才色兼備×百花繚乱!『アクトレス~女たちの舞台~』女優陣の輝かしい軌跡

人との出会いに日々感謝(ライター・編集)

大久保渉

アクトレス

ジュリエット・ビノシュ

クリステン・スチュワート

クロエ・グレース・モレッツ

仏米豪華女優陣による夢の共演が話題となったフランス映画『アクトレス~女たちの舞台~』が、10月24日(土)より新宿シネマカリテ他全国の劇場にて公開となりました。

2015年6月に開催された【フランス映画祭2015】でも大きな注目を集めた1作だけに、今後の評判に益々期待が高まる今日この頃でございます。

今回はそんな注目女優お三方のオススメ作品を各2作品ずつご紹介させてもらいたいと思います。

映画『アクトレス~女たちの舞台~』と併せて、彼女たちの魅力を存分に味わっていただけたらうれしいです。

物語を彩る飾らない輝き~クリステン・スチュワート~

イエロー・ハンカチーフ(2008/アメリカ)

イエローハンカチーフ

人と出会い、話し、共に過ごすことで心を通わせあっていく様を、不器用にも健気に好演

山田洋次監督の名作『幸福の黄色いハンカチ』をハリウッドがリメイクした1作です。基本設定はそのままに、舞台を現代のアメリカへと移植。高倉健が演じた主人公を、ハリウッドの名優ウィリアム・ハートが演じます。

イエロークリステン

出典:http://www.allmovie.com/movie/v389188

見どころ

今作でのクリステン・スチュワートは、失恋の傷心が癒えない勝気な15歳の少女という役どころです。ひょんなことから刑期を終えた男と同じ車に乗ることになってしまったクリステン。

思春期を思わせるつっけんどんな喋り方に、ギラリと睨みつける瞳。しかしひとりの女性を長きに渡って愛し続けるこの無骨な男と出会ったことで、人を愛するということの真の尊さを、深い愛を知るようになります。

自分のことばかり考えてしまう10代の少女が、だんだんと相手のことを慈しめるようになっていく様を瑞々しく演じているところに是非とも注目してもらいたいです。

アリスのままで(2015/アメリカ)

アリスのままで

喧嘩もするし、仲たがいもするけれど、心のままに、家族への深い愛情をまっすぐに表現

次第に記憶が失われていく恐怖と闘う若年性アルツハイマー症を患った女性の物語です。今作にて主演のジュリアン・ムーアアカデミー賞主演女優賞を受賞し、その迫真の演技に世界各国から注目が集まりました。

アリスのままで

見どころ

今作のクリステンは、若年性アルツハイマー症を患った女性の末娘という役どころです。家を離れて夢を追い、母親と喧嘩ばかりしていたクリステン。

しかしそれは、自分というものをきちんと認めてもらいたいという気持ちのあらわれでもあり、それだけに、変わりゆく母親のことだっていつまでも尊敬する母親として認め続けることができるのです。

家族を敬う、純粋な愛のかたちを提示してくれる彼女の演技に見惚れてしまうことかと思われます。

主な受賞歴

  • ・第63回英国アカデミー賞ライジング・スター賞(『ニュームーン/トワイライト・サーガ』)
  • ・第40回セザール賞助演女優賞(『アクトレス~女たちの舞台~』)

幼い顔に広がる濃厚な色香~クロエ・グレース・モレッツ~

早熟のアイオワ(2008/アメリカ)

早熟の

純情無垢でありながら、幼き体から漏れ漂う芳醇な女の色気に注目

ジェニファー・ローレンス×クロエ・グレース・モレッツ出演による、売春婦の母親と暮らす少女たちの危うくも眩い日常を綴った物語です。

避けることのできない人生の岐路における葛藤を、若きジェニファー・ローレンスが熱演。今作でロサンゼルス映画祭優秀演技賞を受賞しております。

HICK ルリ13歳の旅(2011/アメリカ)

Hick

歩き出したその先に、何があるかは分からないけれども、それでも歩き続ける少女のしたたかな力を見事に表現

ネブラスカ州の片田舎町で13歳の誕生日を迎えた主人公の少女が、退屈な町を出てラスベガスに向かうという物語です。一見朗らかなロードムービーにも見える今作ですが、監禁やレイプシーンがあったりと、何が起きるかわからない筋書きとなっております。

クロエヒック

出典:http://www.star-ch.jp/channel/detail.php?movie_id=23736

見どころ

今作のクロエは、片田舎からヒッチハイクで都会を目指す少女という役どころです。肩やお腹が肌けた服に、太ももがあらわになったショートパンツ。自分自身の「女」としての魅力を知った上での挑発的な仕草が目につく少女を熱演しています。

