Filmarksが主催する映画館での旧作上映プロジェクトとして、7月5日(金)より『フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版』が全国の映画館でリバイバル上映される。この上映は1994年の公開から30年を記念した1週間限定企画であり、4Kニューマスター版を大きなスクリーンで堪能できる絶好の機会だ。

この稿では「『フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版』を映画館で見るべき10の理由 」と題して、その魅力を紹介していこう。
「10の理由」 その1:90年代を代表する古典的名作
『フォレスト・ガンプ/一期一会 』は、Filmarksで★4.1という高評価(※2024年6月14日時点)を得ている名作だ。第67回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞、編集賞、視覚効果賞の6部門を受賞。さらに、文化的・歴史的・美学的に重要とされるアメリカ映画を後世に伝えるため、毎年リストを追加してその遺産を保存していく「アメリカ国立フィルム登録簿」にも、2011年に追加されている。
名実ともに本作は、90年代を代表する名作として揺るぎない評価を得ている一本なのだ。今回上映される4K ニューマスター版では、より鮮明で美しい画を堪能できるだろう。
「10の理由」その2:名優トム・ハンクスのキャリアハイ演技
『ビッグ』(1988年)、『プライベート・ライアン』(1998年)、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)、『ハドソン川の奇跡』(2016年)、『エルヴィス』(2022年)……。アメリカ映画を代表するトップ俳優として、およそ40年にわたりトム・ハンクスは様々なキャラクターを演じ続けてきた。そのなかでもフォレスト役は、間違いなく彼のキャリアハイのひとつといえるだろう。
もともとバラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で頭角を表したコメディアンだった彼は、エイズへの偏見と差別に立ち向かう弁護士を演じた『フィラデルフィア』(1993年)でアカデミー主演男優賞に輝くと、本作の演技で主演男優賞を2年連続で受賞し、名優の仲間入り。さらにその翌年、アポロ13号の船長ジム・ラヴェルを演じた『アポロ13』(1995年)でも主演男優賞にノミネートされた。90年代のトム・ハンクスは、無双状態だったのである。
ちなみにこのフォレスト役は、ビル・マーレイやジョン・トラボルタが出演を断ったことでトム・ハンクスにお鉢が回ってきたんだとか。もしこの役をトム・ハンクスが演じていなかったら、ここまでの名作にはなっていなかったかもしれない。
「10の理由」その3:脇を固める名優たちの若き日の姿

トム・ハンクスだけでなく、この映画は脇を固める俳優たちも素晴らしい。フォレストを優しく見守る母親ミセス・ガンプを演じるのは、サリー・フィールド。『ノーマ・レイ』(1979年)、『プレイス・イン・ザ・ハート』(1984年)でアカデミー主演女優賞に2度輝いた名優だ。近年では、『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)のメイおばさん役が印象に残っている方も多いことだろう。
フォレストにとっての“運命の女性”ジェニーを演じるのは、ロビン・ライト。テレビドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(2013年〜)の、次期大統領の座を狙う下院議員の妻役でも話題となった。ダン・テイラー中尉を演じるのは、『アポロ13』(1995年)でもトム・ハンクスと共演したゲイリー・シニーズ。そしてフォレストの息子フォレストJr.を演じるのは、『シックス・センス』(1999年)や『A.I.』(2001年)で当時天才子役と謳われたハーレイ・ジョエル・オスメント。彼らの演技にもぜひ注目してほしい。
「10の理由」その4:人生を豊かにしてくれる名言の数々

この映画には、随所に人生の教訓が散りばめられている。
「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまで、何が入っているかはわからない」
「過去を振り切らないと、前には進めない」
「本当に必要なお金なんて少しだけ。あとは全て見栄を張るためのもの」
「僕は賢くないけど、愛が何かは知っているよ」
これらは、名言・金言に彩られた『フォレスト・ガンプ/一期一会』のセリフのほんの一握り。映画館という最高の環境で、是非あなただけの「名言」を見つけてほしい。
「10の理由」その5:アメリカ史を軽快になぞるプロット

