時を超えて怖い作品がズラリ。どっちが怖い?リメイクされた名作ホラー映画24本

映画マニアと呼ばないで

夏りょうこ

リメイクされたホラー映画について、リメイク版と合わせて全24本をご紹介。

夏になると注目されるのが、古今東西のホラー映画。

特に最近は、ジャパニーズホラーがハリウッドでリメイクされるケースが増え、お国柄による作風の違いを楽しむファンも多いようだ。

また、過去の名作ホラーも次々とリメイクされており、新しい解釈で生まれ変わった作品を観るのも新鮮で面白い。

そこで今回は、リメイクされたホラー映画について、リメイク版とあわせて24本をご紹介しよう。

オリジナル版『キャリー』(1976)

爆発してもいい

キャリー

学校でイジメにあっていた女子高校生が、ある出来事をきっかけに抑圧されていた感情が爆発し、念動力ですさまじい悲劇を引き起こす。

血だらけになって炎の中に立つ彼女のことを、恐ろしいと思うだろうか? そこにあるのは、積もりに積もった怒りと憎しみ。苦しみ。性を罪悪視している狂信的な母親から歪んだ価値観を押し付けられ、虐待といってもよい育てられ方をしてきた彼女にも、人並みに夢や憧れはあるのに。

幸福の絶頂からの転落があまりにも残酷で、それまでオドオドしていたキャリーが視線ひとつで逃げ惑う人間たちを閉じ込めるシーンは、恐怖を感じつつも復讐を見ているような爽快感が入り混じる。防げたかもしれない地獄。何だかやるせない気持ちになるホラー映画の傑作。続編『キャリー2』(99)あり。

リメイク版『キャリー』(2013)

力をコントロール

キャリー

オリジナル版ではぺちゃんこ鼻にガリガリの体で、いかにもイジメのターゲットになりそうな幸薄い陰気な雰囲気を醸し出していたキャリーが、リメイク版ではムチムチした健康美のクロエ・グレース・モレッツ。かわいらしい顔つきが子犬のよう。なぜこんな子がここまでイジメられてしまうのか、どうもピンとこない。 

オリジナル版と決定的に違うのは、彼女が自分の能力を自覚し、その力を使うのを楽しんでいるところだ。キャリーってそんな子だったっけ? オリジナル版のクライマックスでは、自分が何をしているのかわからなくなっている姿に心がザワザワしたのに、冷静な判断で攻撃している新キャリー。良くも悪くもわかりやすくてスッキリ。

オリジナル版『リング』(1998)

もとは都市伝説

リング

観たら1週間後に呪い殺されてしまう「呪いのビデオテープ」の噂を耳にした主人公が、元夫を巻き込んでその謎を追う。

ジャパニーズホラーブームの火付け役となり、貞子という強烈なキャラクターを生み出した記念碑的作品。続編『リング2』(99)『リング0 バースデイ』(00)あり。そのビデオを観た直後にかかってくる無言電話。呪われた人の写真は顔が歪んでいて、1週間後というタイムリミットがあるという設定がいかにも都市伝説らしくて、馴染みやすい。

予知能力。井戸。悲劇。怨念。ちょっと昔だけど記憶はまだ生々しく、超能力の実験は日本で実際にあった出来事なので説得力あり。ああ、気の毒な貞子。お坊さんを呼んで成仏させてあげたいが、貞子はテレビの中から這い出てきてしまう。元夫が超能力者なのは都合がいいね。日本の土着的な匂いが、じわじわと恐怖をそそる。

リメイク版『ザ・リング』(2002)

洋風の味付け

ザ・リング

原作ではなくオリジナル版を踏襲しているので、人物設定や貞子がテレビ画面から這い出てくるシーンもほぼそのまま。ただし、ビデオを観終わった後に電話で「後7日」と余命を教えてくれるところは、オリジナル版と違って親切である。続編『ザ・リング2』(05)『ザ・リング/リバース』(17)あり。

しかし、オリジナル版は日本的な要素が強いので、貞子の捉えどころのない不気味さがわかりやすくアレンジされ、顔すら出さないオリジナル版と違って会話をしているのが驚き。元夫には超能力がないので頼りにならないし……井戸を掘るシーンがないのは物足りず。洋風日本食のような不思議な感覚に襲われる作品である。

オリジナル版『死霊のはらわた』(1981)

