【オチから始まる前代未聞の逆再生映画】リメイク決定『メメント』の魅力に迫る!

2015.11.30
映画

邦画・洋画、ジャンルを問わない映画好き

いと

先日、ダークナイト3部作やインターステラーなどで知られる映画監督クリストファー・ノーランが今の地位を手に入れるきっかけとなった作品である『メメント』がリメイクされることが発表されました。

メメント

『メメント』は大大大好きな映画で、本格的に映画にハマるきっかけを与えてくれた映画の1つでもあり、それだけに今回のリメイクの決定は楽しみでもあり同時に不安でもあります。

しかし、そんな思いは取り敢えず置いておき、今回は映画『メメント』を見ていない人向けにこの映画の「どこが面白いのか」を詳しく紹介していきたいと思います!!

物語がオチから始まる、前代未聞の逆再生映画

強盗に妻を殺され、自身も頭部を殴られ記憶を10分しか維持できない障害が残ったレナードは復讐のため重要な事は身体に刺青として刻み、人や物はカメラで撮ることで記憶を失いながらも犯人を探していた。

そしてついに、自分が残した情報をもとに容疑者を特定したレナードはそのままその容疑者を射殺する……。

この作品の最大の特徴は逆再生容疑者の射殺という衝撃的なシーンから始まり、「何故レナードがその結論に達したのか?」という起承転結を物語の結のシーンから遡りながら追いかけていきます。

「奇抜な作品をやりたかっただけ」ともとられかねないこの手法で『メメント』が長く映画好きに愛されてきた理由はその完成度の高さです。

1つの物語を後ろから再生しているにも関わらず、次々と謎は増え、そして物語の始点に達するとしっかりとオチがつく。つまり起承転結を結から再生しているにも関わらずそこでまた起承転結が生まれているという練りに練られた物語になっています。

突然レナードが人を監禁していたり、突然銃を発砲してくる男に追われたり、と10分しか記憶を保てない主人公と同様に、10分程度のシーンごとに遡って再生しているため映画を見ている人もレナードのように混乱し、より一層映画の世界に入り込むことが出来る不思議な作品です。

レナードと鑑賞者を惑わす怪しげな登場人物

実はこの映画、登場人物が非常に少ないです。

重要人物は主人公のレナード、犯人の情報を調査したナタリー、そして物語冒頭で射殺されるテディのほぼ3人だけで物語が進みますが、その分ひとりひとりの濃さが尋常ではありません。

まず映画冒頭付近にてレナードに犯人に直結する情報を与えるナタリーですが、演じているのは『マトリックス』シリーズでヒロインのトリニティーを演じたキャリー=アン・モス

主人公に同情を示し、協力をしてくれるナタリー。一体この人物は誰で何者なのか、本当に仲間だったのか、本当に犯人の情報は正しい情報だったのか、どちらとも取れるキャリー=アン・モスの演技が謎を深めていきます。

そして、なんと言ってもこの映画の最重要人物テディ。演じたのはキャリー=アン・モス同様『マトリックス』で印象的な裏切り者を演じたジョー・パントリアーノ

冒頭で射殺されるこの人物はレナードにやけに熱心に忠告や助言を繰り返す親切な男。射殺される寸前に放った言葉の意味も含め、何故テディが主人公にまとわりつくのかがこの映画の最大のキーポイントとなります。

以上のように濃く怪しい登場人物2人が、10分しか記憶を保てないレナードに絡みつき謎を深めて行くのです。

DVDで繰り返し見たくなる、物語の理解を手助けする特典

ここまでで説明したように、この映画は人間関係が非常に話が複雑です。逆再生という時間軸の逆行も物語を難解にしているため「理解できなかった……」となる方もいるかもしれません。

しかし、そんな方のためにDVDには逆転した時間軸を元に戻した状態で再生できる特典がついています。

この特典を鑑賞すれば逆転した状態では気がつけなかったような細かな伏線にも気がつくことが出来るかも知れません。

一度だけでなく複数回見ることで新たな発見をすることが出来、1年に1回見たくなる、そんな映画なのです!

リメイクを企画したAMBIピクチャーズってどんなところ?

今回『メメント』のリメイク権を取得し、実際にプロデュースするのはルクセンブルクを拠点とするAMBIピクチャーズ

ここ数年で『ドニー・ダーコ』『甘い生活』『ラッシュ/プライドと友情』など数多くの映画の続編またはリメイク権を取得したAMBIピクチャーズは、俳優でもあり監督でもあるジェームズ・フランコの本格的な監督作に出資するなど意欲的な作品を企画する映画製作会社。『メメント』のリメイクにも原作に恥じない作品にすると意欲的です。

ファンの間では不安視されるリメイク版『メメント』ですが、個人的にはどちらにせよ早く見たい!そんな気持ちでいっぱいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。2001年の最高傑作とも言われるこの作品を1人でも多くの方に、知って頂くことが出来たら幸いです。

しかし、『メメント』の魅力、その全てを伝えきれたとは思っていません。ぜひともこの機会に『メメント』をまだ見たことがない人は鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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  • シバ一郎
    2.6
    記憶は記録、ではないんだよねー。 うんうん、 こわいよー。 過去が怖い。 他人から見た自分が怖い。 記憶の断片を追う様な構成が、これは…あの後か、これはあの前だなって、パズルみたいでおもしろい。
  • 3.9
    すごい、つながった。 しかも繋げ方が綺麗!! 記憶喪失も怖いけど、 思い込みはもっと怖いね。
  • Taki
    4.1
    面白かったです。話が過去に遡る形で進んで行くので、ちょっと複雑に感じますが、考えながら観ないと分からないので、目が離せませんでした。ストーリーもなかなか良かったです。
  • ちろる
    4.0
    そういう事かのまさかの時系列。 10分しか記憶を保てないレナードが身体中に増えていくin factのタトゥーを確認しながら本人が思っている以上に復讐の鬼となるレナードに巻き込まれて彼そのものの人格の見え方も靄がかかってくる。 レナードの視点のままにテディやナタリーの怪しい協力に操られるようにして、妻の死という記憶に閉じ込められたレナードは毎日のように真実を知ろうと動き回り、同じシーンが繰り返されたり、途方も無いパズルのピースのようになかなかはまらない。 映画なのにこんなにまで見えている映像より登場人物たちの台詞や小さな視線の動きに集中して観たのは初めてだ。 記憶障害であるレナードの見える世界からすれば、はじめも終わりも中間のように出来事も無意味であり、最初が最後でも途中が最初でもなんだってありなんだよね。 以下ネタバレあり。 ↓↓ 彼の探る謎の男ジョンGの存在と、彼のはっきりとした記憶の中に残る彼の保険屋時代のクライアントであるサミーの存在が大きな軸となっていくけど、彼らが実在するのかしないのかさえ私たち観客は騙されているわけですっかりとレナードの「曖昧な視点」に騙されてしまった。 人間とは本当に不完全なもので、レナードのような障害があるかないかに関わらずどうしようもない辛い出来事を自分の都合の良い風に書き換える事が実際にあるのだと思う。 しかもそれを語れば語るほどだんだんと揺るぎない真実のようにインプットされてしまうのだろう。 切ないけど、レナードの先を思うとなんだか身震いもする不思議な後味の作品でした。
  • bk80
    4.0
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「メメント」
のレビュー(44021件)