そこら辺にいる男をたらしこみ、嘘をつき、そして自分自身も騙されたりしながら気分に任せて進んで行く。その若さあふれる奔放さを存分に楽しんでいただけたらと思います。

柔和さの中にある力強さ~ジュリエット・ビノシュ~

存在の耐えられない軽さ(1988/アメリカ)

存在の

従順そうな、おとなしやかな顔の内に秘められた激情的な愛に注目

ジュリエット・ビノシュ×ダニエル・デイ=ルイス出演による、1968年のチェコ動乱、いわゆる“プラハの春”と呼ばれる怒涛の時代を生き抜いた、激情的な男と女の物語です。

愛情と嫉妬、無垢と欲情、平安と動乱、相反するすべてのものがひとつの画面に収まった必見の1作です。

存在ビノシュ

出典:http://www.imdb.com/title/tt0096332/

見どころ

今作のジュリエットは、女に節操のない男を好きなった女性という役どころです。えんじ色で無地のセーターを野暮ったく着たジュリエット。しかしながら、男に抱かれる時には激しく飛びあがってしがみつく…。

「他の女を抱くときは連れてって」「私が女の服をぬがすから」

爆発的な愛を内に秘めたその伏し目がちな瞳の奥底に、ただの美女では終わらないジュリエットの唯一無二の魅力が感じられる1作です。

トリコロール/青の愛(1993/フランス、ポーランド、スイス)

トリコ

失い、迷い、突然放り出された「自由」の中で、物憂げにたたずむ女性の繊細な心を熱演

フランス国旗を構成する三つの色(青・白・赤)をモチーフに、ポーランドの巨匠キェシロフスキが監督した「トリコロール」三部作のうちの1作です。テーマはずばり、「青=自由」とのこと。

青ビノシュ

出典:http://www.allmovie.com/movie/v131104

見どころ

今作のジュリエットは、最愛の夫と娘を事故で亡くしたばかりの妻という役どころです。これまで築き上げてきた生活が一瞬のうちにして瓦解してしまい、しばし呆然とするジュリエット。

コーヒーを飲む。街をふらふらと彷徨い歩く。そうした何気ない仕草のひとつひとつがとても所在無げで、物憂げで、これからどう生きようかと戸惑っている女性の心理を詩的に繊細に表現しているように感じられました。

身体の動きこそ少ないものの、心の動きの変化についていけなくなってしまうかのような、底なしの深海を覗くような気持ちにさせられる演技の数々に注目していただけたらと思います。

主な受賞歴

  • ・第5回ヨーロッパ映画賞 女優賞(『ポンヌフの恋人』)
  • ・第50回ヴェネチィア国際映画祭 女優賞 (『トリコロール/青の愛』)
  • ・第19回セザール賞 主演女優賞 (『トリコロール/青の愛』)
  • ・第69回アカデミー賞 助演女優賞(『イングリッシュ・ペイシェント』)
  • ・第47回ベルリン国際映画祭 女優賞(『イングリッシュ・ペイシェント』)
  • ・第10回ヨーロッパ映画賞 女優賞(『イングリッシュ・ペイシェント』)
  • ・第50回英国アカデミー賞 助演女優賞 (『イングリッシュ・ペイシェント』)
  • ・第63回カンヌ国際映画祭 女優賞 (『トスカーナの贋作』)

 

以上、ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツらが出演しているオススメ映画の紹介でした。映画『アクトレス~女たちの舞台~』と併せて楽しんでいただけましたらうれしいです。

アクトレスビノシュ

出典:http://unifrance.jp/festival/2015/films/film07

映画『アクトレス~女たちの舞台~』上映館情報

10月24日から、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

『アクトレス〜女たちの舞台〜』公式サイト劇場情報

※ストーリー等の詳細につきましては、くつみがきによる過去記事【【保存版】公開中から近日公開まで!フランス映画祭で話題を集めたオススメ映画まとめ】をご確認くださいませ。

