるかもしれないが、同じ⽇は1⽇としてなく、男は毎⽇を新しい⽇として⽣きていた。その⽣き⽅は美しくすらあった。男は⽊々を愛していた。⽊々がつくる⽊漏れ⽇に⽬を細めた。そんな男の⽇々に思いがけない出来事がおきる。それが男の過去を⼩さく揺らした。
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース、⾼崎卓⾺
出演:役所広司、柄本時⽣、中野有紗、アオイヤマダ、⿇⽣祐未、⽯川さゆり、⽥中泯、三浦友和
配給:ビターズ・エンド
公式:perfectdays-movie.jp
(C)2023 MASTER MIND Ltd.
※2023年11⽉3⽇時点の情報です。