映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』あらすじ・キャスト・原作情報・予告編【笑福亭鶴瓶×綾野剛×小松菜奈】

珠玉の人間ドラマを生み出してきた帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)の山本周五郎賞受賞作「閉鎖病棟」(新潮文庫刊)が『愛を乞うひと』『エヴェレスト 神々の山嶺』などの平山秀幸監督・脚本により映画化され、『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』として2019年11月1日(金)に全国ロードショーとなる。

主演は国民的落語家の笑福亭鶴瓶。死刑囚でありながら、刑の執行が失敗し、今は精神科病棟にいる秀丸役を演じる。また、秀丸と心を通わせる患者・チュウさん役には綾野剛、父親からDVを受け精神科病院に入院する女子高生・由紀役は小松菜奈が迫真の演技を見せる。

閉鎖病棟1

映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』あらすじ

閉鎖病棟2

長野県のとある精神科病院。 死刑執行が失敗し生きながらえた秀丸(笑福亭鶴瓶)。幻聴に悩まされるチュウさん(綾野 剛)。 DVが原因で入院する由紀(小松菜奈)。三人は家族や世間から遠ざけられながらも心を通いあわせる。彼らの日常に影を落とす衝撃的な事件はなぜ起きたのか。それでも「今」を生きていく理由とはなにか。 法廷で明かされる真実が、壊れそうな人生を夜明けへと導く。

映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』キャスト

梶木秀丸/笑福亭鶴瓶

生きながらえた元死刑囚  “わしは世間に出たらあかん人間や''

閉鎖病棟3

1951年12月23日生まれ。大阪府出身。72年六代目笑福亭松鶴の許に入門。数多くのテレビ番組に出演する傍ら、『べっぴんの町』(89)、『母べえ』(08)、綾野剛と共演した(08)、『夢売るふたり』(12)などの映画作品に出演する。『ディア・ドクター』(09)、『おとうと』(10)では日本アカデミー賞優秀主演男優賞を、『ふしぎな岬の物語』(14)では日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した。

笑福亭鶴瓶コメント

平山監督から、長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。素晴らしい作品を数々多く手がけた監督がそこまでおっしゃるなら、とお引き受けしました。何年も撮りたいと思ってきた監督の想いを壊してはダメだと、痩せようと思ったし。そういう意味では、いままでとは力の入り方が違いました。うちの嫁が完成作を観て「お父さんじゃないわ」って言うたんですよ。秀丸さんになっているという意味やと思うんですけどね。嫁の言うことは大体信用してますから(笑)。映画に出てくる皆が“自己犠牲''で、やさしい方向を向いている。観終わった時、人にやさしくありたいと思える映画です。

塚本中弥(チュウさん)/綾野剛

幻聴に苦しむ元サラリーマン  “事情をかかえてない人間なんていないから''

閉鎖病棟4

1982年1月26日生まれ。岐阜県出身。2003年俳優デビュー。モデルやミュージシャンとしても活動する。映画デビュー作『Darts till Dawn』(04)に主演した後、インデペンデント作品を中心に『Life ライフ』(06)、『エレクトロニックガール』(08)などに主演。映画『クローズZERO II』(09)で共演した小栗旬の初監督作『シュアリー・サムデイ』(10)や、人気コミックの映画化『GANTZ』(10)に出演する。映画『横道世之介』(13)などで第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以降、映画『そこのみにて光輝く』(14)、『新宿スワン』(15)、『武曲 MUKOKU』(17)などに主演し、白石和彌監督作『日本で一番悪い奴ら』(16)で第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した。

綾野剛コメント

撮影前「役に飲み込まれて、苦しまないでほしい」と平山監督に言われました。「大丈夫です、僕は」と返したのですが、撮影中、監督が大きな安定剤になってくれていたのだと思います。初日の現場から、具体的な演出がなくても、ただ平山さんに見つめられていることで、チュウさんが存在できている自負が芽生えていました。この作品で、本当を見つける観念を捨て、嘘をつかない信念を手に入れました。秀丸さんにお水をもらうシーンは、鶴瓶さんと僕の10年以上の関係があったから、ああいうシーンになったのだと思っています。秀丸さんの眼差しにふれた瞬間、気の張っていたチュウさんが、子供みたいに泣いちゃって。すごく安心したんですよね。

島崎由紀/小松菜奈

DVを受ける女子高生 “私の居場所はここしかない''