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    ↓のレビューは、以前のアカウントにて鑑賞直後に投稿したレビューになります。 ☆☆☆☆ 世界で活躍する女優の華やかな表舞台と、彼女が時代に取り残されるのを恐れる裏の顔。 ジュリエット・ビノシェが全編ノーメイクて揺れ動く感情を演じれば、クリステン・スチュワートがなだめすかしながら、自身の本心をこの大女優に浴びせて行く。この二人の確執・演技合戦が最大の魅力と言える。 自分を表舞台へと誘ってくれた恩人の死。その人の代表作であり、自分が昔に演じた当たり役。それを相手役の立場に変えて再度演じる。この最大の賭けに臨む事となった大女優。 彼女にとっての当たり役は、あくまでも若い役の方。 その相手役を演じる事は寧ろ本意では無い。しかし時代がそれを許さなくなってしまった事実。 彼女が全てを受け入れるしかなかったのは必然だった。 意を決して本読みを始めるのだが、その相手役をするのは有能な秘書のクリステン・スチュワート。 この大女優にとって今の彼女は、当時の自分を度々投影してしまう存在と言える。 そうなのだこの映画は、当時の当たり役である役こそがクリステン・スチュワートが演じている役所であり。今自分が演じようとしている役は、その後事故死してしまった女優さんが演じた役の多重構造で構成されているのである。 若いとゆう最大の武器によって抹殺されてしまう老いて行く事の悲哀。 これを今自分が演じても良いのだろうか?と悩み抜く。 更にこの映画の主題には【若さへの嫉妬】が大きなテーマとして内包されている。 若さを謳歌し、自由に恋愛をするスチュワート。 この戯曲には【若さへの嫉妬】と共に、二人のレズビアン的な要素も作品の台詞の中で説明されており。度々スチュワートの行動を監視するかの様なビノシェの行動には、問題となっている戯曲そのものを反映する多重構造の要素すら、見え隠れしている様にも見受けられる。何しろ彼女が居ないと、この大女優は自分自身のアイデンティティーを維持できないかの様にも描かれているほどなのだ。 彼女は若者の代表としての意見をビノシェにぶつけて来るのだが、この大女優にとって若い意見に屈する事は、それまで培って来た自分を全て否定してしまう事になるのではないか、と考えている様な気がする。 それだけに彼女の助言を素直には受け入れられない。 その昔ハリウッドの大作映画に出演した事を恥じている様なのだが、若いスチュワートにとっては、寧ろその様な題材を演じる事こそ必要なんだ!と激しく対立する。 いよいよ舞台公演が近付いて来るのだが、若き日に自分が演じた役には、今のハリウッドを代表する若さ溢れる女優クロエ・グレース・モレッツ。 彼女の発言や、行動そのもの自体が、自分とは真逆な事に不安を募らせてしまい。この若い女優の行動や発言をチェックする。 世界が若い才能を欲している事は、かって自分がのし上がって来た事実からして、身に染みて感じているのが分かる。 それだけに、戯曲自体に自分の存在が薄まる要素がある内容を知るこの大女優は、彼女にある意見を薦める。しかし、この若い女優はその意見にはっきりとした意見を唱える。 それこそが、この戯曲に描かれた若い主人公そのものであり。この大女優は、もう自分の時代が去ってしまったのかも知れない…と悟るのだ。 しかし彼女はまだまだ老いに対し、世間から忘れ去られる不安感に対し、まだまだ闘志を燃やし続けている。 この戯曲で、その昔に自分が演じた役の女優さんは、自分を引き立ててくれる役でもあった。 彼女はその後直ぐに事故死してしまったのだが。この大女優は、だからと言ってやすやすと第一線から退く意識等は無い。 だからこそ、戯曲の最後と違い。最後に消え行くのは、若い日に自分が演じた役を多重構造により演じていた、クリステン・スチュワートだったのだろう。 今彼女は女優魂を賭けての闘いを続けている。 その為には、それまで助言をくれていたクリステン・スチュワートの薦めに従って、馬鹿にしていたハリウッドのSF大作にだって出演する覚悟すら厭わない。 “立場が変われば結果も変わる“のだ! スイス山岳映画の巨匠アーノルド・ファンクの美しいモノクロ映像と、現在の技術力を駆使したカラー映像を対比させ。美しいアルプスの山々をうねる様に進んで行く神秘的な霧の映像を折り込みながら、女優とゆう立場と秘書としての立場。それぞれの胸の内に去来する揺れ動きを反映させ、作品の内容と同様の多重性を持たせている。 ジュリエット・ビノシェとクリステン・スチュワートの火花が飛び散る。刺激に満ちた2時間を堪能させて貰いました。 (2015年10月28月日/ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1)
  • mii
    3.3
    過去鑑賞 記録
  • sidekick
    -
    ●記録
  • いやよセブン
    3
    大スター(ジュリエット・ビノシュ)と個人秘書(クリステン・スチュワート)のもとに、20年前に演じた芝居の年配役の依頼が来る。 自分が演じた若い方は、売り出し中の人気女優(クロエ・グレース・モレッツ)がやる。 見かけの変化と心の変化を女優はどのように克服するのか。
アクトレス 女たちの舞台
のレビュー(3268件)