不思議なほど前向きな勇気が湧いてきます
漫画家 コラムニスト 辛酸 なめ子さん
しんさん・なめこ/1974年生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部卒業。漫画家、コラムニストとして新聞、テレビ、ラジオなど幅広いメディアで活躍中。著書に『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』『大人のコミュニケーション術』『おしゃ修行』『魂活道場』など多数。
非日常の世界へ一気に
連れて行ってくれる
想像をはるかに超えた素晴らしい映像! 冒頭からトリップ感があり、たちまち非日常の世界へ連れ出してもらった気分です。上映中はずっと、私自身が魔法のじゅうたんに乗って旅をしているようなワクワク感がありました。
特にランプの魔人ジーニーがランプから初めて登場するところは、これまでのディズニー映画でも観たことのない演出で驚きました。何といっても圧巻だったのがアリ王子の大パレード。ジーニー役のウィル・スミスの歌に合わせて華やかな衣装の人たちが歌って踊るシーンは実に壮大で大興奮!インド映画のスタイルも盛り込まれ異国情緒満載。特に私は大きな象の登場に「萌え」ました。
美しくて自立心があって
身体能力の高い現代的王女
甘いラブロマンスだけでなく、ジャスミンが、より強い意志を持った王女であることも印象的。国民の幸せのため、自ら王位を継承したいと考える自立した女性です。私は身体能力の高さも彼女の魅力の一つだと感じました。アラジンと街の中を駆け回るシーンでは猛スピードで走るアラジンにちゃんとついていきますし、高い所も勇気を出してジャンプします。でも考えたら、昨今の海外の王女たちには運動神経が良くてスポーツ万能な人が多いんです。それも含め、今という時代に寄り添う形でジャスミンを描いているところが素敵だなと思いました。
願いごとはポジティブに!
ジャファーが反面教師
アラジン、ジャスミン、ジーニーは人と出会い自分が変わっていくことで、それぞれの願いをかなえていきます。ただ、願いごとは自分のことばかりではなく、人を助けるなどポジティブなことに限るんだと、そう反面教師として教えてくれるのが邪悪な大臣ジャファーです。彼は王座を手に入れたい一心で「苦しめ」「世界の果てへ飛んで行かせろ」などと他人に苦痛を与えるネガティブな言葉を連発します。それで一度は願いはかなうものの……。ジャファーのように悪い願望を抱くとそれがそのまま自分にはね返ってくるんだなと怖くなりました。
また、アラジンは一瞬自分を見失い権力を得ようとしますが、すぐに本来の自分を取り戻します。その時の彼のどこかホッとした表情を見て、まさに自由とはこれだなと。素の自分でいられることが本当の自由なんですね。
このように様々な気づきを与えてくれる実写版『アラジン』は、大人こそが楽しめる真のエンターテインメント。私は最近、冒険心が足りなかった自分に気づき、ジャスミンのように新しいことに挑戦しようと思いました。ジーニーの明るさや、アラジンの相棒・猿のアブーの頑張りなど、映画全体にポジティブな空気感が漂っていて、観ているだけで自分自身の願いもかなえられそうな気がしてきます。魔法にかかったように勇気が湧いてくるから不思議です。(談)
◆映画『アラジン』imformation
■STORY■ ダイヤモンドの心を持ちながら、本当の自分の居場所を探す貧しい青年アラジンと自由に憧れる王女ジャスミン、そして“三つの願い”をかなえることができるランプの魔人ジーニー。果たして3人はこの運命の出会いによって、それぞれの本当の願いをかなえることができるのだろうか――?
美女と野獣のディズニーが「アラジン」を実写化
監督:ガイ・リッチー
出演:ウィル・スミス、メナ・マスード、ナオミ・スコットほか
音楽:アラン・メンケン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト:Disney.jp/Aladdin
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