50年代から90年代までを全力で駆け抜けていったフォレストの人生は、アメリカの歴史そのものでもある。
彼が入学したアラバマ大学では、アラバマ州知事ジョージ・ウォレスが黒人学生の入学を阻止するために門を州兵で固めるという事件が発生しているし、従軍したベトナム戦争では一兵卒として過酷な日々を過ごした。フォレストが向かいのビルに泥棒が入っていると電話するシーンは、彼が政界を揺るがすウォーターゲート事件の目撃者だったことを示しているし、得意の卓球で世界卓球選手権に出場した彼は、アメリカと中国の緊張関係をピンポン外交で緩和に導いている。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』を鑑賞することは、アメリカの近代史を目撃することでもあるのだ。トム・ハンクスは脚本を1時間ちょっと読んだだけでこの映画にサインしたと言われているが、その条件のひとつが「歴史が正確に描写されていること」だったという。
「10の理由」その6:CGによる画期的な映像
公開当時話題となったのは、最新技術(CG)を使ってフォレストがジョン・レノン、ケネディ大統領、ニクソン大統領ら歴史上の人物たちと“共演”を果たしたこと。CGを担当したのは、映画監督のジョージ・ルーカスが設立した特撮工房インダストリアル・ライト&マジック(ILM)。膨大な映像資料を掘り起こして最適な素材を見つけ出し、トム・ハンクスの芝居に彼らを自然に溶け込ませ(時には会話までさせて)、時空を超えたコラボレーションが実現したのだ。
当時はスティーヴン・スピルバーグの『ジュラシック・パーク』(1993年)によって、映像技術に革命がもたらされた時代でもあった。卓球のシーンでは、ボールをあとから合成することでダイナミックな試合展開を生み出しているし、モブキャラ(群衆)の人数もCGで増やしたりもしている。ダン・テイラー中尉の下肢には特殊な青い布が巻かれ、デジタル処理によって除去された。なかなか気づきにくいが、本作はCGをフル活用した作品でもあるのだ。
「10の理由」その7:ロバート・ゼメキスをメジャー監督に押し上げた一作
本作の監督を務めたのは、ロバート・ゼメキス。高校在学中から8ミリ映画を撮り始めていた筋金入りの映画オタクで、その才能はスティーヴン・スピルバーグからも高く評価されていた。『抱きしめたい』(1978年)で監督デビューを果たし、2年後には第二作『ユーズド・カー』(1980年)を発表するものの、興行的には失敗。映画人生が暗礁に乗り上げていたところで起死回生の一作となったのが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)の大成功だった。
その後も『ロジャー・ラビット』(1988年)、『永遠に美しく…』(1992年)など、次々と抱腹絶倒なコメディ映画を手がけてきた彼にとって、『フォレスト・ガンプ/一期一会』はストレートなドラマ映画。その手腕でアカデミー監督賞を獲得し、彼を一気にメジャー監督へと押し上げるきっかけとなった。微に入り細を穿つ、ロバート・ゼメキスの巧みな演出にも注目だ。
「10の理由」その8:酸いも甘いも噛み分けたエリック・ロスのシナリオ

