【3D映画、新時代の幕開け】2016年公開の超注目作『ザ・ウォーク』を見逃すな!

映画と音楽は人生の主成分

みやしゅん

10月22日、東京国際映画祭がついに幕を開けました。様々な注目作がある中で、オープニング作品として特別招待されたのが、2016年公開予定の『ザ・ウォーク』です。

この作品は、これまで『ライフ・オブ・パイ』や『ゴーン・ガール』といった超話題作たちを輩出してきたニューヨーク映画祭でもオープニング作品に選ばれており、“賞レースの番狂わせ”とも言える話題作として期待が高まっています。

今回は『ザ・ウォーク』の魅力を、物語の鍵となる「数字」に着目してお伝えしたいと思います。

あらすじ

これは今なお「史上最も美しい犯罪」として語られる伝説の実話。

物語のはじまりはフランス。若くして独学で綱渡りを学び“綱渡り師”となったフィリップ・プティは、ある時、「世界一高い2つのタワーが建つ」という記事を目にし、ある衝動にかられる。あの2つのタワーを綱渡りしたい…。

彼が舞台に選んだのは、当時世界一の高さを誇ったニューヨークのワールド・トレード・センター。高さ411mにワイヤーロープ1本。しかも命綱なし…死と隣り合わせの世紀の綱渡りが今、はじまる―。

数字で紐解く『ザ・ウォーク』の世界

3D作品という時点で既に数字が絡んできていますが、この『ザ・ウォーク』には実に多くの“数字“が登場し、その全てが物語の鍵となっています。

2つのタワー~史上最悪の犯罪と史上最も美しい犯罪~

『ザ・ウォーク』の舞台は1974年のニューヨーク、ワールド・トレード・センター(以下、WTC)。WTCと言えば、2001年、史上最悪の犯罪と言われる同時多発テロが起きた場所です。

しかしそれより約30年前、「史上最も美しい犯罪」と言われる嘘のような実話がありました。それは、地上110階という高さの道なき空間をワイヤーロープ1本で結び、今はなきWTCの2つのタワーの間を空中闊歩したという伝説…。

世紀の綱渡りをしたフィリップは、その綱渡りを終えたあと逮捕されます。そして、彼に告げられた罪名は“綱渡り”…たしかに、様々な法律を破ったとはいえ、多くの命を奪った史上最悪の犯罪が起きたWTCで、誰も傷つけることなく、誰の命も奪うことのない芸術的な犯罪があったことは、忘れてはいけないことです。

7人の共犯者~あなたは新たな共犯者~

フィリップの偉業は、仲間なしには達成できなかったものです。映画の中にも、夢を追い続けるフィリップに魅了され、7人の共犯者が登場します。しかし、彼の無謀かつ不可能とも言える計画を目の当たりにし、彼の元を去っていく者も少なくありませんでした。

そんな状況でも、アニーをはじめ、フィリップを支え続けた人たちがいました。中でも「1mの高さから既に怖い」という“超”が付くほどの高所恐怖症の数学教師の奮闘ぶりは素晴らしいものです。WTCに潜入し警備員から隠れる場面では、彼の恐怖心がフィリップだけでなく観客にも伝染します…それを見て、ハラハラドキドキしている時点で、実は私たちも“新たな共犯者”なのかもしれません。

最初の1歩と最後の3歩~生死を左右する瞬間~

「最初の1歩を踏み出すのが怖い」…無謀かつ不可能と言われたフィリップの“夢”は、彼自身をも蝕むものでした。しかし彼はその恐怖に打ち勝ち、1歩を踏み出す覚悟を決めます…ただ、そこは地上110階の世界。1つのミスで死を招く、まさに死と隣り合わせの空間です。

フィリップの師匠とも言えるパパ・ルディは「綱渡り師は、最後の3歩で命を落とす」と語ります。ゴールを目の前にして気が緩む瞬間…それが最後の3歩なのです。その言葉がとても印象的であるため、観客は全ての綱渡りのシーンでその言葉を思い出し、息をすることすら忘れてしまいます…“手に汗握る”という言葉はこの映画のためにあるように思えます。

地上411mでの世紀の綱渡り~3Dで表現される驚異の“リアル”~

地上110階を実際の高さにすると411m…私自身、高所恐怖症なため“411m”という数字を聞くだけでも、寒気がします。しかし、3D技術によって観客は、目を覆いたくなるような“リアル”な世界へと足を踏み入れることになります

特に最後のWTCでのシーンでは、あまりの恐怖に声を出してしまう人も続出…中には、その怖さに笑い出す人や、手を握り合う人たちもいたほどです。しかし、この新感覚の映画体験はやみつきになること間違いありません!

