【鑑賞前に予習しよう】『007 スペクター』のスペクターって何?

映画はいつだって人生の鏡像だ

鈴清

007シリーズの最新作『007 スペクター』が12月4日より公開されています。

記事004_スペクター01

(C) 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc. All rights reserved.

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

 

タイトルにあるスペクターと言う言葉に、古い映画ファンの中にはにやりとされた方がいるかもしれません。スペクターとは初期の『007』において何度もジェームズ・ボンドと戦いを繰り広げてきた国際犯罪組織です。

シリーズにおいて大きな存在でありながら、映画においていままで多くは語られてこなかった謎の組織が、今作ではその組織名をタイトルに冠し、満を持してその全貌を明らかにしようとしております。

今回は「スペクターとは何か?」を解説していきましょう。

スペクターとはどんな組織なのか?

スペクターは英語ではSPECTREと表記し、“Special Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortion”を略したものです。訳すと「対敵情報、テロ、復讐、強要のための特別機関」という意味になります。

大規模な国際テロや犯罪を陰から糸をひく存在で、作品としては第1作の『007 ドクター・ノオ』で登場し、2作目『007 ロシアより愛をこめて』、4作目『007 サンダーボール作戦』に5作目『007は二度死ぬ』、6作目『女王陛下の007』、7作目『007 ダイヤモンドは永遠に』、そして12作目『007 ユア・アイズ・オンリー』に登場し、ジェームズ・ボンドと激しい戦いを何度も繰り広げました。

初期の007シリーズはジェームズ・ボンドとスペクターとの戦いを描いたものだといっても過言ではないでしょう。

スペクターの首領は誰か?

このスペクターの首領はエルンスト・スタヴロ・ブロフェルドという男で、本名はフランツ・オーベルハウザー。初期作品ではスキンヘッドで、白いペルシャ猫を腕に抱いているのがトレードマークでした。『オースティン・パワーズ』のDr.イーブルでキャラクターがパロディ化されています。

ブロフェルドは原作者のイアン・フレミングが小説『サンダーボール作戦』でその前半生を描いている以外、映画においては一切過去が明らかにされていない謎の男です。

今回、『イングロリアス・バスターズ』や『ジャンゴ 繋がれざる者』での名演技で映画ファンの心を捉えて離さないクリストフ・ヴァルツがブロフェルドを演じており、今作ではじめて、ブロフェルドの人物像がはっきり提示されるのではと期待されています。

著作権問題で長らく眠っていた怪物

初期シリーズより何度も登場したスペクターとその首領であるブロフェルド。しかし、ある時を境に007シリーズからその存在は消えてしまいます。それは、『007 サンダーボール作戦』の映画製作時に原作者イアン・フレミングの共同執筆者であるケビン・マクローリーが起こした、スペクターとブロフェルドの使用権をめぐる訴訟が原因です。

2006年、マクローリーの死去により、彼の遺族と製作サイドのイオン・プロダクションが和解交渉を行い、マクローリーの遺産はイオン・プロダクションの管理下に入ることになりました。これにより、スペクターとブロフェルドは再びスクリーンに返り咲くこととなったのです。

30年ぶりの復帰

最後にスペクターの名前が登場したのが1981年公開の12作目『007 ユア・アイズ・オンリー』であることから、今回、スペクターが登場するのは実に34年ぶりとなります。

映画史における悪役アイコンのひとつでもある存在の劇的な復帰作、是非劇場でご覧になってはいかがでしょうか?

Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】

※2021年11月26日時点のVOD配信情報です。

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS

  • しばたま
    3.7
    見たけど感想忘れてたやーつ。 レアセドゥ美しいなあとか、列車のシーンスリルあるなあとか、悪役感あるなあとか、その程度は覚えてるけど、心揺さぶられるシーンがそんなになかった印象。 スペクターの暗闇の中の会議は雰囲気あってよかった。 やっぱシリーズもののアクションは、ハマるものとハマらないものがあるなあ。
  • ちゃんたけ
    4
    前作スカイフォールのレビューで、新生MI6の今後の活躍を大いに期待!と書いたが、いざ蓋を開けてみたら瀕死の状態だった。おい、頼むよ笑 前作があまりにも出来過ぎだったためやむを得ないが、今作は少し物足りないのが率直な感想。 それでも見所を挙げるなら、ボンドガールのマドレーヌだろうか。やはり、ボンドには強い女がよく似合う。知性だけでなく、運命に怯まず果敢に立ち向かう勇気も兼ね備えている。そんなマドレーヌはボンドのパートナーとして最高だった。 スペクターのボスを仕留めずに、マドレーヌと一緒になる事を選ぶあたり、これまでのボンドらしく無い。マドレーヌと車でどこかへ走り去るラストも、ボンドの将来に一抹の不安を感じさせる終わり方だった。ダニエル・クレイグのボンドが終わりに近づいている。
  • ありお
    -
  • れおレオrun
    4.5
    記録
  • shimakan
    4
    『ノー・タイム・トゥ・ダイ』リバイバル復習 序盤のパーティーシーンから没入感が凄い。相変わらずOPクレジットの選曲と映像センス抜群。アクションもかなりスタイリッシュで特に中盤の電車内での格闘劇はリアリティが追求されており、ひとつひとつの打撃音が鮮明に聞こえた。ダニエル・クレイグの受け身が見れたのも貴重。ラストのくだりは観てて心を掴まれたし、締め方も綺麗。個人的にガジェットが好みで車の後ろから火炎放射器が出てくるのが良かった。
007 スペクター
のレビュー(75321件)