映画「ナイトミュージアム」シリーズは、夜になると展示物が動きだす不思議な博物館を舞台に、そこで働く夜間警備のラリーと展示物のドタバタ劇を描いたファンタジー・コメディ。
原作は絵本ですが、そこに失業中の冴えない中年男性のドラマを織り込んだことにより、子供だけでなく大人も楽しめる作品となった。
博物館の展示が動き出したら……。そんな誰もが一度は考える夢のある内容が、個性溢れるたくさんの博物館の展示物と共に展開される。今回はそんな「ナイト・ミュージアム」シリーズを公開順に並べてご紹介。
『ナイト ミュージアム』(2006)
失業中のラリーは、自然史博物館の夜警の職を得る。しかしその博物館は夜になると展示物が生命を宿らせ動き出す不思議な博物館だった。ラリーはティラノサウルスの骨格に追いかけられたり、古代ローマ兵士から攻撃を受けたりとパニック状態。仕事を辞めたくても辞められないラリーは、博物館での対策を練って仕事に戻る。仕事にも慣れてきてだんだんと博物館の秘密を知るラリーだったが、次第にある陰謀に巻き込まれていく……。
『ピンクパンサー』などを手がけたショーン・レヴィが監督を務めた。ティラノサウルスに追いかけられたりと迫力のあるシーンもあるが、ラリー役を務めたベン・スティラーの演技がコミカルで子供も大人も楽しめるファンタジー・コメディとなっている。ルーズベルト大統領の蝋人形役のロビン・ウィリアムズもいい味を出している。
『ナイト ミュージアム2』(2009)
前作の騒動から2年。ラリーが夜警を務めた博物館の展示物は、殆どスミソニアン博物館の倉庫に移されることになった。しかし、あらゆる物に生命を吹き込む魔法の石版も一緒に移され、スミソニアン博物館の展示物も動き出し、大騒動となる。危険を察知したラリーは、急いでスミソニアン博物館へ向かうが、すでに博物館では時空を超えた戦いが始まっていた。
今回はナポレオンやアインシュタインなど歴史上の人物が多く登場し、前作よりもスケールアップ。一人一人が個性的で常にドタバタ劇が展開され飽きない。中でもエイミー・アダムスが演じた女性初のパイロット、アメリア・イアハートは魅力的で、仲間を助けるためラリーと協力し合う。
『ナイト ミュージアム エジプト王の秘密』(2014)
あらゆる物に生命を吹き込むエジプト王の石版の魔力が失われつつあることを知ったラリーは、エジプト王に会って石板の謎を探るため、ロンドンの大英博物館へ向かう。しかしそこで予想外の事態が起こり、石板が奪われてしまう。石板を追ってロンドン市街に飛び出すが、街の展示物も動き出し、ロンドン中が大パニック。果たして石板の力を元に戻すことはできるのか。
シリーズ完結編。お馴染みの展示物たちとの別れも描かれ、シリーズを通してきた見たきた人はラリーと展示物達の友情に感動する。シリーズを通してラリーに寄り添ったセオドア・ルーズベルトの蝋人形を演じたロビン・ウィリアムズの遺作となった。
【文・タナカリオ】
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※記事内の情報は2020年3月6日時点のものです。