挑戦し続けることが人生~公開まで待てない!3D映画、新時代の幕開け~

2008年、世紀の綱渡りをドキュメンタリーとして映画化した『マン・オン・ワイヤー』で、フィリップは「挑戦し続けることが人生」と語っています。これは本作『ザ・ウォーク』を表現する言葉でもあります。

3D映画と言えば昔までは、ただ飛び出せばいい…そんなことを感じさせるものばかりでした。技術は進展してきたと言え“3Dで観るべき映画”と呼べる作品は、2013年の『ゼロ・グラビティ』、2015年の『ジュラシック・ワールド』のように年に1本あるかないか…。

しかし、この『ザ・ウォーク』は間違いなく2016年“3Dで観るべき映画”と胸をはってオススメできるものです。視界全体に広がる空間、そして実際にその場にいるかのような感覚は、3D映画のさらなる可能性を感じさせます

一度体験してしまうと、他の映画では物足りなくなる…3D映画の新たな扉を開いた作品『ザ・ウォーク』は、2016年1月23日公開です。

公式サイト:http://www.thewalk-movie.jp/

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  • しろくま
    4.5
    無くなったはずのビルの間で行われる天国に最も近い曲芸芸術。CGで再現されたワールドトレードセンタービルにに命を吹き込んだ。 それこそサイレントの時代から見ると映像技術の進化がものすごくて少しノスタルジーになった。その凄まじい進化との間にかけられた、時代をも繋ぐ"橋"のような映画だったのかもしれない。 クライマックスのシーンには手に汗握らされました。汗ってこんなに手から出るんだと思ったほど。 スリリングな極限状態でしか味わえない自由や感動って、普段生きていて感じられない。一度は経験してみたいけど無理かな。 バンジージャンプやスカイダイビングくらいでしょうか。
  • でっさ
    3.8
    ありえへんやろって思ってたら実話かい
  • あか
    4
    当時映画館で見た予告では真剣な感じだったけど、オーシャンズ11的な感じだった。 なので、基本楽しく観れる 実話だし、結果はわかっている。 楽々とこなしていく展開の中に、緊張感あるシーンがあり、かなりハラハラして面白い。 1番の見どころはなんといっても、 世界貿易センターで綱渡りするシーン。 異常さ・緊張感・リアルさがひしひしと伝わってくる。 CGとわかっていても本物に見える。 これは映画館で見るべきだった。 とても後悔してます。 (所々入ってくる自由の女神のナレーションの回数が多かった)
  • さゃ
    3.8
    最後は手汗と足汗が止まらなかった‼️
  • ただの映画好き
    5
    オールタイムベスト。 これほど面白いと思えた映画は観たことない。 初鑑賞は2015年の東京国際映画祭。 当時はロバート・ゼメキス監督の新作だからというのと、予告編の綱渡りシーンを観てビビッときたものがあったという理由だけで映画祭への参加を決めたが、まさかオールタイムベストになるとは全く思っていなかった。 公開日は2016年1月23日。上映期間は1ヶ月くらいと短命だったが、その期間で4回鑑賞した。たしかIMAX3Dを2回、通常3Dを1回、2Dを1回。東京国際映画祭を合わせたら劇場鑑賞は計5回。興行的には失敗だったから今後リバイバルはないだろうと考えると寂しく感じる。もう一度映画館で観たい。 「ザ・ウォークは人生」 映画好き界隈で一時期流行った言葉だが、まさにその通りだなと思う。 WTCビルにワイヤーをかけて綱渡りするというフィクションみたいな実話を描く。その過程では、ふとした出来事で夢を持つ瞬間、仲間や資材を集めるための奔走劇、サイドストーリーとして描かれる恋愛模様、クライム感覚で物語が進行する様など、全く飽きを感じさせずにクライマックスまで持っていく。 綱渡りシーンは鳥肌もの。ここでは思わず息を呑む。展開が分かっていながらも毎回ハラハラしてしまう。映画の芸術とはこのことだと言わんばかりの美しさを感じる。 面白くないと思えるシーンが一瞬たりとも無い。どんな映画でも僅かながら雑念が入る瞬間はあるが、この映画ではそれが全くない。もう何度も観てる映画だが、体感時間は30分ほどに感じる。 特別、人生を変えるような映画ではない。あくまでエンターテイメントとして好きな映画。それでも心の底から好きだと言える映画なので、この先もずっと大事にしていきたい。 これ以上に素晴らしい映画と出逢いたい気持ちもあるが、ずっとこの映画をオールタイムベストにしていたい気持ちが混同している。 現時点では文句なしのオールタイムベスト。
ザ・ウォーク
のレビュー(19663件)