“殺し屋を始末する殺し屋”、 “1本の鉛筆で3人を瞬殺”など数々の伝説を打ち立て、最強の殺し屋の壮絶な復讐を描いたキアヌ・リーヴス主演の大人気シリーズが、『ジョン・ウィック:パラベラム』として三度登場する。公開を前に来日を果たしたキアヌとチャド・スタエルスキー監督に、これほどまでに観客を魅了する「ジョン・ウィック」シリーズについて聞いた。
ーー今回またしてもアクションが進化していましたが、どういうトレーニングをしたのでしょうか?
キアヌ:乗馬のシーンが新しいよね。鞍から半身ずれたままでいることが難しかったので、そういう訓練はしたよ。でも楽しかったよ!
監督:(撮影は)楽しかったよ。ジョン・ウィックのアクションは、キアヌ頼みであって、長いテイクや引いたショットも多いのだが、それによって観客を引き込み、また引き込まれてほしいという思いがある。トレーニングは半年くらいだったかな?
キアヌ:三か月くらいじゃない?
監督:やることはたくさんあって、マーシャルアーツや武術のトレーニングをしなければならず、もちろん銃もね。アクションのシークエンスでは振付があるので、つまりダンスのように覚えないといけない。いろいろな動作を全部覚えてもらい、やらなければいけない。いい映画というものは、そういうものが全部入っている。そのために全部リハーサルをして、プランニングをして、スタントを見て、カメラがどう追いかけるかも把握しておかなければいけない。すごく時間がかかる。
でも普通のアクション映画の場合、キャラクターは愛せなくてもいいと思うことが少なくないなか、みんなが大好きなアクション映画では、ジャッキー・チェンにしてもジェット・リーにしても、キアヌの映画にしても、みんなアクションも好きでキャラクターも愛しているよね。そのためには全部が上手くいかないといけないわけで、それをキアヌは全部やってくれているんだ。
ーーハル・ベリー演じるソフィアの、犬にまつわるアクションが凄まじかったですが、これは同シリーズにおいて重要なアイテムですよね。どういう点にこだわりましたか?
キアヌ:君の言うとおり、この世界の中での犬は中心的な存在であることは間違いないよ。犬たちとの直接のトレーニングは、僕はほぼやっていなかったけれど、一番言われたことは「とにかくキアヌ、犬と目を合わせるな」だった。なぜなら、自分の主(あるじ)を守ろうとする習性が強く、僕は違う人間だからね。でも、その犬たちにすごくリスペクトを感じたし、彼らの能力にも感動した。彼らの仕事ぶりも本当に素晴らしくて、インスピレーションを受けたよ。
監督:このシリーズの犬は、無垢さのシンボルだったように思う。彼の奥さんへの愛も犬に象徴されていて、観た人たちが惹きつけられ、あまりにも惹きつけられたので、ジョン・ウィックは犬の映画にもなったよね。ラッシーとは違う意味の犬の映画さ。みんなも動物が大好きだと思うけれど、動物が出てくることでジョン・ウィックに違う人間的な要素が加えられているように思う。もはや犬は、映画のDNAに入っているよ。
ーーところで初来日から28年、『スピード』から25年ですが、アクション映画への取り組みはどう変わりましたか?
キアヌ:確かに25年前と比べると経験値が上がっているので、アクションはもちろんのこと、アクションシーンを作り上げるための、さまざまな要素―たとえば『ハートブルー』の頃は全然知らなかったので、そういう部分で今は知識がある分、よりコラボレーションだったり、貢献ができるようになったと思う。そういう気持ちでいるかな。
ーージョン・ウィックは世界中から狙われていて、キアヌさんも超有名人ですよね。静かに暮らしたいと思うことはありますか?
キアヌ:時々もの静かな生活を送りたいと思うよ。でも、そう思わないこともあるかな(笑)。(取材・文=鴇田崇)
映画『ジョン・ウィック:パラベラム』は、2019年10月4日(金)より全国公開中。
出演:キアヌ・リーヴス、ハル・ベリー ほか
監督:チャド・スタエルスキー
公式サイト:johnwick.jp
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