【公開50周年】キネマ旬報5月号にて『新幹線大爆破』を大特集!リバイバル上映が決定した本作の魅力を解説

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1919年創刊、世界で最も歴史ある映画専門誌「キネマ旬報」5月号で『新幹線大爆破』を大特集。映画ライター兼編集者の岡本敦史(おかもと・あつし)氏がその魅力をつづった本誌の一部を、FILMAGAにてご紹介。

公開50周年を記念して、5月9日(金)より2週間限定でリバイバル上映が決定した日本映画史に残る傑作サスペンス『新幹線大爆破』(1975)。

リバイバル上映情報はこちらから。

『新幹線大爆破』(1975)あらすじ

あらすじ:乗客を乗せ、定刻通り東京駅を発ったひかり109号。だが列車が相模原に到達した時、国鉄本社公安本部に1本の電話がかかってくる。男によると、109号には爆弾が仕掛けられ、80km以下になると爆発するという。さらに犯人は500万ドルという膨大な金を要求し……。

〝75年の超特急〟をダイジェストする!

文=岡本敦史(おかもと・あつし)

絶対に観ておくべき作品だ。

1975年に公開された佐藤純彌監督による東映映画『新幹線大爆破』(以下、75年版)のことである。本誌読者のような気合の入った映画ファンには言うまでもないことだが、「とにかく無類に面白い」「犯人役の高倉健がカッコいい」「日本映画史上でも稀有な娯楽大作」といった直球の理由がこれまで一般的であった。そこに今回、「Netflix映画『新幹線大爆破』を観る前に必ず予習しておくべき」という巨大な動機が新たに加わってしまった。

リメイクではなく、リブートを謳った樋口真嗣監督のNetflix映画版(以下、リブート版)は、大胆なアレンジによる再構築を行いながらも、75年版への愛情とリスペクトに溢れ、そのエッセンスを随所に取り入れている。いわば「どこまで違っているようで、実はどこまで踏襲しているのか」を味わい尽くせる作品になっているのだ。ここでは、そんなリブート版を楽しむためのポイントも含め、改めて75年版の見どころを振り返っていきたい。

冒頭に凝縮された鉄道映画の魅力

映画は北海道・夕張から幕を開ける。夜明け前の操車場で、時限爆弾を貨物車両に仕掛ける男・古賀(山本圭)。明け方に彼から電話を受け取るのが、高倉健演じる犯人グループの主犯・沖田だ。

75年版は、映画の約半分が犯人側の描写に費やされている。この大胆な構成が、独特の哀愁、敗残者への共感、そして東映らしい反権力精神を作品にもたらした。

そして、場面は朝の東京駅へ。この導入部こそリブート版と見比べてほしいので、少し長くなるが細かく説明したい。

東京発・博多行きの新幹線「ひかり109号」がホームで待機している。いまはなき初代新幹線0系電車だ。運転席に座るのは、青木(千葉真一)と森本(小林稔侍)のコンビ。清掃員は駅階段横にある搬入口を通って、開扉前の車両に出入りする……。一般人にはなかなか見られないローアングルの視点は、鉄道ファンにはたまらないご馳走である。そのなかに犯人グループの1人、大城(織田あきら)が紛れ込んでいた。ここで彼が新幹線に爆弾を取り付けたことが、のちに判明する。

ドアが開き、乗客が続々と乗り込む。青木運転士は全車両の運行をコントロールする総合指令所に定時発車の連絡を入れる。総合指令所のシーンは東映東京撮影所に作られたセットで撮影された。ここで、指令所を司るCTC(列車集中制御装置)、ATC(自動列車ブレーキシステム)などの解説とともに、映画のもうひとりの主役、倉持指令長(宇津井健)が登場する。

そして、列車が予定どおり東京駅を出発したころ、犯人から国鉄本社に脅迫電話が入る。「ひかり109号に爆弾を仕掛けた」「爆弾は時速80キロメートル以下になると 自動的に爆発する」……。倉持指令長は、青木運転士に「絶対に止まるな!」と指示。文字どおりのノンストップ・サスペンスが幕を開ける。

ちなみに再録座談会(「キネマ旬報」本誌に掲載)でも触れられているとおり、国鉄(現JRグループ)は本作の撮影に一切の協力を拒否。そのため新幹線の撮影にはセット・ミニチュア模型・隠し撮りなど、ありとあらゆる手法が駆使された。なお、リブート版は意外にも(?)JR東日本の協力を得て製作されている。その違いがもたらしたものは、両作を見比べれば明白にわかる。

—–続きは本誌にてご覧いただけます—–

キネマ旬報公式オンラインショップ、もしくはAmazonからご購入いただけます。

その他 本誌目次:

▪️さりげなく描かれる新旧鉄道システムの対比
▪️最初の危機は浜松駅
▪️犯人と乗客、揺らぎ続ける共感
▪️爆弾は爆発させてこそ意味がある
▪️国鉄の協力拒否が実現させた余韻

ライター:岡本敦史(おかもと・あつし)

映画ライター/編集者。主な参加作品に『塚本晋也「野火」全記録』『パラサイト 半地下の家族 公式完全読本』など

「キネマ旬報」

1919年創刊、世界で最も歴史ある映画専門誌。

2025年5月号:
「新幹線大爆破」大特集!草彅剛主演の新作に加え、50年前の名作も当時の記事から振り返る。ほか、映画本大賞発表、アカデミー賞座談会など。

ご購入先:
キネマ旬報公式オンラインショップ、もしくはAmazonからご購入いただけます。

『新幹線大爆破』公開情報


(C)東映

映画『新幹線大爆破』(1975)
公開日:2025年5月9日(金)より2週間限定
公開劇場:全国58館(追加上映劇場は決まりしだい追記致します)
料金:1,600円均一(各種サービスデーや他の割引サービスはご利用いただけません)
※公開劇場は順次追加予定。公式X(@Filmarks_ticket)でお知らせいたします。
※劇場により、上映日・上映期間が異なります。
※上映劇場・期間が変更になる場合がございます
※チケット販売は、各劇場にて行います
※プレミアムシートなどにより料金が異なる場合がございます

提供:東映
配給:Filmarks

※2025年4月16日時点での情報です。

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