007シリーズの最新作『007 スペクター』が12月4日より公開されています。
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タイトルにあるスペクターと言う言葉に、古い映画ファンの中にはにやりとされた方がいるかもしれません。スペクターとは初期の『007』において何度もジェームズ・ボンドと戦いを繰り広げてきた国際犯罪組織です。
シリーズにおいて大きな存在でありながら、映画においていままで多くは語られてこなかった謎の組織が、今作ではその組織名をタイトルに冠し、満を持してその全貌を明らかにしようとしております。
今回は「スペクターとは何か?」を解説していきましょう。
スペクターとはどんな組織なのか?
スペクターは英語ではSPECTREと表記し、“Special Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortion”を略したものです。訳すと「対敵情報、テロ、復讐、強要のための特別機関」という意味になります。
大規模な国際テロや犯罪を陰から糸をひく存在で、作品としては第1作の『007 ドクター・ノオ』で登場し、2作目『007 ロシアより愛をこめて』、4作目『007 サンダーボール作戦』に5作目『007は二度死ぬ』、6作目『女王陛下の007』、7作目『007 ダイヤモンドは永遠に』、そして12作目『007 ユア・アイズ・オンリー』に登場し、ジェームズ・ボンドと激しい戦いを何度も繰り広げました。
初期の007シリーズはジェームズ・ボンドとスペクターとの戦いを描いたものだといっても過言ではないでしょう。
スペクターの首領は誰か?
このスペクターの首領はエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドという男で、本名はフランツ・オーベルハウザー。初期作品ではスキンヘッドで、白いペルシャ猫を腕に抱いているのがトレードマークでした。『オースティン・パワーズ』のDr.イーブルでキャラクターがパロディ化されています。
ブロフェルドは原作者のイアン・フレミングが小説『サンダーボール作戦』でその前半生を描いている以外、映画においては一切過去が明らかにされていない謎の男です。
今回、『イングロリアス・バスターズ』や『ジャンゴ 繋がれざる者』での名演技で映画ファンの心を捉えて離さないクリストフ・ヴァルツがブロフェルドを演じており、今作ではじめて、ブロフェルドの人物像がはっきり提示されるのではと期待されています。
著作権問題で長らく眠っていた怪物
初期シリーズより何度も登場したスペクターとその首領であるブロフェルド。しかし、ある時を境に007シリーズからその存在は消えてしまいます。それは、『007 サンダーボール作戦』の映画製作時に原作者イアン・フレミングの共同執筆者であるケビン・マクローリーが起こした、スペクターとブロフェルドの使用権をめぐる訴訟が原因です。
2006年、マクローリーの死去により、彼の遺族と製作サイドのイオン・プロダクションが和解交渉を行い、マクローリーの遺産はイオン・プロダクションの管理下に入ることになりました。これにより、スペクターとブロフェルドは再びスクリーンに返り咲くこととなったのです。
30年ぶりの復帰
最後にスペクターの名前が登場したのが1981年公開の12作目『007 ユア・アイズ・オンリー』であることから、今回、スペクターが登場するのは実に34年ぶりとなります。
映画史における悪役アイコンのひとつでもある存在の劇的な復帰作、是非劇場でご覧になってはいかがでしょうか?
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