憑りつかれちゃった

死霊の

休暇を過ごすために森小屋を訪れた男女5人が、そこで「死者の書」とテープレコーダーを見つけ、森に封じ込められていた悪霊を蘇らせてしまう。

その後のスプラッター映画ブームを生み出し、今でもカルト的人気を誇る作品。低予算ゆえに手作り感満載だが、襲いかかる側の目線で映し出される映像など斬新な手法が見られ、その後に続くホラー映画に多大な影響を与えた。続編『死霊のはらわたII』(87)『キャプテン・スーパーマーケット』(92)あり。

恐怖と笑いは紙一重。ホラーは笑いに通じる。その言葉通り、登場人物たちがあまりにも次々と悪霊に憑りつかれていくので、つい笑ってしまう。死霊化した大切な友人や恋人を始末せねばならぬ展開は、泣けるようなコメディのような。インパクトのある邦題は、決して大袈裟ではない。

リメイク版『死霊のはらわた』(2013)

微妙に違う面白さ

死霊の

設定を一から作り直し、ビジュアル的にはグロい描写がグレードアップ。これでもかと繰り出されるジェットコースターのような絶叫シーンは、極力CGなしという気概が伝わってくる。みんなで森小屋に行ったのは、重度の薬物依存症である女性をリハビリするためだというのが、現代的で面白い。

オリジナル版と一見同じようでも実は微妙に違うシーンとしては、何といっても彼女が刃を舌なめずりするシーンだろう。よく見ると、ナイフが横ではなく縦。つまり刃先の方を舌に当てて上下に動かしているのだ。ひえ~っ。そんな風に、オリジナル版を観ていればもっと楽しめる作品。

オリジナル版『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008)

純愛な居場所

ぼくの

家でも学校でも居場所がない12歳の少年は、ある日隣の部屋に引っ越してきたミステリアスな少女に出会う。

原作者自らが脚色し、雪に閉ざされたストックホルムが舞台の異色ホラー。日本では、要となるシーンがあまりにも衝撃的ということでボカシ修正が入っているのだが、それがまた想像を掻き立てられてよけいに怖いという……。人気のない静かな町で起きた猟奇的な連続殺人事件をめぐり、孤独な魂が惹かれあう。

愛しているから、どんな秘密があっても受け入れよう。まだ幼いのに、なんという男前の覚悟。いや、彼ならば、大人になってもその気持ちが消えることはないだろう。モールス信号を使えば、2人はいつでもコミュニケーションを取れる。誰にも知られずにこっそりと。行き先は破滅か楽園か。愛にあふれたラストは名シーン。

リメイク版『モールス』(2010)

パンチが効いている

モールス

オリジナル版との類似点が多すぎるとされているが、しかしそこはハリウッド。ストーリーの細部が省略されているので深みや繊細さは失われているものの、正体を現した少女がものすごく強くて怪物パワー満点。リメイク版『キャリー』(13)と同じ女優が演じているせいか、そこらへんはむしろ『キャリー』にそっくりである。

情緒や余韻が心に残るオリジナル版にはない娯楽性。切なさよりもカッコよさ。プロットは全く同じなのに、黒髪でエキゾチックな容姿に老成した雰囲気があったオリジナル版の少女が、金髪になっただけでこんなにも印象が変わるのか。ちなみに、かのスティ-ヴン・キングお気に入りの映画で、前日譚を描いたコミックもあり。

オリジナル版『呪怨』(2002)

キャラ立ちしてます

呪怨

ある一軒家に老人介護ボランティアで訪れた女子大生が、そこで不気味な少年と女の幽霊を目撃する。

部屋で死んでいる老婆。天井裏で発見された息子夫婦の死体。そこは、数年前に当時の住人が妻を殺して路上で死に、6歳の息子が行方不明という惨劇のあった家だった。そんなワケあり物件だとは知らず、住んだら殺されてしまった一家。そんな怨念や呪いによる不審死と関係者に起こる怪奇現象は、いわば古典的なもので目新しさはない。

しかし、佐伯伽椰子と息子の俊雄のキャラクターが強烈すぎて大ヒット。この2人が『リング』(98)の貞子と共によくパロディ化されているのは、見た目も含めてそこに笑いを誘う要素があるから。どちらの呪いが強いのかを競う映画『貞子vs伽椰子』(16)は、もうお笑い系だろう。ホラーはキャラが大切。

リメイク版『THE JUON/呪怨』(2004)