コメディの大家として知られていたロバート・ゼメキスは、この『フォレスト・ガンプ/一期一会』で、恋愛の苦い部分やフォレストの人生につきまとう不安からも目を背けず、真正面から堂々と描いている。
そのひとつの要因として挙げられるのは、脚本家としてエリック・ロスがクレジットされていることだろう。終わりのないテロの報復を描いた『ミュンヘン』(2005年)、アメリカの暗部にメスを入れる『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023年)など、彼は長きに渡って社会派映画を書き続けてきた。その筆致は非常に力強い。酸いも甘いも噛み分けたエリック・ロスのシナリオによって、ロバート・ゼメキスは「甘い」だけではなく「酸い」も自分の中に取り込んで、映画作家として大きな飛躍を遂げたのである。
「10の理由」その9:アラン・シルヴェストリの心踊るスコア
本作の音楽を務めているのは、アラン・シルヴェストリ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の有名なテーマ曲をはじめ、ロバート・ゼメキス監督とは『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(1984年)以来ずっとタッグを組み続けている仲。『アベンジャーズ』(2012年)の勇壮なテーマ曲を手がけたのも、このアラン・シルヴェストリである。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』は、彼のキャリアのなかでもハイライトにひとつに挙げられる仕事だろう。悪ガキに追いかけられたフォレストが全力疾走するシーンで流れる、胸踊るスコア。エンディングを美しく締めくくる、物悲しいメロディ。是非スクリーンで、その音楽に耳を傾けて欲しい。
「10の理由」その10:音楽史を代表するポップナンバーの数々
音楽面でもうひとつ、この映画には50年代〜70年代を代表するポップソングが数多く登場する。エルヴィス・プレスリーの「ハウンド・ドッグ」、アレサ・ フランクリンの「リスペクト」、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」、レナード・スキナードの 「スウィート・ホーム・アラバマ」……。ポップソングは時代を映す鏡。フォレストの壮大な冒険を、レジェンド・ミュージシャンたちの音楽が彩っていく。『フォレスト・ガンプ/一期一会』は、隠れた“音楽映画”なのだ。
以上が、筆者が考える『フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版』を映画館で観るべき10の理由である。30周年を迎える貴重なこの機会に、是非大スクリーンで『フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版』の魅力を再発見してみてはいかがだろう。
【『フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版』公開情報】
公開日:2024年7月5日(金)より1週間限定上映
公開劇場:全国121館
※公開劇場は順次追加予定。公式X(@Filmarks_ticket)でお知らせいたします。
※劇場により、上映日・上映期間が異なります。
【『フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版』公開劇場】
[東京]新宿ピカデリー、池袋HUMAXシネマズ、ユナイテッド・シネマ豊洲、キネカ大森、MOVIX亀有、MOVIX昭島、イオンシネマ板橋、イオンシネマむさし村山、イオンシネマ シアタス調布、イオンシネマ多摩センター、イオンシネマ日の出、シネマサンシャイン平和島
[神奈川]イオンシネマみなとみらい、109シネマズ川崎、シネプレックス平塚、横須賀HUMAXシネマズ、MOVIX橋本、イオンシネマ新百合ヶ丘、イオンシネマ海老名、イオンシネマ座間、イオンシネマ茅ヶ崎、小田原シネマ館
[千葉]イオンシネマ幕張新都心、イオンシネマ市川妙典、イオンシネマ銚子MOVIX柏の葉、シネマサンシャイン ユーカリが丘、USシネマ木更津、USシネマ千葉ニュータウン
[埼玉]MOVIXさいたま、MOVIX川口、イオンシネマ春日部、イオンシネマ浦和美園、イオンシネマ大井、イオンシネマ羽生、イオンシネマ熊谷
[茨城]MOVIXつくば、イオンシネマ守谷、イオンシネマ下妻
[群馬]イオンシネマ太田
[栃木]MOVIX宇都宮、109シネマズ佐野
[北海道]札幌シネマフロンティア、イオンシネマ釧路、イオンシネマ小樽、イオンシネマ北見、イオンシネマ旭川駅前
[青森]イオンシネマ新青森、イオンシネマ弘前
[岩手]イオンシネマ北上
[宮城]MOVIX仙台、イオンシネマ石巻、イオンシネマ新利府
[秋田]イオンシネマ大曲、AL☆VEシアター supported by 109シネマズ
[山形]イオンシネマ天童、イオンシネマ米沢、イオンシネマ三川
[福島]イオンシネマ福島
[新潟]イオンシネマ新潟西、イオンシネマ県央
[富山]イオンシネマとなみ
[石川]金沢コロナシネマワールド、イオンシネマ白山、イオンシネマ新小松
[福井]福井コロナシネマワールド
[長野]イオンシネマ松本
[岐阜]イオンシネマ各務原、大垣コロナシネマワールド
[静岡]MOVIX清水、シネマサンシャイン沼津
[愛知]ミッドランドスクエア シネマ、ユナイテッド・シネマ豊橋18、イオンシネマ大高、イオンシネマワンダー、イオンシネマ岡崎、イオンシネマ豊田KiTARA、イオンシネマ常滑、中川コロナシネマワールド、小牧コロナシネマワールド
[三重]イオンシネマ津、イオンシネマ桑名
[滋賀]イオンシネマ近江八幡
[京都]MOVIX京都、アップリンク京都、イオンシネマ京都桂川、イオンシネマ久御山
[大阪]なんばパークスシネマ、テアトル梅田、MOVIX堺、イオンシネマ シアタス心斎橋、イオンシネマ四條畷、イオンシネマ茨木、イオンシネマ大日、イオンシネマりんくう泉南
[兵庫]kino cinema神戸国際、OSシネマズ 神戸ハーバーランド、塚口サンサン劇場、イオンシネマ明石、イオンシネマ加古川、イオンシネマ三田ウッディタウン
[奈良]シネマサンシャイン大和郡山
[和歌山]イオンシネマ和歌山
[岡山]イオンシネマ岡山
[広島]イオンシネマ広島、イオンシネマ広島西風新都、福山コロナシネマワールド
[山口]イオンシネマ防府
[徳島]イオンシネマ徳島
[香川]イオンシネマ綾川
[愛媛]イオンシネマ今治新都市、シネマサンシャイン重信
[福岡]ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、小倉コロナシネマワールド、シネマサンシャイン飯塚、イオンシネマ大野城、イオンシネマ筑紫野
[佐賀]イオンシネマ佐賀大和
[長崎]シネマボックス太陽
[熊本]イオンシネマ熊本
[鹿児島]シネマサンシャイン姶良
※上映日や上映時間は各劇場にご確認ください
※上映劇場・期間が変更になる場合がございます。
※チケット販売は、各劇場にて行います
※1,600円均一(各種サービスデーや他の割引サービスはご利用いただけません)
※プレミアムシートなどにより料金が異なる場合がございます
配給:Filmarks
【『フォレスト・ガンプ/一期一会 4K ニューマスター版』作品情報】

1994年/アメリカ/142分
監督:ロバート・ゼメキス
出演:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニーズ、ミケルティ・ウィリアムソン ほか
<あらすじ>
人生はチョコレートの箱のよう。開けてみないと中身は分からない。
人より少し頭は劣るものの、誰にも負けない俊足と純真な心を持った男フォレスト・ガンプが激動のアメリカ現代史を駆け抜けながら数奇な人生を歩んでいくヒューマンドラマ。
1940 年代、アラバマ州グリンボウの田舎で女手ひとつで母親から愛情を注がれ育てられたフォレスト・ガンプ。
小学校のスクールバスで出会った、たったひとり自分を理解してくれる幼なじみの女性ジェニーを愛し続けながらも、アメリカ社会の大きな流れの中でアメフト全米代表選手、ベトナム戦争への出征、卓球世界選手権出場、エビ漁船の船長としての成功と波乱万丈な人生を歩んでいく。
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※2024年6月15日時点での情報です。