閉鎖病棟5

1996年2月16日生まれ、東京都出身。中島監督作『渇き。』(14)で鮮烈な映画デビューを果たし、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の新人賞を受賞。以降、『近キョリ恋愛』(14)、『バクマン。』(15)などでヒロイン役に起用され、マーティン・スコセッシ監督『沈黙 サイレンス』(16)では厳しい弾圧に耐えるキリシタンのモニカ役に大抜擢。同年『黒崎くんの言いなりになんてならない』(16)『溺れるナイフ』(16)『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)など5作品が公開。その後も、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(17)、『坂道のアポロン』(18)など話題作への出演が続く。

小松菜奈コメント

壮絶な過去を背負いながらも、前に向かっていく由紀に、自分にはない勇気や強さを感じました。打ちのめされる現場になるだろうな、でも挑戦しなければいけない役だと思いました。ただのかわいそうな子にはしたくなかった。10代の想いや人生の葛藤を表現できたらいいなって。過去の重さに引きずられて、暗くなりそうな時は、平山監督と相談しながら、由紀の変化を整理して、持ちを整えながら、ひとつひとつ丁寧に演じようと頑張りました。夜中に町を彷徨うシーンでの撮影中、感情が昂って呼吸が苦しくなった時、監督がさっと手ぬぐいを渡してくださったんです。本当に寄り添ってくれて、ちゃんと見てくださっているんだなと監督の温かさを感じました。

映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』原作

原作者の帚木蓬生(ははさぎほうせい)は1947(昭和22)年、福岡県生れ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職し、九州大学医学部に学ぶ。今現在まで精神科医として務める。1993(平成5)年「三たびの海峡」で吉川英治文学新人賞、1995年「閉鎖病棟」で山本周五郎賞、1997年「逃亡」で柴田錬三郎賞、2010年「水神」で新田次郎文学賞、2011年「ソルハ」で小学館児童出版文化賞、2012年「蠅の帝国」「蛍の航跡」の2部作で日本医療小説大賞、2013年「日御子」で歴史時代作家クラブ賞作品賞をそれぞれ受賞。「国銅」「風花病棟」「天に星 地に花」「受難」「守教」といった小説のほか、新書、選書、児童書などにも多くの著作がある。

帚木蓬生コメント

「閉鎖病棟」は、私にとっても思い出深い作品です。最後の法廷の場面は書きながら涙が出ました。小説ではチュウさんが主人公ですが、映画の主人公は秀丸さん。着眼点がいいなと思いました。完成作を観て、登場人物たちを見事に描き切っていると感心しました。役者さんたちも患者の心をよく掴んで演じておられますね。由紀以外のキャラクターには全員モデルがいます。モデルとなったかつての患者たちには亡くなった方も多いですが、彼らも天国で喜んでいると思います。小説は当初「休鳥たちの杜」というタイトルでした。精神科病棟には長期入院の患者もいますが、終の棲家ではいこと、いずれはここから飛び立っていくのだということを訴えたかったのです。

映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』予告編

映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』監督・脚本

平山秀幸​

1950年9月18日生まれ、福岡県北九州市出身。日本大学芸術学部放送学科卒業。『マリアの胃袋』(90)で監督デビュー。『ザ・中学教師』(92)で日本映画監督協会新人賞を受賞。「学校の怪談」シリーズ が大ヒットし、『愛を乞う人』(98)でモントリオール世界映画祭国際批評家連盟賞、日本アカデミー賞最優秀監督賞始め数々の賞を獲得。その他、『ターン』(01)、毎日映画コンクール監督賞などを受賞した『笑う蛙』(02)、『魔界転生』(03)、『レディ・ジョーカー』(04)、『しゃべれども しゃべれども』(07)、『必死剣 鳥刺し』(10)、『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』(11)、『エヴェレスト 神々の山嶺』(16)などがある。

平山秀幸コメント

初めて原作を読んだとき、秀丸の“自己犠牲”に圧倒されました。自分自身もどん底で苦しいのに、他人の痛みを思いやる…なんとか、映画にできないものかと、脚本を書き始めました。映画が実現するまでに11年かかりました。その間にも、自分の荷物を抱えきれず、心の病にかかる人が確実に増えてきている気がします。笑福亭鶴瓶さんの秀丸、綾野剛さんのチュウさん、小松菜奈さんの由紀…絶妙なアンサンブルのキャスティングでクランクインすることができました。今回、初めて自分で脚本を書きましたが、もちろん脚本通りに撮影が進むこともあれば、はみ出してしまうこともあります。脚本家と監督のベクトルのせめぎ合いを味わうことができました。

映画『閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー』作品情報

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー

2019年11月1日(金)全国ロードショー[PGー12]

配給:東映

公式サイト:http://www.heisabyoto.com

(C)2019「閉鎖病棟」製作委員会

【文/ビルボーイジン】

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