日本は怖いよ

呪

オリジナル版と同じ監督で、スタッフも日本人。しかも、オール日本ロケという異色のリメイク版。なので、外国人俳優を起用した邦画のようである。福祉の勉強のために来日したアメリカ人留学生が、「英語ができるから」という理由で呪われた家に関わってしまう。続編『呪怨 パンデミック』(06)あり。

その家に足を踏み入れたというだけで、理不尽な恐怖にさらされる。異国でそんな目に遭うホラー映画はたくさんあるだろうに、日本で呪いにかかってしまう外国人に申し訳ない気がするのは何故だろう。じめっとした和製ホラーのテイストが、カラッとしたハリウッド的派手さとどこで折り合いをつけているのかが見どころ。

オリジナル版『仄暗い水の底から』(2001)

究極の母性愛

ほのくらい

幼い娘の親権をめぐって離婚調停中の主人公が、引っ越し先のマンションで不気味な体験をする。

大きくなる天井のシミ。変な味のする水道水。上階から響く子供の足音。子供用の赤いバック。舞台が一軒家ではなく、多くの見知らぬ人たちが暮らすマンションというところに、より不穏な空気が漂うわけである。水がじわじわと近づいてくるにつれて、恐怖もまた少しずつ広がってくる。

見えない友人と話をする娘と、身の周りで起こる不吉な怪奇現象。しかしそれは、精神科に通院していたことがあり、ヒステリック気味な母親の妄想的な思い込みなのかもしれないと思わせる。そして予定調和な展開になりそうでならず、一転して意外な結末へ。母親の深い愛に心が揺さぶられるラストに涙。

リメイク版『ダーク・ウォーター』(2005)

キティちゃん登場

ダーク

オリジナル版にはなかった母親のトラウマが強調され、母娘ともに気性がハッキリしているところがアメリカン。オリジナル版ではぼやけていた行方不明少女の顔も、最初から普通にクッキリ。日本特有の曖昧さを排除し、この少女の身の上についてもきちんと説明があるところが、大きな違いである。

にしても、残されていたのがハローキティのリュックだとは。マンションに住む母親の失踪が相次いでいるとか、管理人の存在が妙にクローズアップされているとか、滴る水が汚れて真っ黒だとか、アヤシイ設定がいろいろ追加されていて恐怖がつのり、さすが盛り上げ上手のハリウッドという感じ。

オリジナル版『サスペリア』(1977)

徹底的に痛い

サスペリア

新しくバレエ学校にやってきた主人公は、そこの生徒が怯えた顔をして叫びながら走り去るのを見てしまう。

学校から逃げてきたその生徒は、その後それはそれは恐ろしい目に遭ってしまうのだが、主人公はそのことを知る由もなく、恐怖の建物に足を踏み入れてしまう。音響立体移動装置によって心がざわつくゴブリンの音楽と、「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチコピーが大流行。ちなみに『サスペリアPART2』(75)とは関連性なし。

飲むと眠くなってしまう葡萄酒。天井から落ちてくる蛆虫。突然消えてしまう靴音。ゾワゾワするね。しかし、むき出しの心臓が刺されたり、無数の針金が肌にからみついたり、割れたステンドグラスで顔面を真っ二つにされたりする惨殺シーンが、芸術的映像美にまで昇華されているところが、この作品の名作たる所以である。

リメイク版『サスペリア』(2019)

男がいない

サスペリア

ルカ・グァダニーノ監督によるリメイク。『君の名前で僕を呼んで』(17)の次がホラー映画だというのは意外な気もするが、実は監督は子供のときにオリジナル版を観てからというもの、すでにリメイクを考えていたという。ホラー映画の傑作が、同じイタリア人の手で大胆に蘇る。オリジナル版と異なる視点から再構築されたス―トーリーは、リメイクを超えているとの評判だ。

主人公が自信家で魅力的だとかラストが違うとか、惨殺がレベルアップしているとか、そういう違いは想定内。驚くべきは、リメイク版では男性が全く登場しないこと。何しろ唯一の男性役まで女優が演じているという徹底ぶりで、これは是非とも観たくなる変更点だ。音楽も人気バンドのヴォーカルが担当というチャレンジ精神あふれるリメイク版。

オリジナル版『the EYE 【アイ】』(2002)

見えなくてもいいもの

アイ

幼少期に失明した主人公は、大人になってから角膜移植手術を受けて視力を回復するが、それによって死者の姿が見えるようになってしまう。

角膜移植を受けた少女が、1週間後に自殺したという実話から生まれた作品。見えるようにはなったのはよいが、今度は人と違ったものが見えてしまう。それは人間の霊というより「予知死」というべき現象だったので、これはつらい。苦しい。今まで彼女は、そのようなものを見たことがなかったのだから。

角膜の提供者がどんな人なのか。彼女はそれを知ろうとする。そして、角膜提供者の人生に巻き込まれてしまうのである。見えるようになったことで得たもの。失ったもの。見えなくなったことで得たもの。失ったもの。運命に振り回された気の毒な彼女だが、ちゃんと救いが残されているところがニクイね。

リメイク版『アイズ』(2008)

見てしまったからには

アイズ

角膜移植手術を受けた主人公が見えるようになったのは、突然襲ってくる女性やマンションを徘徊する少年など、オリジナル版に比べるとアグレッシブな幽霊たちだ。しかも角膜提供者の情報が最初から提示されるので、謎を追うスリリングな面白さには乏しいものの、角膜に記憶された予知夢を追体験するシーンにハラハラする。

ぼんやりしている映像とクリアな音は、主人公が見ている世界だという。現実的な展開となったオリジナル版クライマックスシーンは、ハリウッド流感動路線へ。オリジナル版はタイ映画らしい泥臭さが魅力だっただけに、娯楽として洗練されたリメイク版とのギャップをより感じるが、どちらが好きかはもちろんお好みで。

オリジナル版『悪魔のいけにえ』(1974)

趣味は手作り

悪魔の

テキサスの田舎を旅行していた若者たちが立ち寄った一軒屋には、恐ろしい殺人鬼一家が住んでいた。

実際に起きた事件を基にしているというだけでも、あまりの信じがたさに恐怖が倍増。この作品がその後のホラー映画に与えた影響力は計り知れず、いまだにカルト的人気を誇る傑作である。恐怖をあおるBGMがないので、彼らの高いテンションがダイレクトに伝わってきてドキュメンタリーのみたい。

家族ぐるみで死体からいろんなものを作っているだなんて、牛皮加工もどきの家業? 中でも「レザーフェイス」と呼ばれる男が人間の顔の皮を被っているのだが、そのペラペラ感が妙にリアルだからやめて。スーツ姿で電動ノコギリを振りかざし、獲物が逃げないようにフックに引っ掛けてモノ扱い。手慣れた感じが、おお神よ。

リメイク版『テキサス・チェーンソー』(2003)

逃げ切れず

テキサス

カルトホラーをリメイクするからには、相当の気合いが入っているはず。なので、冒頭から、放心状態で歩いていた女性を車に乗せてあげたら、進行方向に気づいていきなり拳銃自殺というものすごい展開に、掴みはOKだ。でも、口から煙が出ているところは笑っていいの? ちなみにナレーションは、オリジナル版と同じ人だそうである。

時代が違えば、恐怖の煽り方も違うわけで、スプラッター的には技術が進化したリメイク版の方がものすごい。しかし、作り込みすぎてカッコよくなってしまうと、リアルな怖さが半減する場合も。最初に流れるモノクロ映像は後から効いてくるので、リメイク版ならではのよきアイデア。続編『テキサス・チェーンソー ビギニング』(06)あり。

オリジナル版『オーメン』(1976)

悪魔がステキ

オーメン

6月6日午前6時アメリカ人外交官が、死産した我が子の代わりに同時刻に誕生した孤児を妻に内緒で養子にし、ダミアンと名付ける。

続編『オーメン2/ダミアン』(78)後もシリーズ化され、2016年にはテレビシリーズにもなった大ヒット作。悪魔の子ダミアンを守るため、乳母も生まれてくるはずの赤ん坊も母親も殺されていくのだが、特に正体を見抜いた神父を教会で串刺しというのが、実に悪魔っぽい。新しい乳母は悪魔の手先だし、家庭内は絶体絶命だ。

ところが、このダミアンが悪魔のような美少年だったものだから、日本では女性の間でダミアン人気が急上昇。「666」という数字が何かとオーメンに結び付けられてパロディになったり、無敵の悪魔の方に強い思い入れをするファンも多く、まるで少女漫画のようなブームに。勧善懲悪ではないストーリーが人気の秘密か。

リメイク版『オーメン/オーメン666』(2006)

僕は悪魔

オーメン

獣の数字「666」にちなみ、2006年6月6日に全世界同時公開。最も気になるダミアンのキャラクターが、ストレートの黒髪に蒼い目で、病気をしない冷静すぎる不気味な子供。どう見ても自分が悪魔であることを自覚しているに違いなく、普通の子供みたいに無邪気な可愛さのあったオリジナル版と比べて、どっちが怖いのかという話である。

ストーリーはオリジナル版と同じなので、後は殺され方の描写に味付けをするしかないわけだが、それも基本的には同じ。それでもアレンジされた工夫に苦労がしのばれる。ちなみに、オリジナル版でダミアンを演じた子役が大人になって出演しており、そのカリスマ性がまだ息づいていたことを物語る。

オリジナル版『ゾンビ/米国劇場公開版』(1978)

ウジャウジャと

ゾンビ

アメリカ各地で蘇った死体が人間を次々と襲い始める事件が発生し、それによってゾンビが急速に増えて国中に混乱が広がってしまう。

ゾンビ映画には、ただ殺されるだけでなく、自分もゾンビ化してしまうという別の恐怖があるのがミソ。それに、もし愛する人がゾンビになってしまったら躊躇なく殺せる? なので、ゾンビに噛まれたら「死んでも蘇らないように頑張るけど、ダメなら殺して」と言い残すシーンが切ない。

やっとのことで逃げ込んだショッピングモールで、今度は生き残った人間たちが食料を奪い合う。ゾンビVS略奪グループVS主人公たちの三つ巴。人間同士の醜い争いというイヤな現実を絡め合わせた展開が、一筋縄ではいかなくて引き付けられる。当時無名だった監督を一躍有名にしたホラー映画史に残る名作。

リメイク版『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)

走るの?

ドーン

もうB級ホラーとは言わせない。そんな気合いを感じるリメイク版は、主役は有名なハリウッド女優だし、派手なカーアクションも満載。しかも、ゾンビは謎のウイルスによる感染者で人間を食べたりせず、その上めちゃくちゃ足が速い。動く死体じゃないから、追いかける姿がイキイキしているのだ。この全く新しいゾンビ像に度肝を抜かれる。

逃げ込んだショッピングモールでは、いろいろなタイプの人間が集まっているので、みんな好き勝手にやりたい放題。洋服を着まくったり、スポーツ用品で体を鍛えたり、カラースプレーでアート作品を作ったり。自由な無法地帯で欲望を解放させる彼らに、危機感がないところが現代的だ。スリルとブラックユーモアが盛り込まれた娯楽作品。

オリジナル版『狼男』(1941)

哀しき獣

狼男

故郷に帰ってきた主人公は、狼に襲われている友人を助けようとして、噛みつかれてしまう。

戦時中の上映にも関わらず大ヒットし、ドラキュラやフランケンシュタインに並ぶ有名キャラクターとなった狼男。普段は温厚な好青年が、満月の夜になると狼男に変身してしまい、無意識に人間を嚙み殺してしまう。そんな自分の二重人格を自覚して苦悩する哀しいモンスター。

なので、彼は愛する女性に魔除けのペンダントを、父親には狼男を倒せる銀のステッキを渡す。愛する人を守るため、誰かに自分を殺してほしい。なぜ彼がそんな目に遭わねばならないのかという理不尽さ。自己犠牲。彼女はあくまでも片思いの相手だというのが、これまた胸を打つ。ホラーというよりラヴ・ストーリーという感じ。

リメイク版『ウルフマン』(2010)

父ちゃんがヤバイ

ウルフマン

オリジナル版のリメイクが少年時代からの夢だったというベニチオ・デル・トロが、プロデューサーと主演を務めた力作。もともと野性的なデル・トロゆえ、ウルフマンになってもさほど違和感なし。主人公は一匹狼ではなくウルフマンという種族の一員になり、好きな女性に正体がバレているというのが、オリジナル版と趣が違う。

驚くことに、彼の父親もウルフマン。しかも長年ウルフマンをやっているので、変身後も理性をキープでき、ウルフマンであることを楽しんでいる厄介な存在だ。そんな彼は、ウルフマン中に暴走してやったことを人間に戻ってからモミ消すという悪徳ぶりで、いわば全ての元凶。父ちゃん。勘弁してよ。父と息子の対決が見どころ。

いかがでしたか?

現代風にアレンジされ、怖さもグレードアップしたリメイク版の数々。

オリジナル版を知っていても知らなくても、楽しめるように作られているのがリメイク版だが、できれば元ネタを観ておいた方がもっと楽しめるし、面白い。これは確かだろう。

傑作ゆえにリメイクされるのだから、そのオリジナル版を観ていて損はない。

さて、オリジナル版とリメイク版、あなたはどちらがお好き?

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